令和7年11月17日知事会見記録
開催日時
令和7年11月17日15時30分から15時57分まで
会見記録
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。最初に知事から発表が1件あります。それでは、知事お願いします。
知事
令和7年度一般会計第4号補正予算案、12月定例会提案分についてです。補正予算額は83億円になります。国の経済対策と連動した物価高対策については、国の動きに合わせて速やかに補正予算の編成に着手します。今回は、国の経済対策に先駆けて、県内中小企業等の賃上げ支援や生活困窮世帯に対する灯油購入費等の経済的負担軽減に要する経費を計上しました。
そして、ツキノワグマ対策や人事委員会勧告等に基づく給与改定に要する経費などを計上しています。
以上です。
広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
幹事社
質問の前に記者クラブへの転入者を紹介させていただきます。転入した記者から一言挨拶をお願いします。
(記者紹介)
幹事社
それでは、先ほどの発表事項1件について、各社から質問があればお願いします。
記者
まず、県独自の賃上げ支援についてお伺いいたします。今回は、昨年度(令和6年度)に比べて支援額の拡充でありましたり、要件の緩和等が特徴かなと思われます。最低賃金の急激な上昇によって、企業経営が圧迫されているという背景があると思いますけれども、今回の支援を通じて知事はどのような政策効果を期待されていらっしゃるのでしょうか。
知事
まず、県議会でも早めに県として事業を行いたい、予算を確保したいという答弁をしておりましたので、全体の物価対策、賃上げ対策の中では、早めにまずいち早く補正予算で提案をさせていただくということです。
そして、一人当たりの支援額、事業所当たりの支援額、そして、支援予算の総額、全てにおいて全国トップレベルのものでありまして、もともと最低賃金が全国ワーストになったこともある岩手県でありますが、そこから全国的にも非常に高い額の最低賃金の引上げが近年行われ、全国との差が詰まっていっているという状況の中、それをしっかりやっていこうという中小企業を支える必要性が岩手においては高いということで、そのような全国トップレベルの手厚い支援を行おうというものであります。
記者
ありがとうございます。次に、クマの対策について伺います。今回の補正の内容を見ますと、箱わなの購入費であったり、吹き矢で麻酔を打てる人材の養成費等含まれておりますけれども、最近でも市街地でクマが頻繁に目撃されておりますが、県として今回の補正措置を通じて、こうした事態にどう対応していきたいとお考えでしょうか。
知事
岩手県は、他県と異なり本予算、当初予算で相当な規模の関係予算を確保し、それを活用してクマ対策を進めてきているところですけれども、それに加えて今回箱わな等の設置、市町村への専門家派遣、そして、吹き矢による麻酔、捕獲者の養成と麻酔捕獲実施に必要な予算を計上するものであります。
記者
このクマ対策で箱わなの設置ですとか、吹き矢による麻酔等で捕獲を更に増やしていければというところがあるかと思いますが、改めて捕獲を増やす思いについてお聞かせ願えればと思います。
知事
今、近年の年間目標(目安)八百数十頭(令和7年度は796頭)を超えて、更に200頭分の指定管理捕獲を重ねて、合わせて1,000頭規模の捕獲を行おうというときに当たって、箱わなが非常に重要でありますので、足りないと、困っているという市町村の要望に応えつつ、箱わなが足りなくて手が回らないということがないようにしていきたいと思います。
また、市街地、ことにビジネス街でありますとか、市街地の中でも特に中心部においては、盛岡で今年(令和7年)特に中心部でクマの捕獲が行われた、材木町のお寺のケース、原敬記念館のケース、あとは銀行駐車場のケース、全て吹き矢による麻酔による捕獲でありましたので、いざというときにこの吹き矢による麻酔捕獲がよりできるようにしておきたいということもあります。
それから、市町村から専門家の派遣ということを要望されておりました。このアドバイザー派遣に関する経費を今回計上し、そういった市町村の要望に応えながら、より効果的な捕獲をしていこうということであります。
幹事社
ほかにいかがでしょうか。それでは、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いします。
記者
本日の議案等説明会のほうで、第2期公共施設等総合管理計画の最終案が示されました。施設の維持更新費は今後30年間で約2兆6,000億円ということで、前回の第1期の計画に比べて1兆円ほど増えているという非常に大きな数字かなと思います。県として、今回の計画策定を経て、施設の在り方について、どう対応していきたいのかお考えをお聞かせください。
知事
