平成31年4月12日知事会見記録
開催日時
平成31年4月12日10時00分から10時42分
会見記録
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いいたします。
知事
まず、小林陵侑選手に対する岩手県県民栄誉賞の授与についてです。小林陵侑選手は、2018―2019FIS(エフアイエス)スキージャンプワールドカップにおいて、男子選手として日本人初、また、ヨーロッパ勢以外でも初となる個人総合優勝を果たしました。更に、由緒あるジャンプ週間で完全制覇も果たしており、その数々の快挙をなし遂げたこと、岩手の誇りとして県民に深い感動を与えてくれたことから、その栄誉をたたえることといたしました。
小林陵侑選手は、いわてスーパーキッズ発掘・育成事業の第1期生でありまして、その活躍は、岩手の子供たちに大きな夢と希望を与えてくれたものでもあります。このような成績、実力に加えまして、日頃から郷土岩手に思いを寄せ、岩手県出身者として東日本大震災津波被災地の一日も早い復旧・復興を願いながら試合に臨んでいます。その姿は、県民に広く敬愛され、岩手に大きな感動と明るい希望を与えてくれており、まさに県民栄誉賞に値するものと考えます。表彰式は5月8日(水曜)に知事公館で行います。
次に、平成30年度岩手県スポーツ賞の受賞者についてです。平成30年度の受賞者は第18回アジア競技大会のメダリストや国体優勝者など、個人・団体合わせて33者になります。受賞者については、配付資料をご覧下さい。表彰式は5月7日(火曜)に開催します。
そして、3番目の発表事項は、三陸防災復興プロジェクト2019構成事業の1つであります、「美味(うんめ)ぇがすと三陸―Gastronomy SANRIKU(ガストロノミー三陸)―構想推進プロジェクト」であり、その事業内容を発表します。
国内外の著名なシェフ等が一堂に会する三陸国際ガストロノミー会議2019を6月10日、11日、宮古市で開催します(配付資料2ページ)。
国内外の著名なシェフが三陸各地を訪問して、住民と交流する食のキャラバンを開催します(配付資料3ページ)。
沿岸13市町村の主要なレストランにおいて、国内外の料理人と地元の料理人が協働して創作した料理を提供する三陸美食サロンを開催します(配付資料4ページ)。
主な出演者は、まず海外からお招きするシェフとして、1人目はフランスのオリビエ・ローランジェさん。世界57カ国、約500軒の高級ホテル、レストランが加盟する会員組織、ルレ・エ・シャトーの副会長さんです。魚料理が注目され、三つ星を獲得したシェフでありながら、早くから海洋の環境問題に着目し、2009年から絶滅危惧種をメニューから外すなど、世界の料理界に影響を与え続けているシェフです。2人目は、スペインのルシア・フレイタスさん、ガリシア地方出身で、サンセバスチャンがあるバスク地方で修行後、故郷サンチャゴで店をオープンして、一躍注目を集めている女性シェフです。ガリシア語で入り江を意味する「リアス」のつながりから、来日のたび、三陸地域の支援を続けている方です(配付資料5ページ)。
このほか、国内外から著名なシェフ、ジャーナリストに多数ご出演いただきます。スペインのルシア・フレイタスさんのビデオメッセージが届いていますので、ご覧下さい。
(動画)
知事
グラシアス。
今の動画は、三陸国際ガストロノミー会議2019の公式サイトや県ホームページ、ユーチューブ等で公開します。また、その他の出演者や事業の詳細については、公式サイト等で発表していきます。
三陸防災復興プロジェクト2019の一環として、三陸地域の豊かな食材、自然、歴史、文化等を活用した食の関連イベントを開催し、食を軸に据えた地域振興につなげていきたいと思います。
発表事項の4番目は、知事の中国出張についてで、4月24日(水曜)から26日(金曜)にかけ、中国北京市に出張し、第2回一帯一路国際協力サミットフォーラムの分科会、地方協力フォーラムに出席します。そして、そのフォーラムにおいて、中国雲南省と岩手県とで農林業友好交流協力推進に関する協定を締結する予定です。平成29年に日中国交正常化45周年、そして去年、平成30年が日中平和友好条約締結40周年ということで、去年は日中知事省長会議、札幌で行われた会議に私も出席し、そこには安倍首相と李克強首相が来られて、日中交流は新しい段階に入り、その中でも地方間交流、地方間連携ということが大事な柱になっていますので、岩手県としてはまず、この岩手県と雲南省との友好交流の促進を図りながら、そのような日中関係全体の進展にも貢献できればと思います。
以上です。
