令和3年4月16日知事会見記録
開催日時
令和3年4月16日10時00分から10時43分
会見記録
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。本日は、知事からの発表はございません。
幹事社
幹事社から何点か質問させていただきます。新型コロナウイルスに関するものなのですけれども、ここ数日、新型コロナウイルスの新規感染者が1桁台続いておりますが、この現状を知事としてはどのように見られていますか。
知事
岩手県内は、今質問にあったとおりで、新規感染者数は1桁台で、1週間10万人当たりの新規感染者数を計算すると、昨日の時点で3.2人ということで、全国的には下から8番目ぐらいになりますので、今の日本の中では感染リスクが低いほうにはなっていると思います。
一方、日本全体、昨日の新規感染者数が4,574人ということで、かなり多くなっていますし、イギリス型変異株の問題に注意すべきだと思います。先週広島(県)で、いわゆるイクボス知事同盟のサミットがありまして、参加、加盟の知事さん方が集まったのですけれども、やはりイギリス型変異株は、かなり警戒しないと駄目だということで意見が一致しました。感染者の増え方が急になりますし、また治りにくかったり、重症化しやすかったりするということで、既にイギリス型変異株の陽性者が増えている都道府県は、非常に困ってきているようですが、岩手県では、まだお二人例があっただけです。そこからの広がりも確認されていない状態ではあります。イギリス型変異株を増やさないようにするには、新規感染者数全体を増やさないようにするというのが基本だと思いますので、岩手においては、今のこの新規感染者数、低い水準が続いてはいるのですけれども、さらに低くすることを目指しながら、県民の皆さんには、まん延防止等重点措置地域との不要不急の往来は控えていただき、また岩手県内での基本的な感染対策をしっかりやってほしいと思います。
幹事社
ありがとうございます。先ほどイギリス型の変異株について、かなり警戒しなければならないというふうな発言がありましたが、かなり警戒ということで、先ほど県民の皆様に呼びかけるようなことがありましたが、県として何か具体的に対策とか、現時点で決まっているようなことはありますでしょうか。
知事
新規感染者数を増やさないようにするということが、いわば王道であると考えます。その意味で、既に岩手県の(新型コロナウイルス感染症)対策本部で決定した留意事項、感染が多い地域との往来に気をつけていただくことと、岩手県内での基本的な感染対策をしっかりやっていただくこと、これを重ねてお願いしたいと思います。
幹事社
分かりました。ありがとうございます。もう一点、昨日の(県議会)臨時会で可決されました「いわて旅応援プロジェクト」なのですけれども、これは49万人の利用を見込んでいるということで、改めてこの49万人という数字の根拠をお聞きしたいのと、49万人利用が余ったらどうなるのかというのをあらためて説明をお願いします。
知事
まだ始まったばかりですので、余ったらということについてはもう少し様子を見てから検討しても遅くないと思っておりますが、全国一斉にGoToトラベル事業が停止になって、それがあたかも旅行全般を今、日本政府が禁止しているのではないかという誤解につながるところがあるのではないかというのが1つ。
そして、いずれGoToトラベル事業が復活したら、非常にお得な割引が受けられるので、それまでは旅行はしないほうが得だというような考え方があったのではないかというのが2つですが、国のGoToトラベルのいわば代替事業として、各県の旅行応援事業を行うことで、そういう旅行が日本全体禁止されているのではないかとか、今旅行しないほうが得ではないかという、そういう誤解を解くことができると思います。そういう誤解や、そういう誤解にも引っ張られ、全般的に旅行する、本来したい、しようと思っているけれどもしないでいた人たちが応援を受けて旅行するという、そういうニーズがあると思いますし、また、観光関係事業者を応援するという趣旨でありますので、「よし、応援しよう」と思って感染対策をきちっとやりながら、観光関係事業者を応援しようとする人たちのニーズ、合わせて最大限そのくらいのニーズ(49万人の利用)があるのではないかということです。
幹事社