今回全ての公共施設において、公共施設カルテを作成し、定量的、定性的な評価を踏まえた施設整備の方向を示すなど、将来世代への過度な財政負担を回避するために、これまでの公共施設の総量適正化の取組を更に推進する新たな取組を盛り込んでおります。
これは、機械的に公共施設の統廃合を進めるというものではなく、むしろ初めて全ての公共施設の現況を見える化することで、県民的な議論もしっかり行いながら、特に現況施設、今ある施設に関わる関係者に、この現況というものを共有しながら、公共施設の在り方について丁寧に議論を深めていけるようにしてあるものでありまして、そのような形で持続可能な公共施設の在り方を追求していきたいと思います。
記者
ありがとうございます。先ほど丁寧な議論というお話がありましたけれども、説明会の中では県民生活に影響が出そうな67施設の先行評価というのも示されました。あくまでたたき台ということでしたけれども、県民に親しまれたスケート場等、解体、売却移転に盛り込まれた施設の方向性についてもいろんな議論があるかなと思いますけれども、県としてよりきめ細かく議論するに当たって、どういった部分を重視して進めていきたいとお考えでしょうか。
知事
やはり利用者数の数字でありますとか、そこにかかっている費用、また、利用者から頂いている費用(収入)、その関係などなど、当事者として県有施設というのは県民の施設でもあるわけですので、県民の皆さんにもその当事者として無理とか無茶のないような議論をしていただき、そうした具体的な数字で示されるような根拠に基づいた議論が行われていけば、全体として悪いようにはならないと期待しています。
記者
ありがとうございます。話題変わりまして、クマ対策についてお伺いいたします。14日に環境省がクマ被害対策パッケージを公表されました。その中に、短期的な取組としてガバメントハンターの人件費支援というのも盛り込まれております。県が先頃策定した対策基本方針のほうでは、中長期的な取組という枠で盛り込まれておりますけれども、今回のパッケージの提示を受けて、県としてもし方針の転換ありましたらお聞かせください。
知事
関係閣僚会議で新しい対策パッケージを決める前の段階では、ガバメントハンターというのはちょっと雲をつかむような話というところもあったと思うのですけれども、公務員給与の面では総務省がそこはしっかり見ていくとか、具体的な話になってきて、早急に取り組むことの中に盛り込まれていますので、県も今週金曜日(21日)に県のほうのクマ対策の関係部局長会議を開く予定でありまして、県の基本方針の見直しもそこで決定するようにしたいと思っていまして、その見直しの中にはガバメントハンターの検討については早急に取り組むように前倒しするというのも含まれていくと思います。
記者
ありがとうございます。最後に、パッケージのほうの部分で、交付金による支援として、ハンターへの手当というのも捕獲推進に係る費用として盛り込まれております。県としては、2年前に報奨金という形で実施された経緯があると思いますけれども、金曜日(21日)に出るかどうかはあるかもしれませんが、今回もし再度検討されるお考えがあるかお伺いいたします。
知事
今回の国の対策パッケージは、岩手県から環境省のほうに提出した岩手県の対策基本方針も含めてクマ対策の地方の現場の状況を踏まえたものとなっていると思っておりますので、それをベースにしながら、県の側の基本方針も見直し、また、対策を整理していく中で、ハンターの方々への報酬ということについても検討、整理していくことになると思います。
幹事社
ほかにありますでしょうか。
記者
ちょっと補正にも関わるのですけれども、やっぱりクマ対策ですけれども、ここにあるとおり、いわゆる出るクマに対する対策というのは手厚くされて、これから取り組むというお話は聞きました。一方で、アカデミズムの方々に話を聞くと、今こうやって出ているの、それは捕るのは当然なのだけれども、いわゆる彼らの生息域とか生態とか、そういうことも分かっていないことも多いので、捕るのと同時に、やはりそういうのも検討というか、行政がやっぱり検討というか、対策、研究していかなければならないと。しかも、やっぱり当たり前ですけれども、クマに県境はないので、隣県とか、当然県内はそうですけれども、秋田とかも協力してやる必要があるというふうなお話もされている方いらっしゃるのですけれども、その辺りは知事、どういうふうにお考えになるのかということを伺いたいと思います。
知事
クマはクマで、山の中で生息し、人里には出てこない、まして都市には出てこないということが人間の安全確保の側からも必要ですし、また、ツキノワグマという野生動物の保護の観点からもそういう方向に持っていくことが必要なのだと思います。そのためには、やはり今何頭いるのか、どこにどのように生息して、どういう生活をしているのかということをより深く知り、理解する必要がありますし、それを基にしながら、クマの生息域と人間の世界をよりはっきり分けていくような措置を取っていく必要があり、またそれについては、奥羽山脈というところは岩手県と秋田県が共有するクマ生息エリアでもありますし、そういったところは他県との協力もしながら進めていかなければならないと思います。
