令和3年5月14日知事会見記録

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開催日時

令和3年5月14日15時30分から16時20分

会見記録

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に知事から発表があります。それでは、知事お願いします。

知事
 まず、令和3年度一般会計補正予算第2号について発表します。予算額は42億円です。新型コロナウイルス対策として緊急に対応が必要な予算を計上しています。本補正予算を審議する県議会臨時会を5月24日に招集することとし、今日付で告示等の手続を行います。
 予算の主な内容は、1ページめくっていただいて、保健師等専門職員の増員、保健所を支援する本庁支援本部の設置、広域的なワクチン接種体制の整備、ワクチン接種会場へのタクシー利用に要する経費への補助、飲食店を対象とした認証制度の実施、経営継続に取り組む中小企業者への支援金の支給、事業再構築制度の活用に向けた支援体制の強化、観光宿泊施設の感染症対策関連機器等の導入経費への補助、そして小中学校等の感染対策を支援するスタッフの増員に要する経費を計上しています。なお、認証制度については、6月下旬の運用開始に向けて準備を進めます。
 次に、令和3年度県勢功労者の決定についてです。県勢の発展に多大の功労があり、その事績が極めて顕著であって、県民の模範となる方々を県勢功労者として、昭和55年度から顕彰してきておりまして、今回が第42回目となります。本年度の顕彰は、岩手県栄養士会会長等として保健福祉の増進に貢献された平澤郁子(ひらさわ・いくこ)様、岩手県農業協同組合中央会会長等として農業振興に貢献された藤尾東泉(ふじお・とうせん)様の2名です。表彰式は5月25日です。
 次に、令和5年2月に本県で開催する特別国民体育大会冬季大会スキー競技会の大会愛称及びスローガンを募集します。募集期間は、本日から6月30日までです。大会愛称は、親しみやすく呼びやすいスキー競技会の愛称とし、本県で開催することがわかり、開催地の歴史、風土、文化などから連想される岩手らしさあふれる作品を募集します。スローガンについては、スキー競技会への思いや期待を印象づける言葉、キャッチコピーとし、選手団、スタッフ、ボランティア、応援する人など、この大会を取り巻く全ての人が思いを共有し、復興の姿や本県の魅力を発信できる作品を応募します。
 以上です。

広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。

幹事社
 質問の前に記者クラブへの転入者を紹介します。

 (記者紹介)

幹事者
 それでは、ただいまの知事の発表事項3件について、質問があれば各社からお願いします。

記者
 補正予算案の件についてお伺いいたします。まず、コロナワクチンの接種体制確保事業(新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業)についてなのですけれども、先般の市町村とのトップミーティングでも、やはり医師、看護師の派遣や掛かり増し経費についての支援の要望が上がっておりました。あらためて今回円滑な接種に向けて、県としてどのように支援されていきたいか、これの事業についてのお考えをお伺いできますでしょうか。

知事
 1つは、医師等の派遣ということで、県として広域的な観点から市町村が行うワクチン接種を支援するということ、7月末までの終了を目指して各市町村とも努力いただいているところであり、医療従事者の確保に苦労している市町村もありますので、迅速そして円滑に接種が進むよう県としても支援をしていきたいと思います。

記者
 ありがとうございます。また、飲食店に対する認証制度(飲食店感染対策推進事業)の導入について、先ほど知事のほうから6月下旬をめどに運用開始したいというお話もございましたけれども、先般、山梨モデルの全国展開を要望されたときに、知事も連名で署名、要望を提出されていると思うのですけれども、岩手県内で認証制度を通じてどのように感染抑止効果が期待されるかというところについて伺えますでしょうか。

知事
 今回の中小企業への支援は、まず休業要請とか、あとは時短要請とか、それに対する協力金というような形でなくても、お客さんが減って収入が激減している事業者を支援すべきということを岩手県としても、全国知事会としても訴えてきた、その線に沿って1店舗当たり上限30万円の支援をするということがまずあります。そしてもう一つ、これはたとえ困窮していなくても、きちんと感染対策をして飲食店を営業するというところに認証をし、認証を取得できたところについては1店舗当たり10万円支給するという、合わせると総額40万円の支援になるという、そういうものになります。
 飲食店での感染対策については、去年から岩手県でも市町村と協力して、個々の飲食店への働きかけなどをやってきましたし、あとは生活衛生同業組合などの団体による感染対策の徹底ということも進んできたところでありますけれども、一歩進んで県が認証するという仕組みで、より感染対策を徹底し、安心して利用していただけるようにしていこうというものです。あとは、供給側がそのくらい徹底してきちっとやる以上、利用する側の皆さんも今まで以上に感染対策を徹底して御利用くださいという、そういう気持ちも込めていきたいと思います。

