令和元年7月19日知事会見記録
開催日時
令和元年7月19日10時から10時23分
会見記録
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。最初に知事から発表があります。それでは、知事、お願いします。
知事
看板、ポスターなどもありますけれども、今日の発表事項は、統一QRコード、JPQR(ジェイピーキューアール)による決済サービスの開始についてです。
岩手県は、今年3月、総務省が実施する統一QR、JPQR普及事業の実証地域、全国4県のうち1県として選定されました。県では、商工団体等と連携の上、県内各地で説明会を行い、小売事業者等への導入を促すなどの事業の推進を図ってまいりました。そして、いよいよ8月1日から統一QRコードによる決済サービスがスタートします。
統一QRコードは、総務省が普及を進めているもので、au PAY(エーユーペイ)、Origami Pay(オリガミペイ)、J‐Coin Pay(ジェイコインペイ)、ゆうちょPay、LINE Pay(ラインペイ)、メルペイ、d払い(ディーばらい)の決済事業者7社のコードを一つにまとめたもので、導入店舗では利用できる決済サービスの種類が増えるとともに、コードが統一されることでスムーズな支払いが可能となります。
また、今回の事業では、中国で広く普及しているアリペイやウィーチャットペイを併せて導入することも可能ですので、訪日外国人向けのキャッシュレス決済環境の整備にもつながります。
キャッシュレス決済の導入は、事業者の皆さんにとって誘客効果に加え、レジ締めや現金取扱時間の短縮などによって、生産性の向上を図ることも期待できます。今回の普及事業を活用して、統一QRコード決済を導入いただきたいと思います。
また、消費者の皆さんにとっても、代金の支払いが素早く行えることや、ポイント還元サービスなどのメリットがあります。そして、利用することで事業者のキャッシュレス導入促進、地域消費の振興にもつながりますので、この機会に県民の皆さんにもぜひ御利用いただきたいと思います。
以上です。
広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
幹事社
それでは、ただいまの発表事項1件について、各社から質問があればお願いします。
記者
QRコードについてなのですけれども、改めて地域の消費ですとか、岩手の観光に対する、この事業を使うことでの期待と、8月のスタート時点でどのぐらいの店舗とかで利用される見通しなのか、もしあれば教えていただければと思います。
知事
昨年度は、宮古市の魚菜市場でキャッシュレス決済の導入という事業をやったのですけれども、そういう極めて小規模なお店であっても、一気に情報通信技術の最先端を使った決済ができるようになるということで、岩手のように小規模な店舗が多いところでこそ、一気に先端的な技術を広めるチャンスがあるというふうに考えています。また、中小企業振興の観点からも、県の中小企業振興条例では、中小企業は県民が働く場所の雇用の場となっており、そこで生み出す利潤により、周りのお店や飲食店を利用することで、県内経済のお金を回していくことにもつながるとしております。
そのように、オール岩手、県民みんなでお互い育て合うような、そういう感覚で導入と利用が進むことを期待します。
記者
インバウンドとかについてはいかがでしょうか。
知事
そうですね。今回の事業では、一気にインバウンドにも対応できるようにもなりますので、お勧めです。
記者
今の件で、およそ1,000事業者に説明会を行ってきたとあるのですけれども、具体的に8月1日から開始ということで、どのぐらいの業者が導入をするということになりそうでしょうか。
知事
岩手県内では説明会を29回開催し、6月中に申し込みを行った約50事業者、これに加えて県内大手コンビニエンスストア約500店舗でもサービスが開始されます。なお、説明会に参加した業者からは、順次申し込みをいただいている状況です。
記者
ちなみに、地域的には全県的にばらばら、ばらついていますか。
知事
手元に資料がないので、後で担当からお知らせします。
幹事社
それでは、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いします。
幹事社からよろしいでしょうか。今ちょっと外からも聞こえていますけれども、参院選真っ最中ではありますが、投票まであと2日となっておりますが、この間、全国的に色々な報道等でもお伺いした形で、今回の参院選の盛り上がり等を知事、岩手県に限らずどのようにご覧になっていらっしゃいますか。
知事