広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
幹事社
質問の前に、記者クラブへの転入者を紹介いたします。転入者から一言御挨拶をお願いいたします。
(記者紹介)
幹事社
ただいまの発表事項4件について、各社から質問があればお願いいたします。
記者
三陸防災復興プロジェクトの関係ですけれども、国内外の著名なシェフが一堂に会すということで、食を通じた地域振興というお話もありました。三陸防災復興プロジェクトは一過性のイベントにしてはいけないというような指摘もあったと思いますけれども、今回、著名なシェフを集めて、具体的にどういった効果を狙っていらっしゃるのかという点を教えてください。
知事
一過性にしないという点は、今回の事業によって、改めて岩手沿岸、三陸の食の可能性というものを内外に示し、消費するお客さんの方にはこれからも何度も岩手に来ていただく、あるいは岩手の食を各地で活用、利用していただくということにつなげ、また地元の飲食業界の皆さんには、優れた素材に更に磨きをかけて、新しい調理方法なども取り入れながら岩手の沿岸、三陸の食をより多くの人たちに、より多く利用していただくことにつなげていきたいと考えています。
記者
こういった著名なシェフの皆さんが集まるというのは、岩手ではこれまでなかったのかなとも思うのですが、その点と三陸防災復興プロジェクトは様々なイベントがある訳ですけれども、1つこれが大きな目玉というか、そういった位置付けになるのかどうか、お願いします。
知事
そうですね、お一人お一人が県に来ていただくということはあったし、あるいは東京などで岩手の食のPRに協力いただくとかというのもお一人お一人に来ていただくということはあったのですけれども、複数集まってこういう事業をやるというのは初めてと言ってもいいのではないかと思います。一つには、岩手の食にそれだけの潜在力があるということと、もう一つは、東日本大震災津波の復興支援という形で国内外のシェフの皆さん、そういう料理の世界の皆さんにも積極的に支援をいただいていて、その蓄積がこういう形の事業を可能にしたというところがありますので、やはりつながりの力を大切にしていきたいと思います。
記者
中国出張の関係ですけれども、雲南省と今回協定を締結されるということですが、いわゆる生産者であるとか、岩手の農業関係者にとってどういったメリットが考えられるのか、その締結の意義というあたりを教えてください。
知事
まずは両県、省の農林業担当部門や、また両県、省の研究機関の交流協力から始めていき、薬用植物、果樹、キノコ類などの研究交流ということを進めるための協定を結ぶのですけれども、そうした中から県内の生産者の皆さんに普及していくことができるような新しい材料も出てくることが期待されます。
記者
私も中国出張についてお尋ねします。雲南省との協定の話がありましたけれども、一帯一路地方協力フォーラム自体のことでお尋ねしたいと思います。一帯一路、私も報道等で見る限りなのですけれども、経済・外交圏の構想ということで、シルクロードとかと関連したそういうエリアだと思うのですが、知事としては一帯一路というこの構想についてはどう受け止めていらっしゃるのかということと、これに参加することで岩手県にとってどういう可能性が見出せるか、その2点をお尋ねします。
知事
今回は分科会で、地方協力フォーラムという、地方政府間協力、地方間協力をテーマにしたところに参加しますので、何かPRする機会があっても、その地方間交流、地方政府間協力の重要性ということをPRしたいなというふうに思っているのですけれども、そういう地方と地方の関係の発展につながっていくような一帯一路ということは、いいことではないかというふうに思います。
記者
今おっしゃったように、知事も地方の政府間、あるいは地方間の交流というものの重要性というのは今までもおっしゃってこられたので、ちょうどこのフォーラムがその趣旨とマッチしているし、今後のそういうPRとかに役立つと、そういう受け止め方をされているということでしょうか。
知事
そうですね。はい。
記者
雲南省との協定についてなのですけれども、これまでの雲南省との友好協定だったり、経済連携協定においては、県産品の輸出拡大であったり、県内企業の中国進出といったところが主な柱だったと思うのですけれども、今回農業分野に的を絞ってやっていらっしゃるということはどのような狙いがあるのかということをお聞かせ願えますでしょうか。
知事
