令和元年9月9日知事会見記録

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開催日時

令和元年9月9日11時から12時08分

会見記録

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。本日は知事からの発表はございません。

幹事社
 質問の前に記者クラブへの転入者をご紹介します。転入者から一言挨拶をお願いします。

(記者紹介)

幹事社
 幹事社から、まずは、4選目の御当選まことにおめでとうございます。

知事
 ありがとうございます。

幹事社
 一夜明けまして、改めてお気持ちをいただけたらなと思うのですけれども。

知事
 ほぼ8時の当確で一気にうれしい気持ちになり、また40万対15万という大きな差がつくような形での、いわゆる圧勝というその得票数にも非常にうれしい気持ちがしましたし、また、33市町村全てで得票が上回ったというのは初めてのことでありまして、これも非常にうれしいことでありました。そして一夜明けて、県庁で県職員の代表の皆さんに迎えていただいて庁議もやって、そして県職員向けの訓示も行って、いよいよ仕事だなという気持ちになっています。
 私がこの選挙で訴えたことは、基本的に県職員と一緒につくってきた「いわて県民計画」でありますので、それが大きな賛同をいただいたということ、また、今までの復興の取組や、それから以前からの達増県政についても県民の皆さんに評価をいただいたのだということを職員にも伝えましたけれども、職員と一緒になってやってきた今までの実績を踏まえて、新しい「いわて県民計画」のもとでの仕事をしっかりやっていきたいという気持ちです。

幹事社
 ありがとうございます。各記者さんから質問があればよろしくお願いいたします。

記者
 4期目の当選おめでとうございます。

知事
 ありがとうございます。

記者
 ふたを開けてみると達増拓也さんが40万票、対する及川さんがおよそ15万票ということで圧勝であったわけなのですけれども、一方で投票されなかった方が50万人ぐらいいらっしゃいます。つまり、これはある意味一番多い方が誰も投票をされなかったということになります。今回の選挙では、投票率が53.46、前々回選挙戦となったときに比べて6.46ポイント大きく下がりました。選挙での投票率がどんどん下がっていくというのは、これは岩手県だけでなく全国的な傾向で、さらにより顕著な都道府県もあるわけなのですけれども、今回の投票率について、今回の選挙戦の例えば構図であったり、戦い方に何らかの投票率が下がる要因があったというふうにお考えでしょうか。あわせて、例えば全国的なトレンドあるいは民主主義というものに対しての市民、県民、国民の位置関係というのですか、政治と市民というものの位置関係に何か変化があるというふうにお考えでしょうか、何かまた対策というものがもしおありだったら教えていただけないでしょうか。

知事
 おっしゃるとおり、今回の岩手での選挙特有の要因と全国的な要因がそれぞれあって、県議選が無投票に終わった県議選選挙区が多数あったということ、そして達増県政の継続を求めるがゆえに投票に行かなくてもいいだろうと思った人たちもいるのではないかと思います。
 それから、私も全部を把握していたわけではないのですけれども、いわゆるネガティブキャンペーンというのでしょうか、悪口みたいな、そうですね、断片的に報道で知った限りではありますけれども、達増の悪口を言うためにマイクを握るみたいな発言もあったとか、そういったネガティブキャンペーンというのは有権者の心を離れさせてしまうところがあるのだと思います。
 そして、日本全体として投票で政治を動かし、経済や社会を変えていくという、そういう政治の基本的なダイナミズム、典型的にはオバマ大統領の「CHANGE」、「YES WE CAN」という投票行動によって変化を引き起こすことができる、今までできなかったことができるようになるというような、そういう選挙と政治のダイナミズムが日本全体として弱くなっているということもあると思います。必要なのは、世の中をよくしていこうという人や団体が民意を動かして、そして民意に基づきながら世の中を変えていくというところで、やはりもっと頑張らなければならないのだと思います。

記者
 4選おめでとうございます。

知事
 ありがとうございます。

記者
 県議会との関係を伺いたいと思います。知事が特別顧問についた希望郷いわてを実現する会は20人が立候補されて、そのうちの3人が落選されて、17人が当選されました。その推薦を受けた政党と合わせると、ざっと計算して県議会の過半数である25議席には届かないのかなというふうに見ています。
 そこで、2つ伺いたくて、1つは知事が特別顧問についた議員の皆さんのうちの3人が落選されたということの受け止めと、あともう一つ今後の議会対応の中で過半数を希望郷と共産党、社民で確保できない現状の中においては、今後の議会運営は丁寧な説明というか、県議会運営も必要になってくるかなと思いますけれども、その辺のお考えを教えていただけますでしょうか。

