令和3年7月16日知事会見記録

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開催日時

令和3年7月16日10時00分から10時48分

会見記録

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に知事から発表があります。それでは、知事お願いします。

知事
 平泉町の柳之御所史跡公園内に整備を進めてきた岩手県立平泉世界遺産ガイダンスセンターを本年11月20日に開館します。ガイダンスセンターの館長は、菅野洋樹(かんの ひろき)さんです。菅野洋樹さんは、岩手県の総務部長を務め、そして「平泉の文化遺産」が世界遺産登録されたときに教育長を務めていました。県の要職を歴任し、「平泉の文化遺産」の理念、価値、そして拡張登録を目指す遺産についてよく知っている方であります。
 そして、名誉館長は近藤誠一(こんどう せいいち)さん。近藤誠一さんは、ユネスコ日本政府代表部特命全権大使、そして、文化庁長官を務められました。平泉の世界遺産登録に尽力をいただきました。専門的知見や人的ネットワーク、そして高い知名度を生かして「平泉の文化遺産」の理念や価値などを広く国内外に情報発信していただきたいと思います。

広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。

幹事社
 発表事項について各社から質問あればよろしくお願いします。

記者
 ガイダンスセンターの開館日と館長が決定したということで、今年は平泉の世界文化遺産登録10周年、様々な行事も行われています。あらためて今後の拡張登録も含めたこのガイダンスセンターに期待する役割について、あらためて知事の考えをお願いします。

知事
 拡張登録については、これまでの調査研究や専門家の意見を踏まえ、国や関係市町と調整の上、文化庁に推薦書案を提出できるように進めていきたいと考えています。ガイダンスセンターは、平泉の世界遺産としての資産の価値を分かりやすく伝え、理解を促進するためのもの(施設)であります。より多くの方に来館していただきたいと思いますし、また、平泉の世界遺産に対する理解が深まる中で、この拡張登録にもそれがつながっていくことを期待します。

幹事社
 では、発表事項以外で質問があればよろしくお願いします。

記者
 オリンピックが実施まで1週間ほどとなりました。東北に関しては、福島県がコロナの影響で無観客(開催)ということを決められまして、宮城に関しては今のところ有観客(開催)というのを知事が表明しているのですが、山形、秋田、各知事あたりは無観客を望むというような考えを出していらっしゃいます。知事はどのようにその辺を考えていらっしゃるのかということと、同時に宮城はこのまま有観客で実施するということになれば、県民にどういうようなことを呼びかけられたいのか、ちょっとその辺を教えていただければと思います。

知事
 1万人を上限とするサッカーの試合があの(宮城県)利府(町)の大きなスタジアムで10試合行われるというふうに聞いております。そこで、感染対策をしっかり行って、サッカー競技を実現するというのは、どのようにやれば感染リスクを高めない形で開催できるのかは、私には分からないのですけれども、関係者の皆さんはそこを今、確かなものにしての開催ということを図っているというふうに推察しております。
 宮城県全体として、実はこの7月に入る頃から、1週間毎に新規感染者数が倍、倍と増えてきている状態でありまして、昨日の時点で直近1週間の10万人当たり新規感染者数が8.7(人)ということで、今、デルタ株が東北の方にも来ていることを考えますと、かなり警戒しなければならない状況に今あると思います。今後さらに宮城県の感染状況が悪化していくような場合には、岩手県からも岩手県民の皆さんには適時警戒すべき情報を共有していくように努めていきたいと思いますし、県民の皆さんには岩手県としても「岩手警戒宣言」をやっている最中でありますので、県境をまたいだ移動については、その行き先が緊急事態宣言の対象であったり、まん延防止(等重点措置)の対象であったり、あるいは1週間の10万人当たり新規感染者数が15(人)を超えている状態であったり、そこのところに気をつけていただいて、それぞれ不要不急の移動は控えるとか、あるいは移動する場合でも慎重に移動するというようなことに努めていただきたいと思います。