ありがとうございます。49万人分くらいのニーズがあるということですか。分かりました。ありがとうございます。
記者
私も今の旅行割(いわて旅応援プロジェクト)の関連も含めてコロナ関係についてなのですが、政府がまん延防止など適用県を4県追加して、新たに6府県から10都府県に拡大するということですが、県のほうでは県民に対して感染拡大地域、まん延防止地域には不要不急な移動、往来の自粛を呼びかけています。ただ一方で、県内、先ほどおっしゃったように、県民旅行割(いわて旅応援プロジェクト)がスタートしました。この辺りの考え方というか、感染拡大地域との移動は控えて、県内の旅行については県民の皆さんに感染対策をした上で楽しんでいただきたいのか、その辺りのお考えというのをあらためてお願いします。
知事
まず、基本的なことですけれども、個人の内心の自由、個人がどういう気持ちになるかということについては、基本的にそれは基本的人権として個人個人の主体性が尊重されるべきということがまずあります。それを前提にし、岩手県としては県内の旅行や飲食については、それを一般的に規制することはしていないし、自粛もお願いしていないという、それがまず基本にあります。そういう中で、自分自身旅行したいとか、また観光関係事業者を応援したいとか、そういう主体性を持っている人は、県として応援するという趣旨です。そして、一方で感染対策として、これは旅行する人もそうでない人もですが、基本的感染対策はしっかりやっていただきたいということです。
記者
そうすると、基本的には県内での旅行については、感染対策をした上で、皆さんに経済、消費喚起策としても旅行していただきたいということですか。
知事
一人一人の心の主体性については、それは個人個人が何をするかを決めるわけですので、個人の主体性に基づいて旅行したいという人については、県が応援するということです。
記者
あと、もう一点なのですが、昨日の県議会の臨時会で原発処理水の海洋放出を政府が方針決定したことを受け、交渉団体会派共同による提案で、国に対する意見書、十分な説明を求める、あと慎重な対応を求める意見書が可決されました。交渉団体会派共同ということは、自民党ももちろんですが、公明党も入っているということですが、この意見書が可決されたことを受けて、知事の御所感は。
知事
私が出したコメントとほぼ同じ趣旨の内容になっていると思います。国民的な理解が得られているとは言えないような状況、特に漁業関係者や関係する地域の住民の皆さんの理解ということが得られていない状況ですので、海洋放出という以前に、原発事故に由来する放射性物質を含んだ水の処理の仕方について、あらためて国民的な理解が得られるようなプロセスを踏んでいきましょうということなのだと思います。
記者
昨日の臨時会での緊急的な提案として認められた発議案ということですが、県議会として政府の方針を受けてすぐの対応というのは、県議会の対応としてはいかがでしょうか。
知事
岩手の漁業者の皆さんからも強い懸念や反対意見が表明されていましたので、そういった県民の声を受けた対応だったのではないかと思います。
記者
今の質問に関連してなのですけれども、まん延防止等重点措置が4県拡大されて、これからどんどん、どんどん拡大されていったり、緊急事態宣言が発令されるかどうかというところもあるかと思うのですけれども、先般のコロナ本部員会議で決めた対応を強化するとか、そういった新たな展開に持っていくような考えというのは、今のところありますでしょうか。
知事
今の段階では、近々対策本部員会議をするという予定はありません。
記者
分かりました。ありがとうございます。あと、緊急事態宣言が岩手など全国に拡大されたのがちょうど1年前の4月16日でございました。この間、宣言が解除されたり、また発令されたりと繰り返していましたけれども、知事、その辺についてはどのようにまず御覧になっていらっしゃいましたでしょうか。
知事
いわゆる第1波は、緊急事態宣言もあって、日本全体としてほぼゼロにまですることができましたので、そこで第2波が起きなければ、日本はニュージーランドや台湾のように、今でもほぼゼロを続けることができたのだと思うので、やはりそこは反省しなければならないことだと思います。