おっしゃるとおり、平成25年締結の友好交流協力協定に基づいて、経済、観光、農林業も入っていて、その他、青少年交流など幅広い分野での交流を進めていたのですけれども、岩手県と雲南省とのやりとりの中で、今回のこの地方協力フォーラムの機会に、この農林業について更に交流協力を推進するために、もう一歩前進することがお互いのためにいいのではないかという結論に至ったところであります。過去農林業シンポジウムを岩手県側、雲南省側で何回か交替でやってきているのですけれども、それを元にしながら、更なる交流、協力というのが視野に入ってきているので、今回はこの農林業分野についての新しい協定を締結するということです。
記者
それと、この協定に当たっては薬用植物、果樹、キノコ類の栽培について研究交流を深めるというふうにあるのですけれども、具体的にこういう作物というものがあれば教えていただけますでしょうか。
知事
この協定締結の段階では、広く薬用植物、果樹、キノコということで、過去の農林業フォーラムではいろいろ個別具体的な作物について取り上げられたりしてきたのですけれども、それらに限定せずに広く協力できればと思います。
幹事社
小林陵侑選手の県民栄誉賞授与についてお尋ねします。スキージャンプに関していいますと、本県の栄誉賞受賞は三ヶ田礼一さん以来2人目ということになるかと思うのですけれども、小林選手はスーパーキッズ時代に指導を受けたことがあるということで、言ってみれば師弟での県民栄誉賞の受賞ということになるかと思います。今後こういう流れを続けていくことも大事かと思うのですけれども、小林選手に対して後進の指導、育成といいますか、そういった面で期待されることについて、知事のお考えをお聞きしたいと思います。
知事
まずは、現役ばりばりの最前線で活躍する選手として、更に活躍していただきたく、その姿を見て岩手の子供たちも、自分もあの、子供用のジャンプ台もある田山のジャンプ場で練習したいという、そういう思いを持ってどんどん盛んに練習し、そういう形で岩手のジャンプの伝統というものを後進に伝えていってほしいと思います。また、将来どういう形で指導的立場にということについては、それはやっぱりもう少し現役時代の活躍を見てというか、その向こうに自然に形が表れてくるのではないかと思います。
幹事社
発表事項についてほかに質問がなければ、次に行きたいと思います。発表事項以外については、記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いいたします。
記者
韓国による水産物の輸入禁止をめぐり、WTOの最終審で日本が逆転敗訴したという情報がありますが、知事は御存じでしょうか。
知事
はい、聞いております。
記者
もし受け止め等ありましたらお伺いできますでしょうか。
知事
岩手県としては、国に対して、韓国政府に水産品の禁輸措置が一刻も早く解除されるよう強力に働きかけることを要望してきていますので、今回のWTOの判断は残念であります。
一方、科学的根拠のない不当な輸入規制というWTO提訴が退けられたということですけれども、法律的な解釈として、科学的根拠のない不当な輸入規制には当たらないとしても、岩手を初め、今、規制対象になっている農林水産物、日本ではみんなきちっと検査をした上で、安全を確認して美味しくいただいておりますし、また日本に来た観光客の人たちも、韓国から来る人も含めて美味しく利用いただいている訳ですので、WTOの判断は判断として、やはり韓国の皆さんにも利用していただきたいと強く思いますので、引き続き国に対しては韓国政府への働きかけを要望していきたいと思います。
記者
今のWTOの関連で質問ですけれども、県としても水産物の輸出戦略というものに今回の判断が与える影響というのが大きいのかなと思っています。あと震災からの復興という、産業の復興という面でも影響があるのかなというふうに思うのですけれども、その辺の知事のお考えというのを教えていただけますでしょうか。
知事
WTOの解釈として、日本政府の言い分が通って、今規制対象になっている水産物の安全性にWTO的にもお墨つきがあれば、それに越したことはないのですけれども、一方、さっきも言ったように、実際きちっと検査をして安全性を確認した上で、日本国内外の皆さんに美味しく利用していただいている訳ですから、このことをしっかりアピールしながら、そういう資源があるということは復興の力にもなりますし、地域の未来を切り拓く力にもなりますので、漁業資源というものを大切にしながら、人材育成もきちっとやって、日本国内外の皆さんに利用していただけるよう努めていきたいと思います。
記者
県内の水産物の輸出戦略とか、産業の復興ということに与える影響というのは、知事としては今回の判断があるというふうに見ているのか、それともそんなに関係がない、影響は少ないのではないかと見ているのかというと、どうでしょうか。
