令和7年10月10日知事会見記録

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開催日時

令和7年10月10日10時30分から11時01分まで

会見記録

広聴広報課

 ただいまから記者会見を行います。最初に知事から発表が1件あります。それでは、知事お願いします。

知事
 令和6年度岩手県芸術選奨と岩手県美術選奨の受賞者が決定しました。岩手県芸術選奨受賞者は、内城弘隆(うちじょう ひろたか)様、鎌倉道彦(かまくら みちひこ)様、照井知二(てるい ともじ)様、吉田史子(よしだ ふみこ)様の4名です。
 そして、岩手県美術選奨受賞者は、彫塑の個展を開かれた椎名勇仁(しいな たけひと)様、陶芸の個展を開かれた照井一玄(てるい いちげん)様、絵画の個展を開かれた中村太樹男(なかむら たきお)様、日下信介(ひした しんすけ)様、三浦千波(みうら ちなみ)様の5名です。10月21日知事公館で表彰式を行います。

広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。

幹事社

 それでは、ただいまの発表事項について、各社から質問があればお願いします。

記者
 今回は芸術、美術の各分野で9名の方が受賞されたということでした。それぞれ活躍されていらっしゃる分野は異なると思いますけれども、知事から受賞者の皆さんにねぎらいのお言葉をいただければと思います。

知事
 それぞれ大変質の高い活動をされていて、大変すばらしいと思います。芸術選奨の受賞者の方々ですけれども、皆さん文芸ということで、内城さんが田老災害史というやはり津波などの災害というテーマで、大変大事なテーマで作品を書かれていますし、あとのお三方は俳句、詩、短歌という詩歌の分野です。これも岩手県は得意分野といいますか、岩手で大事にされている分野で、また新しい世界が切り拓かれたこと大変いいと思います。
 美術選奨の受賞者の方々は、個展という形で多くの人たちをうならせ、感心させ、こちらも岩手の美術の新しい世界を切り拓いてくださって大変ありがたいと思います。

幹事社
 発表事項について、そのほかございますか。それでは、次に進みます。まず、記者クラブを代表して、1問質問させていただきたいと思います。今月(10月)の4日に自(由)民(主)党総裁選(挙)で高市さんが選出されました。まず、その自民党総裁選の結果についての受け止めをお願いいたします。

知事
 自民党総裁選、去年(令和6年)次点だった高市さんが今年(令和7年)は1位当選ということで、まずは順当な結果だったのではないかと思います。日本で一番大きい政党の代表でありますから、大変重い責任、頑張っていただきたいと思います。
 幹事長に鈴木俊一さんを指名、任命されていて、この幹事長の職責も大変重要なものでありますので、鈴木俊一幹事長にも頑張っていただきたいと思います。
 地方に軸足を置いて、この地方から経済、そして、暮らしがよくなっていくような、そういう国政を求めたいと思います。
 ただ、この自民党総裁選ということについては、2年連続で政治空白を作っての総裁選ということで、ここは反省していただきたいと思います。
 また、なぜ去年(令和6年)この総裁選をやることになったのかといえば、岸田内閣でもうすぐ衆議院議員の任期満了が近いという中、裏金問題をやはりきちんと整理できなくて、岸田内閣のままでは選挙で敗退するであろうということで、新しい総理大臣の下でさっと選挙をやればそんなに負けないのではないかという作戦だったと思うのです。ただ、それは裏目に出て、かえって衆(議院)参(議院)で公明党と合わせても過半数に足りなくなるという、そういう失敗をしたがゆえに今年(令和7年)また総裁選ということでありまして、やることが次々と裏目に出ているということだと思うのですけれども、第二次(世界)大戦後半の、日本軍のやることなすこと裏目に出て失敗するということに近い展開になっているなと思うのですが、それでも基本路線を変えないで、更に進んでいって、結局ああいう悲惨な敗戦という結果になったわけでありまして、やはり基本路線を変えなければならないのだと思います。それは、もともと裏金問題をきちんと整理できなかったというところから問題が始まっているわけで、正に今公明党さんがそこを指摘して、問いただしているわけで、やはりこの裏金問題というのを軸とした政治と金の問題について、全く新しいやり方で生まれ変わるというふうにしないと駄目だと思いますので、是非そういう新しい政治を創ってほしいと思います。

