令和3年8月27日知事会見記録

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開催日時

令和3年8月27日10時00分から11時00分

会見記録

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に知事から発表があります。それでは、知事お願いします。

知事
 「いわて暮らしアンバサダー」の新設についてです。移住、定住を推進するため、県内在住の著名人の視点から、本県で暮らすことの魅力をPRしていただきます。お三方にお願いをしますが、まず、「柏葉幸子(かしわば さちこ)」さん、岩手県を舞台にした「岬のマヨイガ」の原作者です。
 そして、「そのだつくし」さん、「コミックいわて」シリーズでおなじみの漫画家の方です。
 そして、「天津木村(てんしん きむら)」さん、今年度、盛岡市に移住し、岩手県内を中心に活動されています。この3人の方々は、これまでも岩手の魅力を発信してくださっていますが、「いわて暮らし」の魅力のPRに引き続き御協力をお願いしてまいります。お三方への委嘱状の交付式を9月下旬に行う予定です。

広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。

幹事社
 それでは、発表事項について各社から質問あればお願いします。

記者
 今回、天津木村さんを起用されるということですけれども、以前も木村ファミリーには大変期待されていると発言されていましたけれども、今回起用した理由とか、木村さんに対しての期待、こういったところを教えていただけますでしょうか。

知事
 様々、なるほど、こういう良いところもあるのだなという意外な視点から岩手県内の魅力を発掘してくださっていること、あとは御家族の皆さんもやって(移住して)きて、継続的に岩手での活動をやってくださる見通しであること、そういったことからお願いすることを決めました。

記者
 今の3人の中で、天津木村さんは移住者ということで、あとのお二人は出身者であり、在住者でありというところなのですけれども、お二方の今回選ばれた理由といいますか、ここが魅力的だなというところがあったら教えてください。

知事
 それぞれ岩手の魅力をエッセイ、また、小説、そして、漫画で様々発信してくださっている、そういう実績があることと、あと最近ますます活動的で、張り切っていらっしゃるというところからです。

記者
 ありがとうございます。少し関連して、「岬のマヨイガ」、今日から公開ということで、知事も声優として出演されているということですが、ネタバレがない程度で、面白い、こういう作品だという、知事からあれば教えてください。

知事
 事前に知られているような作品のイメージ以上の波瀾万丈、アクション、そして感動的な人間関係などありますので、「岬のマヨイガ」、岬の外れの一軒家でおばあさんと若い女の姉妹が暮らすみたいな、一見地味なお話のようでいて、物凄くアクションアドベンチャーでありますので、非常にお楽しみいただけるのではないかと思います。そして、東日本大震災津波の経験に基づき云々(復興に取り組みながら、お互いの幸福を守り育てる希望郷いわて)というのが「いわて県民計画」の基本目標ですけれども、まさに東日本大震災津波の経験がなければなかった作品でありますので、そこも感じていただければと思います。

幹事社
 ほかに質問のある社はいますか。なければ、発表事項以外について質問ある社はお願いします。

記者
 昨日発表になりましたコロナ対策の(飲食店への)時短要請の件についてお伺いいたします。今回、盛岡市に限定しての時短要請ということになりましたけれども、あらためまして盛岡に限定した理由、狙いなど教えていただけないでしょうか。