知事
 まず、大きな全体的な一般論的なところからいきますと、民意に沿う、県民、有権者の民意に沿うということが大事だと思います。
 私についていえば、私が結集核と呼ぶ、いわゆる野党共闘の4野党の支持層からいただいた票がまず沢山あり、そして無党派層からいただいている票も沢山あって、さらに自民党支持層の6割から票をいただいたという出口調査の結果もあったりいたします。そういう意味で、まず私のスタンスからしますと県民党的な支持の広がりがあったので、やはり県民党的スタンスで、オール岩手で県政を進めていくのだという姿勢で議会にも対応していこうと思います。
 そして、選挙中に体験したことですけれども、議会で私に非常に厳しい質問をする現職の方で、報道などでは達増派ではないというように位置付けにされている方の事務所の近くで街頭演説をしたときに、その事務所で働いている方々が外に出て私の話を聞いていて、ああ、聞いているなと思いつつ、街頭演説が終わった後、選挙カーでその事務所前を通ったら、「キャー、達増さん」みたいな感じで押し寄せてこられてですね、つまり政治スタンスとして達増派ではない、報道上は達増派ではないと分類されている県議さんに、その人を当選させるために投票したうちのかなりが知事は達増、達増支持という方々である、そうでないと40万票対15万票とはなりませんので。ですから、県議の皆さんにも自分に投票した県民の皆さんの民意を尊重しながら、何が何でも達増反対というようなスタンスはとらないでいただきたいなと思っています。私が、私に投票してくださった県民の民意を尊重し、県議の皆さんがそれぞれ自分に投票した県民の民意というものを尊重しながらお互いに県議会でのやりとりや県政への対応を行っていけば、まさに民意が反映される形で県政も悪いようにはならないと思います。
 そして、希望郷いわてを実現する会で当選しなかった人たちの分析については、そうですね、一つ典型、一つ分かり易いといいますか、阿部盛重さんについては、4年前に生活の党で立候補して当選に必要な支持をいただいたわけですけれども、やはり生活の党、その後の自由党を支持する方々というのはかなり明確で強烈な政策、消費税の問題とか、TPPの問題とか、あるいは原発の問題などで明確なはっきりしたそういう政策、そして、新しい時代を切り拓くような、新しい政治を切り拓くような政策への支持、そこにはかなり無党派層的な人たちの支持もあったと思うのですが、それがかなり今回、上原さんの方に流れたのかなと思っています。自由党と国民民主党の合流ということが、県民的に祝福されるような形でもっと早い段階にきちんと形になっていて、盛岡選挙区、国民民主の三連星みたいな形で運動が早い段階から行われていたから、また違った結果になっているのではないかなと思います。
 あと奥州選挙区の鈴木雅彦さんは、これは前沢、衣川の戦いといいましょうか、前九年合戦を彷彿とさせるような、そういう戦いだったと思うのですけれども、これは勝った佐々木努さんもあっぱれであり、そして敗れたとはいえ鈴木雅彦さんも非常に甲冑姿の武者のような、衣川の町というか、村というか、川にかかっている主な橋の欄干には平安時代風の擬宝珠があって、平安時代の武者の絵がついているのですけれども、まさにその武者のように頑張られて、前九年合戦でいえば地元サイドの安倍宗任が弟で、お兄さんの方は安倍貞任ですね、安倍貞任と中央から来た源義家ですか、和歌の上の句、下の句のやりとりをしながらお互い勝者、敗者がたたえ合ったような感じでたたえ合うとちょうどいいような戦いが今回繰り広げられたのではないかと思います。

記者
 1つだけ、最初の方の質問で確認したかったのですけれども、40万対15万というような票差も考えて、県民の幅広いところから支持をいただいたというようなことをおっしゃって、むしろ議会側のほうが達増派と呼ばれていない人たちでも、達増派も今回幅広いところから支持を得たのだから、むしろ向こう、議会側が達増派でないところが歩み寄ってくるべきなのではないかというふうにも聞こえたのですけれども、そういう受け止めでよろしいのか、それとも知事の方も丁寧な議会運営というのが、そうであっても心がけていくというのか、ちょっとその辺だけもう一度教えていただけませんでしょうか。

知事
 お互いさまですよね。私の側から言うと、結集4党の支持層の方々の支持があり、そして無党派層の支持があり、自民党支持層からの支持がある、その自民党支持層からの支持が私の得票の、大ざっぱですけれども、3分の1ぐらい、私のいただいた票の3分の1ぐらいは自民党支持者の皆さんですから、そういう人たちのことを私も尊重しなければならないと思うし、そして自民党や一緒にやった無所属会派というのでしょうか、そういう皆さんで当選した方も自分の中に達増支持者がいて、同じ共通の何万人もの、投票した同じ何万人もの人たちに対して、やっぱり共同でその人たちのためのことを考えていくという姿勢がやはり必要だと思っております。
 そして、今回の選挙で明らかになったのは容共容社の保守という政治スタンスがあり得るということです。「容共」というのは、容認するの「容」に共産党の「共」、共産党を容認するという、これは歴史用語で、世界史とかに容共という言葉が出てきますけれども、「容社」は、そういう用語はないですけれども、社民党を容認するという意味で、容共容社、結集4党、いわゆる野党共闘の4党の推薦、共産党、社民党の推薦もいただいて、その県議候補の皆さんとも連動して選挙する私に対して自民党支持層の6割が投票してくださったとすれば、それは日本においてというか、現代政治において容共容社で保守という、そういうスタンスが岩手県において認められたということだと思っていますので、これからそういうスタンスを自分はやっていっていいのだなと思っています。
 容共容社の保守というのは、それを保守と言うのはちょっと言葉の使い方としてあれかなと思えば、もうニュータイプとか言っていいのだと思います。岩手において、そういうニュータイプの政治スタンスというものがあり得る、また県民の皆さんにそれを認めてもらったというのは今回の選挙だと思っていますので、まさにニュータイプ知事として議会に対しても接していけばいいと思っています。