幹事社
 ありがとうございます。ただいまの幹事社質問に関連して、各社から質問があればお願いいたします。

記者
 関連して2問お伺いします。高市新総裁は就任後、先ほどお話にもありましたけれども、連立政権を組んできた公明党含めて野党側にも連携を働きかけている現状であります。これまで自民党は新総裁が決まってから、公明党と速やかに連立政権に向けた合意文書を交わすというのが通例でしたけれども、現時点で大きな枠組みが野党も含めて定まっていないと、そういった状況について知事の御所感をお伺いいたします。

知事
 裏金問題について、この根本的にただしていく、そして、そういう問題が今後生じないような新しい政治の形、政治と金に関して新しいルールの下でやっていくということができない限り、自民党を中心とした政権というのはもうできないというような状況になっているということだと思いますので、そういう新しい政治に自民党が踏み出してもらえばいいのだと思います。

記者
 ありがとうございます。関連して2問目ですけれども、先ほど鈴木幹事長のお話ありました。幹事長とすれば、小沢一郎さん以来と、自民党の幹事長ではですね、ということでしたけれども、鈴木さんに期待される仕事ぶりと、当然いろんな枠組み作りをされていらっしゃる幹事長という職業もありますけれども、そういう仕事ぶりについての御期待について伺えればと思います。

知事
 政策的には、地方に軸足を置いた国政を展開していただきたいということですし、あとは政治の形としては去年(令和6年)自民党、これは自公政権、まあ、自民党ですね、去年(令和6年)自民党として裏金問題を抱えたまま岸田内閣で選挙に突入するわけにはいかないということで、総裁を替えてということで、でも総裁を替えただけでは駄目だということが見えてきているので、この裏金問題を軸にして、政治と金の問題について新しい形を創るという、そういう新しい政治を創る、その調整の要の役を担っていただければいいのではないかと思います。

幹事社
 このほかに幹事社質問について関連する質問があればお願いいたします。
 それでは、幹事社質問以外で質問があれば各社さんお願いいたします。

記者
 私からは大きく2点お伺いいたします。まず、クマについて伺います。(10月)8日に北上市の入畑ダム付近の山林でクマに襲われたと見られる男性の遺体が発見されました。県内では、クマによる人身被害が特にも頻発しているという状況でありますけれども、知事として今回の事案を含めて現状の被害状況をどう捉えていらっしゃるのか、まずはお聞かせください。

知事
 命を失うという痛恨の事故が起きたわけでありまして、大変気の毒に思いますし、改めてクマ対策をしっかりやっていかなければというふうに感じております。まず、キノコ採りなどのシーズン、山で様々人間の活動が行われる秋のシーズンではあるのですけれども、やはり山に入る際には複数人で行動すること、そして、明け方や夕方は避けて、熊鈴、熊ベルでありますとか、ラジオでありますとか、音を出しながら活動するなど、そういう対策をしっかり講じていただきたいと思います。そして、捕獲による頭数管理をやはりしっかり進めていく必要があると思いますし、また、クマの生息区域と人間の活動区域をしっかり分けるような、そういう対策ですね、これについてもやはり進めていかなければならないということで、そういったことを、きちっとクマ対策をやることができれば人間とクマとが共生する、そういう豊かな自然の中で農業などの生産活動でありますとか、また、余暇活動など自然を生かした仕事や生活ができるわけですので、岩手県としてはそういうふうにしていきたいというところであります。

記者
 ありがとうございます。より対策をしっかり進めるということでした。県として、今回の補正予算にも計上されていらっしゃる緊急銃猟の関連予算もありますし、その他市町村支援等も打ち出していらっしゃると思うのですけれども、こうした深刻なクマ被害を受けて、例えば具体的にお話しできる、より一歩進んだ対策というのがもしお考えございましたらお聞かせください。

知事
 まず、秋のクマ被害防止取組強化月間を定めていますので、SNSでありますとか、またリーフレット、最近市街地での出没も多くなっていますので、県教育委員会とも協力して県内小中学校に注意喚起の電子版リーフレットの配布なども予定しています。そうですね、秋のクマ被害防止取組強化月間ということを分かりやすく県民の皆さんに示しながら、さっき言ったような具体的なクマ対策をしっかりやっていただきたいというふうに思います。