知事
 まず、大きな流れとして、7月9日でしたか(県内でデルタ株の可能性のある変異株が確認された)、7月9日から「岩手警戒宣言」ということで、デルタ株が岩手にも及んで、そして東京には緊急事態宣言が決まるという中で、岩手において1週間10万人当たり新規感染者数15人を超えるようであれば、県独自の対策、あるいは、まん延防止(等重点措置)を国に要請する。まん延防止(等重点措置)というのは時間短縮を伴いますので、7月9日の辺りから感染者数が増えてきたら、県独自の対策、あるいは、国の体制の下で時間短縮もあり得るということを予告して、ずっと来ていたわけですけれども、8月12日、全国的な感染者増大、爆発的な感染拡大の中で、岩手においても1週間10万人当たり新規感染者数が15人を超えまして、「岩手緊急事態宣言」となったわけであります。
 その後、1週間経ちまして、先週の木曜日がそうなのですけれども、そこから10日ほど経って、先週の土日の辺りから1週間10万人当たりの新規感染者数は減り始めてはいるのですけれども、やはり15(人)以上という数字は、いつそれが20(人)、30(人)と爆発的な感染に繋がっていくか分からないような、そういう危険な状態ですし、30(人)を超えて増えていくようですと、それは全国の各都道府県が直面しているような、自宅療養で必要な医療が受けられない人が出てくる、医療崩壊の危険性も出てくるということで、県民の皆さんの御努力によって、「岩手緊急事態宣言」の下、岩手の感染者数が急増することなく、むしろ、この1週間減少傾向にあるというのは非常にありがたいことで、一定の効果が出ているということはあります。しかし、まだまだ事態は収束しておらず、1週間10万人当たりの新規感染者数を10(人)未満、1桁にしないと、それまでやっていたような、GoToイートも含めたような、通常の経済社会活動を再開することはできませんので、その目標を達成するためにも、同時にまだまだ今の岩手の数字ですと、感染者数が急拡大するリスクはありますので、それを防ぐためにも岩手県内において、飲食店等への営業時間短縮要請をするべきと判断いたしました。
 どういう地域を対象とするかについては、盛岡市における感染者の数が多く、県内に占める割合も高いこと、また、その背景として県内の特定の地域で感染が著しいというよりは、岩手県内全体として満遍なく感染者が出るような状況の中で、やはり人口が集中していて人口が多い、経済社会活動も盛んな盛岡市を、まず対策を講じていかなければならないということで、今回の時間短縮要請の対象地域としたところであります。

記者
 ありがとうございます。協力金に関する部分なのですけれども、感染防止という意味でエリアを限定するやり方というのはあると思うのですけれども、盛岡市以外の飲食店の方々からは、同じように経営が苦しいという状況で、不公平というような考えを持つ方もいらっしゃると思います。その辺について、知事はどのようにお考えなのか、そこについて何か対応するお考えがあるのかお伺いいたします。

知事
 協力金については、むしろ国の緊急事態宣言や、まん延防止(等重点措置)が適用されて、国費も十分に使えるような状況とは異なって、そういった地域における協力金よりも少ない水準なのですが、それでも盛岡市の飲食店等には御協力をお願いしなければならないと考えているところであります。それとは別に、岩手県には、もともと(営業)時間短縮要請、さらには休業要請などがなくても、消費者の利用が著しく落ち込んで収入が下がり、困窮するということがずっとありましたので、岩手全体を対象とした飲食店を含む事業者の皆さん、困窮する事業者の皆さんへの支援というのは、今までもずっとやってきております。今回の「岩手緊急事態宣言」の下では、30万円を上限とする(地域企業経営)支援金を10万円上積みして40万円にするということを決めています。
 また、飲食店を含む事業者の皆さんの困窮に対する支援というのは、常にこれは付け加えていくものであり、今、議会と様々調整中なので、断言はできないのですけれども、議会に諮りながら、更なる事業者への支援も行ってまいります。

記者
 ありがとうございます。もう一点、飲食店への時短要請ということで、お店以外の関連した産業の、タクシーとか、そういった関係にも影響が及んでくると思います。そういった飲食店以外の関連した産業のほうへの御対応というものは、先ほども従来の支援があるということでしたけれども、時短要請の影響を受ける関連した事業者さんへの対応ということについて、何かお考えはございますでしょうか。

知事
 タクシーも、先週もこの場で説明した記憶がありますけれども、タクシーとか、観光とか、飲食以外の様々な事業者に対しても、それぞれの分野毎、あるいは、広く事業者全般に共通する支援を今までもやってきたところでありますし、今後更に必要になってきたら、加えていきたいと思います。

記者
 私もコロナ関係の時短要請についてなのですが、今、盛岡市内で時短要請をしているということですが、盛岡市以外の地域で飲食店などのクラスターが発生して、地域で感染者が急増した場合、要請の対象地域を拡大する方針が現時点であるのかどうかということ、お考えがあればお聞かせください。

知事
 今は岩手県の1週間の10万人当たり新規感染者数が、昨日(8月26日)のデータで17.9人、一時は25.9人まで増えたのですが、この1週間下がり続けて17.9(人)まで下がっていて、これを増やさない、そして10(人)未満に持っていくという中で、今回の盛岡市を対象とした時短要請もありますので、まずはそういう大きな戦略の下での必要性から対応していくことになると思います。個別のクラスターについては、クラスター対策班などがそれぞれのクラスター毎にきめ細かく対応して、その関係者からさらに広がらないように、そして再発防止をするということが基本と考えています。