記者
 今回大きな差がついたとはいえ、15万人の方々が相手候補の方に投票したという形は残っています。この結果について、どのように受け止めていらっしゃるかお聞かせください。

知事
 まず、私個人としての不徳の致すところ、様々欠点もありますし、それで達増ではだめだという票がまずある程度あると思っています。
 それから、県政全般の中で、やはり不安や不満をいただいている方々がかなりいらっしゃる、何万人という規模でいらっしゃるということもこれはあると思いますので、県民の暮らし、仕事、学びの現場に寄り添いながら一人一人の県民の皆さんの幸福度を確かに高めていくというような行政をやはりきちっとやっていって、そういう相手候補の方にそういう理由、不安や不満が理由で相手候補に投票した皆さんにもきちんとそういうのは応えていかなければならないと思います。
 あとツイッターなどを見ていますと、愛知トリエンナーレで大村知事の味方をしたから、達増は絶対だめとか、安倍自民党の言うことをちゃんと聞かなければだめだとか、そういうイデオロギー的というか、あとはちょっと全体主義的な政治のあるべき姿を想定している人で相手候補に投票した人も結構いるようなので、そういう人たちとは大いに議論をして、そうではないのだということをしっかり言っていきたいと思います。

記者
 私も今の質問に関連してなのですけれども、野党共闘の部分なのですが、参院選に続いて岩手県政でも野党共闘の勝利と、野党結集で応援に駆け付けた小沢さんも、埼玉県知事選に続き岩手県の知事選での野党の勝利は安倍政権に大きな影響を与えるだろうというお話をされていましたが、その辺は知事はどのように見ていらっしゃいますでしょうか。

知事
 やはり野党共闘をしっかりやれば、それは非常に強いということは野党共闘をやろうかな、どうしようかなとか、やり始めたけれども、自信がないような人たちに希望になり、自信になり、そういう意味でこの世の中を変えようという人たちがより強くなっていくという意味で安倍政権に影響を与えるということは出てくるのだと思います。特にさっきも言いましたけれども、容共容社の保守というスタンスがあり得るというのは、そこで野党共闘に踏み切れないという人たちがいっぱいいるわけですから、そういうのはありなのだよと、冷戦時代の右と左の対立みたいな、ベルリンの壁みたいなところにいつまでもこだわっていてはだめで、そういうベルリンの壁みたいな右と左の壁を越えて新しい時代、もうニュータイプとしてやっていこうというのが広がると、これはかなり現状維持ということではなく、新しい政治にしていこうという方が勢いを増していくと思います。

記者
 そういった中で、相手候補、先ほどネガティブキャンペーンとおっしゃっていましたが、特に国とのつながりの弱さを指摘する声もありましたが、その辺はいかがでしょうか、今後の県政運営に関しては。

知事
 やはり言っている内容は断片的に聞いているだけですけれども、大臣と首長が、大臣と知事と市町村長がやりとりしさえすれば全て動かすことができる、ILCもそれで決まるみたいな発想で、それは間違いであります。グレアム・アリソン著、「決定の本質」というキューバ危機を題材にした政治的な決定過程、政治過程論の原点になった本がありますけれども、ともすると政治というのはそういうトップの人たちが動かすものというイメージを持ったりするわけですけれども、実はそういうトップを支える組織ですよね、国であれば官僚、地方であれば県庁だったり、市役所、町村役場だったり、そこで働く人たちプラス関係団体とか、あるいはマスコミや色々な関わる人たちもいて、そういう人たちの関係、やりとりの中で物事は動いていくわけでありまして、そういう視点で見ていただくと達増県政、典型的には復興の取組、希望郷いわて国体・希望郷いわて大会の成功、その他にも様々、まず県と市町村がしっかり連携して住民の要望を形にし、必要に応じて国にも動いてもらって直轄事業が進んだり、補助事業が沢山行われたりという、そういう蓄積はこの12年間岩手にはかなりある訳でありまして、そこを知っていただきたいということと、そういうルールでこれからやっていけばILCだってうまくいくでありましょうし、人口減少対策とか、そういう地域が直面する課題もうまくいく。医師不足、医師偏在問題もそのとおりで、県と市町村がしっかり連携しながら国を動かしていくという形をつくっていきたいと思います。

記者
 公約の部分で、被災者の国民健康保険等の一部負担金免除を来年も継続、子供の医療費の窓口無料化を中学卒業まで拡大、というふうに具体的に踏み込んだ公約もありましたが、こういった公約についての実現時期というのは知事は今どのように考えていますか。

知事
 それぞれ市町村がノーと言うと進めるのが非常に困難なことでもありますので、市町村の理解を得ることが実行に移すにはまず大前提ですから、その作業にすぐ着手して、合意が早期に得られれば早い段階で決定していくことができると思っています。

記者
 40万対15万という票差でしたけれども、ただ一方では野党共闘という中で、先ほど知事がおっしゃったみたいに黄川田さんが相手候補のマイクを握られたり、あるいは階猛衆議院議員がこの野党共闘の支援の枠組みに入らなかったりということもあったかと思いますけれども、また近いうちに衆院選があるのではないかというような話もささやかれていますけれども、その中で県内において今後の野党共闘のあり方ですね、どのようにあるべきだというふうにお考えでしょうか。