記者
 ありがとうございます。話題変わりまして、先日盛岡市の内舘茂市長が8月の大雨の際に、線状降水帯発生の予測を認識しながら飲酒を伴う会食に出席していたということが発覚いたしました。前の記者会見でも話題にも上がりましたけれども、より具体的に判明したということで、帰宅後に災害対策本部が立ち上がったことも把握していたということでしたけれども、県と市で立場は違うと思いますが、同じ首長として今回の事案への受け止めを聞かせてください。

知事
 報道で知っている限りでの事実関係を基にしての考えでありますけれども、災害対策本部が立ち上がって、そして、首長が本部長ということであれば、それはそういう体制をきちんと作っていく責任がありますので、そこはちゃんとやらなければ駄目だなというふうに思います。

幹事社
 そのほかに質問ある社お願いします。

記者
 関連して盛岡市長の件は、災害が予測されるときの危機管理対応とともに自分にとって不都合なことは公表しないという情報公開の姿勢も疑問を持たれています。同じ行政のトップとして、知事はそういった情報公開に対する姿勢や来年(令和8年)震災から15年迎えるに当たって、災害時の危機管理に対してどのようなお考えを持ちますでしょうか。

知事
 災害対策本部が立ち上がっていれば、災害対策本部長としての情報発信をしていかなければならず、それがまず基本になるわけですけれども、災害対策本部としての情報発信以外の、今取り沙汰されているようなことに関する情報の公開とか発信というのは、マスコミを通じ、記者会見で質問に答える形で市民の皆さんに伝えていくということはできるのでありましょうし、そこは臨機応変に伝えたい、あるいは伝えるべき情報の内容と、あと伝達手段との兼ね合いをその場、その場で工夫していくということかと思います。

記者
 災害対策本部としての情報発信とは別に、内舘市長自身が自分にとって不都合な情報は積極的には公表しないという、そういう首長の姿勢についてはいかが感じますでしょうか。

知事
 そういう姿勢なのかどうかよく分からないのですけれども、まず基本は私も励行しているのは記者会見でありますとか、あと議会もそうですけれども、質問に答える形で、これは議員さんや、また、記者さんを介して広く住民の皆さんに情報を発信するということですので、それをきちんとやるということかなと思います。

記者
 大きく2点お伺いします。1点目は国政の関係なのですけれども、野党側にも連立を模索する動きが出てきています。立憲民主党に関して言うと、首班指名は野田さんじゃなくてもいいからということで国民(民主党)、また、(日本)維新(の会)などにも連立を呼びかけていますが、国民の玉木さんなんかは、立憲(民主党)とは考え方が違う、立憲が解党もしくは党を割るようなことがなければあり得ないみたいなことをおっしゃって、かなり強い調子で拒絶している状況ですけれども、このような野党の状況についてどのように思われるか教えてください。

知事
 裏金問題を軸に、政治と金についてきちんとやっていくような新しい政治を野党側が先に創れば、そちらのほうが政権を担うにふさわしいということになる、そういう局面なのだと思います。公明党さんは、連立離脱の可能性も示唆していて、ですから公明党さんが目指す、企業献金についても様々制限をつけるような、そういう新しい政治のやり方というのを自民党さんが先に、「じゃ、やります」と言うのか、それとも野党側が先にそれをやりますということでまとまるのか、早い者勝ちという、今はそういう局面で、過半数を形成すればそちらが政権を担えるという状況だと思います。
 そして、政策の違いというのは、そもそも政治家というのは一人一政策でありまして、いろいろ、がん対策についてすごいこだわりを持っている議員さんもいれば、農業、米政策にすごいこだわりを持っている議員さんもいれば、そういった議員さんが全員100%政策で一致して一つの政党の中にいるわけでは全然なく、基本もう十人十色、百人百色なのだけれども、特に内閣を構成する連立政権の場合には「政治は行政のチェック」でありますので、国会の場合でも、要はその時その時の行政の在り方について合意できれば内閣は運営できますのでね。ですから、例えば原子力エネルギー問題ですか、そういったことについてもこういう法案を出す出さないで割れたりすれば、内閣として内閣が機能しないのでしょうけれども、そもそもそういう法案を出さない状態で合意が続くのであれば、内閣はその間ずっと先に進んでいくことができるわけですし、今国民が求めている実生活に関わりのあることとしては物価高プラス賃上げ対策ですね、これ去年(令和6年)も総裁選があったおかげで12月に補正予算成立ですからね。だから、去年(令和6年)もそれを受けて岩手県も12月23日に臨時県議会を招集して、そこで補正予算を成立させていただいているわけですけれども、今年(令和7年)それより遅くなるのかなというような状況ですから、それを早くやるためには過半数(となるよう)早くまとまらなければならないですし、また、本質的なところは政治と金の問題で思い切って新しいやり方をやらないと、たちまち新内閣もまた国民の支持を失って、また総理を替えなければならないという話に、それがもう毎年毎年続くようなことになってしまうわけですので、そこが野党側のほうで先にまとまれるかどうかというところだと思います。

