合同追悼式での知事式辞(平成28年3月11日)

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ページ番号1002263  更新日 平成31年2月20日

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 平成28年3月11日(金曜)に大船渡市にて開催された「東日本大震災津波岩手県・大船渡市合同追悼式」より、知事による追悼式辞を掲載します。

追悼式辞(全文)

追悼式辞

東日本大震災津波から五年となる本日、岩手県と大船渡市の合同追悼式を挙行するに当たり、尊い命を失われた方々の御霊に、岩手県民を代表して謹んで哀悼の誠を捧げます。

マグニチュード9.0の巨大地震が生み出した圧倒的な高さの大津波は岩手県沿岸部全体を襲い、4,672名もの方々の尊い命を奪いました。犠牲となった家族、友人、お世話になった人、親しくしていた人への想いは、五年の日々を経て、ますます深まっているのではないでしょうか。

圧倒的な津波の力は、今もなお、1,124名の方々を行方不明のままにしています。ご家族の方々の願いに天地が応えてくれることを祈ります。

平成23年、2011年の今日、ここ大船渡市では、強固に築かれた湾口防波堤をはるかに超える津波が押し寄せ、街や集落を黒い水が覆い、340名の方々の命が失われ、多くの方々が行方不明となる、例えようもなく凄まじい被害が生じました。

誇りある歴史と文化を有し、温暖で豊かな自然に恵まれた大船渡市において、それぞれの分野で活躍し、地域社会を支え、あるいは、未来の希望を託されていた多くの方々が犠牲となりました。その中には、自らの使命を果たすべく、住民の避難誘導や水門閉鎖に当たられた消防団員の方々もいらっしゃいました。痛恨の極みであり、哀惜の念に堪えません。

私たち、岩手県民は、犠牲になられた方々のふるさとへの想いを受け継いで、この東日本大震災津波の経験と教訓を後世に伝えていくよう努めながら、復興の道を歩んでいかなければなりません。

今、岩手の被災地では、復旧・復興が一歩一歩着実に進んでいます。ここ大船渡市でも、漁業施設や水産加工場の再建、新大船渡市魚市場の完成、災害公営住宅の全団地着工、まちなか再生計画の策定など、なりわいの再生や生活の再建が進み、さんりく鉄道南リアス線の全線復旧、三陸沿岸道路吉浜道路の開通、永浜・山口地区の工業用地の造成など、地域の希望も大きく膨らんでいます。

県では、本年を本格復興完遂年と名付け、市町村や国と一体となり、また、企業、団体、個人と連携し、防災施設の整備等による安全の確保、住宅・宅地の整備をはじめとする生活の再建、水産業などのなりわいの再生を更に進め、海洋研究拠点の形成強化など、未来につながる施策とも併せて、復興を強力に推し進めて参ります。
また、「広げよう感動、伝えよう感謝」をスローガンに冬季国体で幕を開けた“東日本大震災復興の架け橋”「希望郷いわて国体・希望郷いわて大会」を成功させ、県民の底力と様々なつながりの力を高め、復興のシンボルとなるよう県民一丸となって取り組んで参ります。

発災以来、全国、そして海外からたくさんのお見舞いや激励、訪問、ボランティア活動、義援金の提供など様々な御支援をいただいており、あらためて、心から感謝申し上げます。復興は未だ道半ばです。引き続きの御支援、御協力をお願いいたします。

犠牲になられた方々の御霊に、すべての岩手県民が心をひとつにして復興を成し遂げ、「いのちを守り 海と大地と共に生きる ふるさと岩手・三陸の創造」を実現することをお誓い申し上げます。どうか、私たちをお見守りください。
心からご冥福をお祈り申し上げます。

平成28年3月11日

岩手県知事 達増 拓也

このページに関するお問い合わせ

復興防災部 復興推進課 伝承・発信担当
〒020-8570 岩手県盛岡市内丸10-1
電話番号:019-629-6945(内線6945) ファクス番号:019-629-6944
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