知事
 3年前の木戸口参議院議員が当選した選挙、そして今年の夏の横澤参議院議員が誕生した選挙、そして私の知事選挙ということで、岩手での全県選挙で結集4党の連携、共闘という形で3連勝、3つある全県選挙全てでこれで勝っているわけですから、このやり方でやっていくということがやはり基本なのだと思います。ですから、衆院選もそうですし、また今回、無競争・無投票の県議選挙区がいっぱいあったわけですけれども、そこも無投票にはしておかないというような事がこれから話し合われていくのだと思います。

記者
 今回の黄川田さんや階さんの行動というのは、特に野党共闘のほころびというようなものにはなっていないというお考えでしょうか。

知事
 そうですね、前九年合戦で「衣の館はほころびにけり」ということで、衣川の柵が落ちていくわけでありますけれども、今回は余りミリタリーな軍事用語を使うのもあれではあるのですけれども、そういう過去のことでもあったからというちょっと前置きをしつつ、局地戦ではいい戦いだったけれども、敗れた局地戦もあり、また指摘されたような何かハプニング的なこともあったわけですけれども、全体としては県と市町村が力を合わせて住民本位、県民本位の政治、行政をつくっていき、その中で必要に応じて国を動かしていくという、いわばちゃんともっと歴史上の安倍氏だったり、奥州藤原氏がやったような側が3連勝しているわけでありますので、基本的にはこの勝利というものを大事にしながら勝った要因をそのまま未来にも進めていけばいいのだと思います。

記者
 主に政策のことについてお尋ねします。4期目の方向性について、知事のご発言を聞いて、これまでの3期12年の継続という側面が強いように感じておりますが、どのようなかじ取りをしていくのか、特にこれはという具体的なものがあれば教えてください。

知事
 復興をきちんとやらなければならないということと、あと地域振興が大事、そして県民、住民に寄り添うような行政、その辺は継続という感じが強いと思うのですけれども、ただ人手不足時代の到来というのは12年前とは全然違う状況でありまして、一方で半導体・自動車関連産業、そして、農林水産業も先端技術の活用、それをアグリフロンティアスクール、林業アカデミー、水産アカデミーなど先端技術を前提とした人づくりの体制も新たにできる中で、岩手で働くということが非常に条件がよくなってきているというのも新しい変化、人手不足時代の中で、しかし岩手で働くことは条件がいい。ですから、ここに、岩手で暮らすことの条件がよくて、だから岩手で子育てすることの条件がよくなるという形をきちっとつくりながら、そのことを情報共有、発信を図り、やっていくということがまずこの4年間の非常に大事なことだと思います。それは今までやってきたことそのままというのとは違ってきますし、今までと違うリスク、しかし今までと違うチャンスもあって、そこをうまくやって成果を上げていく、方向性や主なやり方は「いわて県民計画」という形でまとめてありますので、それをベースにしながらも、やってみて悪ければどんどん修正したり、新しい要素を加えたりしながらやっていきたいと思います。

記者
 今おっしゃったこととかなりかぶると思うのですが、人口減対策についてはこの選挙戦で県議さんの多くの候補も言っていましたし、ただ具体的にどこまで議論が進んでいるのかなというのは、少し言葉だけが踊っている候補もいるような印象を受けておりました。特にもう何年も前からですが、女性の減少率について、特に女性に焦点を当てた本なども出ていて、全国的な問題として指摘されているところではありました。今お話しになったことと少々かぶるかもしれませんが、そうした視点から具体的な打つ手というのを少し教えていただければと思いました。

知事
 そこは色々やりようというところがあって、直接的に多くの女性が希望していると言われている都会のOL的な、ドラマで描かれているような先端的な事務の仕事というのを岩手に増やしていくということも有効でありましょうし、一方で土木作業でありますとか、林業でありますとか、水産業もそうですね、そういったところを女性がやりがいを持ってやるということが新しくそういう道も脚光を浴びている部分もありますし、また、半導体・自動車関連産業の大きな会社の経営陣と話をしますと、女性社員の割合がまだまだ低いので、女性社員を増やしていきたい、託児所をつくったり、企業内保育所をつくったり等もやるよという会社もある訳でありまして、ですから色々なやり方がある中、それをやる主体は、それぞれ企業であったり、あるいは行政であったりする訳ですけれども、いわて未来づくり機構を初め行政が民間の企業や団体等とそういう情報共有をしながら、よし、これはうちがやる、これはそちらがみたいな、そういう調整を随時やりながら若い女性の人口減少対策についてもやっていくことになります。

記者
 少し話が変わりまして、沿岸の一部首長さん方から風通しについての指摘がありました、選挙戦を通じて。例えば陳情へ行くのにも、国に陳情に行くのにも一緒に行ってくれないというような不満も出てきておりました。知事は、ここ数日再三にわたって市町村との連携で国に政策実現を求めていくというのは非常に効果的で、これまでもやれてきたということをおっしゃっていました。改めてそういった首長さんからの指摘に対してどのようにおっしゃいますか。