記者
 ちょっと補足なのですけれども、仮に宮城が有観客にこのまました場合、(開催)すること自体に関しては、知事御自身はどのように、賛否といいますか、現時点ではどのように思っていらっしゃるか、いかがでしょうか。

知事
 その善しあしを判断するのに必要な情報を持ち合わせていませんので、そのことに関しては、ちょっと判断はできないと思っています。

記者
 私もオリンピックに関する質問です。開催まで1週間、岩手県ゆかりの選手も出場します。あらためて岩手県ゆかりの選手への期待であるとか、オリンピックそのものへの期待があればお聞かせください。

知事
 今回のオリンピックは、10年前に東日本大震災があった特別な国の首都東京において、そして今、世界中で新型コロナウイルスがパンデミックとして広がっている特別なときに行われる特別なオリンピックなのだということをあらためて確認すべきときだと思います。 東日本大震災の犠牲者を追悼し、プラス世界中で、自然災害で多くの皆さんが犠牲になっていますので、そうした自然災害による犠牲者の皆さんへの追悼の気持ちも心に抱いて、東京オリンピックに臨むべきと思います。プラス日本で1万5,000人の方々が亡くなり、世界中では400万人の方が亡くなっている新型コロナウイルスの犠牲者に対する追悼の想いも胸に抱き、敬けんな気持ちでオリンピックに向かうべきだと思います。
 その中で、スポーツに対する真剣さ、真剣な思いや、また、今まで積み重ねてきた練習や試合の実績を一層真剣に本番に花開かせるという意味で、岩手県人の選手の皆さんには自分のベストを引き出して、記録や、また記憶に残る、そういう競技をしていただきたいなということを期待します。

記者
 ありがとうございます。また、ちょっと別な質問なのですけれども、衆院の任期満了まで間もなく3か月になります。あらためて次期衆院選について、どういった形で行われるのがふさわしいとお考えでしょうか。

知事
 まず、新型コロナウイルス感染のリスクができるだけない状態で選挙が行われるべきだと思いますので、選挙のためだけではなくても、日本における感染は、どんどん抑えていくべきことではあるのですけれども、選挙のことを考えても感染をほぼゼロに抑えていく努力をやはり日本全体としてするべきなのだと思います。そういった選挙の安全が確保された中で、できるだけ法律の範囲内で自由自在な選挙が行われればと思います。

記者
 新型コロナに関してなのですけれども、岩手県でもデルタ株の感染が確認されまして、やはり感染力が強いことなどが警戒されていると思うのですけれども、こういった中で今後、夏休みとかお盆期間を控えまして、何か県民にあらためて呼びかけたいことですとか、知事の警戒感などあれば教えてください。

知事
 岩手県内の感染状況、午後3時に県と、また関係の市町村(盛岡市)も一緒に発表していますけれども、その内容は私も報告を受けていますが、やはり以前に比べて感染しやすい、うつりやすくなっているなと思います。職場の中でうつりやすいし、家庭の中でもうつりやすい。そして、飲食の場でもうつりやすいということで、あらゆる場面での感染対策を今まで以上に徹底してほしいと思います。
 そして、地域によって、東京(都)では新規感染者数がどんどん増えていますし、そして神奈川(県)、千葉(県)、最近になって埼玉県もステージ3相当の新規感染者数になっています。大阪(府)もそうなりました。そのように、感染者数が増えているところ、そこには特に注意していただいて、不要不急な移動は避けたり、あるいは、必要があって移動する場合にも慎重に移動するようにあらためてお願いしたいと思います。
 あと、デルタ株は、また無症状でとどまらないケースが多く、症状が出たり、場合によっては重症化することもあるということで、日本全体、東京などでは40代、50代での重症化というのが報告されていて、岩手でも実感として熱が出るくらいのそういう症状というのは、かなりの人に出ています。ここがまた以前までのウイルスと違うところでありますので、そこのところもよく理解していただいて、より感染対策を強化してほしいと思います。
 あと、ワクチン接種の方は、日本全体初めての試みで、いろいろ順調にいかないようなところもあったりするわけですけれども、基本的には関係者の皆さんの努力で、かつてないそういう作戦行動を迅速に進めておりますので、希望する方々はどんどんワクチンを受けていっていただきたいと思います。

