<令和4年3月29日>令和3年度の「高校生との協働による橋梁点検」の報告会(県立久慈工業高校)を開催しました!!
県では、道路インフラメンテナンスの必要性や重要性の理解向上と自ら実施した点検が県民の安全な暮らしを支えることとなる土木の魅力を感じてもらうことにより、土木技術者の担い手の確保・育成を推進するため、県内工業高校との協働による橋梁点検に取り組んでおり、県立久慈工業高等学校との協働による橋梁点検の報告会を開催しましたので、お知らせします。
~道路インフラメンテナンスの理解向上と土木技術者の担い手の確保・育成を推進~
県が管理する道路橋(約2,800橋)は、建設後50年以上が経過する橋梁の割合が現在の約3割から20年後には約7割と大幅に上昇する見込みであり、老朽化対策が深刻な課題となっています。
県では、老朽化した橋梁のメンテナンスを適切に行うため、道路法施行規則に基づき、5年に1回の頻度で橋梁点検(近接目視点検)を行っていますが、令和元年度からは、道路インフラメンテナンスの必要性や重要性の理解向上と自ら実施した点検が県民の安全な暮らしを支えることとなる土木の魅力を感じてもらうことにより、土木技術者の担い手の確保・育成を推進するため、県内工業高校との協働による橋梁点検に取組んでいます。
令和3年度は、土木系学科を有する県内全ての工業高校(全4校:盛岡工業、黒沢尻工業、一関工業、久慈工業)と橋梁点検を実施したところであり、令和4年3月29日(火曜)には、久慈工業高校の生徒が点検結果等を県に説明する報告会を開催しました。
報告会には、点検を行った建設環境科2年の環境土木コースの生徒3人が出席し、生徒から県北広域振興局土木部の和村部長に点検調書を手交した後、主要地方道久慈岩泉線白山大橋など4橋の点検結果や健全性の診断結果等を報告していただきました。
生徒からは、「実際に橋の下に行き、ひび割れている箇所や伸縮装置などが水を通す構造となっており、融雪材の影響等で腐食が進行しているなど、普段見ることのできない部分を確認することができた。また、ドローンなどの新技術を使い、細かいところまで点検していることを知り、橋の安全性がいかに保たれているのか分かった。この経験を活かしてこれからの就職活動等を頑張りたいと思った。」との感想発表がありました。
橋梁点検では、現地での点検結果等を踏まえて、岩手県道路橋定期点検要領に基づいて橋梁の健全性を1~4の4段階で判定しますが、今回点検を行った4橋の健全性は、川貫橋が判定区分2(予防保全段階)、白山大橋、赤防橋の2橋が判定区分3(早期措置段階)と判定されました。
健全性が判定区分3と診断された橋梁は、道路橋の機能に支障が生じることが懸念されるため、岩手県道路橋長寿命化修繕計画に基づき、次回点検(5年後)までに修繕等の措置を行うこととしており、今回の報告結果を踏まえ、判定区分3と診断された2橋について、令和4年度からの橋梁補修設計着手に向けて検討を進めていきます。
なお、滝の上橋は鉄筋探査等の詳細な調査が必要となったことから、その結果を踏まえて、後日、判定区分を決定する予定です。
今回の点検調書は、それぞれの橋梁の今後の修繕計画等に活用する予定であり、点検調書には点検を行った生徒7人の名前が記載され、橋とともに残り続けます。
県では、今後とも、老朽化が進む道路施設の計画的な修繕等を行うとともに、県民の生活を支える道路インフラの良好な利用環境等を確保するため、県民との協働による維持管理を推進していきます。
【協働による橋梁点検実施橋梁】
路線名 | 橋梁名 |
橋長 (m) |
完成年 (西暦) |
橋梁形式 | 健全性の判定区分 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 主要地方道久慈岩泉線 | 白山大橋 | 128.0 | 1978 |
単純非合成鈑桁橋 単純上路式トラス橋 |
3(早期措置段階) |
2 | 主要地方道久慈岩泉線 | 赤防橋 | 37.0 | 1987 | 単純合成鈑桁橋 | 3(早期措置段階) |
3 | 一般国道281号 | 川貫橋 | 3.0 | 1930 | 単純RC中実床版橋 | 2(予防保全段階) |
4 | 一般国道281号 | 滝の上橋 | 4.2 | 1993 |
プレキャストRCボックス カルバート |
詳細調査後に決定 |
関連情報
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