果樹園でロボット草刈り機「クロノス」の実演を行いました

ページ番号2003888  更新日 令和3年7月9日

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 多くの果樹園の地表面管理は、部分草生(除草剤などの利用による樹冠下清耕と樹列間草生を組み合せたもの)栽培が行われています。果樹園の草生栽培は、土壌の浸食防止、有機物の補給、作業の快適化などのメリットがあるため、多くの園地で取り入れられていますが、りんごのわい化栽培などでは、低い位置に枝を配置する樹体構成のため、草刈機械が入りにくいことなどから、樹冠下は清耕に管理されています。

 草生栽培では草刈りが十分行われないと、樹と草との養分競合や害虫・野鼠の潜伏場所になりやすいなどのデメリットも発生してきますので、こまめな草刈りが必須の条件となります。

 草刈り作業は多くの労力が必要であるため、軽労化、省力化のために様々な機械が開発され、実用化されています。

 今回は、和同産業株式会社(岩手県花巻市)の全面的な協力を得て、果樹専攻実習(1年生7名、2年生5名)の授業の中で、同社が世界に先駆けて開発した、ロボット草刈り機「ロボモアKRONOS」の実演を行いました。 

 「ロボモアKRONOS」はエリアワイヤーで指定した範囲(最大3,000平方メートル)を自動で草刈りし続ける機械です。バッテリーにより稼働し、充電不足になると自ら充電ステーションに戻って充電し再稼働します。車体がコンパクトで低く、樹冠下など従来の機械が入れない場所での作業も期待できます。また、自動での稼働の他に、スマートフォンに専用アプリを取り込むことにより、スマートフォンでの操作も可能となっています。

 今回の実演では、学生たちはエリアワイヤー埋設のお手伝いやスマートフォンでの操作などを行いながら、新しい技術に興味津々で授業を受けました。

 「ロボモアKRONOS」は和同産業株式会社のご厚意により秋季まで本校の果樹圃場に設置し、その作業状況などについて観察させていただくこととしています。

 前回のドローンによるりんごの人工授粉に引き続く今回の実演で、果樹分野でのスマート農業の導入を、学生が自ら考え工夫して取り組んで行くきっかけとなることを期待したいと思います。

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実演前に和同産業株式会社の皆さんから説明を受けました
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専用機でエリアワイヤーの埋設
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スマートフォンで操縦体験
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各種草刈り機(中央がクロノス)と一緒に記念撮影

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