そもそもダブル選挙になるかもしれない、イコール衆議院の解散総選挙があるかもしれないという話題がずっと引っ張られていたために、参議院議員選挙ということへの注目が弱くなっていたと思います。スタート時点では、過去の参議院議員選挙に比べても、全国的な関心がどうも低いような感じがしていたのですけれども、ようやくここに来て、激戦区と報じられているところについては、繰り返しテレビや新聞などでも報じられており、岩手県はその中に入っているので、岩手県民の皆さんの関心はかなり急速に高まってきているのではないかと思います。
幹事社
今、岩手の件、お話ありましたけれども、どちらを支持するとかという以外で、関心の高まっているものの政策的なものは、我が社で調査した部分では年金や社会保障とか、直前の国会で論戦があったものもありますし、経済政策全般だったり、10月に税率の引き上げが予定されている消費税だったり、あとは安全保障の問題とありますが、最近韓国での経済制裁といいますか、これらの話も出ていますが、岩手県での争点みたいなのはどんなふうに動いているのかなと知事はご覧になっていますか。
知事
今、例に出されたような国会で取り上げられたこと、あるいは予算委員会を開けという声がありましたけれども、開かないで取り上げないでしまったこととか、そういった報道されていたようなことがまず1つ関心の的になっていると思いますし、あとはこの政権も長く続いていますので、それも、安全保障とか外交とかもあると今言いましたけれども、そういったものも含めて、経済、社会、外交、防衛、そういう全体的な評価のような感覚も結構広くあるのではないかなと思います。
あとは、県民一人ひとり、自分が直面する課題というのはそれぞれありますので、子育て問題に直面している人はそういう子育て問題、親御さんの介護に直面している人は、やはり介護の問題とか、それぞれが直面していることについて真剣に考える機会にもなっていると思います。
幹事社
ありがとうございます。あともう一点、関心が徐々に高まってきたという要因の一つとして、来月は知事選がありまして、知事も4度目の挑戦をされるわけですが、もう一方名乗りを上げて、選挙戦になる空気があります。そういった中で、御自身もそうですし、もう一方の方も参院の候補、選挙区候補を応援されているので、そういった一連の岩手で今年夏に行われる夏の陣の盛り上がりもあって関心が高まっていると、そんなふうに見る考え方もできると思うのですが、知事はその点はいかがですか。
知事
盛岡では市長選挙や市議会議員選挙もあり、また、市議会議員選挙は県内各地で参院選と同日投票日になっているところもありますし、色々な選挙がこの夏に集中しているということはあると思います。ある場所では、それがややこしさになって見えているところもあるかもしれませんし、ある場所では、関連付けられて有権者の皆さんに受け止められているところもあると思います。
幹事社
ケース・バイ・ケースみたいな感じですか。
知事
はい。
幹事社
ほかよろしいでしょうか。
記者
今回の参議院選挙で、特に与党陣営からは、ILCに関して重要局面を迎えている中で、知事が野党陣営の方を応援されているということに対しての批判というのを、ここに来てかなり強めているように受け止めているのですが、そのあたりについて、知事はどういうふうにお考えでしょうか。
知事
参院選でILCを取り上げる場合に、自分はILCに賛成です、自分はILC実現のために頑張りますとか、自分自身あるいは政党なら政党としての……政党によってはILCの誘致というのを、政策パンフレットの中にきちっとILCという固有名詞を出して書いているような政党もありますからね。ですから、そういう自己主張としてやっていく分にはいいのだと思いますけれども、ただ、ある一部の個人や一部の政党、組織だけのものである、ILCはそういう一部の人たちだけのものであるみたいなことを、選挙戦と絡めて言い出すと、ILCというのはオールジャパンで党派を超えて目指しているものであるという大原則を掘り崩す恐れがあると心配しますし、あと、そもそもILCをやる、やらないの決断というのは、日本においては日本国民、国民的な決定を見なければならないわけで、具体的には国会での予算や関係法案の了承ということが制度的にはあって、そして背景としてはやはりオールジャパンの国民的な支持というものが決め手になるということだと思います。