記者
 分かりました。ありがとうございます。続いて、オリンピックについてお伺いしたいと思います。開幕まで1週間ということで、理念の一つに復興五輪ということも掲げられていると思いますけれども、被災地の岩手県の知事として、今回のオリンピックについて、岩手のどんな姿を皆さんに発信していきたいとお考えですか。

知事
 巨大人形「モッコ」のイベントや、そして聖火リレーなど、オリンピックというテーマで、オリンピックの主催者と一緒にやっている、そういうイベントは一通り終わって、岩手に関心を持ってもらうという働きかけは、あとは、開会式の前の日の7月22日に秋葉原に東北ハウス(東北・新潟の情報発信拠点)をオープンして、その中に岩手の出展もありますので、それをきっかけなどにしていただきたいのですが、また、同時に今年は震災から10年という節目の年でもありますので、その前後かなり東日本大震災を振り返るような報道とか、あといろんな論説が出て、かなりインターネットでも今でも読めるようになっています。
 また、岩手県は震災津波アーカイブ「希望」というのをインターネット上に立ち上げていて、その「希望」から東日本大震災と、そこからの復興について、かなりいろんなことを知ることができるようになっています。ぜひこのオリンピックの機会に、あらためて東日本大震災のことを振り返り、そして、その後の復興のことにも思いを寄せていただきたいということを発信したいと思います。

記者
 当初であれば実際に岩手に来てもらって、語り部の方からお話を伺ったりとか、直接被災地の沿岸を見ていただくというのができるのが理想だったかと思うのですけれども、新型コロナで外国人の観客が来られないとか、移動が今も緊急事態宣言がある中で、どういうふうに皆さんに岩手のことを知っていただきたいですか。

知事
 やはりインターネットを活用して、かなりネットを通じて、見たり、聞いたり、また、テキストが出てきて読んだりもできるようになっていますので、新型コロナウイルス対策の関係で、自宅やそれに準じる屋内にずっといらっしゃる方も多いと思うので、この機会にぜひインターネットで岩手県関係の東日本大震災や復興の情報に、どんどんアクセスしてほしいと思います。最近でも興味深い動画、非常に考えさせられる動画なども、どんどんいろんな人が作って出していますので、東日本大震災復興、そして岩手県というテーマで、ネットサーフィンのようにいろんなものを探してみていただくだけで、かなりアクセスできますので、この機会にぜひそういうことをやってほしいと思います。
 NHK関係のサイトだけでも、かなり東日本大震災復興関係、岩手にまつわる感動的な動画とか、ためになる資料とかがいっぱいあると思いますので、それもぜひ活用してほしいと思います。

記者
 ありがとうございます。そういった中で、やはり岩手に関心を持っていただいて、コロナが少し収束した後に、ぜひ今度は直接足を運んでいただくということができるように働きかけていけたら一番いいのですかね。

知事
 そうですね。移動が難しい間、そういったインターネットでの情報提供や交流になるわけですけれども、それがコロナ収束後のリアルでの交流につながればいいと思います。

記者
 私も復興五輪の関係で伺いたいのですけれども、今、知事がおっしゃられたように、いろんなインターネット等を通じて自ら情報を求めていくということは、全国民、世界の方々はできると思うのですけれども、最近「復興五輪」というワード自体をなかなか政府の方でも聞かなくなってきたかなというふうに思います。今回あらためて、復興に関する五輪の意義というのがちょっとかすんできているところもあるのかなと思うのですけれども、その辺について知事はどのようにお考えでしょうか。