知事
 今、沖縄県でもある市長さんがなかなか玉城デニー知事に会えないという話が話題になっているようですけれども、お互いに会いたいとか、一緒にどこかへ行きたいとかということがお互いが100%満足できる形で実行できるということはなかなかなく、大体どちらかが不満を抱くということが普通ではあると思います。それをべらべら人にしゃべったり、あるいは選挙という有権者に対して非常にある種、神聖な意思決定を迫るときにそういう愚痴とか言うようなレベルの話をするのはいかがなものかというところはあるのですけれども、ただ市町村長の皆さんが私の日程調整とか、あるいは国への働きかけの段取りとかについて不満を持っている人もいるという、不満を持つ事由があるというか、あるいはそちらに一理あるということもあり得るので、これから増々、既にILCなど非常に高度な事前の調整をしながら県、市町村、関係団体、そして研究者代表の皆さんが調整に調整を重ねながら、では一緒に官房長官に会いに行こうとか、そういうふうにやります。そういう調整について、ただ、満足させるべき相手はあくまで県民、住民であって、首長さんの満足のため、首長さんが何かある種パフォーマンス、点数稼ぎとかでもっと知事と一緒に大臣に会いたいとかというのであれば、それはそうはいきませんよと言います。あくまでも住民、県民のためにそうやったほういいのであれば県としても、知事としても一緒に動きます。

記者
 容共容社の保守とおっしゃった「保守」という言葉にちょっと反応したのですけれども、知事の感覚として「保守」というのは適切な言葉ですか。

知事
 だから、用語の問題になってきて、外務省で7年半働き、その後、新進党、自由党とやってくる中で、そうですね、基本的にはリベラルインターナショナル、自由主義インターナショナル、世界、国際団体があり、世界の自由党が参加、加盟するものですけれども、自由主義インターナショナル、リベラルインターナショナルというのが真ん中にあって、片や社会主義インターというのがあって、そしてもう片一方にコンサバーティブインターというのかな、明確な名前がないけれども、世界の保守党が集うような団体があって、私は衆議院議員時代、よく自由主義インターの会合にも出て、やっぱりそういう理念、政策体系がいいなと思いながら今に至っていて、それは権威主義ではなくて、社会主義でもないという意味で保守なのですけれども、ただ保守といえば権威主義のニュアンスもあるし、そういう意味で使いにくい言葉なのですが、ただわかりやすくざっくり言えば、今の私のスタンスは容共容社の保守と言っていいと断言いたします。ただ、それは誤解を招く表現だから、もういっそニュータイプと。ニュータイプ40周年でもあるので、「ガンダム40周年」でもあり、ニュータイプという言葉が今年結構復活してきているので、「ニュータイプ知事」と呼んでもらえればというふうに思います。「容共容社の保守」と呼んでもらっても全然いいですよ、ニュータイプの次にそれは気に入っているというか、自分で言っていて気に入っているものですけれども、容共容社の保守でもいいし、どっちがわかりやすいか、相手に伝わりやすいかという場面に応じて容共容社の保守とニュータイプを使い分けてもらえればいいと思います。

記者
 御当選おめでとうございます。

知事
 ありがとうございます。

記者
 県議会における女性議員の数についてお聞きしたいと思います。昨年政治分野で男女の候補者を均等にしようと、候補者男女均等法が施行されて、今回岩手県内で初めての県議選になりました。実際に女性は8人立候補されて、現職7人が受かって、1人新人の方が落ちるという結果になりましたけれども、知事として県議会において女性7人という数はどのように受け止めていらっしゃいますか。

知事
 やっぱり半分くらい女性になって、それが当たり前なのだと思います。私が衆議院議員時代、岩手1区総支部長として2人の新しい女性県議会議員を誕生させたこともあり、そういう新しい人材を発掘して育てて選挙での当選を期すというのは、まずはやっぱり政党が頑張らなければならないのだと思います。今回の上原さんみたいな文字どおりインディペンデント、無所属、英語でインディペンデント、独立ということですけれども、政党と全くかかわりのないところで女性候補がバーンと立候補するという、そういうやり方もあるわけですけれども、県議会のように何千票もとらないと当選できない場合には、やはり政党、それは結集、4党の側であれば、自民党や、また公明党の側であれ、政党が頑張るべきところだと思います。

記者
 ありがとうございます。7人という数は、全国的に見たら多い方ではありますけれども、今半分になって当たり前とおっしゃりましたが、女性議員が増えることでどのようなプラスの要素があるかお考えがあったら教えてください。また、増えるためにはどのような対策を、今政党が頑張らなければとありましたが、具体的なお考えがあれば教えてください。

知事
 逆に女性が少ないと世の中の半分を占めている県でいえば県民、国でいえば国民の半分を占める人たちの意見がきちんと反映されない、そういう人たちのための政策がきちっと実現しないおそれがあるという、まさに弊害という言葉でしょうか、女性議員が少ないとそういう弊害がある。だから、男性議員がジェンダーのことを勉強したり、実地に色々な女性の声を聞いたりして、あたかも女性議員であればこういうことをするということを男性議員が頑張れば、かなりの程度補うこともできるのかもしれないのですけれども、ただやはり日本全体で見ると女性議員が少ないことによって生活関連、国民生活関連、また子育て関連とか、そういった政策がどうしても遅れ気味に、「保育所落ちた、日本死ね」でしたでしょうか、そういう言葉が出るような社会の実態ということに結び付いているので、女性議員が増えるとそういうことが是正されていくと期待されます。