知事
最終的に漁業関係者の収入、所得がどうなるかというところが問題な訳ですけれども、今、むしろ漁獲量の減少ということが非常に大きな問題であって、魚種によっては不漁であるがゆえに価格的には結構高い価格で取引されているということもあったりしますし、そこはちょっと一概には言えず、韓国輸出ができないとしても、国内消費でありますとか、他の国の消費とか、そういう全体の中で漁業者の皆さんの収入、所得を確保していくように努めていきたいと思います。
記者
参院選についてお尋ねします。岩手選挙区では、野党の統一候補擁立をめぐって、これまで自由党と社民党と共産党が横沢高徳氏の推薦を決めていて、それに対して国民民主党が黄川田徹氏の擁立を提案しているという状態がずっと続いておりました。その中で、昨日、国民民主党の玉木代表が自由党の小沢代表と会談して、ゼロベースでの再協議を求めて、小沢代表がそれを了承するというようなこともありました。この一連の状況について、知事はどのように見られているのか、受け止めをお願いいたします。
知事
1年半ほど前に小池新党と当時民進党と、そしてそこに自由党も合流するという話が前原代表のもと進んで、当時、前原代表のもとで階猛政調会長、それは前原ネクスト総理大臣のもとで、階猛ネクスト官房長官という体制でそういう合流話を進めていたのですけれども、自由党小沢代表が「ちゃんと小池新党、民進党、自由党の3党の党首会談で全てがきちっと一緒になれるように話を持っていかなければならない、そこに社民党や共産党との協力、連携の話も加えていくことができる。」ということを言っていたのに、前原ネクスト総理大臣が結局自由党を外して、小池新党、小池さんとだけ話をし、そして民進党の一部だけしか入れないようにすると決めて、あの選挙が行われて、そして国民民主もあれば、立憲民主もある、無所属の人たちもいるみたいなふうになっていると。あのとき、ちゃんと自由党も合わせてみんなが一緒になるのだということをうまくやっていれば、今ごろ新元号を発表する係は階猛さんがやっていたかもしれない訳でありまして、何でそういうことになっていないのかというのをよくよく考えて、岩手の参院選の体制も考えていけば、おのずとどうすればいいかというのは見えてくるのではないかと思います。
記者
ちょっと震災の話に戻りますけれども、昨日、大槌町の方で防災集団移転促進事業が完了し、県内全地区で造成が完了したということで、8年経ってようやくということかと思うのですけれども、そのことに対する受け止めと、今後、防災集団移転促進事業をめぐっては移転した元地の活用というのが課題になってくるかと思うのですけれども、そのことについてどう取り組んで、県としてもどう取り組んでいかれるかということについて教えていただければと思います。
知事
高台移転のように、そういう元いたところに、元あったような家を建てるだけでは済まないのが津波の被害で、その復旧、住まいの再建には一定の時間がかかるということがあり、今に至っているわけで、その間、制度的にも技術的にも、かなり普通よりも早く進むようなことがどんどん投入はされたのですけれども、やはり、その間、仮設住宅等での生活を余儀なくされた方々の長期にわたる避難生活というのを思えば申し訳ない気持ちと、やっとできたという、そういう気持ちがいたします。住まいの再建ということが、復興のゴールのテープを切って、更にその先まで進んで、新しい地域振興も進めていくうえで非常に大事ですので、新しい住まいに新しいコミュニティー、そして新しいまちづくりというもの、それぞれ市町村が進めていくところもあるわけですけれども、県としても一緒にその復興の歩みを進めていきたいと思います。
記者
今後の移転元地の活用についてもいただければと。
知事
これは、市町村からそういう声がありますから、県としても国のほうにも随時伝えているところではあるのですけれども、やはり今からでもより柔軟な運用ですとか、あるいは新しい制度をつくるですとか、そういったことがあれば、この先進むのが早いので、そういったことを国に求めていきたいと思います。
記者
先ほどの参院選の件で私もお尋ねします。何となくこういうものかなと思ったのをちょっと聞いていただきたいのですけれども、先ほど知事がおっしゃったのは、今3対1みたいになっているのですけれども、昨日の玉木代表と小沢代表の会談を踏まえると4党でもう一回議論できるように振り出しとまではいかなくても、4党がちゃんとテーブルに着いて話せるような状況に戻したいということだったと思うのですが、先ほど知事の言ったお話、過去の話を考えるともう一回4党で話し合える環境をつくったほうが当然いいのだという、そういう趣旨で私は受け取ってしまったのですが、どうですか。