知事
 アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで東京2020(オリンピック・パラリンピック)の開催が決まったときに、障がい者陸上競技で活躍する宮城県の選手のプレゼンテーションも含めて、東日本大震災が起きた特別な国の首都東京でのオリンピックということは、それを決めたIOC(国際オリンピック委員会)でも、それがあるから特別な場所での特別なオリンピックとして決めたということは揺るぎがないと考えています。実際人間が移動して、大勢集まってやれるような復興関係の企画ができない分は、やはりインターネットで補うとか、ほかの手段でいろいろできますので、IOCや、また日本の(大会)組織委員会、そして政府には、そういった形で復興五輪として成功するようなことをいろいろ新しく考えてやってほしいと思います。

記者
 分かりました。ありがとうございます。それから、新型コロナの件なのですけれども、先週9日に「岩手警戒宣言」が出されて1週間となりますけれども、なかなか効果はそんなに1週間ですぐ出るようなものではないかと思うのですけれども、あらためてこの1週間の感染状況の御認識と、今後あらためて期待されたいことを伺えますでしょうか。

知事
 県民の皆さんも、そろそろまずい、危ないと思っていたからというのもあるかもしれませんけれども、宣言後の1週間、新規感染者数は、ほぼ横ばいのような形で、感染拡大していないことはありがたいことだと思っております。
 一方、第4波が全国的に一旦収束した中、岩手県は収束し切らず、そして、むしろ増える傾向が出てきているという、そういう構造は変わっていませんので、岩手県内にクラスターが起きていく、感染が出てくる、県外からの持込みだけではない岩手県内に感染のスタート地点が存在するという状況は変わっていませんので、そこは、より感染対策を徹底して、持ち込まれる以外の感染がどんどん少なくなって、持ち込まれる感染も少なくなって、全体としてほぼゼロ、1週間10万人当たり(新規感染者数)でいくと2.5(人)を下回るようなところを目指してやっていくお願いをしたいと思います。

記者
 ありがとうございます。最後に、(新型)コロナに関して同じように1点なのですけれども、昨年の7月29日に岩手県で初めて感染者が確認されまして、それから考えると、間もなく1年になろうかというところですけれども、直近1週間の10万人単位では15(人)を超えることは岩手ではなかったわけですけれども、この間、新型コロナの封じ込めということに関して、それから医療体制とか、対策として知事はどのように評価されるか、御見解を伺えますでしょうか。

知事
 日本の中で1週間10万人当たり(新規感染者数が)15人を超えていない県というのは、鳥取、秋田、岩手、新潟の4県だけで、日本全体の中で感染リスクが低い県であるということは、今でもそうだと思いますので、そこは県民の皆さんにあらためて感謝申し上げたいと思います。そして、医療の現場や、また感染対策をしっかりやりながら、大勢の人に接するエッセンシャルワーカー、必要な仕事をしている皆さんには、あらためて御礼を申し上げたいと思います。長期化していて大変なのですが、今、世界全体がこの課題に直面しておりまして、お互い大変なことに直面する同士、心を通わせながら、お互いを励まし合って、そして今、目の前の危機にきちんと対処していっていただきたいと思います。
 長期化する中で、1つは緊張感がずっと続いている医療現場や保健福祉の現場については、やはり医師不足や医師の偏在、そういう構造的な医療体制の弱さ、福祉関係の体制の弱さというようなところは、やはり改善していかなければならないということをあらためて強調したいと思います。これは、コロナが終わってからとかいうのではなくて、様々、医科大学、医学部の定員を減らさないようにするとか、研修をより地方にお医者さんが残りやすいような、地方にお医者さんが行きやすいような研修にするとか、そういうことは今でもどんどん改革ができますので、そういう地方の医療福祉体制を強化するようなことをどんどんやっていかなければとあらためて訴えたいと思いますし、あとは飲食店をはじめとする打撃を受けている事業者の方々、長期化する中で、時間が経てば経つほど、しんどくなっていくわけでありますので、ここはそういう困窮の状況を業界の団体、そして行政で共有しながら、その都度必要な支援策というのがきちんとできるように、力を合わせて乗り越えていきたいと思います。

