果樹園で農業用無人車「R150」の実演を行いました

ページ番号2005162  更新日 令和4年5月23日

印刷大きな文字で印刷

 果樹栽培における病害虫の防除作業は、高品質果実の安定生産のために欠かすことのできない大切な管理作業です。

 しかし、岩手県での一般的な栽培では、りんごで年間15回、比較的少ないハウス栽培のぶどうでも5回以上は行われており、1回の散布量も10a当たり150~550リットルと大量の散布が必要です。また、散布作業には多くの労働力が必要な上、散布時は、防除着やマスク、手袋などの装着が必要となるため、特に夏季の作業者の労働強度は著しく高いものとなっています。

 このため、散布する機械も様々工夫されてきており、現在の大規模果樹園ではキャビン付きのスピードスプレーヤの導入が増えてきています。また、さらなる効率化を狙い、ドローンや無人ヘリコプターを利用した防除も試みられてきましたが、果樹の防除は葉裏からの散布が基本であることから、実用化には至っていないのが現状です。

 今回は、有限会社岩手スカイテック(奥州市)の全面的な協力を得て、果樹専攻実習および卒業研究(1年生9名、2年生7名)の授業で、同社が本年導入した、農業用無人車「R150」の実演を行いました。

 「R150」は、防除機能、運搬機能を兼ね備えており、将来的には草刈り機能など多用途に使える機械として開発されています。最大の特徴はRTK測位により高い精度で位置情報を入手できるため、無人走行が可能である点です。また、スピードスプレーヤとは異なる散布方法を取り入れていますが、同様に葉裏からの散布が可能な形となっているため、防除効果も期待されます。

 今回の実演では、りんごとぶどうのほ場で散布手法の設定を色々と変えながら、薬剤に見立てた水を散布しました。学生たちはほ場の中を自走しながら勢いよく散水する「R 150」を興味津々で見ていました。

 「R150」は、今後も同社のご協力により、果樹経営科2年生1名の卒業研究テーマとして、本年1年間をかけて防除面での実用性などの研究を行う予定としています。

r1501
実演前に岩手スカイテックの皆さんから説明を受けました。
r1502
自動運転の他に、リモコンによる操作が可能で追従機能もあります。
r1503
ぶどう圃場での無人散布作業です。
r1504
りんご圃場での無人散布作業です。

このページに関するお問い合わせ

岩手県立農業大学校 教育部 農産園芸科
〒029-4501 岩手県胆沢郡金ケ崎町六原蟹子沢14
電話番号:0197-43-2211(内線番号:203) ファクス番号:0197-43-3184
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。