令和7年12月18日知事会見記録
開催日時
令和7年12月18日10時30分から10時54分まで
会見記録
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。本日は知事からの発表はございません。
幹事社
それでは、初めに幹事社から記者クラブを代表して質問いたします。先週12日に毎年恒例の「今年の漢字」が発表されました。今年(令和7年)は「熊」となりました。当記者クラブも毎年、年末に知事に「今年の一字」をお尋ねしています。今年を表す一字を挙げてください。
知事
訓読みで「もっとも」、「最」という字を挙げたいと思います。ここに出ていますね。「最」という字です。
その心はと申しますと、まず1月に過去最大規模の鳥インフルエンザ、最大の「最」ですね。そして、2月に大船渡(市)林野火災、平成以降国内最大規模ということで、最大の「最」です。そして、夏、猛暑、県内9地点で観測史上最高気温を記録しました。
一方、その間お米の生産は生産者の皆さんに頑張っていただいて、一等米比率が全国最高の97.6%という最高の「最」でもあります。そして、秋のクマ問題、過去最多の出没件数ということで、クマに関しても「最」でありました。
また、最低賃金、これはもう最低賃金という言葉に「最」が入っているのですけれども、それが1,031円ということで、過去最大の引上げ幅、そして、金額も最大ですけれども、引上げ幅も最大でありました。
あとは、大谷翔平選手がMVPを今年(令和7年)も取りましたけれども、MVP、最優秀選手ということで、最優秀の「最」ということで、そういういいことも含めた「最」という「今年の一字」です。
幹事社
ありがとうございます。追加でお伺いします。ほかにも県内外では、様々な出来事があったかと思います。この「最」にたどり着くまでもいろんな候補があったのかなと思いますが、ほかにもし悩んだ候補があれば教えてください。
知事
県職員といろいろ話をする中で、そうですね、ほかにどんなのが出ていたかな。物価高の「高」いという字とか、あとは「米」ですね、お米。去年(令和6年)は私が「今年の一字」としていた「米」ですが、今年(令和7年)も白銀のひかりがデビューするとか、米価高騰問題もあって米とかそういうのが出ていたことを思い出します。
幹事社
ありがとうございます。ただいまの幹事社質問に関連して、各社から質問があればお願いいたします。
記者
今年(令和7年)の漢字(一字)は「最」ということで、今までにない形での漢字(一字)だったかなと思いますけれども、先ほどの御説明の中ではクマ問題が全国最多だったということもありました。振り返ってみて、県のクマ対策、様々な取組もされていらっしゃると思いますけれども、この一年の取組について振り返りを一言いただければと思います。
知事
クマ対策については、2年前に、2年前の段階で史上最多の出没数になり、そこで改めてクマ対策というのを見直して、国にも見直しを迫り、指定管理、頭数を管理するイコール目標を定めて頭数を減らしていく事業を国と力を合わせてやっていくという体制をつくり、銃使用の柔軟化も求めて緊急銃猟に結びついているという、そういう動きを2年前にやったのですけれども、2年前、当時としては過去最多の頭数を捕獲して、出歩かないようにしたわけですけれども、しかし今年(令和7年)、2年前以上に出没することとなり、命を失われた方が5人もいらっしゃったというのは非常にじくじたる思いがあります。
一方で人的被害の数は2年前よりは少なくて、そこは山に入る方々や山の近くに住んでいる方々の対策ということがより徹底して、人的被害が少なくなっているのかなと受け止めているのですけれども、まず出没数が多い。これは、環境省の様々なクマ関係の報告の冒頭に出てくることなのですけれども、生息区域が拡大したということが大きいのです。生息区域が拡大したがゆえに、ふだんからいる場所が拡大し、また、そこから街の中にどんどん出てこられるようになったという、その生息区域の拡大というのが今年(令和7年)の一大特徴で、それを許してしまったということが反省点であります。
12月定例会での補正予算に加えて、昨日(12月17日)公表した臨時議会提出予定の補正予算でもクマ対策予算を増やして、頭数を減らし、そして、緩衝地帯を広げ、出没したときの対応もより徹底できるようにし、出没域を縮小していくような政策を本予算も合わせますと7億円規模で確保しておりますので、これでしっかり今年(令和7年)が最多出没数で、これ以降はそれより少ない数にしていきたいと思います。
記者
ありがとうございます。「最」ということで、知事としていろいろ挙げられていらっしゃるとは思うのですけれども、最も知事が印象深い出来事をいただければなと思います。