記者
 分かりました。あと、まん延防止等重点措置についてですが、先日政府が、追加対象の地域から岩手は外れましたけれども、今後、県全体でさらに感染者数が急増して、人口10万人当たり新規患者数が25(人)、知事は30人超えたらと以前お話しされていましたが、30人を超えるような場合、再度政府に、まん延防止を適用するお考えがあるのかどうか、現時点でのお考えをお聞かせください。

知事
 まず、大戦略として、日本全体、緊急事態宣言ないし、まん延防止(等重点)措置の適用が必要な状態であると今でも考えておりますので、岩手県も含めて、全ての都道府県にまん延防止(等重点措置)以上の適用を国がすることが今望ましいと考えています。その中で、県として具体的にどう動くかということについては、今は国の、まん延防止(等重点措置)の適用になった場合にまずやるような、盛岡市を対象とした(営業)時間短縮要請をやりますので、まずはそれをやりながら、今以上に増やさない、10万人当たり(の新規感染者数)10人未満を目指すということに力を入れていきたいと思います。

記者
 分かりました。あと、先ほど知事のおっしゃった、更なる事業者への支援ということを先ほどおっしゃいましたけれども、飲食店以外にタクシーとか、県民宿泊割が停止したホテル、宿泊業も大分今後影響があるのかなと思うのですが、そういったところへの追加の支援を現在検討している、そういったところも含めた、飲食店以外の事業者への支援も県独自の支援策を検討しているという段階でしょうか。

知事
 あと何週間か、1か月も経たないくらいの間に10万人当たり(新規感染者数)10人未満を達成して、「岩手緊急事態宣言」を解除できれば、ちょうどその頃、秋の行楽シーズンということで、普段であれば観光はお客さんが多いシーズンを迎えるのだと思いますけれども、一方、そうなったとしても、まずは県民による県内の観光施設の利用ということにとどまるでありましょうし、そのときの全国的な感染の状態や岩手県内の情勢などを見ながら検討していくことになると思います。

記者
 私も国がまん延防止(等重点措置)措置の岩手県への適用を見送ったことに関して伺いたいのですけれども、理由は、岩手県は新規感染者数が減少傾向にあるということと、あと入院できる割合が高いということが見送られた理由というふうに聞いていますけれども、一方で要請した県と、現在の県内の感染状況と今後必要な対策について、齟齬があったというか、乖離があったということで、今回の判断になったと思うのですけれども、先ほど知事がおっしゃったように、まん延防止(等重点措置)が適用されなかったことで、今回の県独自の時短要請でも、ちょっと協力金に関して事情が変わるということで、選択肢が限られるということになったと思うのですけれども、適用を見送った国の判断に関して、どのように考えているかというのを教えていただいてよろしいですか。不当だと考えていらっしゃるのか、それとも国の説明を受けて仕方ないというふうに思っていらっしゃるのかということについて。

知事
 全国知事会の提言にもあり、岩手も賛成している、日本全体を緊急事態宣言か、まん延防止(等重点措置)の適用対象にするというのが一番分かりやすいやり方だとは思うのですけれども、ただ、国はそこをもう少しきめ細かく分けて、緊急事態(宣言)と、まん延防止(等重点措置)のほかに県独自の対応をする県と、3種類に分けてやれば良いということで、岩手は引き続き県独自の対応でという整理になったものと理解しておりますけれども、それが正しかったかどうかは、岩手の新規感染者数がこの後、激増することなく、そしてまた(1週間10万人当たりの新規感染者数が)10人未満になれば、それは国の判断も正しかったということになりましょうから、そこは岩手の立場とすれば、国の判断が正しかったことを証明するためにも、岩手の(新規)感染者数を低く抑えていきたいと思います。

記者
 県独自の緊急事態宣言が出てから2週間が経ちました。宣言を出されたとき、2週間後をめどに宣言の効果を検証するというふうにおっしゃっていたと思います。この独自宣言、どのように評価、総括されているのか教えていただけますか。

知事
 スタートして10日ほど経った頃から、10万人当たりの新規感染者数で見て下がり始め、また、ここ約1週間、継続して下がり続けているということは、「岩手緊急事態宣言」の一定の効果が出ていると言って良いと思います。これは、ひとえに県民の皆さんが日々の感染状況というものに関心を持っていただいて、そして、それぞれがやるべき感染対策プラス、さらにもう一歩踏み込んだやれる感染対策、予定していたことを控えると、自粛するといったことも含めてやっていただいた成果が出ていると思います。しかし、ゴールはあくまで10万人当たり(新規感染者数)10人未満でありますので、いまだそこに達していないというのは、このままではまだ足りないということで、盛岡市への飲食店の時間短縮営業の要請、あともう一つ、学校関係の部活や行事の制限強化というのも昨日の「岩手緊急事態宣言」改訂で盛り込んだところでありますが、その改訂作業が現時点での検証と、そして対応ということになります。