一方、イギリス型変異株が入ってきた後に流行の増加を、これは、鎮静化はもちろんですけれども、上昇を止めた実績もまだ日本にはないのですよね。イギリス型変異株が入ってきたことで、大阪(府)では今までにないような急上昇が起きていて、周りの県も今までにないような増加が起きています。そして、東京(都)は、恐らくイギリス(型)変異株が入っていなかったら、第3波は(新規感染者数が)うんと高いところまでいったのですが、急速に下がって、さらに下がっていたのだと思います。それを1日300人くらいの水準で下げ止めてしまったという効果が、まだ1桁パーセントしかなかったイギリス型変異株が300以下にさせない効果を持っていて、さらに今、2,30%まで東京のイギリス型変異株が増えてきて、東京も増え始めてしまったと。本当はそこまで増えるような行動を都民はしていないのだけれども、やはりイギリス型変異株のせいで増えているというところがあると思います。ですから、去年の成功例がそのまま今同じことをやって同じように成功するとは限らないというか、同じようにやったのでは成功しないような今状況にありますから、今までにやったことがないような思い切った行動規制をかけないと、この第4波というものを克服することは難しいと思うので、そこは日本全体として勝負どころだと思います。
記者
ありがとうございます。先ほどは、岩手としてもイギリス型変異株については、岩手としては感染地域との往来に気をつけていただくとか、基本的な感染対策とか、岩手県民に対して注意を呼びかけたいということはございますでしょうか。
知事
イギリス型変異株が今岩手にほとんど入ってきていないというのは、非常にこれはありがたいことでありまして、今のところ今までどおりのやり方で通用する状態で岩手は来ていますので、そこは岩手県民の皆さんの行動に感謝したいところです。岩手県内にイギリス型変異株が増えてきて、今までにないような上昇の仕方、今までにないような増え方を、その気配があったらすぐに今までになかったような対策をお願いしていくことになると思います。
記者
そのあたりは状況を見ながら即座に本部員会議を開いたりということ。
知事
そうですね。はい。
記者
ありがとうございます。最後に1点、先ほども出ましたが、いわて旅応援プロジェクトなのですけれども、宿泊、旅行関係業界にまず潤いというか、困窮しているところをまず当座の間しのぐというようなところだと思うのですけれども、あらためて県民に対する利用の呼びかけ、メッセージ等ございましたらお願いできますか。
知事
岩手の旅館やホテルは、普通の皆さんが普通に働いたり普通に生活しているよりも密でなく、人と接することはない、感染リスクが低い時間の過ごし方ができるホテル、旅館が多くあるわけです。そういう意味でそれぞれ感染対策をしっかりしながら、今自分がやっている仕事、今やっている生活、そことの関係もいろいろ判断しながら、自分の中に、ここはやっぱりホテル、旅館に滞在すべきだという思いが湧いてきた場合、プラス困窮している観光関係事業者の皆さんを応援したいという気持ちが湧いている方々は、ぜひ県の制度を利用していただきたいと思います。
記者
幾つかあるのですけれども、私からも「いわて旅応援プロジェクト」のPRについて伺いたいのですけれども、まだ始まったばかりですけれども、まだまだ認知されていなくて、今後は周知が必要かと思うのですけれども、今後県のPRの仕方について教えていただけますか。
知事
宿泊先と連絡を取れば、そこでもう案内を受けられるし、また遅くともチェックインの段階で割引の説明があるのだと思います。そういう意味では、もともと旅行したい、旅行で観光業を応援したいと思っている皆さんについては自然体でやっていただければ制度の利用はできると思いますし、今朝、地方新聞に一面広告を載せるなど、広報活動も始めたところでありますので、広報活動もしっかりやっていきたいと思います。
記者
あと、話題変わりまして、先ほど広島に出張されて、イクボス知事同盟の会議か何かに参加されたとお話ありました。いわゆるボスの育児支援について、今回どのように感じて、今後県としてはどういったことを考えてやっていきたいというふうに感じましたでしょうか。
知事