そういう意味では、私も実現したい、実現しようと思っていますので、日本国民であれば何党の支持者であれ、あるいはどんな政治信条を持っている人であれ、一人でも多くのILC支持者というものを獲得していくことに努力すべきだなと思っていて、ある政党の人でないとILCの決定に関われないとか、ある政党の人、あるいはある思想信条の人が特定の地位、自治体の長などになっているとILCが進まないなどという、何か国民を分断して、ILCを国民のものではないようにしてしまうような考え方というのは非常に良くないと思います。まず、国民みんなで、ILCを国民全体に浸透させて、国民的合意を取り付けるという観点から、それは非常にうまくないやり方だと思いますし、また、民主主義の理念からしてもおかしなやり方なので、前にも言いましたけれども、アメリカ、ヨーロッパなどの他の先進諸国の人たちが、そういう民主主義国ではないような論理がまかり通るようなところでILCをやっていいのかという疑問につながる恐れもあり得るので、良くないなと思います。
記者
特に候補地の県南部の市町村の首長さんたちの動向なんかも見ていますと、やはり政権与党の方の支援に回るというようなケースも多々見られるのですけれども、知事は分断という言葉も使われましたが、選挙後にILCに関して懸念されること、例えばしこりとか、そういった部分で懸念されていることというのはありますか。
知事
普通の公共事業と違って、日本のどこにつくってもいいものであったりとか、あるいはおよそ全ての県につくられるようなもので、それをどういう順番でつくっていこうかというような、普通の公共事業とは違いますから、ILCは。東日本大震災津波からの復興もそうなのですけれども、それはここでやらなければならないことな訳ですから、まず、そこの住民の皆さんの支持を取りつけなければならない。そこの住民の皆さんの協力、そしてそこの住民の皆さんのやる気というものを土台にし、そしてその民意を受けている自治体、市町村、そして県、そこでそういう住民の思いというものを様々な文書や図面等の形にし、それを国の政府とすり合わせながらつくるべきものをつくっていくという、そういう形の中で、まず、尊重しなければならないのは住民の皆さんの思いな訳でありますから、そういう意味では、これは私であれ、それぞれの市町村長であれ、そしてまた国会の議員さんとか、政府の役についている人たちであれ、自分の立場を住民に押しつけようとするのは、それは本末転倒なやり方でありますので、住民の人たちが何党かに党の支持が多いとか、そこの地域では何党の人が議員に選ばれたりするとかということとは別に、復興にせよ、ILCにせよ、やるべきことをきちっと地元の住民の人たちの思いというところから積み上げてつくっていかなければならないということだと思います。それは、何党が政権与党であれ、誰が総理大臣であれ、あるいは誰が知事であれ、誰が市長であれ、それはできることだし、やらなければならないことです。
記者
参院選の話とは変わりますが、昨日、京都アニメーションの方で放火が起きて、多くの人が犠牲になるという痛ましい事件があったのですけれども、知事もサブカルチャーにお詳しいということで、その制作会社のアニメをご覧になったこともあるかもしれないですが、この事件をどういうふうに受け止めていらっしゃるのか教えていただけますか。
知事
比較的きちっと見ていた作品は、「日常」という漫画をアニメにした作品で、東日本大震災津波の直後にNHKで放映されていたものです。それで、2011年ですから、「日常」というタイトルでちょっとぎょっとして、どんな作品かと思って見ていたら、タイトルは「日常」だけれども、内容は極端に非日常的な話が展開し、何かその落差みたいなものが東日本大震災津波への対応とか、復旧、復興の仕事で忙しかった頃に、録画して時間のあるときに見たりしていたのですけれども、心の中の大掃除をしてもらって、癒やしになったなという記憶があります。
他にも、非常に世に知られ、海外でも評価が高い作品をたくさんつくっている会社で、物すごい喪失だと思います。本当にとんでもないことが起きたという衝撃を感じています。
信じられないような、テロと言ってもいいような、一度に大勢の被害者を出す事件が引き起こされたのですけれども、一個人の中に憎悪が芽生え、その憎悪が歯止めなく膨れ上がって、想像を絶する犯罪に走るということは、実は世界のあちこちでテロの形で起きているのです。人種とか、宗教とか、あるいは政治とかというテーマで海外では起きているテロですけれども、憎悪というものに歯止めがきかなくなって起きているという意味で、日本の中でそういうサブカルチャーが関わるような形で起きてしまったというのは、世界共通の憎悪、英語で言えばヘイトですね、憎悪、ヘイトにどう向き合い、それに対処していくかということと、日本の文脈をどう見ていくかということ、これは国民的にも真剣に考えていかなければならない問題だと思います。
広聴広報課
以上をもちまして、記者会見を終わります。
次回記者会見
次の定例記者会見は7月26日(金曜日)の予定です。
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