知事
その反対です。
記者
反対。もうちょっと説明をしてもらってもいいでしょうか。
知事
これ以上はちょっと遠慮させていただきます。
記者
わかりました。それでは選挙関係で、先日統一地方選があって、11府県知事選がありまして、新人で新たに知事になった方だったり、いろいろ地域的な政策課題で大阪なんかは争った選挙とかがあったり、党内で分裂した選挙なんかもありましたけれども、同じ知事仲間で再選された方、新しく来る方いらっしゃるのですけれども、統一地方選の知事選挙をどのようにごらんになりましたか。
知事
それぞれの県の事情、地域事情があって、そこにそれぞれの角度で向き合いながら選挙戦が戦われ、そして民意の負託を得て得票1位の方々がそれぞれ当選しているということだと思います。
記者
特に報道等で情報を得ているとは思うのですけれども、何か地方選の中でトピック的にとかエポックとか、そういう感じでご覧になった知事選はありましたでしょうか。
知事
それぞれにそれぞれの歴史もあれば、今直面している課題もあり、それぞれ皆さん一生懸命やっているのだなと思いながら見ておりました。
記者
達増知事ご自身も任期満了までもう半年切りましたが、先月お尋ねしたときは3月中は県議会ありましたし、今月もいろいろ予定がある、中国訪問もありますし、いろいろお忙しいですが、御自身の任期満了後に関してはまだ考える時間というか、考えていることはありますでしょうか。
知事
任期満了までまだ半年もあるわけですので、また年度の始まりに当たって、昨年度の2月議会で決定いただいた予算や、また新しい総合計画を軌道に乗せるということに今は集中しているところです。
記者
今回、定例としては平成最後の知事の会見になろうかと思いますけれども、この30年を振り返って、特に印象的だった出来事、その理由を、いろんなことがあり過ぎて簡単ではないと思いますけれども、1つお願いできますでしょうか。
知事
平成という元号から、やはり平成の天皇陛下、明仁さまのことを思い浮かべますが、東日本大震災津波があって、繰り返し被災地や復興の現場を御訪問いただきました。特に希望郷いわて国体・希望郷いわて大会もあって、4泊5日というこの長い日数御滞在いただいて、震災の被害を受けた方々への思い、また、この日本の国土というものに対する思い、そうしたものを色々な機会に示してくださって大変ありがたかったと思います。やはり岩手としても東日本大震災津波ということは、平成の中では大きなことだったのですけれども、新しい総合計画の基本目標に定めたとおり、そのことを常に基本として風化させず、忘れることなく、そして引き続き復興に取り組むということで、あの震災によって引き起こされている課題にきちんと対応していくという姿勢をとりながらお互いに幸福を守り育てるという方向に向かっていくことで、岩手はちゃんと進んでいけるのではないかなと思っていますし、日本全体もそのようであってほしいと思います。
記者
先ほどの流れで聞けばよかったのですが、WTOについてちょっとお聞かせください。知事の御回答を聞きますと、今回のWTOの決定は岩手の水産業に与える影響というのは限定的だというふうにお考えなのでしょうか、あと国に対して働きかけたいというふうにお話しになりましたけれども、韓国政府に対して何かおっしゃりたいことがあれば教えてください。
知事
国と国の交渉はあくまで政府間でやるべきだと思っていますが、韓国の人々に対しては、我々は既に安全に美味しくいただいていますよということ、また韓国から旅行で来てくださる方々も美味しく利用してくださっていますよということを、これはどんどん伝えていきたいと思います。
あと、岩手の水産業全体への影響ですか、これは韓国への輸出がどんどん増えればそれはプラスの効果になる訳で、そうならないということは残念なのですが、それがなければもう決定的な影響があるかといえば、他国への輸出、国内消費の拡大でありますとか、また魚種によって漁獲量の激減ということもあり、漁獲、魚種の変更とか、それが加工や流通、消費、販売という流れの中で、例えばイカがとれないならタラのタラフライで勝負みたいな、そういう新しい試みでかえって漁業者や水産関係者の収入、所得が増える、そういう見通しが見えてきているところもある訳ですので、要は戦略的に対応していけば悪いようにはならないと考えています。
広聴広報課
以上をもちまして、記者会見を終わります。
次回記者会見
次の定例記者会見は5月10日(金曜日)の予定です。
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