岩手からは、若者向けの住宅支援、これを強調してアピールしました。岩手に引っ越してくる際の引っ越しの助成でありますとか、岩手で空き家を活用する、あるいは岩手の木を使って家を建てる、また県営住宅を若い人が活用する、そういったときにそれぞれ助成すると、支援するということを強調しました。全体として、どの県も若い人たちが生活して、家庭をつくって、子供を産んで育てるというためのいろんな施策を積み重ねてきて充実させているところですが、新型コロナウイルスの流行で大都会に住むリスクの高さ、一方で地方に住むことのリスクの低さというのがはっきり見えてきて、今あらためて地方で暮らし、地方で働くことのよさを、あと地方で子育てすることのよさをアピールするときだという共通認識の下、岩手からは住宅支援を主に宣伝したところです。
記者
ありがとうございます。あとまた、ちょっと話題が変わるのですけれども、原発からの処理水の件なのですけれども、復興庁が処理水の安全性をPRするため、トリチウムをゆるキャラのようなかわいらしいデザインで表現したチラシや動画の公開を中止しました。13日に公開した直後から被災地、あとネット上で批判が出ていましたけれども、今回の復興庁のPR方法について、知事はどのように思われるのか教えていただけますか。
知事
私は、化学物質を擬人化してイラストにするということはどんどんやっていいのだと思っていて、ヒッグス粒子も含めてどんどんキャラクター化していっていいと思っているのですけれども、ALPS(アルプス)処理水というのはトリチウムだけではなくて、核種という言葉がありますけれども、ほかの放射性物質も入っているのではないかというか、東京電力のホームページではっきりほかのものも入っていて、普通の原発から出る排水に入っていないような物質もALPS(アルプス)処理水に入っているということも心配している方々の論点の一つとなっていますので、それがトリチウムしか入っていない、普通の原発排水と同じだみたいな方向に持っていくようだと、それはちょっといわゆるミスリーディング、誤解を広げてしまう、議論をまた止めてしまうというのですか、政府側は隠しているというようなことにもつながりかねないので、そこが問題なのだと思います。
記者
ゆるキャラの使用自体は容認というか、そういう考えでしょうか。
知事
ほかに含まれているやつ(物質)を全部キャラにするとか、偏りなくやるのも手だったかもしれません。ただ、事態が漁業関係者や住民の理解が得られない中で政府の決定が進んでいくというようなことに対する反発がある中で、それに直接答えないような政府のそういう広報活動というのは全て批判の対象になるという、今はそういう状況だと思います。
記者
分かりました。ありがとうございます。あと、政府は今回の処理水の安全性をPRしていますけれども、片山さつき参院議員が自身のツイッターで、地元の理解を得るためには飲むくらいでないとというような発信をしまして、処理水の安全性をPRするために自ら飲む決意を示したのですけれども、処理水を飲むというこういうPRの仕方について、政治家自らが飲むという姿勢、これについてはどのように感じますか。
知事
テレビをいろいろ見ている中で、科学的には飲んでもいいということは言えないというのが今の状態と理解していますので、飲んだからといって安全とは限らないということがあると思います。アメリカ人でイアン・ブレマーという人がいまして、毎年お正月に今年の世界のリスクというのを、リスクベストテンを発表するので、日本でも毎年広く紹介されているイアン・ブレマー、国際問題評論家ですけれども、昨日彼のツイッターを見ていたら、安全だということは自分には言えないということを言っていて、やはり飲めばいいというものではなくて、さっきの普通の原発排水にないような放射性物質も含まれていること、それが安全なのかどうかというような、やはり科学的な、論理的に納得できるような説明の仕方で進めていかなければ駄目なのだと思います。
記者
ちなみにですけれども、達増知事は、処理水を飲んでPRするとか、そういったお考えは今のところはないですか。
知事
私は、イアン・ブレマーさんの評論というのは、結構ツイッターもフォローしていて参考にしていますので、彼が安全と言えないと言っているものは、ちょっと飲めないかなと思っています。
記者
分かりました。あとすみません、もう一点なのですけれども、ちょっと話題変わりまして、聖火リレーなのですけれども、ほかの都道府県では無観客にしたり、規模縮小にしたりという動きが出ていますけれども、本県で予定されている聖火リレーについては変更する予定があるかどうかというのを教えていただけますか。
知事