記者
 先ほどおっしゃっていた宮城での五輪のサッカーの試合の件なのですけれども、先ほど知事の発言では、善しあしを判断する情報を持ち合わせていない、判断はできないなと思うということでしたけれども、これは、つまり村井知事の判断に委ねるということでよろしいでしょうか。

知事
 岩手県営球場などは、プロ野球の試合をやると1万5、6千人ぐらい入って、そのイメージで、あそこで1万人の大会をやるとすれば、あそこの座席をどう使ってとか、入り口の大きさがああだから、あそこをどうしてとか、それでできるかできないかの判断というのはできるのですけれども、宮城県内の施設については、そういう作業はできないということです。そして、判断はお任せというよりも、いずれ(新型)コロナウイルス感染拡大を悪化させてはならないので、そこは悪化させないでくださいねということは、お願いしたいと思いますし、また、日本全体できるだけ少なくしていくということが今、求められますので、むしろ宮城県における感染者を少なくしていくようにはお願いしたいと思います。

記者
 村井知事には、直接お願いとか連絡、この件でされているのでしょうか。

知事
 岩手県としては、新型コロナウイルス感染対策としては、岩手県内の状況の把握と対策、宮城県との移動に関しては、利府(町)のスタジアムでのそういうイベントということに限らず、宮城県内の感染状況全般について情報を入手しながら、対応しているところです。

記者
 岩手県から宮城での試合に観戦しに行く県民も少なからずいると思うのですけれども、宮城は感染拡大地域ではないと思うのですけれども、これは不要不急の外出に当たるのかどうか、そのために行ってもいいかどうか、そこら辺というのはどのように呼びかけますか。

知事
 一般論なのですけれども、過去、そして最近も岩手県と近隣県の間、スポーツの関係で移動して感染された方は結構いますし、利府(町)のスタジアムでのサッカー競技、試合に限らず、危険なことは多いので、広く県境をまたぐ移動については、行き先の感染状況を把握した上で、それに応じた判断をしてほしいですし、県境を越えて移動する場合には、それなりの高いレベルの感染対策を行ってくださいということをあらためて言いたいと思います。

記者
 オリンピックの試合だから特別に行かないでとか、そういったわけではなくて、ほかの試合と同様に対策してほしいという、そういう趣旨ですか。

知事
 一方、今後、何か追加的な情報があれば、それを踏まえた注意喚起はするかもしれません。

記者
 ありがとうございます。話題変わりまして、熱海(市)の土石流なのですけれども、この件で大きな被害を招いた原因として、大雨という天災の要因だけではなくて、業者が行政の目の届かないところで盛土をしていたという、いわゆる人災の面も明らかになっています。岩手県では、盛土造成を規制する条例というのは、独自のものはないというふうに担当部署から伺っているのですけれども、今後、岩手県独自に盛土造成を規制する制度づくりに着手する考え、おつもりはあるのかどうか教えてください。

知事
 今、私を巻き込んだ形でそういう動きはないところであります。岩手県内、廃棄物の不法投棄もそうですし、あとは、いろいろ土砂を大規模に動かすような開発行為などなど、普段から違法なことがないように気をつけ、環境破壊につながっていないかということは、県としても、市町村や関係の団体と連携しながら気をつけているところではあるのですけれども、熱海市のケース、非常に特殊な例ではあるようなのですけれども、ああいうことが岩手県内で起きないようにということについては、もうちょっと熱海市での事例の事実関係が明らかになってくるところを研究していかないとというふうに思います。

記者
 あと、最後に1点なのですけれども、岩手朝日テレビの人気番組「GO!GO!いわて」のMCを務められている天津木村(てんしん きむら)さんが御自身のブログで、東京に暮らす奥様とお子さんが岩手に移住されるということを報告されました。木村さんは既に単身で岩手に移住されていますけれども、一家で移住することになるということで、岩手は東京の子育て世代から注目されている裏づけになるのではないかなというふうに思います。子育て世代含めて、若い世代の移住について考えているところ、思い等々について教えていただけないでしょうか。