記者
 私も今のに関連して、飲食店感染対策推進事業、認証制度の導入ですか、国のほうが4月末ぐらいから各都道府県に対して導入するように通知を出していたと思います。本県でも導入するということで、具体的な認証の基準等について、現時点でお考えがあればお願いします。

知事
 岩手県や、また全国知事会からの要望もあり、国のほうで国としての基準の目安のようなものも発表されました。これを参考にしながら、また現場の声も大事ですので、飲食店、その関係団体とも相談をしながら対策の効果と、そしてあとはそれによって安心して利用していただくという利用促進と、そういった効果が出るような岩手としての基準というのをこれからつくっていきたいと思います。

記者
 基本的には、アクリル板の設置などの感染対策の基本的な部分の徹底と、あと利用する側のほうにも何か感染防止対策の徹底を求めるような感じにはなるのでしょうか。

知事
 国の基準のほうでも、アクリル板の設置というのは目安として必須条件とされていますし、あとは食べるとき以外のマスク着用の徹底を、これはお客さんに働きかけるということも基準の必須条件の一つになっていますので、今指摘されたようなところは基準の中に入れていくことになると思います。

記者
 ちょっと予算に関連してなのですけれども、今回の補正予算でワクチンの部分に重点を置いたとは思うのですけれども、あらためて知事のほうから今回の補正予算においてどのような部分に力を置いてつくられたのか、その辺りの考えをお聞かせください。

知事
 コロナ(新型コロナウイルス感染症)の流行の長期化によって、事業者の困窮ということは深刻になっているという問題がまずあります。そして、変異株にどんどん今置き換わっていて、より感染しやすく、重篤化しやすくなっているのに対し、ワクチン接種というのがより求められていますし、また保健所の体制強化がより重要になっていますので、そのような去年からの新型コロナウイルス(感染症)流行の経緯と、そして今、目の前の課題、それに応えていくような補正予算を工夫したところです。
 あとは、変異株に置き換わって感染力が高まっていることとの関連では、小中学校のスクールサポートスタッフを110人程度追加配置ということも入ります。

幹事社
 ありがとうございます。それでは、発表事項以外で本日記者クラブを代表しての質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いします。

記者
 岩手競馬に関して、昨日競馬組合のほうから禁止薬物が検出された問題についてのある一定の結論が出されまして、わらにその成分が含まれていたけれども、その混入した経緯についてはいまだ分からないという結論だったのですけれども、こちらについて知事のお考えをお聞かせください。

知事
 競馬組合として整理した禁止薬物陽性の発生原因については、司法捜査による結論と軌を一にするものでありまして、稲わらにボルデノンが含まれていて、それを馬が食べた。
 しかし、その稲わらにどうボルデノンが含まれるようになったかについては、特定できないというものになっています。それぞれ時間をかけて、原因究明をしてきたわけでありますけれども、結論として今そういう結論に至ったわけですが、1つは厩舎、馬の厩舎の衛生の確保ですね、敷物(敷料)にボルデノンが入ってこないような、そういう衛生の確保と、あとはやはり悪意を持った人が外部から入ってこないようにというセキュリティーの強化、この2つによって再発を防いでいくということを発表したわけでありまして、これによって再発が防止され、公正な競馬が確保されて、ファンの皆さんの期待に応え、県民、奥州、盛岡市民の期待、信頼に応えられる、そういう岩手競馬であるようにと思います。

記者
 ありがとうございます。すみません、もう一点、全国の各自治体でのお話にはなるのですが、医療従事者向けのワクチン、余ったものをそれぞれの長が先に打って、それについては特に問題はないのかもしれないのですけれども、県民への説明など、そういったものがないまま打ってしまって、今少し問題になっているのですが、余ったワクチンの活用方法や、自治体の長が先に医療関係者として打つことについて、知事のお考えをお聞かせください。

知事
 医療従事者が先とか、あと高齢者が先というような一定の原則の下、急に余ったときどうするかというような運用については、市町村の裁量に任せられているところだと思います。ただ、市町村の裁量ということで、それはそれぞれの住民の皆さんに納得してもらえるようなやり方にしていくという責任は、それぞれの市町村にあるわけですので、そういうふうにしていかなければならないと思います。