和歌山県、奈良県、そして徳島県と1週間10万人当たり感染者数が15(人)を超えているところでも予定どおりやっているなと思いながら見ていまして、聖火リレー自体が密を避けて感染リスクの低い状態でできるのであれば、県全体がそのようなステージ3相当の感染状況になっていても予定どおりできるのだなということは、ちょっと今参考にさせてもらっているところですけれども、いずれ感染対策というのをきちっとやりながらでないと聖火リレーというのはやってはいけないものだと思っていますので、本番直前までそこは気をつけて対応していこうと思います。
記者
オリンピック関連の話なのですが、自民党の二階氏がオリンピックについて、コロナの感染状況が収まらなければ中止も検討しなければいけないという発言が15日にテレビでありました。まず、その発言についての知事の所感をお伺いしたいのが1点。そして、仮にオリンピックの開催可否を検討するとなった場合に、どういったものを検討材料として、どのようなプロセスをもって決定するべきと考えるか、その計2点お聞かせください。
知事
可能性の問題として、大阪(府)での今の感染者数の増え方と同じような増え方を東京(都)もするようになり、そして日本全体も同じように急上昇するようになっていけば、オリンピック中止という選択肢が非常に現実的なものになってくると思います。そういう意味では、そうならないような感染対策を緊急に、かつ大々的にやらなければならない局面なのだと思います。そして、国内規模ながら国民体育大会と全国障害者スポーツ大会を岩手でやったときの経験を基に、そういうオリンピックに比べると小さい経験で恐縮ではあるのですが、行事毎、競技毎の判断ということが現実的になってくるのかなという感じがします。開会式をどうするかということがまずありますでしょうし、あとは競技毎、テニスとか、あと普通の競泳もでしょうか、感染リスクが低くて、国際試合や大規模な全国大会が行われているようなスポーツがありますよね。一方で体と体を直接くっつけるような柔道、レスリング、そういった試合もあり、競技によって感染リスクがかなり違ってくると思いますので、テニスはできるけれども、レスリングはちょっとみたいなことも起きてくるのではないかと思います。あとは、リモートでやるという場合も、ネットオリンピックにどんどんしていくという可能性で、ウエイトリフティングは去年日本の全国大会を通信記録会というやり方でやれたのですが、ウエイトリフティングは会場によっての条件の違いがあまりないので、どこでやってもほぼ同じ結果ということを前提にしたリモート大会が開きやすいのだと思いますが、バレーボールとか野球のような競技はリモートで戦うわけにはいきませんので、そこの競技によって違ってくると。
さらに言いますと、それぞれの競技毎に国としての参加国それぞれの判断があると思います。参加国それぞれが自分のところの感染状況や、また日本に行くことのリスクという、日本国内の感染状況をそれぞれ見て、それぞれの国の基準で、今東京に行くわけにはいかないと判断すれば、そういう国は参加しないということになり、どれだけの不参加というものを競技毎に受け入れられるか。一定数以上になれば、もうその競技全体を中止にするという選択肢が出てくる。こういったことは、なかなかオリンピック全体として中止するかどうかとか、あるいはオリンピック全体として、中央の誰かがこの競技とこの競技だけやるみたいなことを決めるのは難しくて、それぞれの競技毎、参加国毎、分散的な意思決定の集積として東京オリンピックの形が決まるということになるのではないでしょうか。
記者
ありがとうございます。1点目の質問だった二階氏の発言についてはいかがでしょうか。
知事
あれは、論理的には日本全体が大阪ペースで感染者が増えていけば、全体の中止ということは現実的な選択肢なのだと思いますが、さすがにそうはさせないように感染対策は今からしていくわけですので、必ずそうなるとは限らないということだと思います。
記者
2点ありまして、1点目なのですけれども、今日から運用する旅プロジェクト(いわて旅応援プロジェクト)のほうなのですが、事業者の方にとってはかなりちょっと始まるまでの期間が短かったかなというような意識がありまして、実際ゴールデンウイークもありますし、かなり期待は寄せられているようなのですが、現在ほかにやっている割引との運用など、少しややこしい部分もあると思いまして、そういった事業者の方々への説明というのは、今後どのように予定されておりますか。