知事
 天津木村さんは、発信力がある人で、まず単身で岩手に入ってからも、盛んに岩手のよさをSNSなどでアピールし、テレビ番組でもアピールしてくれて、大変ありがたいと思っているのですけれども、今度は家族でということで、岩手県は移住・定住、Uターン、Iターンをどんどん増やしていこうということで、特に若者向け、あるいは若い世代向けに住宅支援なども力を入れていこうと、今年度からやっているところもありますし、天津木村一家の動向には私も注目していきたいと思いますし、岩手の良さの情報がどんどん発信されて、さらなるそういう人の流れにつながっていけばと期待します。

記者
 ワクチン供給についてお尋ねいたします。自治体にワクチンが届く量が減ってきていて、その量の県に対する国からの通知というのも、ぎりぎりのタイミングになってきていて、現場が苦労しているという状況があります。こうした現状の改善について、先日、知事は全国知事会を通じて国に伝えたいという趣旨のことをおっしゃっていたと思います。昨日の(全国知事会会長)飯泉さんと(行政改革担当大臣)河野さんのオンライン会議、それは伝わっているのでしょうか。御存じだったら教えてください。

知事
 一言で言えば、はしごを外した格好になって申し訳なかったと、河野大臣がそういう、はしごを外した形になったことは認めたということで、やはり急げ、急げということで、市町村の努力と工夫を重ねてどんどん急いでやっていたにもかかわらず、そこが必要としているワクチン量が必要量を供給されないで、それでようやく取消しなど、スピードを緩めざるを得なくなったところが多数発生しているということについては、国も認めて、そういう謝罪の言葉もあったというふうに理解しています。あとは、本当に希望量をどんどん供給してくれるように、さらに働きかけていきたいと思います。

記者
 それは、ツールとしては、やはり全国知事会を通じてということになりますか。

知事
 岩手は岩手でいろんなルートから要望できますので、岩手単独でも要望していきますし、そして全国知事会からも要望していくようにしていきたいと思います。

記者
 前回の会見でおっしゃっていた内容は、既に岩手から国に届いているという御認識でよろしいですか。

知事
 そうですね。岩手だけの個別事情というのはなく、全国共通の問題点でありましたので、それは届いていると。全国版も届いているし、岩手の分も届いていると言っていいと思います。

記者
 同じくワクチン供給の関係でお伺いします。盛岡市の方に弊社のほうで取材したところ、このままでは年内の接種完了は難しいということで、来年に持ち越すことになってしまうのではないかというようなことを担当の方がおっしゃっていました。県として、今後、市町村の遅れが出てくることが見込まれる中で、支援をどうしていくのか、集団接種などをまた行うのかなど、県としての取り組み方を教えてください。

知事
 具体的にどの市町村がどのくらい足りていないのかという数字は、全国的に公表しないこととされているので、私もそこまで言及はしませんけれども、盛岡市が、やはりワクチン接種、国からのワクチンの供給希望量と実際に供給される量との間で困っているということは、そのとおりであると思います。供給を増やしてくれるように県からも国に伝えていきますけれども、同時に県としてやれる集団接種もありますし、そこで増やせる部分については、盛岡市民にワクチン接種が進むよう、県としても協力していきたいと思います。

記者
 先ほどと重なる部分が少しあるのですけれども、オリンピックについて、宮城の施設のことについては分からないということですけれども、人の動きは間違いなく増えると。そのことについて、もう少し具体的に知事はどのように考えられているかということをお聞かせください。

知事
 岩手県の県営球場で1万人規模の(試合)をやる場合に、その人たちが交通機関はどれを利用するかとかは推測して計算すべきであると思うのですけれども、宮城県内のそういうイベントに関しては、それと同じことはできないということは、さっき言ったことと同じなので、それはもうより具体的にと言われてもできないところであります。

