知事からのメッセージ 平成23年7月
ID番号 N14499 更新日 平成26年1月16日
平成23年7月26日
本日、「東日本大震災津波の災害対応に係る自衛隊への感謝式」を県庁前広場で行いました。
発災以降、今日で138日間、本県における人命救助や被災者への生活支援活動等の災害対応にご尽力いただきました自衛隊の皆さんに対し、岩手県を代表し心よりお礼を申し上げました。
思い起こせば、3月11日に発生しました東日本大震災津波は、マグニチュード9.0という超巨大地震とその地震によって発生した史上最大級の大津波でした。本県の沿岸市町村では町や村が破壊され、多くの尊い命が失われました。岩手全体でライフラインや通信が途絶し、暗やみの中で県民は不安と恐怖におののきました。
そのような中、すぐに現地へ出動してくださった自衛隊の皆さまは、雪の降りしきる過酷な状況の下での人命救助や行方不明の捜索、交通網が寸断された中での物資輸送活動、道路啓開をはじめとした応急復旧活動など、発災直後から住民の命、安全を守るという崇高な使命を果たすため、自らの危険を顧みることなく、その任務を果たしてこられたことに、心から敬意を表します。
また、県内各地の避難所の炊き出し、給水・入浴支援、そして、「お話伺い隊」の傾聴支援活動など、きめ細やかな避難者支援においても多大なるご協力、ご尽力を賜りました。
今回の災害は、自衛隊の支援活動なくしては対応不可能でした。その活動に多くの県民が深い感謝と尊敬の念を抱いています。
かつてない大災害に際し、かつてない自衛隊の支援を受け、私たち岩手県民はかつてない困難を克服しようとしています。県では、今、「人命が失われるような津波災害は今回で終わりにする」という決意のもと、大災害の苦しみと悲しみを乗り越え、「安全に、暮らし、働くことができる地域社会」を取り戻すべく、『岩手県東日本大震災津波復興計画』を策定中であり、復興に向け、前進していきます。
自衛隊の皆さん、私たち岩手県民は自衛隊の皆さんの4ヶ月間にわたる献身的な活動を決して忘れません。本当にありがとうございました。
平成23年7月25日
7月21日、被災地の復興に取り組んでいる方々との意見交換会を久慈駅前の「もぐらんぴあ まちなか水族館」で行いました。同所は東日本大震災津波で壊滅状態になり存続が危ぶまれていた「もぐらんぴあ」が、8月5日久慈市中心部に移転し「まちなか水族館」として再出発することが予定されており、久慈エリアの観光の重要拠点としての役割が期待され、現在開業に向けて急ピッチで準備が進められていました。
意見交換会には、同まちなか水族館の運営受託者である宇部修(うべおさむ)さんのほか、ボランティアで製材所等から流出散乱した木材や製材品の収集・片づけを行っている大粒来仁孝(おおつぶらいきみのり)さん、野田村で浸水被害を受けた産直「スマイル」の再開や被災者のための移動産直販売を手掛けている外舘ミツエ(とだてみつえ)さん、漁具、漁船、加工場の全てが流出した久慈市玉の脇漁港において「二子朝市」をいち早く再開した中平武雄(なかたいらたけお)さんの4名が出席され、震災からの復旧復興に向けた活発な意見交換が行われました。皆さんの復興にかける熱い思いをお伺いし、私もそれらをしっかりと受け止め、これからも被災者本位の復旧、復興に取り組んでいきます。
平成23年7月25日
同日(7月21日)、東日本大震災津波で大きな被害を受けた岩泉町小本地区を訪問し、伊達(だて)岩泉町長より現在町で検討している同地区の復興計画について現地で説明をいただきました。同町が考えるまちづくりのプランについて、計画図面と現場を比較しながらお伺いしましたが、県としても同町が策定する復興計画を全面的に支援していきます。併せて、同地区にある「がれき」の仮置き場を見学しました。岩泉町では「がれき」置き場が不足している隣の宮古市の「がれき」の一部を受け入れており、被災地が被災地を助けるという同町の互助の精神に基づくご英断に感謝を申し上げました。
平成23年7月25日
同日(7月21日)、田野畑村内の応急仮設住宅(アズビィ仮設駐車場内42戸)を視察しました。同住宅には、木のぬくもりが感じられる木製の外壁が施されており入居されている方々にも好評のようでした。入居者の方々とお話ししましたが、不便な仮設住宅暮らしの中にあっても生活の再建に向けた強い志(こころざし)を伺って参りました。また、玄関先にはボランティアから提供されたトマトの苗などが設置されるなど、被災されている方々のストレスが軽減するような取組も行われていました。応急仮設住宅での生活が一層改善されるよう、これからもしっかり取り組んでいきます。
平成23年7月25日