記者
 先ほどからありました容共容社の保守、ニュータイプというところでお伺いしたいのですが、ニュータイプというのは恐らく自民党支持層からも今回支持を得て、野党4党からの支持を得てというところからも来ていると思いますが、選挙戦では自民、公明と対立するような構図で戦ったわけですが、今後こうした政党との向き合い方というのは3期目と4期目で何か変わってくるようなことになるのでしょうか。

知事
 そうですね、公明党支持層からも一定の支持をいただいたという出口調査の結果もありますし、自民党に関してはもう半分以上が達増支持ということな訳です。ただ、それぞれ団体自治として、団体の中で色々話し合って物を決めて、そして団体として私に物を言ってくるというのが基本にはなる訳ですけれども、他方、やはりそれを支えている皆さんのうち、かなり、あるいは半分以上が達増支持なのですよという感じの接し方はしたいと思います。だから、まさに身内のような気持ちというのでしょうか、そういう気持ちで接したいと思います。

記者
 そうすると、関係性で言うと対立をするような関係ではなくて、身内という言葉を使いましたけれども、つまり3期目と4期目では変わってくるということになるのでしょうか。

知事
 表現の自由とか、憲法価値の非常に大事な部分についてちょっとそれは違いますよと思えば、それはあくまで戦う必要があれば戦いますし、集団的自衛権関係の問題もそうですね、かつてやったようなことを第二次大戦、かつてやったようなことを二度としないという戦後日本の原則を揺るがすような話になってきたら容赦はしないというところもあるのですけれども、一方、自民党なら自民党の全てが表現の自由への抑制とか、集団的自衛権の容認とかというところではなく、民のかまどということを真剣に考えて、産業振興や地域振興に真剣に取り組まなければ、そして復興も成功させなければという部分も自民党の中にはあるわけですから、常にそういう人たちもいる、そういう部分もあるということを決して忘れないようにしながら憲法的価値とか、戦争の問題とかが絡んできたら容赦しないと。ただ、これは民主主義で異なる政党とか、あるいは異なる政治家個人の間では当たり前のことで、合意できるところでは合意し、合意できないところではあくまで論争するという、そういう当たり前のやり方をやるということでもあります。

記者
 県議会の話ですけれども、今後会派構成というのが進むと思いますが、今のお話を踏まえて、どういった会派構成がいいか、また議会の自治ではありますけれども、県議会の会派構成で期待するような部分ありますでしょうか。

知事
 まさに議会やそれぞれの政党、会派の自治の問題ですけれども、民意を反映していただきたい、民意を反映しましょうということで、何か原理主義的にとにかく達増には何でも反対とか、あるいは県民計画については基本的に反対とかというような会派ができない、誕生しない、ただそうだな、40万票対15万票の15万票の中には原理主義的な部分もありましょうから、そういう人たちが何人かいても、それはそれも民主主義ですけれども、ただそれが議会の多数にならないようにあくまで知事選、県議選が同時に行われたことで解釈しやすくなった民意というものを尊重してやっていきましょうということだと思います。

記者
 私も40万票対15万票の件でお尋ねします。
 1つは、先ほどほぼ県内を4巡されて、希望を聞いたのと同時に、やはり不満や不安も聞いたとおっしゃっていました。これ具体的に、あるいは例を挙げるとしたらどんなことだったでしょうか。

知事
 産科、小児科が近くにかかれるところがないないということですよね。これは岩手のあちこちにそういうところがありますので、何人もの人たちからそういう話を聞いたところです。

記者
 福祉関係が多かったのでしょうか、医療福祉、介護。

知事
 そうですね、それは裏を返せば命や健康、人生に、ライフに関わることですよね。

記者
 訓示等の話と今までの話を聞いていた中では、復興の分野でも何かあるのかなと感じましたが、何か披露できるような事例等はありますか、復興は。

知事
 実際聞いた話を思い出せば、やはり医療の関係のことですね、沿岸の方においても。復興事業関係ではすぐには思い出せないのですけれども、むしろ復興事業関係ではこちらの方からそういう問題や不安を先取りして、ハード事業が終わったとしても、被災者の方々の健康や生活にかかわる支援はしますからねというのは、こちらが先取りして、それに対して、「うん、うん」という反応の中で、やはり、医療関係、介護関係、そして新しい住まいに移ってからの生活関係で色々な課題や不安はあるのだなというのを受け止めたところです。

記者
 ありがとうございます。もう一つ、知事選が始まる前に県政記者クラブで共同でお願いした横顔取材の中でのやりとりなのですけれども、小沢一郎さんとの関係について、チルドレンかどうかという流れの中で、小沢学校と生徒という、そういうお話をされていました。実際に、うちとしては紙面で紹介させていただいたのですけれども、今回の過去最低の投票率だった知事選の中で、40万票対15万票という結果、その15万票は当然あるわけですけれども、今回の選挙というのは達増拓也さんにとっては小沢学校の卒業論文あるいは卒業証書授与みたいな、そういうものと捉えられそうでしょうか。