記者
 ありがとうございます。もう一点、北上市で市立大学を設置しようという動きがあって、来週にもその調査のための基本計画の補正予算が計上、上程されるようです。これに関して、この少子高齢化の中で、新たに大学をつくるというのはどうなのかという意見もあり、賛成派、反対派でかなり分かれているようですけれども、この状況について、知事はどのように見ていらっしゃるか教えてください。

知事
 まず、自治として、北上市として民主的に決定していくべきことでありますので、市民的な議論を重ねながら、まずは調査費(基本計画)ですか、そういうところから決めていく、そういう手順を追って進めるようなことなのだと思います。そして、採算が取れるのかとか、ただ大学というのは採算が取れなくても、岩手県立大学も県から何十億円、毎年出しているものでありまして、政策効果というものがあればそこには公的資金の投入というのはあり、大学もそうですよね、国立系の大学も学費だけで賄ったりしているわけではなく、それは私立大学もそうですね。そういう政策的な必要性ということとの兼ね合いで財政面がどこまで合理性が認められるかという、そういう議論を市民的に進めながら手順を踏んで決めていくということだと思います。

幹事社
 そのほかございますか。

記者
 私からは1点、昨日、宮城県の南三陸町で、岩手県の、震災以降行方が分からなくなっていた6歳の女の子の身元がようやく判明いたしました。これについて知事の受け止めをお聞かせください。

知事
 改めて東日本大震災の被害の規模の大きさ、そして、被害を受け犠牲になった人たちの深刻さというのを感じさせられたなと思っています。御家族の方々は、見つかってよかった、確認できてよかったというふうに報道で知るところですけれども、そういう御感想を持っていらっしゃるようですけれども、基本的に悲しいことには違いないはずでありますので、14年半ほどのこの年月という中での今までのお気持ちを考えると非常に身につまされて、胸が痛いところがあります。改めて犠牲になられた方々への追悼の思いを新たにしたいと思いますし、また、あれだけの大規模な地震、津波があっても、一人も犠牲にしないということを目指して防災に取り組んでいますので、これからの災害に備えてしっかりやっていきたいというふうに思います。

記者
 ありがとうございます。まだ行方が分かっていない被災者の方というのはまだまだ多いところはでありますけれども、明日(10月11日)で震災発生から14年7か月の節目ともなるわけですけれども、これからの震災15年のところに向けて、こういった被災者の方々の支援ですとか、心のケアとかについてはどのように進めていくのでしょうか。

知事
 今年(令和7年)は、第二次大戦が終わって80年ということで、80年たっても改めて事実を知ろう、学ぼうという動きが見られ、それを通じて新しいことを知るとか、新しく考えさせるということも80年たってもあるし、また、そうやって長い時間がたてばたつほど、そういう改めて振り返ることが大事になってくるということも教訓としてありまして、東日本大震災というのも規模の大きさや深刻さからすると、やはりそういうところがあるのだと思います。ですから、まず今具体的に心のケアでありますとか、コミュニティー再生でありますとか、困難に直面している皆さんを支援していくということが大事で、なりわいの再生というところについてもそのとおりであります。これをしっかりやりながら、伝承と発信ということもしっかり取り組んで、年月を重ねていくのかなというふうに思います。

幹事社
 そのほかにありますか。

広聴広報課
 以上をもちまして記者会見を終わります。

次回記者会見

次の定例記者会見は10月24日(金曜日)の予定です。

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政策企画部 広聴広報課 報道担当
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