合同追悼式での知事式辞(平成25年3月11日)

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ページ番号1002269  更新日 平成31年2月20日

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あの、全てが変わってしまった衝撃と悲しみの日から二年となる本日、ここ大槌町において、「東日本大震災津波岩手県・大槌町合同追悼式」を挙行するに当たり、犠牲になられた方々の御霊の前に、謹んで哀悼の誠を捧げます。

東日本大震災津波は、本県において、四千六百七十二名の方々の尊い命を奪いました。

毎月の十一日を重ねて二年目の三月十一日を迎え、ご遺族の皆様の悲しみは癒えることなく、在りし日を偲ぶ思いはますます深くなっているものと拝察いたします。

また、本県において、千百五十一名の方々が、ご家族の祈りにもかかわらず、今なお行方不明であります。二年間という時の重みを痛感いたします。

ここ大槌町は、海に浮かぶ船が建物の上に押し上げられるほどの巨大津波とその後発生した火災により、見渡す限りの街並みと産業基盤が消失し、八百四十四名の方々の命が失われ、四百三十七名の方々が行方不明となる、この世のものとは思われぬほどの凄絶な被害を受けました。

犠牲になられた方々は、豊かな自然に恵まれ誇りある歴史を有し、活力みなぎる大槌町で、それぞれの分野で活躍され、地域社会を支えられ、あるいは、未来の希望を託されていた方々であります。

その中には、自らの使命を果たすべく、住民の避難誘導や水門閉鎖に当たられた消防団員、消防職員、警察官の方々、また、加藤宏暉(こうき)町長以下、災害対応に当たられていた職員の方々もおられました。まさに痛恨の極みであります。

私たちはこの東日本大震災津波の惨禍が決して忘れられることのないよう、後世に語り継いで参ります。そして、犠牲になられた方々のふるさとへの思いを引き継ぎ、「いのちを守り、海と大地と共に生きる、ふるさと岩手・三陸」を実現すべく、県民力を合わせて、復興に邁進することを、御霊にお誓い申し上げます。

今、岩手の被災地には、復興の主役として立ち上がった地元の皆さんの底力と、岩手県内に加えて全国や海外から寄せられる様々なつながりの力により、暮らしや仕事、そして学びの場に、力強い動きが現れてきました。大槌町でも、新生「おおつち漁協」や復興食堂が活動し、町民主体のまちづくりなどが進み、中高生のがんばりが大きな希望になっています。

県としても、市町村や国と一体となり、様々な主体と連携し、防災施設の整備等による安全の確保、住宅をはじめとする生活の再建、水産業などのなりわいの再生を更に進め、科学研究拠点の誘致や再生可能エネルギーの振興など、未来につながる事業とも併せて、復興を加速して参ります。

寄せられた支援に対する感謝を込めて、そのご恩に報いるためにも、岩手全体の力を合わせた、岩手全体の復興を進め、県民誰もが希望を持つことができる、「希望郷いわて」を実現することを、御霊の前にお誓いいたします。

犠牲になられた方々の御霊が安らかでありますように、そして私たちをお見守りくださいますように、お祈り申し上げ、追悼の式辞といたします。

平成二十五年三月十一日

岩手県知事 達増 拓也

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