知事
 政治はここに至れば合格とか終了とかというのはないですし、うっかりそういう慢心のようなうぬぼれた気持ちなど起こした途端にある一つの課題に変な対応をして大失敗みたいなことというのは常にあり得るのですけれども、ただ県民本位、国政であれば国民本位、生活が第一みたいなやり方は衆議院議員時代からずっとやってきていることで、それが岩手県政の中である程度実績を積んで評価もいただいているということ、そして冷戦時代の右と左の枠組みを越えて、新しい時代にふさわしい日本に変えていくための新しい政治の枠組みをつくっていくという中で、容共容社の保守というスタンスを県民の皆さんに広く認めていただく形になったというのは、一緒に追求してきたことで成果があったということではあるなと思います。

記者
 卒業してひとり立ちしてという意味というよりは、私としては横顔取材のやりとりの中では、いつまでも生徒ではなくて、そろそろ育てる側というか、そういう立場にもなっていかなければいけないなというお話があったので、そういう意味では生徒から、もしかしたら少しステップアップして小沢学校の講師とかそういう位置付けに自分はなるとか、そういう容共容社の保守の中でのニュータイプという動きはその一つなのかな、エポックなのかなと思って質問したのですけれども。

知事
 突き詰めれば政治という営みが100点満点の試験とは違うので、点数化はできないというのと同じように、政治は学校ではないから、学校のたとえで大事なところをきちっと表現できるわけでもないのだなということが分かりつつあるということです。

記者
 わかりました。引き続きよろしくお願いします。

記者
 今回4期目当選おめでとうございました。

知事
 ありがとうございます。

記者
 4期というと千田正知事以来だと思うのですけれども、そこで達増知事は以前2期8年という多選の制限を公約に掲げて撤回されましたけれども、それで4期目迎えられまして、まだ4期目が始まるところですけれども、今後5期、6期というのはどのように考えているのかというのと、あとこの後の人材育成等についてはどう考えていらっしゃるのでしょうか。

知事
 さっき知事室で、今まで12年間、その前からだったかもしれませんが、傷がどんどん重なってきた机を直してもらって、傷が全然無い、まっさらな姿に机がなっていて、そこに座ったときにはある種全く初めて知事に就任したというような気持ちを感じましたね。ということが一つあったことと、あと今回の選挙で達増知事頑張れ、達増知事頑張れと、その中には4期も5期もやってとか、もうずっとやってとか、とにかく健康、体に気をつけてずっと知事やっていてという声も沢山聞きながら今回当選を果たしたばかりでありますので、今の段階でいつ辞めるとか、あるいは自分以外に誰がふさわしいかを考える時期では今はないなと思っています。

記者
 先ほどの質問で追加してお尋ねしたいです。不満を感じる場面があったというところで産科、医療関係、これは特に県北とかそういったところかなと推察していますが、場所は県北や沿岸でよろしいでしょうか。

知事
 これは県北も沿岸も県南もですね。

記者
 県南も。総合計画にも対策が明記されているところではありますが、知事はそういった意見に接して、こういったことを一層進めるだとか、新たにこういったことを追加で考える余地があるなということは4期目に向けてお考えにはなっているでしょうか。

知事
 まず、「いわて県民計画」でそれに対応するような施策をきちっと決めてあったことはよかったと思いつつ、まずはそれを進めるのですけれども、色々な幸福関連指標や、また意識調査も使いながら結果を確認しながら進めますので、足りないと思ったらいつでも追加的なことはやっていく覚悟であります。

記者
 ちょっと断片的に出ていましたけれども、復興創生期間というのが終わりまして、いわば特別扱いというのが終わるということなのだと思います。国との連携についてどのようにお考えか、もう一度確認させてください。

知事
 あらゆる場面で国との連携、復興道路が来年度末完成とかというのもそうですし、今月中には陸前高田市内のTSUNAMIメモリアルのオープニングもあり、これもかなり国に一緒にやってもらっている話ですし、そういった個々の事業について国と一緒に丁寧にやっていくということがあります。あとはハード事業は早目に終わらせる方がよく、まずいかにして遅れが出ないようにするか、早目に終わらせるかという視点で国と連携し、ソフト事業については10年超えても必要な部分については継続されるようにしていきましょうという方向で国との調整を図ると。そして、それぞれそういうことがきちんとできるような形で10年を超えた後の国の組織ですね、ポスト復興庁の組織のあり方も10年たった以降に対応できるようにしてもらうということで調整するという、大きくそういったポイントです。

記者
 創生復興期間の終了に向けて、何か国との連携、やり方を変えていくとか、そういったことはお考えでしょうか。

知事
 必要なことをやるという中で、新しくやらなければならないことは新しくやるし、今までどおりやらなければならないことは今までどおりやるのですけれども、今回の復興庁の概算要求で、岩手でやった三陸防災復興プロジェクトのようなことを国でもやるというのが概算要求に入ったようで、国が主体になってやる、そういう事業に県としてもしっかり参画するなどというのを調整するということも必要だな、というのをまず今考えています。

記者
 わかりました。あともう一つ、市町村との連携なのですが、要望を受ける側からすると市町村長が単独で行くよりは知事が一緒に行ったほうが要望を受ける側から見るとそれだけ切迫度が強いんだなというアピールになると思うのですけれども、そこら辺について知事はどうお考えでしょうか。