同日(7月21日)、津波で施設の大部分が流出し、現在復旧作業に取り組んでいる、下安家(しもあっか)漁業協同組合の「さけ・ますふ化場」を視察しました。同ふ化場は県北地域の中核的なさけ・ますふ化場で、さけ稚魚の放流数は4,180万尾(平成22年度実績)に上ります。今後の水産業復興に不可欠なさけ資源を維持するため、震災直後から組合員が総出でふ化場の復旧工事に取り組んでいます。関係者は秋のさけ漁に向けて、さけの捕獲、採卵、飼育業務を再開できるよう不眠不休でがんばっており、県としても施設整備のための財政支援など、全力で支援していきます。
平成23年7月20日
7月19日、宮城県庁において、宮城県知事とともにトヨタ自動車株式会社の豊田章男(とよだあきお)社長と懇談いたしました。
豊田社長より「岩手県で小型ハイブリッド車(HV)の生産を決定したこと。(東北地域を)国内生産の第3の拠点として、東北を力あるものにしていきたい。そのためにも東北6県の支援をお願いしたい」とのお話がありました。私からは「今回の決定は、東北に対する同社の強い思いと迫力を感じたこと。東北でのHV生産が現実になったことで、東北の産学官で構成する『とうほく自動車産業集積連携会議(代表幹事:岩手県知事)』の中長期ビジョンをさらに高度化させ、同社と連携しながら、東北一丸となってしっかり応えていきたい」ことをお伝えしました。
今回の同社のご英断は、宮城県でのHV車のエンジン生産と合わせ、東北地方の自動車産業集積が一層加速するものであり、東北地域の復興に向けて大きな成長エンジンが生まれたものと感じており、地元としてしっかりと対応していきます。
平成23年7月20日
7月12日から秋田市で開催された全国知事会議に出席しました。同会議に先立ち、震災から4カ月を迎えた11日、「東日本大震災からの東北の復興に向けて」と題したシンポジウムが開催され、私も宮城、福島の知事とともにパネリストとして参加しました。
シンポジウムは全国の都道府県知事が聴講し、私から本県の被災状況についてご説明するとともに、パネラーの一人として次のようなお話をしました。
「今回の震災では、現場力のすごさが如実に表れた。陸前高田市や大槌町ではたくさんの職員が津波で亡くなられ、これらの市町村の行政機能を回復するため全国の都道府県や市町村から応援に来て頂いているが、こうした大規模な自治体連携は今までみられなかったこと。一方、ガソリン不足の問題では、複数省庁にまたがる政府の調整力及び指導力が決定的に不足していたと感じた。復興を進めるうえで重要なことは、とにかく地域資源をフルに活用していくことと考えている。なかでも、今般、平泉に「世界遺産」という新しい光が当たったことから、今までと違う角度(視点)で東北復興のシンボルにしていきたい」と発言しました。
翌日の全国知事会議では、会議の冒頭、時間をいただき、各都道府県の知事に対して、今回の震災に対する全国からの物心両面にわたる手厚いご支援に御礼を申し上げました。たくさんの義援金や支援物資の提供、長期間にわたる各専門分野の職員派遣や被災者の受け入れなど、全国からこれまで本当に多くのご支援をいただいており、会議の合間などに各県の知事に個別に感謝の気持ちをお伝えいたしました。被災者お一人お一人に寄り添った復興をしっかりと成し遂げていくことが、国内外からのご支援に応えることだと思い、これからもしっかり取り組んでいきます。
平成23年7月8日平泉世界遺産フランス・パリ出張報告(その1)
6月26日未明(日本時間)、フランス・パリにあるユネスコ本部の世界遺産委員会において、「平泉の文化遺産」の世界遺産登録が決定しました。審査では、委員から「3年前の登録延期からよく短期間で申請できるようまとめてきた」との関係者に対するねぎらいの発言があるなど、全体的に好意的なコメントが相次ぎました。登録決定のアナウンスがあると、会場全体がお祝いの拍手に包まれ、私はじめ日本政府代表部席にいたメンバーはお互いに登録の喜びを分かち合いました。木曽功(きそいさお)ユネスコ日本政府代表部特命全権大使のスピーチに続き、私より地元代表として英語で御礼のスピーチをさせていただきました。
3月11日の大震災で未曾有の被害を受けた地域の知事として、また東北の人々を代表して、私たちに頂いた世界中の皆様の暖かい同情のお気持ちとたくさんのご支援に対する感謝の気持ちを、そして、今回の登録が、平泉の建設の理念に立ち返りながら、震災からの復興というとてつもない任務に直面している私たちに対し、大きな勇気を与えてくれたことをお伝えしました。スピーチが終了すると周りにいた他の加盟国の皆さんから握手攻めに会いました。平泉の登録は、岩手だけでなく東北地域全体に大きな希望を与えてくれました。今回の登録で私たちが感じた喜びと世界中の皆様への感謝の念を必ず将来の世代に受け継いでいき、しっかりと平泉の遺産を保全していきます。