記者
 分かりました。ありがとうございます。すみません、ちょっと話題替わるのですけれども、衆議院岩手1区の公認候補をめぐる質問です。立憲民主党岩手県連が党本部に公認を上申した佐野利恵さんについて、福山幹事長が先日の記者会見で、現職を公認するのが原則であるといった考えを示しました。このままですと、階猛さんが公認候補になる可能性があると思うのですけれども、岩手1区をめぐる現状について、どのように受け止めていらっしゃるのか、教えていただけますか。

知事
 まず、立憲民主党の幹事長さんとしては、この6年間、岩手において2度の知事選や2度の参院選を始め、選挙で野党共闘の形をつくって、そして安倍一強体制と言われる、野党側にとっては大変厳しい環境の下、必死で戦って、一定の成果を上げてきた、そういう苦しんできた人たちの心に、もうちょっと寄り添ったほうが良いのではないかと思います。これまでのそういう経験を踏まえて記者発表もしているわけですし、そこでの発言を受け、立憲民主県連として党本部に上申をしていると思うのですけれども、それに対する何の回答もないと聞いているのですけれども、その時々の野党第一党が野党共闘というものに徹底できなくて、政権奪還ということができないまま9年間になるわけですけれども、その中で野党共闘の形を一生懸命つくって頑張ってやってきた、ひいては岩手県におけるそういう野党共闘を頑張ってきた人をそろそろ今の立憲民主党幹事長も評価して良いのではないかなと思います。

記者
 ありがとうございます。関連なのですけれども、先週の記者会見で知事は、岩手1区をめぐる情勢について、「スター・ウォーズ」に例えられていました。階猛さんをカイロ・レンに例えられていましたけれども、つまり今の立憲民主党本部の状況というのは、いわゆる暗黒面に引き込まれている状況なのか、その辺りのところ、お考えを教えていただけますか。

知事
 安倍一強体制の下で必死に戦ってきた人たち、例えば6年前の知事選挙は、岩手の知事選挙で安全保障基本法案が廃案になるかもしれないというくらい結構全国的な日本の政治のせめぎ合いの中で、大事な戦いだったわけです。ただ、岩手の野党共闘をつくってきた人たち、あのときは頑張り過ぎてしまって、自民党公認ですか、推薦ですか、出る予定の人が出なくなってしまったから、そこでの勝敗が安全保障基本法の命運を決めるという形にはならなくなったのですけれども、それだけ頑張ってきた人たちに背を向けると、その目の先にあるのは暗黒面だと思います。

記者
 分かりました。ありがとうございます。

知事
 「スター・ウォーズ」も、反乱軍、レジスタンスの中にも駄目な人の、駄目な人と言うのもあれですけれども、特に「ローグ・ワン」というスピンオフ作品の中には、反乱軍、レジスタンス側のぐだぐだぶりが描かれていて、反乱軍、レジスタンスの側というのは、ぐだぐだになりがちなのです、権力についていない、そういう権力のうまみもないわけで。ただ、権力のうまみでまとまるような政治では駄目なのですけれども、そういう、うまみ的なものがなくても、ちゃんと理念や政策、そしてお互いの信頼関係に基づいて、より良い日本をつくるのだと、今よりも良い日本にするのだという、そういうまとまりをつくっていくというのは本当大変なことなので、だからそういうことに少しでも努力してきた人たちの心に寄り添いましょうということを言いたいと思います。

記者
 先ほどの野党共闘の件でお聞きしたいことがあったのですけれども、野党共闘、岩手では先日、佐野利恵さんを(立憲民主党)県連の公認として上申したわけなのですけれども、野党共闘を考えるなら、その前に出馬を表明されていた共産党の吉田恭子さんがいらっしゃると思うのですけれども、そこでも統一しなかった。あえて県連として新しく候補者を立候補させたことについて、知事としてはどのように考えていらっしゃいますか。

知事
 もし共産党さんが階さんで、野党でまとまろうと言ってきたのであれば、それは参考にしなければならないと思うのですけれども、ある種それはないというスタンスで今まで来ているというのが事実なのではないかと思います。