記者
 知事としては、余った場合こういうふうに活用していきたい、していってほしいとか、各自治体に。あとは、御自身が先に打たれるというお考えはありますか。

知事
 まず、本当にケース・バイ・ケースで、1人分余っていて、まだ接種していない人が周りに1人しかいない、もうこの人に打つしかないというときは、どんな人であれ打つみたいなことは、それは裁量の範囲内だと思いますし、そういうときの対応の柔軟さと思い切った決断をうまくやってもらうためには、あまり私から細かくああしたほうがいい、こうしたほうがいいとは言わないほうがいいと思います。
 私については、住んでいる市の案内に従いながら、普通に申し込んでいきたいと思います。

記者
 先日、全国知事会のほうで、緊急事態宣言の発令について、全国発令も視野にというような緊急提言が取りまとめられているということです。本日も緊急事態宣言、北海道などが対象地域として拡大されておりまして、現時点で全国にまた緊急事態宣言を発令するということについて、知事のお考えを伺えますでしょうか。

知事
 全国知事会は、去年の終わり頃から、同じ県の中でも市町村ごとに、地域ごとに感染状況を見極めて、日本全体はもとより、都道府県の感染対策についても、感染が著しいところに集中的にやるのがいいという考え方でずっと来ていて、今のまん延防止(等重点措置)対策で行くか、緊急事態宣言で行くかというのも、特定の市に絞ってやるかということと関連させながらやっているところでありまして、そういうところからすると、日本全体への緊急事態宣言というのは、今の状況では必要はないのではないかと思います。

記者
 あと、知事としては今の状況では全国発令は必要ないということですけれども、ほかの自治体からは、全国知事会では全国発令も視野にというような御意見がありました。ほかの県がそういった意見をあのとき全国知事会で、先日発言があったときに、知事はそれに対して賛意ですとか、賛成、反対といったお立場、考えは示されていなかったと思うのですけれども、他県でそういった考えがあることについて、現時点ではどういうふうに考えていらっしゃいますか。

知事
 今、基本都道府県ごとに感染対策をしていくというやり方で、むしろ今、日本全体の新規感染者数が増えていっているような局面にありますから、よほど思い切ったことをしなければ駄目という、そういう気持ちの表れだと思います。日本全体減らさなければならないのに、むしろ増えてしまっているというのは、これは本当はあってはならないことで、この流れを逆転させたいという気持ちは理解できるところです。

記者
 あともう一点、聖火リレーについてなのですけれども、まもなく岩手県でも聖火リレーのほうが近づいてきている状況です。現時点で、公道での聖火リレーというのはなかなか難しいという状況になっています。岩手県として、どのようにすべきと考えるか、知事のお考えをあらためてお伺いできればと思います。

知事
 岩手県では、いわて旅応援プロジェクトについて、ステージ3相当の1週間10万人当たり15人以上になるようであったら中断するということを言っているのですが、そこはやはりそのくらいの感染状況になってきた場合には、様々な行動制限、県民の皆さんへの行動制限が必要になってくるということを意味しますので、そうなったらやはり聖火リレーについても、計画されていることに対して、行動制限を加えていかなければならないのではないかという検討が必要になってくると思います。

記者
 10万人当たり15人という一つの目安が公道で聖火リレーを開催するかどうかの判断材料になるということでよろしいでしょうか。

知事
 まず、(1週間10万人当たり)15人を超えていても、計画どおりやっている県もありますし、公道でのリレーをやめた県というのは、10万人当たりがかなり多い数になっているところですので、そういう意味で、今の岩手、10人ぐらいであれば、基本的には計画どおりにできると思っておりまして、15人を超える場合には、その計画を見直すような作業が必要になるのではないかということです。

記者
 今の人口10万人当たりの新規患者数に関して、県内では連休明けから大体9.後半ぐらいから10ぐらいの付近でずっと下がらずに止まっているような状況になっています。この状況に関して、知事はどのようにお考えになっているのかお聞かせください。