記者
13日からは、県警などによるライフルを使ったクマ駆除対応プロジェクトチームが出動しておりますけれども、県としてどのように連携やすみ分けを図っていきたいとのお考えかお聞かせください。
知事
まず、いろいろ県主導で市町村と警察と一緒にやっている緊急銃猟の訓練でありますとか、そのやり方に関する調整でありますとか、そういった中での新しい警察のライフルチームの関わり方というのを調整していく場があると思います。そういう既存の場を利用して調整していくというのが一つでありますし、あとは200頭をさらに追加的に捕獲していくというところにどう警察のライフルチームが関わっていけるかという、そういうオペレーションごとに調整をしていくことになると思います。
記者
ありがとうございます。話題変わりまして、政府はガソリン税が12月末、軽油引取税が来年(令和8年)4月に、それぞれ暫定税率を廃止する予定ですけれども、これに伴う本県への影響や県としての対応についてお聞かせいただければと思います。
知事
県民の皆さんにとっては、高いガソリン代ということで、一方、高いからといって我慢するわけにはいかず、自家用車の使用をしなければならないことが多い地方の生活、岩手県もそうでありますので、高いガソリン代を支払うことで、家計が圧迫され、生活がどんどんきつくなるということが今回のことで緩和されますので、そこはかなり楽になる方向の影響があると思います。いろいろ話を聞いていると、高いから我慢して使っていなかった、安くなったからどんどん使うというような話にはならないのではないかと思っていて、子供の通学、送り迎えでありますとか、親の病院、介護施設への送り迎えでありますとか、あとは買物など、もう日常的に使わなければならないところに使っていたものが高い価格から安い価格になるということで、環境問題への悪影響というのはあんまりないものというふうに考えております。
一方、県や市町村の、特に県の収入が大きく落ち込む、税収が大きく落ち込むという問題がありますので、ここはやはり国のほうに別の財源を確保すると、代替財源ですね、代替財源の確保ということをきちんと用意してほしいというふうに思います。
記者
先ほど質問の中で出ましたけれども、今度の金曜日、21日に再び関係部局長会議を開催すると。その中で、先日決定した県としての基本方針を見直しすると、そういう趣旨だったでしょうか。例えば具体的にガバメントハンター以外にあれば、お願いしたいのですけれども。
知事
そこの対策基本方針というやり方は、新型コロナ対策のときに岩手県としてきちんと文書で、現状を分析し、今までやってきた対策を整理して、そして、これからやらなければならないことを明らかにするという、それを対策基本方針という形で文書化し、それを県民の皆さんと共有、特に市町村や関係する団体、企業とそれを共有して、しっかり対策を進めていくと。また、そういう文書がありますと、国とのやり取りもやりやすくなり、国に対する要望も説得力が出るということで、新型コロナ対策のときにそういうやり方でうまくいったという経験に基づいて、今回も同様のやり方でやっております。国に対してそれを示し、国のほうで国としての対策パッケージをつくったというような今流れになっていて、今後国はその対策パッケージから具体的な事業化や予算化に進んでいく段階なのですけれども、その中で国の対策パッケージというのが、一つ大きな、今テーマで、それに合わせて県の基本方針、変えるべきところは変えて、より効果的な対策ができるようにし、また国に要望すべきところは追加的に要望をするというふうになっていきますけれども、論点になるところでやっぱり気がつくのは、ガバメントハンターをめぐるところがまず思いつくところであります。
記者
話題変わるのですけれども、先週沿岸自治体が第2期復興・創生期間が終了する来年(令和8年)3月末以降も必要な事業に対しては財政支援を継続するように内閣府などに要望しましたが、県としてはこうした国への要望や独自の予算措置についてどのようにお考えでしょうか。
知事
大きい方針として、国として必要な部分については、来年度(令和8年度)も復興事業として、復興の一環として予算も確保して取り組むということを発表していますので、あとは具体的な来年度(令和8年度)予算の金額の話とか、項目の話になっていきますので、そこを県としても国に要望したり働きかけたりしながら、市町村、その現場が求めている復興事業というものがしっかり継続されるよう努めていきます。
広聴広報課
以上をもちまして記者会見を終わります。
次回記者会見
次の定例記者会見は11月27日(木曜日)の予定です。
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