記者
 それはそうなのですけれども、吉田さんを立てているわけで、そちらのほうに県連が寄らなかったことについてはどのように考えているか教えてください。

知事
 いろんな力の合わせ方を模索しているということだと思います。

記者
 いろんな力の合わせ方といいますと、もう少し掘り下げていただいてもいいですか。

知事
 それはあまり、政党を陰で操るでもないけれども、政党にあまりああしろ、こうしろというのもなんなので、いずれにせよ、野党共闘をつくってきた人たちの中で、この人が小選挙区の候補にいい、いや、この人が候補にいいとかというのは、それはプラスの議論であって、ではどちらにしようかなとか、あるいはそうではない人はこういう活躍の仕方とかというのは、それは今までの経緯からすればハッピーエンドに向かって決めていくことはできるのだと思います。

記者
 ありがとうございます。もう一つ、「スター・ウォーズ」の例えであったのですけれども、知事、先週の知事会見では佐野利恵さんをレイに例えていらっしゃったと思うのですけれども、レイも最初はどこにも所属しないような状態から話が始まるわけで、今回、立憲民主党から公認が出なかったわけなのですけれども、その辺りを見据えた例えだったのかどうか、ちょっとその辺りを伺ってもいいでしょうか。

知事
 難しいことを言われたなと思っていまして、いずれ反乱軍、レジスタンスが、どんどんそこに人が集まって、世の中を良いほうに変えていく、そういう中でレイという人は主役でいっていますので、そういうドラマが今回岩手でも、また、日本全体でも展開すれば良いのだなと思っています。

記者
 ありがとうございます。話を戻してしまって恐縮なのですけれども、コロナの件で追加でお聞きしたいことがありまして、ワクチンの件だったのですけれども、昨日時点の岩手県のワクチンの1回目接種率が44.01%なのですけれども、全国平均の46.12%を下回っていて、東北だと最下位になるのです。市町村でも接種に差が出ているようですけれども、現状をどのように分析されているか、よろしくお願いします。

知事
 もともと医師、看護師の人口当たりの人数が少ないとか、また、そういう人たちが拠点病院とか、いろんな地域医療を支える要所要所にずっといなければならないような状態になっているとか、あとは1,000人以上の企業の職域接種、そういうことが大都会では、あるいは医学部のある総合大学があるようなところでは職域接種もばんばん進むのだと思いますが、岩手県はそういう状況にないとか、いろんな不利な要素はあるのですけれども、そういったことを乗り越えて、岩手では歯科医師の方もワクチン接種を行う医療従事者に加わっていただいて、かなり広く力を合わせてワクチン接種を進めるということ、それぞれの市町村、そして、県がそこを支援、補いながら、やっていき、また職域接種もある程度はありますので、そういったことを回しながら、何とか全国的なワクチン接種のペースについていくことはできているのではないかなと思います。

記者
 すみません、コロナなどから話は変わりまして、間もなく(平成28年)台風10号から5年を迎えますけれども、この間に(令和元年)台風19号であったり、全国各地で最近かなり台風や雨の被害が相次いでいます。この5年間での台風によって学んだことであったり、あとは5年経つことについて、知事の今のお考えをお聞かせください。

知事
 観測史上初めて太平洋側から東北に台風が上陸、それが岩手を直撃して、そういう過去に例のないような災害が起こり得るのだということ、そして、あとは過去の災害と重なることですね、久慈市や宮古市、釜石市など、過去の災害と重なってまた災害が起きたところがあり、そして岩泉町のケースは町全体が全て被害を受けるというような、そのような地方自治の危機のような形の災害も起こるのだというようなことが教訓だったと思います。いろんな教訓がある中で、高齢者福祉施設の避難をあらかじめスムーズにということについては、かなり全国的に教訓が広がって、避難計画を立てておくとか、避難訓練をやっておくとか、そういうことが広まったことはプラスのことだと思います。
 岩泉の復旧は、工事の箇所数が多いものですから、まだ完了していないのですけれども、やはりそれだけ大きな被害をもたらす災害が突然襲ってくるものだということに備えなければならないという教訓が一番で、これはやっぱりもっと徹底させていかなければならないことであり、最近、日本のあちこちで起きている大雨被害もまた参考にしながら、我々も改めて肝に銘じるべきことだと思います。