知事
その個別の出来事ではなくて、複数の出来事に共通する漢字「最」を選んだところがみそでありまして、まず極端な年だったと思います。この最高、最低、それぞれ両極端にぶれるような、また、振れるような年でしたし、多事多難ということでもありますね。1月の鳥インフルエンザ、2月の林野火災に始まって、そして、さっきは例に出さなかったのですけれども、人間(季節性)インフルエンザのほうも流行が早まって、過去最多の1か所当たり患者数になりました。それで、もう今年(令和7年)は終わったかと思っていたら12月8日の地震、津波があって、後発地震(注意)情報が出ると。制度化されて最初の後発地震注意情報なので、そこにも「最」が絡んでいるという、1月から12月まで極端なことが次々に起こる年だったなという印象です。
ただ、そういう「最」の字がつく多事多難に対しては、対策のほうも「最」がつくような対策をしていましたので、鳥インフルエンザでの県職員の過去最大の動員でありますとか、林野火災でもこれは緊急消防援助隊や自衛隊にも参加してもらい、消防に関しては史上最大の作戦というようなことを展開できたと思います。
クマ対策としても、予算額から見ても過去最大の対策を講じるということとなっておりますし、このような「最」の字がつくようなことが多い多事多難に対して、対策のほうでも「最」の字がつくような全力を尽くした一年だったなと振り返ります。
記者
ありがとうございます。最後に、この「最」というものの振り返りをされて、来年にどう結びつけていきたいのかも伺えればと思います。
知事
県職員、そして、県組織もかなり鍛えられましたので、今年(令和7年)起きたくらいのことが来年(令和8年)起きてもしっかり対応していきたいと思いますし、今年(令和7年)を上回る更なる過去最大とか過去最高のような困難が生じても、それに対してやはり過去最大の対策を講じて対応していくということができる岩手県になってきていると思います。それは県職員、県組織のみならず、市町村でありますとか企業の皆さんでありますとか、それぞれの地域の住民の皆さんでありますとか、みんな強くなってきていると思いますので、今年(令和7年)以上に来年(令和8年)大変になったとしても、それにきちんと対応していけると思います。
また、「世界に開かれた地方創生」ということを今年(令和7年)2月のシンポジウムでアイデアを発表してから形にしてきているのですけれども、これを来年(令和8年)更に発展させていくことで、たとえ多事多難であっても、県としてウェルビーイング、幸福が高まっていくような、そういう「世界に開かれた地方創生」を進めていきたいと思います。
幹事社
それでは、そのほか各社から質問あればお願いいたします。
記者
私から2点伺います。昨日(12月17日)今度(12月24日)の県議会臨時会で提案される補正予算案が発表されました。物価高対策を中心にガバメントハンターの任用も含めたクマ対策費等も含まれておりますけれども、今回の補正予算案の特徴と盛り込まれた事業を通してどのような効果を期待されていらっしゃるのか伺います。
知事
物価高騰は3年前ですか、ロシアのウクライナ侵攻以降ずっと続いておりまして、どんどん物価は高くなる一方であります。実質賃金の伸びがマイナスが続いていて、生活はどんどんきつくなってきていますし、倒産件数とか、倒産時の負債額とかいろんな指標がありますけれども、まず全体として倒産が増えているという状況でもあり、生活の下支えと中小企業の下支えというのがますます必要な状況になっていますので、12月定例会でのさきの補正予算と合わせて127億円という、これも過去最大規模、経済対策としてはそうですね、過去最大規模の額を確保したところであります。生活の下支え、中小企業の下支えということを基本にしながら県内清酒製造業者の原料米仕入れ価格高騰への支援というような今年(令和7年)新たに見えてきた課題にも対応しておりますし、そして、物価高騰とはまた別の直面する課題としてのクマ対策にも今回2億円の補正予算で本予算から積み上げて約7億円という全国有数の予算を確保したところであります。
ということで、今求められている対策ということにしっかり対応しながら、額についても大きな額を調整できたというふうに思っています。
記者
ありがとうございます。先ほど額の部分で今回の財源の一部に国の重点支援地方交付金が充てられております。県には182億円が配分されているというふうに伺っておりますけれども、今後残る財源を通してどのような事業を展開していきたいか伺えればと思います。
知事