記者
 隣接する県として懸念されていると、そういったことは現在ないということですか。

知事
 その1万人が上限のイベントに限らず、既に感染事例は、これは宮城と限らず、一般論で隣県との間ということで言及しますけれども、やはり移動して何かスポーツはじめ、イベントをやれば、そこで感染という事例はありますので、そういうイベントに参加したり、観戦ですか、観に行くという人たちは、行き先の感染状況をよく気をつけて、それに応じてやめたほうがいいときはやめて、そして、それでもやれると判断した場合、やらなければならないと判断した場合には、それにふさわしい感染対策をお願いしますということです。

記者
 最後にもう一点だけ、これも重なるのですけれども、復興五輪という意味合いにおいて、今大会が十分な大会内容になっているかと、その辺りの知事の評価はいかがでしょうか。

知事
 東日本大震災について、あまり目を向けてくれないとか、関心を寄せてくれないとか、復興のことを考えてくれないということについて、それを県のトップがとがめ立てするような姿勢というのは、あの東日本大震災を経験した県のトップからすると、そういうことはするものではないと思っております。あの津波直後の泥水の中から立ち上がって、そして壊れた家を片づけながら家族を探したり、そして大事なものを探したりしてきた、そういう自分たちの思いで自分たちが立ち上がってやってきて、そこにやはり自分たちの思いで自分たちが行動しなければと思って、助けに来てくれた人たちと一緒に復興というのはつくってきたわけでありますけれども、そういう意味では、それを本当に伝えて広げられるのは、やはり経験した我々というところもありましょうから、今インターネットの中には、かなりそういうことを知ることができる手がかりはいっぱい入っていますので、東京オリンピックをきっかけに、そういうのをどんどん見て、聞いて、読んでもらえるよう頑張っていきたいと思います。

記者
 度々すみません。メジャーリーグオールスターの件で、菊池雄星投手は体調不良により出場しなかったわけですけれども、大谷選手がまた二刀流としてすばらしい活躍を見せてくれました。それを受けての知事の所感と、今後どんなことを期待したいか、一言いただければと思います。

知事
 オールスターのスターティングメンバー、最初に出場する10人の名前が出る、その10人の中に2人分「大谷翔平」という名前が入っているという、そこからしてもすごいことが起きたなと思いました。新しい歴史がつくられたなという、非常に偉大なことを成し遂げたなと、そこで感無量になりまして、その後のピッチング、バッティングについては、あっという間に過ぎたという感じだったのですけれども、強打者たちを凡打に抑えて、3人でスリーアウトチェンジになったということは、やっぱりすごいなと思い、それが勝利投手にもつながったということで、やっぱりすごい選手なのだなとあらためて思いました。ぜひぜひさらに活躍してほしいと思います。
 あと大谷選手は、もうアメリカの野球ファン以外の人たちからも注目され、好感を持たれているようでありまして、日米関係の歴史の中で、そういう日本人の存在というのは、過去なかなか思い出せる例がほかになくて、野球の歴史を塗り替えているだけではなくて、日米関係の歴史も今、塗り替えようとしているのではないかなと思っております。
 そして、菊池雄星君については、エンゼルスの公式ツイッターで、雄星、大谷コンビが花巻東のユニホームを広げて、そこに「花巻から世界へ」と書いてある、それをエンゼルスが発信してくれて、非常にありがたいなと思いました。その写真、あれは多分デンバーのクアーズスタジアムの裏の方で撮ったのだと思われるのですけれども、エンゼルスのクレジットがついて、エンゼルスで撮った写真のようなのですけれども、そこに菊池雄星君がばっちり写っていて良かったです。あと、ホームランダービーの駆け寄り、水の差し入れ、あれも本当に良かったと思います。

広聴広報課
 以上をもちまして、記者会見を終わります。

次回記者会見

次の定例記者会見は7月30日(金曜日)の予定です。

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