記者
 ありがとうございます。もう一点、今度は岩手競馬の薬物問題についてです。先日、処分を受けました調教師の方々が、この処分の取消しを求めて審査請求を行われました。競馬組合のほうでは、原因は不明としながらも、こういった調教師の皆さんに処分を行ったことについて、調教師の皆さんからは、自分たちが世間から悪者に見られるのではないか、自分たちの対応に不備があったと思われて仕事がしづらくなるのではないかというお話がありましたが、この審査請求を行われたことについて、知事は御存じでしょうか。

知事
 本人が知り得ない理由で薬物が入っている馬を走らせたという、その結果に対して処分を行うという条例(規則)がありますので、その条例(規則)に従って処分が行われたということでありますけれども、行政不服審査の手続というのは、これは非常に大事な権利でありますので、その権利を行使して、今、行政不服審査の手続に入っているということは、これはその手続を大切にしながら進めていく必要があると思っています。

記者
 今、知事は御存じかというふうにお伺いした件なのですけれども、調教師の関係者の方からは、組合の上のほうで話が止まっているのではないか、委員会のほうにも少し不信感があるというお話も出ていました。今回、審査に関わる委員会を組合のほうで設置されるということですけれども、そのことについてはどのようにお考えですか。

知事
 条例はじめルールに従って、(競馬組合)議会の御理解もいただきながら、そう取り進めているところであります。

記者
 すみません、何度も話を戻して申し訳ないのですけれども、「スター・ウォーズ」について、先週からちょっと私も勉強しまして、その中で知事と関係が深い小沢一郎議員の立場が自分の中で相関図でもちょっと分からなくて、オビ=ワンなのか、クワイ=ガン・ジンなのか、そこら辺、知事として小沢先生をどういう印象を持って接していらっしゃるかというのをお伺いしたい。

知事
 そこは、人によって見方は大分違ってくるかと思いますけれども、私は密かにヨーダかなと思っております。誰も笑ってくれませんけれども。ヨーダというのは、「最後のジェダイ」とか出てきますから、最後の三部作にヨーダが。ルーク・スカイウォーカーに、「おまえ、いまだに地平線のかなたに目をやっているのか、コン」とかやってくるのですけれども、そんな感じかなと思っています。

記者
 分かりました。ちなみに、帝国側というのは、知事の中では自民党になるのですか。政権、どういう立場。

知事
 実は、最後の三部作というのは、帝国は滅んでいて、その帝国シンパの人たちがファースト・オーダーとかファイナル・オーダーとか、そういう軍国体制を銀河に及ぼそうとするのですけれども、そっちはまだ未完成だし、反乱軍、レジスタンスは、そっちはそっちで新しい共和国、新政権樹立には至っていない混乱の時代なのです。今、国民の多くの声として、自民党政権では駄目だけれども、立憲民主党も頼りないと言われているような状況に近い状況かなと思います。

記者
 すみません、私も衆議院1区に関して伺いたくて。先ほど立憲民主党本部の判断に対して、岩手県内の野党共闘の形をつくるために戦ってきた人たちにもう少し寄り添うべきではないかということをおっしゃったと思うのですけれども、念のため趣旨を確認したかったのですけれども、逆に言うと階さんが2019年の参院選や知事の選挙に関して、関わらなかったというか、協力しなかったと、そういう認識でいるため、階さんよりも、そうした県内の野党共闘に携わってきた小沢一郎さんはじめ、現県連の方々の意見を優先するべきではないかと、そういう趣旨という理解でよろしいでしょうか。

知事
 ある特定の衆議院議員がどうこうという問題ではあまりないと思っていまして、今も自民党政権では駄目だけれども、立憲民主党は頼りにならないという日本政治の閉塞感というものを結構多くの国民が共有しているのではないかと言われているわけです。それを打開する一つが野党結集で、信頼に足る新しい受皿をつくって、そこで政権交代ということだと思うので、そこで活躍していた私の後援会の会長さんなんかも含めて記者会見をやって、それを基に立憲民主(党)岩手県連が意見をまとめた。それに対して何の返事もないというところが、これは背を向けているのですかと疑わしいところなので、もっとそっちのほうを、この6年間すごい戦いの歴史、そして一定の成果も重ねてきているわけですので、そこをもう少し評価してくれても良いのではないかということがあるわけです。

記者
 分かりました。あと、すみません、1区に関連していうと、野党共闘の面からいうと、県連が佐野さんの擁立を発表して、そうすると共産党の候補が、吉田さんが今発表されている中で、そこの調整をどうするのかというところがこれから1つ注目されると思うのですけれども、そのことに関して知事はどのように考えていらっしゃるか。共産は候補を取り下げて、野党統一候補を佐野さんにするべきというふうに考えていらっしゃるのか、教えていただいていいですか。