平成23年7月8日平泉世界遺産フランス・パリ出張報告(その2)
6月23日、フランス政府の内務省民間防衛隊を訪問しました。フランス政府は東日本大震災津波の発災後すぐに東北各県に緊急援助隊を派遣するなど人道的な支援をいただいていたことから、私からキール(KIHL)民間防衛局長に対し、フランス政府による日本国への支援について感謝を申し上げました。
キール局長のご説明によると、民間防衛隊は1962年の創設で隊員は約1,500名、現地のインフラが完全に破壊されたような大規模災害、科学・放射能汚染等を伴う環境下でも救命活動を自律的に遂行できる能力装備を有しているそうです。また同隊は内務大臣指揮下の組織ではあるが、訓練・人事等は仏軍の形式に準じて行われているなど、フランス独自の組織とのこと。日本の消防庁と異なり、国レベルで軍以外にそのような非常時の組織(装備)を保有する体制に大変興味を覚えました。
訪れた場所はセキュリティの大変厳しい施設でしたが、被災地から訪問した私たちのために同隊のオペレーションルームなども特別に見学させていただきました。
平成23年7月8日平泉世界遺産フランス・パリ出張報告(その3)
フランスでは岩手の南部鉄器が大人気なのは皆さんご存知ですか?その人気を確かめるため、パリ滞在中に市内の茶葉専門店など5店舗を訪問しました。これらのお店ではどこも南部鉄器のカラフルな急須が店内で販売あるいは使用されており、パリでの県産品との出会いに嬉しさと誇らしさを感じました。それぞれのお店のオーナーや店長とお話ししたのですが、皆さん、南部鉄器のすばらしさについて熱く語ってくださり、南部鉄器がフランス人の暮らしへのこだわりに応える製品であることが感じられました。
特に南部鉄器の鋳物としての質感がフランスではとても人気があるとのことで、東京銀座にも支店がある「マリアージュ・フレール」では、壁一面に南部鉄器の急須が並び、フランスの消費者ニーズに合わせてアレンジされたデザインや色がフランスの風景に溶け込んでいました。また、「ブレット・アンド・ローズ」という高級食品店(デリ)では、店内のカフェでお茶をオーダーすると、一人ひとりに円形の瓶敷(これも南部鉄器)に乗せた、南部鉄器の急須が供されており、南部鉄器をティーポッドとして使用していました。
南部鉄器の魅力をいち早く海外に紹介し、それぞれの国の消費者ニーズに対応した製品を開発、マーケティングを行ってきた県内企業の皆さんの長年のご努力に敬意を表するとともに、これからも先頭に立って県産品の魅力を海外に伝えていきます。
平成23年7月8日平泉世界遺産フランス・パリ出張報告(その4)
平泉の世界遺産登録が決定した翌日(6月26日)、パリから特急電車で約3時間の距離にあるスイス(ジュネーブ)・フランス国境に位置する国際研究所「CERN(セルン)」を訪問しました。この施設は素粒子の基本法則や現象について大型加速器を用いて探求する国際研究施設で、年間66カ国から約1万人の研究者が研究のため訪れています。
同研究所で研究を続けている東京大学素粒子物理センターの川本辰男(かわもとたつお)准教授のご案内により、LHC(ロング・ハドロン・コライダー)とよばれる大型加速器施設や、研究者が頻繁に利用する管理棟を見学しました。管理棟には海外から来た研究者がワンストップで各種諸手続を行うことができる「ユーズザースオフィス」と呼ばれる窓口があるほか、銀行、旅行会社、売店などが入居し、海外研究者が生活上の負担を軽減し研究に没頭できるような環境が整備されていました。
我々も管理棟1階にあるカフェテリアで昼食をとりましたが、訪れた時も世界各国の研究者がテラスでランチをとっており、国際研究所らしい風景にしばし見とれてしまいました。今回の訪問では、東北地域が一体となって取り組んでいるILC・国際リニアコライダー計画の推進のための必要条件である国際科学研究都市の整備に向けて大きなヒントを得ることができました。
平成23年7月8日平泉世界遺産フランス・パリ出張報告(その5)
世界遺産委員会の登録審議の合間を縫って、パリ市内で開催された「平泉写真展(パリ日本文化会館)のオープニングセレモニー」と「日本酒試飲会(在仏日本 大使館)」に出席し、地元代表としてスピーチをしました。写真展では平泉の魅力について来場したパリの皆さんにご紹介することができたほか、日本酒試飲会 には南部美人さん(二戸市)が出品していたことから、ともにフランスの皆さんに岩手の日本酒の美味しさをPRいたしました。
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