まず、国のほうでも今直面している経済危機がやはり非常に国難というような状況にあるということで、そのくらいの額を確保したというふうに受け止めております。この交付金を県としても活用し、今後の当初予算や補正予算でも活用しながら有効な対策を打っていきたいと思います。
記者
ありがとうございます。話題変わりまして、八戸市で震度6強を観測した地震で、先ほどもありましたけれども、政府が北海道・三陸沖後発地震注意情報の発表に伴う特別な備えの呼びかけを16日に終了いたしました。発表期間には津波注意報が発令されるような地震もありましたけれども、この期間を振り返ってみて防災準備だったり、そういった備えに対する成果や課題について知事はどのようにお感じになっていらっしゃるか伺えればと思います。
知事
後発地震注意情報の期間中には、いわゆる普通の余震が続いて、その中には岩手県で震度3でしたかね、やや大きいものもあったのですけれども、津波注意報が出たりもしたのですけれども、もう準備というか、覚悟というか、県民の皆さんはしっかり対応された、そういう1週間だったと思います。
一方、経験的にも、科学的にも1週間たてば大丈夫ということでは全然なく、10日後に大きいのが来た過去の例もありますし、あとはそもそも千島海溝・日本海溝沿いの地域はプレートがあちこち不安定なところがあって、最近そういう報道とか解説が様々あるのですけれども、やはり基本的な注意ということを岩手県民の皆さんにはお願いしなければならないと思っております。そのような海溝性、また、プレート型のマグニチュード7とか8とか、更に9の地震の可能性は常にありますので、地震と津波への備えは常にしていていただきたいと思います。
記者
ありがとうございます。最後に、今回の地震の中では、寒い中で2,000人を超える方々が避難されたということになります。今回編成された補正予算のほうでは、避難所での夏の暑さ対策に関する移動式エアコンの設置も計上されておりますけれども、今後冬場の寒さに備えた避難所の対策について、県としてどのように進めていきたいとお考えでしょうか。
知事
千島海溝・日本海溝地震に伴う津波への備えということで岩手県、そして、各市町村が改めて対策をし始めたときに最悪の事態を想定しないと、ということで冬の寒い時期の夜で、また、歩きにくいような状況という、そこまで想定して避難所の体制も整備しようということが言われていて、そこからずっとやってはきているのですけれども、実際にやってみていろいろ課題はまた改めて見つかったと思うので、それを参考にしながら、更に冬の避難というのがしっかりできるよう準備していかなければなりません。
記者
関連して、今回(後発地震)注意情報が出ている間に、陸前高田市さんが、少なくとも県内では恐らく唯一、自主避難所を(後発地震注意情報が)解除されるまで開設し続けたということがありました。今回実際の避難者はそこまで多くなかったと聞いているのですけれども、一方で自主避難所があることで安心できたという声もあるそうです。自主避難所の目的としては、いざ避難指示が出た際に避難に時間がかかるというような方たちを想定しているということで、ニーズの把握から始めるというような考えなど今後あるか、あと(災害)救助法の適用外になってしまうので、費用に関しては市町村負担という課題があるかと思うのですけれども、これに対しても今後県として対応していく方針など今の段階でのお考えがあればお願いいたします。
知事
国全体の基本的な考え方としては、後発(地震)注意情報の期間中に必ず大きな地震があるわけではありませんという建前で、かつ、避難は必要ないと政府は明言しているところであります。
一方、2011年に強い地震の2日後に東日本大震災津波を経験している岩手県、また、陸前高田市は、その東日本大震災津波というのが過去の大津波で経験しなかったような、高田町ですね、江戸時代の町並みのところにまで津波が及ぶような、想像を絶する津波が押し寄せたという経験をしていますので、やはり今回の12月8日の地震津波から2日間というのは住民の皆さんにはものすごい心理的な不安もあり、それに応えるということもあったのではないかと思います。市町村ごとにそれぞれいろんな過去の経験とか、今現在の状況とか、いろいろあると思いますので、国は避難の必要はないと言っているのですけれども、避難できるようにしておくというのはあり得ることだと思います。その費用の負担の仕方については、いろいろ考えていかなければならないところだと思います。
広聴広報課
以上をもちまして、記者会見を終了いたします。
次回記者会見
次の定例記者会見は12月26日(金曜日)の予定です。
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