知事
 僕は、佐野利恵さんを「スター・ウォーズ」のレイに例える世界観を持っているわけですけれども、共産党さんのほうは吉田さんこそがレイだという世界観を持っているかもしれないし、また、ほかの見方を持っているかもしれないし、いろんな意見、考えがあってよく、お互い、今ある考え方、今あるやり方よりもこっちのほうが良いのではないか、こっちのほうが良いのではないかというものを競い合わせながら、より良いものをつくっていくというのが政治の基本でもありますので、そういうふうになっていけば良いと思っています。

記者
 そうすると、結果的に佐野さんと吉田恭子さん、2人とも立候補されるというような結果になっても、それは仕方ないというか、議論の末ならそれはあり得るということでしょうか。

知事
 今のケースというのは、その中で今まで野党共闘を岩手からと、そして日本全体を変えていこうとやってきた人たちがそれぞれどういうような役割を担いながら、そういう選挙の体制を築いていくのかというのがないので、ちょっと判断できかねます。

記者
 度々すみません。例えについて、またしつこく申し訳ありません。ヨーダということで、少し聞かせていただきましたが、この1週間ファンの間では、小沢先生が何に当たるのかというのは議論があったところなのですが、知事は以前、政治の師は今でも小沢一郎議員という、師匠の師という言葉を使っておられました。ルークの親に当たるアナキンではないかという説もありましたけれども、その辺はいかがですか。

知事
 アナキンは最近の三部作には出てこないので、今いる人の例えにはちょっと向かないのかなと思いますし、アナキン、イコール、ダース・ベイダーという存在は、なかなかなろうとしてもなれるものではなくて、最終的に悪しき銀河帝国の皇帝をやっつけて、悪しき銀河帝国を崩壊させる直接の役割を果たす、銀河のバランスを回復するのになくてはならない人で、そのくらいの日本政治の大転換を成し遂げる鍵になる人物というのは、今いる生身の人間でこの人だというのは、ちょっとなかなか難しいなと思っています。

記者
 ありがとうございます。そうしますと、小沢先生が、これはちょっと俯瞰した視点に立ってお聞きしたいのですが、小沢先生がこれまでの政治活動で、これまで何をやろうとされてきたのか、これはやはり今の時点では政権交代であり、その手段として野党共闘ということを使おうとしていると思います。この俯瞰した視点に立って、今回の1区の擁立劇というのがどういう物語の分脈で説明できるのかということ、知事から御見解あれば教えてください。

知事
 ヨーダという人は、帝国以前の共和国、民主主義があった時代の指導者の一人だったのだけれども、そこが帝国になっていく、軍国化していくときに、そこから出て、反乱軍の側に移っていったというところがありますよね。そういう平成が始まる頃から政治改革ということがずっと言われて、30年たって、まだ決着がついていない。私も25年前、そういう政治改革を進めるために衆議院議員選挙に出て、小沢一郎さんを総理大臣にと、あと消費税引上げはやめましょうということを公約にして戦っていたわけですけれども、そこから25年たって、消費税問題など、いまだにそういうテーマは続いているし、政治の改革というものも完成していないような状態なのだと思いますが、あらためて今までの政治改革、冷戦後の世界と日本にふさわしい、そういう中で国民一人一人がより活躍することができるような、そういう日本をつくるための政治の枠組みをつくりましょうということを今回の衆院選で岩手1区からあらためて発信していくという、岩手1区だけではなく、岩手全体から発信していこうと立憲民主党岩手県連さんとかは考えているのだと思いますけれども、そっち側から見れば、そういう歴史観、そういう歴史的意義が今回の選挙にあるのだと思います。

記者
 一方で、国政というところで見ると、階さんは、かなり野党の法律にたけた方として、法案に対して、野党として結構クリティカルなことをおっしゃって、野党の力として欠かせない人材だという意見もあろうかと思うのです。その中で、1区でこのような状態になるということについて、いかがお考えでしょうか。

知事
 そういう話は、普段県内でいろいろ話をする人たちからは聞こえてこないですけれども。

記者
 分かりました。もう一点、私はお聞きしたいことがありまして、先ほども話題に出ました台風10号被害、5年前の件です。避難確保計画の策定や避難の訓練というのは進んでいるところですが、実際にここからは、それが絵に描いた餅にならないように、実際に起きたときにどのように動けるかということを確認していくことが必要だと思います。これはまだ途上かなと思いますが、知事のお考えはいかがでしょうか。どういうことをやったら次のステージに行けるとお考えでしょうか。