知事
 遡れば、大きなクラスターが2つあって、5月1日にその時点の過去最高の9.0(人)になっていて、そこから5月7日の12(人)まで上がり、12(人)を最大のピークとし、その後、やや下がったのですが、10(人)の近くで横ばいのようになっている。10(人)の近くで横ばいというのは、5月1日からずっとそうだと言ってもいいのではないかと思います。
 この間、日本全体としては6,000人から7,000人、これは1日のですけれども、6,000人くらいから7,000人くらいに増えている間、岩手では横ばいではあるのですけれども、ただ10(人)という数字はやはり多い数字でありまして、介護の要素も入ってくるような高齢者の方の入院が多かったりしますと、あとは地域的に集中して感染者が出たりしますと、医療が逼迫ぎみになっていくというような数字ですから、決して現状のままでいいというような数字ではないと考えています。
 連日のように亡くなる方があるということも、これは避けるべきことだと考えておりますので、今取るべき感染対策としては、5月7日の県の対策本部会議で決定して、県民の皆さんにアピールした3密ではなくて、1密でも避けるようにということ、それを中心に基本的な感染対策をより徹底してやっていただくということで、(新規患者数を)下げていくことができるというふうには考えております。

記者
 以前の会見で知事は、2.5(人)以上になった場合には何らかのメッセージを出していく必要、あるいは制限なども考えていかなければならないというようなことをおっしゃっていましたけれども、現段階では何か行動制限、県内でも行動制限を何か求めたりというようなお考えはお持ちでしょうか。

知事
 今の段階では、5月7日に決めた内容で、付け加えると緊急事態宣言やまん延防止(等重点措置区域)地域など、あとは10万人当たり15人以上の新規感染者になっている地域との往来について、自粛したり慎重になったりという、そこに気をつけていただければ、これ以上増やさず下げていけるというふうに考えています。

記者
 話が戻って申し訳ないのですけれども、先ほどの岩手競馬の件について、今後、再調査とか、白黒つかない結論ということになったので、再調査とか、そういった御予定はもうないというふうなことでよろしかったでしょうか。

知事
 はい。

記者
 ありがとうございます。また別な話題なのですけれども、(県立)釜石病院でのお産の中止についてお聞きしたいです。医療局が県立釜石病院のお産取扱い中止の方針を決めたのですが、分娩休止の経緯について、知事はどのような報告を受けていらっしゃるでしょうか。

知事
 報道されているようなとおりの情報を私も得ているところであります。

記者
 釜石では、県立病院以外に分娩を扱う病院がない状況なのですけれども、知事としてはその現状をどのように捉えていらっしゃいますか。

知事
 いろんな切り口、論点があるのですけれども、もう一回質問の趣旨というか、どういう問題意識で聞いているか知りたいのですけれども。

記者
 現状、釜石周辺に住まれている方というのは、分娩したいというようなことになりましたら、大船渡のほうに行かないと難しいということで、医師が少ないというような状況があるのですけれども、そういった県民の方に負担をかけるような状況をどのように捉えていらっしゃるかなというところでした。

知事
 まず、(県立)釜石病院の産婦人科では、10月以降も外来診療は継続され、妊婦健診や産婦健診は引き続き釜石病院で対応すると聞いています。今後それらに加えて、妊産婦の皆さんの不安を解消するため、出産前の事前宿泊や、産前産後ケアなどの具体的な支援策について、地元の市、町、医師会などと連携して、実施に向けた検討を進めると聞いています。また、報道によれば岩手医大からの派遣の中止は当面の間で、恒常的ということではないというふうにも言われているということで、やはりいわゆる医療資源、人やまた設備の不足の部分をそれぞれ関係者の工夫で補って、極力安全安心に出産ができるようにしていくよう、県としてもできることをしていきたいと思います。

記者
 わかりました。最後に、沿岸部に限らず、産婦人科の確保というのが県として長年の課題であると思うのですけれども、知事としてこういったところの対策というのは何か、どのように考えていらっしゃるのか、考えをお聞かせください。

知事
 まず、日本全体として産婦人科医が、産科医が不足ぎみということがあります。ひと頃訴訟、裁判、また医療事故でいきなり警察が入って逮捕のようなこともあったと記憶しますけれども、そういったことでさっと産科を希望する人が減ったということがあったというふうにも認識しております。
 国民の命を守り、そして出産がどんどんできるようにしていくために、産科を守り育てていくことも大事なわけでありまして、法律的なトラブルについては、ちゃんと病院など、経営主体がそこにきちんと対応し、お医者さんを矢面に立てないとか、医療事故に関しても医療の分野で様々きちっとした対応の仕組みがその後工夫されているところでもあります。
 それから、産科についてはできるだけいい器械などもそろえて、そしてそこに一定数、4人とか5人とかの産科医がそこに集まっていて、1か所に産科医を集中させるやり方がいいのだという、そういう考え方が産科の学会というのですか、これも日本全体としてそうなってきていて、一人一人ばらばらで産科医があちこちにいると、かえっていざというときの手術に対応できないとか、むしろいざというときにスムーズに対応、しかもそれを24時間、また医者が1人手術しているときにまた急に危険な出産というときに、もう一人が対応できる、そういうのを3人、4人と重層的に対応できる、そういう体制をつくっておくほうがいいという論もありますけれども、やはり地方自治体としては極力地域地域、産科医がいない地域というものがないようにしていくべきというふうに考えますので、そこを専門家の皆さんと調整しながらも、基本的には産科のお医者さんを増やしていくことを全国的にも様々働きかけていきたいと思います。