知事
3月からもうやってもよかったような内容ですし、観光の現場にはGoToトラベル事業が全国一斉禁止になった頃から、岩手は続けてもいいのではないかとか、県による代替事業があってもいいのではないかという話がずっとあったわけですので、そういう意味では突然今まで考えたこともなかったような事業を急にやるということとは違いますので、幾つかの確認事項を徹底できれば、すぐ軌道に乗っていくのではないかと思います。
記者
ありがとうございます。もう一点なのですが、昨日発表になりましたイギリスのホテルチェーンと岩手の企業さんが契約を締結しまして、今年12月に安比高原に3つ新たにホテルを開業するということを発表されたのですが、こちらについて県内の経済的な期待だったり、知事の所感を教えていただければと思います。
知事
イギリスのハロウスクールが岩手の教育環境の良さを選んでくださったように、インターコンチネンタルグループが岩手の観光の環境の良さ、特にスキーリゾートとしてのクオリティーの高さを選んでくださったのだというように思います。ANAインターコンチネンタルというブランドは、もう世界有数のブランドでありますので、今まで安比の良さ、岩手の良さということをあまり知らなかった人たちにもどんどん知れわたって、利用が増えることが期待できますし、ひいては岩手全体の環境の良さ、ほかのスキー場であったり、ほかの観光地に対しても好影響があると思います。
記者
先ほどのオリンピックの話で、二階さんの無理なら中止という発言が波紋を広げている中で、英国型の変異株が増えているという現状で、かなりオリンピックが感染を拡大させる要因にもなってしまうと思うのですけれども、今後どうやったら開催できる状態に持っていけると考えていらっしゃいますか。
知事
私ならば、やはり東京の新規感染者数をほぼゼロ、ステージで言えばもうステージ1ですよね、そのくらいに下げないと、やはり競技とか、国とか、やれないというところが多過ぎて、オリンピックとしての開催ということに、やはりオリンピック、できるだけフルオリンピックとして開催したいという気持ちがありますから、そのためにはほぼゼロ、ステージ1にまで下げると。去年の第1波は、3月下旬にはもう下がり始めていたのです。あのときぐらいのやり方で、それまでだったら下がり始めていたのですが、それを上回るような人の動きの制限、これをやればイギリス型変異株が入っていても、鎮静化させることはできると思いますので、東京を中心に思い切った行動制限を一定期間やることが必要だと思います。
記者
分かりました。あと、もし開催が無事できる状態だったとして、復興五輪としての発信の仕方を、今知事はどのようにこのコロナ禍の中でどういった発信をしていきたいか、今の時点で考えていることなどあれば教えてください。
知事
5つの町村での聖火の展示が復興五輪としてのまずいい場になったと思いますし、次は聖火リレーがそのような場になることを期待します。陸前高田市でモッコという巨大人形がやってくる文化イベントも近々ありますし、そういった関連イベントも成功させて、そしてホストタウンの関係でそれぞれの市町村がそれぞれの国とやり取りをして、そのやり取りは新型コロナウイルス対策で大変だというような、そういう苦労も含めてお互いの絆を強めていくことにつながると思いますので、そういった活動を通じて復興五輪としての成功に近づけていければと思います。
記者
復興五輪の見せ方というか、あまり来県してもらわないような形で、何かリモートで発信とか、そういったことは考えていらっしゃいますか。
知事
東京がステージ1ぐらいにまでなって、岩手は今ステージ2とステージ1の微妙な境目ぐらいにあると思うのですが、そうなると新幹線などでばんばん東京から岩手に来てもらっていい状況になりますので、できればどんどん沿岸をはじめ、岩手の各地を回ってほしいと思いますし、少なくとも情報提供として東北ハウスは、これは情報発信としては東京オリンピック・パラリンピックの開催がどうなろうと、情報発信はやるともう決めて準備進めていますので、東北ハウスでの情報発信というのにも期待したいと思います。
広聴広報課
以上をもちまして、記者会見を終わります。
次回記者会見
次の定例記者会見は4月23日(金曜日)の予定です。
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