合同追悼式での知事式辞(平成30年3月11日)

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ページ番号1002258  更新日 平成31年2月20日

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 平成30年3月11日(日曜)に宮古市にて開催された「東日本大震災津波岩手県・宮古市合同追悼式」より、知事による追悼式辞を掲載します。

追悼式辞(全文)

 東日本大震災津波から7年となる本日、岩手県と宮古市の合同追悼式を挙行するに当たり、尊い命を失われた方々の御霊に、岩手県民を代表して謹んで哀悼の誠を捧げます。

 7年前の3月11日、我が国観測史上最大規模の巨大地震が生み出した凄まじい津波により、本県において、4,674名もの方々の尊い命が奪われ、また、この震災が原因となって466名の方が亡くなられました。

 失った大切な御家族への想い、あるいは御友人への想いは薄れることなく、在りし日を偲ぶ方々の思いは一層深くなっているものと拝察いたします。
 また、今もなお、1,116名の方々が、行方不明であります。7年という無情な時の流れを越えて、御家族の皆様の想いが報われることをお祈りいたします。

 ここ宮古市では、郷土の先人達が長年にわたり整備してきた防潮堤をはるかに超える巨大な津波により街や港が破壊され、420名の方々の命が失われ、多くの方々が行方不明となりました。

 犠牲になられた方々は、美しい自然や豊富な農林水産資源に恵まれた、風光明媚な宮古市において、各分野で活躍し、地域社会を支え、あるいは、未来の希望を託されていた方々でありました。その中には、自らの使命を果たすべく、住民の救助活動に当たられた消防団員の方々もいらっしゃいました。失われたものは余りにも大きく、哀惜の念に堪えません。

 私たち、岩手県民は、犠牲になられた方々のふるさとへの思いを受け継いで、この東日本大震災津波の惨状やその経験の中で得られた教訓を改めて心に刻み、後世に伝えながら、復興を進めていかなければなりません。

 今、岩手の被災地では、平成28年台風第10号による災害も乗り越えながら、復旧・復興の歩みが進んでいます。
 ここ宮古市でも、鍬ケ崎・光岸地地区のまちびらきや山田宮古道路の開通など、住まいをはじめとする暮らしの再建や産業の復興が進んでおり、宮古市は、人や物が行き交う三陸の交流拠点として、一層の発展が期待されています。

 県では、多様な主体の参画や交流、連携を力とし、復興事業の総仕上げを視野に復興の先も見据えた地域振興にも取り組みながら、復興を更に進めて参ります。
昨年は、本県で初めて、全国知事会議が開催され、満場一致で採択された「岩手宣言」では、復興を成し遂げ、災害の教訓を次世代に継承し、あらゆる災害に負けない国づくりを進めることを力強く全国に発信することができました。
 平成30年度には、宮古港と室蘭港を結ぶ、本県初のフェリー定期航路が開設されるほか、JR山田線宮古・釜石間の復旧と三陸鉄道による一貫運行の開始も予定されており、地域の高まる期待に応えて、復興の取組とともに、交流人口の拡大や地域産業の振興に取り組んで参ります。

 二百年以上前に、宮古出身の牧庵鞭牛が、飢饉に備えるため、生涯を捧げて切り拓いた道は、今、多くの人や物が往来する道となって、地域社会を支えています。
 今を生きる私たちもまた、力を合わせ、「いのちを守り、海と大地と共に生きる ふるさと岩手・三陸の創造」を目指して復興を進めることをお誓いいたします。

 犠牲になられた方々の御霊に、心から御冥福をお祈りし、御遺族の皆様の御平安を祈念申し上げ、追悼の式辞といたします。

平成30年3月11日

岩手県知事 達増 拓也

このページに関するお問い合わせ

復興防災部 復興推進課 伝承・発信担当
〒020-8570 岩手県盛岡市内丸10-1
電話番号:019-629-6945(内線6945) ファクス番号:019-629-6944
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