記者
 これまでも何回か話が出ましたが、全国で緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置の適用をされる地域が相次いでおりまして、岩手県もそこまでには至ってはいませんが、いわば感染される方の高止まりであったり、連日亡くなる方が相次いでいるということで、決して人ごとではないという状況になっていると思うのですが、もちろんそうならないことを望みますが、今後、もし状況が悪化していった場合、どういった状況になったら他県と同じように(緊急事態)宣言の発出やまん延防止等重点措置の適用を国に求める、そういった基準のようなものは現時点でどのようなものをお考えでしょうか。

知事
 そこは、ステージ3相当、1週間の10万人当たり新規感染者数が15(人)を超えるような場合には、特別の対策を講じていかなければなりませんので、「そうします」と言ってもいいと思います。いわて旅応援プロジェクトの中断ということも、もう決めていますし、様々人の動きを止めるような要請を各方面にしていく、いわばサーキットブレーカー、こうなったら徹底的にやるというのは、ステージ3相当の10万人当たり15人を超えたときです。

記者
 その時点で、まん延防止等重点措置の適用を求めるのか、(緊急事態)宣言の発出を求めるのかは、その時点で考えられるということでしょうか。

知事
 まん延防止(等重点措置)のほうは、今、国の運用として県独自の特別の対策を見極めてからでないと出さないような運用になっていますので、まずは県独自の対策を一定期間やることだと思っています。

記者
 先ほどお話に上がった聖火リレーについてなのですけれども、10万人当たりの新規感染者が15人超える場合は、通常のやり方ではない方法になるといった発言ありましたけれども、例えばどういう方法があり得るのか、もうちょっと具体的に教えていただけますか。

知事
 どういう方法があり得るかというか、15人を超えるようになった場合に、人手を減らすとか、必要な感染対策の視点から、やり方を見直すということです。だから、どうするというよりも、どこを削っていくかを考えていくということが基本になると思います。

記者
 わかりました、ありがとうございます。もう一点が、東京五輪の開催の可否についてなのですけれども、ここ最近、急速に中止を求める声が高まっていまして、知事としてはやはり東京五輪は開催したほうがいいと考えているのか、それともこの感染状況が続いた場合、中止せざるを得ない、中止も選択肢なのではないだろうか、どういうふうに考えていらっしゃいますか。

知事
 新型コロナウイルス対策では、科学的であることが極めて重要で、オリンピック・パラリンピックの関係もやはり科学的に見極めて、科学的な根拠に基づいて判断するということだと思います。ですから、そういう意味では新型コロナウイルスの感染状況を前提にして、それに応じてオリンピック・パラリンピックのありようも決まってくるわけで、沈静化できれば、終息させれば予定どおり行われて当然でありましょうし、そうでない場合には感染の状況に応じた制限、それは基本的にはこれはできない、あれはできないという形で削っていくということになるのだと思います。

記者
 いずれにしても、中止は求めるおつもりではなくて、あくまでなるべく制限をしたりとか、そういった方向のほうが望ましいと。

知事
 県としても、全国知事会としても、新型コロナウイルスを沈静化させていく、終息に持っていくために、いろんな要望を国にしています。ですから、その中の必要性、必然性として、そういう国際的な大型イベントはやめるべきということを要望しなければならないときはそうすることになるのだと思います。

記者
 わかりました。すみません、もう一点なのですけれども、広島県が従業員10人以上の事業所を対象に、たとえ無症状者であってもコロナの有無を調べる検査をする取組を始めましたけれども、知事はこの取組、どういうふうに評価していらっしゃるのかというのと、岩手県ですとこういう取組は実施されるお考えというのはあるのでしょうか。