知事
 これは、常に現実的な訓練を重ねていくことだと思います。毎年の県の総合防災訓練も、今、コロナ対策の観点から著しい規模縮小を検討しているところではあるのですけれども、高齢者施設の避難などについては、やはり何らかの形で取り入れて、日本中でいろいろ起きていることを踏まえた最新の考え方、やり方で訓練を重ねていくということが大事だと思います。

記者
 国政の話題で、先ほどから出ている「スター・ウォーズ」の関連で、先週の記者会見で、達増知事のほうで、国会議員達増拓也(の可能性)は消滅したという御発言があったと思うのですけれども、これは今回の衆院選に限っての念頭に置いた発言なのか、それとも今後の国政選挙も含めて、国会議員としてはやるつもりはないということだったのか、その辺りちょっと確認不足で、確認をさせていただければと思います。

知事
 人間が未来のことについて、どのくらい確からしさを持って語れるかということだと思うのですけれども、今この瞬間から未来に向かって、こういう未来を創るという意思と行動が発せられるということで、未来は今現在の中に含まれていると言って良いと思うのですけれども、そういう今現在の私の考え方として、私はもう知事の仕事に専念するということです。今この瞬間というのは、当たり前過ぎるかもしれませんけれども、県民の皆さんが望むのであれば、望む限り知事の仕事に専念したいということです。

記者
 ありがとうございます。知事、今4選目だと思うのですけれども、もし県民が望む場合は5選というものもあり得るというふうな考え方になるのでしょうか。

知事
 知事選への対応なぞをテーマにしますと、まだ折り返し地点にも達していませんので、そこはまだ次の選挙のことは考えないで、仕事をしていきたいと思います。

記者
 分かりました。あと、立憲民主党の公認の関係なのですけれども、1区の立憲民主党県連が申請した佐野さんが公認されなかったということはあると思うのですけれども、擁立に当たって主導的な役割を果たした知事として、今後どのように支援していくか。先週会見では、マイクは握らないのか、いろいろあったと思うのですけれども、より無所属で出馬する可能性が佐野氏は高くなったことで、知事が果たす役割というのはまた大きくなったように思うのですが、その辺りいかがでしょうか。

知事
 私も今のところ、記者会見で何か聞かれれば、いろいろ意見も言ったりしますけれども、そういうことがなければ、本当に知事の仕事に専念して日々過ごしているような状態でありますし、8月14日の記者会見以降、基本的に流れはできたと思うので、その流れのまま進んでいけば、悪いようにはならないのではないかと思っています。

記者
 すみません、話題ちょっと変わってしまうのですが、三重国体の中止が決まりました。まず、そのことについての受け止めと、オリンピック・パラリンピックとの整合性について、あらためてお聞かせください。

知事
 感染対策が行われて、感染リスクが低くなって、国民体育大会、国体もやることができれば良かったのだと思いますけれども、そうならないというのは残念であります。また、国体の準備というのは、県にとって、県を挙げて何年にもわたってやることなので、この直前になってやめることを決めた三重県は、本当にお気の毒だなと思います。いろいろ報道されているところを見ますと、オリンピック・パラリンピック並みのバブル(方式)を国体と全国障害者スポーツ大会ではつくることができない、結局関係者や地元の人たちがどうしても入り交じるような体育行事、また文化や共生社会というテーマも入りますが、そういう総合的な行事なので、断念したというように聞いていますので、そういうことなのだなと思います。

記者
 ありがとうございます。ちょっとまた話がそれる形になるのですけれども、岩手県にも現状オリンピック・パラリンピック推進室がありますが、このパラ(リンピック)が終わった後の対応というのは何か決めていらっしゃいますでしょうか。

知事
 組織機構の在り方については、年度の節目に向けて毎年議論をしていく中で、オリンピック・パラリンピック対応体制についても決めていくことになると思います。

記者
 具体的には、例えば文化スポーツ部に統合して……

知事
 毎年こういうのは、担当課がどういうアイデアを考えてくるかなというのを楽しみにしながら、待ちの姿勢で臨むものですので、今のところ私の中にはアイデアはありません。

幹事社
 ほかに質問がある社はいますか。では、以上をもちまして記者会見を終わります。ありがとうございました。

次回記者会見

次の定例記者会見は9月3日(金曜日)の予定です。

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