知事
 要望あるいは陳情……。陳情政治という言葉もありますけれども、実は要望、陳情というのは特殊な、日本的な政治過程でありまして、典型的には55年体制のもと、自民党政権が永久に続くような中で、自民党の国会議員が地方自治体の首長とかを関係の大臣のところに連れていく、そして当時は知事を初め県であれば部長たちも一緒になり、市町村もそうですね、そういう巨大大名行列みたいなものが大臣やそれにかわる人に会った後は、次は各局を回り、各省庁の局長たちにも挨拶をして回る。それによって、自民党は同行する国会議員たちが日本を動かしているのは自民党と官僚が一緒になってやっているのだよというのを確認し、またそれは団体毎の12月の予算の時期になると砂防会館のホールとか色々なところで鉢巻きを締めて、砂防は砂防、道路は道路、新幹線は新幹線というように予算獲得に向けた集会を開く、そして団体を強化して、団体を通じた自民党政権の地方支配のような、そういう歴史の中で、増田知事の頃にまず、大名行列的な中央省庁への要望はやめましょうという動きになり、かなり簡素化されていったし、民主党に政権交代したときは逆に岩手の場合、全ての国会議員が民主党議員になったときなどは県庁に来て、県の国に対する要望、提案を県の方に聞きに来るなんていうことをやっていましたよね。ということで、国への要望とか、あとは市町村の県への要望というのもそうなのですけれども、何かきちんと法令上の根拠を持って対外的に説明できるような形でのものではないところにルーツがあり、極めて政治的なわけですよね。それをどのようにやっていくかについて、岩手では逆に非常に県としての国への要望も、市町村から県が要望を受ける際も、県組織として非常にシステマティックにやっていて、この点は他の都道府県とか、復興で岩手に来る他の都道府県の人たちとか、また中央省庁の人たちから非常に評価されていると言っていいと思っています。政治性を排し、公平、公正に県組織として国への要望も行えば、市町村の要望にも対応するというやり方をやっていますので、これからもそのようにやっていきたいと思います。

記者
 わかりました。ありがとうございました。

記者
 知事選とずれる質問となってしまって大変恐縮なのですが、今月に行われるワールドカップ釜石開催で追悼関連行事がなくなる可能性があることについて、釜石市の14の小中学校の子供たちが復興支援の感謝を伝えようと今年の春から練習してきた合唱が鵜住居復興スタジアムで披露できないおそれがあるということで、知事として、県として今後組織委員会に対してどのような対応されていくかお尋ねしたいのですけれども。

知事
 岩手県知事が会長、そしてそれを支えるポストに釜石市長がついて、県と市で実行委員会を立ち上げ、その実行委員会として組織委員会の方に働きかけているところなのですけれども、地元実行委員会としては、やはり地元の住民の皆さんの気持ちということを最大限尊重してほしいというスタンスで調整をしてきましたし、今後もそういうスタンスで臨みたいと思います。

記者
 幸福に関して伺いますけれども、知事が出馬するときに、いわて県民計画を県民の皆さんに普及させたい、そういう狙いがあるというふうにお話になって、立候補を表明されました。実際に選挙戦通じて県民計画は県民の方に十分理解されたというふうに考えていらっしゃるのか、それはどういったところで感じられたのか伺いたいのですけれども。

知事
 そうですね、全部読まなければ理解したことにならないかというと、決してそういうことはなく、まず全体としてのスピリット、その精神をわかってもらうこと、そしてあとは自分に関係する政策についての理解を深めていただければまずはいいと思っていまして、今回幸福を守り育てる、それは全ての、まずは被災地の皆さんが幸福になってもらわなければ困る。今までは、被災者の幸福追求権を保障するという復興の基本的考えの形で示してそれをやってきたことを、被災地の皆さんに幸せになってもらわなければ困るという言い方でいって、そしてオール岩手、全ての県民、また岩手と関わる全ての人を幸福にできる県になろうという、スピリットについてはかなり浸透したと思います。そして、幸福関連指標というのを使いながら行政の達成度をチェックしていく、行政の達成度を県民の暮らしや仕事や学びの場に寄り添って、そこがよくなっているかどうかということで評価していくというやり方、あとは農家の方々であれば担い手対策とか、スマート農業の振興とか、金色の風、銀河のしずくに続くようなブランド米の強化というようなことをやっていくという、それぞれの関心に応じた政策の内容についても一定程度浸透させることができたと思います。

記者
 すると基本的に県議会で県民計画を審議するときにも幸福とは何ぞやという議論がかなりされましたけれども、幸福を追求していくという達増県政の本当に基本スピリッツは十分に皆さんに理解されたと、この辺は自信を持ってやっていくというふうなお考えなのでしょうか。

知事
 ええ、イギリス経験主義、最大多数の最大幸福でしたっけ、あそこでいう幸福というのはそんなに厳密に定義しないのだけれども、お互い同じ国民、同じ経験、歴史も共有していて、幸福といえば大体どういうことかわかるよなという感じの中で幸福を目標にしようというような政治がイギリスで発展し、そしてアメリカでは独立宣言の中に幸福追求の権利と入れられるくらいまで制度化されていき、親子とか家族の間でおまえが幸せになってほしいとか、みんなが幸せになるように頑張るといったときにまず定義を明確にせよなんていう議論はしないので、共同体としての幸福の方向性の共有ということは岩手県という共同体、岩手県民という共同体の中でかなりの程度できたと思っています。

広聴広報課
 以上をもちまして、記者会見を終わります。

次回記者会見

次の定例記者会見は9月19日の予定です。

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