知事
 まず、一般的に検査というのは、やればやるほどいいのだと思います。今、民間の検査もかなり利用しやすくなっていますので、そういう中で、県がどのくらいそこに県独自の検査を広げていくかということがそれぞれ都道府県ごとの判断になっていくのだと思いますけれども、岩手県としてはいろいろワクチン接種のこととか、あとは様々な現場における感染予防のこととか、いろいろやるべきこと、やったほうがいいことがある中で、今のような検査のやり方、濃厚接触者以上に関係する人たちは広めに検査をするとか、高齢者施設等、施設ですね、学校もですし、施設で感染者が出たらそこの全員を検査するとか、またその検査も数日置いて何回も検査するとかということの徹底に今は力を入れております。

記者
 ちょっと県内の自治体、ワクチン接種の予約について、特に年齢順とか地域ごとに設定を設けていない地域で予約が殺到したりして、電話がつながりづらくなっているとかという状況が結構あるのですけれども、県としてそこに基準を、例えば予約の順番を設けてほしいとか、交通整理してほしいみたいなことを自治体に要望したりする予定というのはありますか。

知事
 いや、そこは自治体がそれぞれ苦労しながら、それぞれのやり方を編み出している最中です。県内の村では、希望を受け付けるのではなく、村のほうでこの人は何日、どこでと順番を決めて、ぱたぱたと日程が決まって、どんどん進めているところもあるそうで、そういうことができる自治体はそういうふうにやればいいのだと思いますし、本当にこれはケース・バイ・ケースです。
 電話予約問題については、電話に関してはいろいろ相談、問い合わせなどもあるわけで、そういった相談、問い合わせ部分については、県でコールセンター機能を増強し、そこは外国人県民の皆さんに対しても、外国語でも対応できるような電話相談機能を強化して、そういった形で市町村をサポートしたいと思います。

記者
 聖火リレーに関してなのですけれども、先ほど1週間10万人当たりの患者が15人以上であれば、行動制限を加えることも必要になってくるというお話でした。これは、あくまでも公道でのリレーを実施するという前提においてのお考えというふうに捉えてよろしいのでしょうか。

知事
 どこまで何を切っていかなければならないかというのは、やっぱりそのとき、そのときの感染状況を見ながら判断することになると思いますけれども、ただ公道を使わないようになるというのは、よほど感染者数が増えたときではないかと思います。今でも緊急事態宣言の対象になっている県、福岡県とか、そういうところはそういうふうにしているなと思います。

記者
 わかりました。では、現状ですと、今、実施をするという前提で準備を進めていくということでよろしいですか。

知事
 計画というのはありまして、そこは変えなければ計画はそのまま生きているということになります。

記者
 聖火リレーについてなのですが、先ほどから様々な条件を挙げての開催の可否であったり、形式のお話ありましたが、判断のリミットラインというのはどの辺りに設定されるものなのでしょう。

知事
 そこも変更内容に応じて決まるのだと思います。

記者
 特にこの時点でこの条件があったからどう変えていくという、そういうフローチャートがあるわけではなく、状況を見ながら考えていくという。

知事
 あとは、感染の状況に応じて、例えば一気に10万人当たり100(人)とか、大阪以上の感染状況がばっと出たら、直前になるまで様子を見るとか言っていられないなという感じで、早め早めにものを決めていかなければならないというふうになるのだと思います。

記者
 聖火リレーに関しての質問なのですけれども、岩手県内、かなり広いという条件もあります。その中で、先日盛岡市さんの保健所さんのほうが11日に直近1週間当たりの数字が16.09人になったということが発表されましたけれども、地域によっては感染者が多いところもあると思います。その地域に応じた変更など、聖火リレーに関してはお考えはあるのか教えてください。

知事
 それもそのときの状況次第です。感染対策上必要なことについては、これはもう聖域なくやるということで、それによってどんな想定していないような変更もあり得るということです。

記者
 ありがとうございます。あと、いわて旅を8月22日まで延長を決めたということで、観光庁の制度設計では12月まで延長可能というところでしたけれども、8月までと一旦した理由と、あと延長を決めた大きな理由というのはどのような辺りだったのか教えてください。

知事
 まず、(いわて旅応援プロジェクトは)今それなりに利用していただいているという実績があると。ただ、用意していた額を使い切るというようなペースでもないので、延長が可能なので、まず延長すると。ただ、結構利用をいただいているから、12月まで延長できるほど財政的に余裕があるわけでもありませんので、まずは夏休みシーズンぐらいまでかなというところで、そういうふうに決めたところです。

広聴広報課
 以上をもちまして、記者会見を終わります。

次回記者会見

次の定例記者会見は5月21日(金曜日)の予定です。

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政策企画部 広聴広報課 報道担当
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