令和7年8月29日知事会見記録

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開催日時

令和7年8月29日10時00分から10時51分まで

会見記録

広聴広報課
 記者会見を行います。最初に知事から発表が1件あります。それでは、知事お願いします。

知事
 9月5日から12日まで、カナダと米国西海岸において、商工団体、農業団体、事業者等と連携し、岩手県産の農林水産物や加工品、日本酒などの輸出拡大のためトップセールスを行います。トップセールスでは、在外公館等の協力をいただき、現地のレストランシェフや食品流通関係者を招いたレセプションを開催し、米、牛肉、水産物などの県産食材を使用した料理、日本酒などを紹介します。このトップセールスの期間に合わせて、現地の大手日系量販店やレストランにおける岩手フェアの開催、ドジャー・スタジアムにおける県産おにぎりの試食とPRレセプションの実施を行います。
 また、9月7日と8日は、サンフランシスコやその近郊でILC(国際リニアコライダー)関係の研究者との意見交換や加速器関連施設の視察を行います。
 今回のカナダと米国への訪問により、県産品の輸出拡大やILC実現のための国際協働を進めていきたいと思います。
 以上です。

広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。

幹事社
 それでは、ただいまの発表事項1件について、各社から質問があればお願いいたします。

記者
 知事は、昨年度(令和6年度)もアメリカのほうに行っていらっしゃると思うのですが、今回の海外プロモーションのメニューとして、これまでのトップセールスと比較して重視している点や、特に現地でアピールしたいことについて伺えればと思います。

知事
 ニューヨークなど東海岸は、そちらはそちらで有望な市場であり、また、ロサンゼルスなど西海岸も、そちらはそちらで有望な市場でありますので、それぞれについてトップセールスを行います。
 ロサンゼルスは今、岩手県出身野球選手3人、ロサンゼルスやその近郊にいまして、大谷翔平さん、菊池雄星さん、佐々木朗希さんの3人がドジャースとエンゼルスにいるということで、岩手とロサンゼルスのこの関係が非常に特別な関係になっていて、県民としてもロサンゼルスで岩手を発信するということに力が入りやすい状況だと思いますし、ロサンゼルスの人たちにとっても、岩手というものに注目しやすい状況にあると思います。
 ドジャー・スタジアムでおにぎりの試食やPRレセプションを行う日は、大谷翔平さんのボブルヘッドデーという、頭がぐらぐらする人形を配りながら、改めて大谷翔平さんの宣伝をする日でもありますので、そういう相乗効果も狙っていきたいと思います。

記者
 ありがとうございます。日米間の相互関税について、輸出面では今後も不透明な状況が続くと思います。その中で、アメリカでの県産品の発信に当たって、どのように現地でPRし、輸出拡大につなげていきたいか、ビジョンを伺えればと思います。

知事
 やはり多少高くても買っていただけるようなものとして、その品質の高さというのを改めて伝えていきたいですし、そして、日本へのインバウンド観光客が増え、そして、岩手県でも増えています。
 そういう中で、日本を嫌いになって帰る人というのはほとんどいなくて、むしろ大体の皆さんがさらに好きになるというふうになっていますので、その日本の良さ、特に地方の良さ、その地方を代表するような岩手の良さというのをアピールしながら、また、一過性ではなくて、末永く御愛顧いただけるような形でアピールしていきたいと思います。

記者
 ありがとうございます。最後に1点お願いいたします。10日にはドジャー・スタジアムのほうを訪れるということで、直接大谷選手と懇談するような機会というのは予定されておりますでしょうか。

知事
 今のところそういう予定はありません。
 何か、最近BTSがドジャー・スタジアムで何か大谷さんとも話をしたりとかしていましたけれども、その後ウルトラマンとバルタン星人もドジャー・スタジアムで宣伝し、その二人は大谷さんとは直接会ったりはしなかったみたいですけれども、今のところはウルトラマンコースになっていますね、岩手県としては。

記者
 今回ILC実現に向けて、米国の研究者に対する支援要請や加速器研究施設の最新の取組の調査を行うということなのですけれども、今年度(令和7年度)がそういった山場だというふうにちょっと認識しているところなのですが、これまでの取組だったりですとか、その支援要請との例えば違いだったりですとか、違う取組があれば教えていただきたいです。

知事
 ざっくり言って、日本でILCをやるのがいい、日本の中で場所として適しているのは北上高地だという、そういう話の流れの中で、アメリカの研究施設や研究者の皆さんが果たしてきた役割は大きくて、最近でも日本への建設実現を応援するようなメッセージをアメリカの研究者の皆さんが発信してくれていますので、ヨーロッパのほうでヨーロッパの加速器科学の計画策定というのが一つのスケジュールの目安になっているのですけれども、アメリカ側からの発信を改めてお願いしていきたいと思いますし、日本の現地、地元とアメリカの研究者や研究施設との関係を強化しておくことは、今のこの時期に非常に有効であるというふうに考えています。

記者
 10日のレセプションでは、どんなことをPRされますでしょうか。

知事
 まず、ロサンゼルスは今回が初めてではなくて、10年くらい前ですかね、ビバリーヒルズのホテルで牛肉を中心に岩手の物産を紹介したことがあります。そういった岩手県の過去の実績も紹介しながら、お米、牛肉、海産物、日本酒を中心にしながら、改めて近年のこのインバウンド観光客が増えて、更に評価が高まっているということや、ニューヨーク・タイムズが盛岡市を取り上げたこととか、みちのく潮風トレイルが欧米のメディアで話題になっていることなども取り上げながら、コロナパンデミックの後に改めて日本に行くということが急速に増えていますし、そして、日本の食べ物が非常にいいという、食材とか料理とか、それがまたパンデミック後に改めて注目されているので、そういったところをアピールしたいと思います。

記者
 あと、9日の昼食会には、ゆかりのメジャーリーガーはどなたか参加する予定はありますでしょうか。

知事
 9日の昼食会、岩手にゆかりのある方々との昼食会ですね。岩手にゆかりのある方々との昼食会。ロサンゼルスには南カリフォルニア岩手県人会というのがあって、前回トップセールスのときにも面会したり、スーパーマーケットでのフェアを手伝ってもらったりしていたのですが、コロナパンデミックの頃、活動が止まって、現在活動がない状態ということで、それで、そうでなければ南カリフォルニア岩手県人会との昼食会というところなのですけれども、今メンバーシップとかが不確定なところもあるので、岩手にゆかりのある方々との昼食会という名前にしていますが、そういう県人がロサンゼルスやその近郊にいますので、そういう人たちとの昼食会ということであります。

記者
 特に佐々木さんや菊池さんが参加するというわけではないのですか。

知事
 そうですね、野球選手の皆さんは、ここでは想定されていないです。

記者
 あと、ドジャー・スタジアムでのおにぎりは何個ぐらい、あと銘柄とか種類は考えていますでしょうか。

知事
 そこは、農業関係者に今任せているところです。

記者
 こちらの配布にも知事は参加するのですか。

知事
 そうですね、一緒にやります。

記者
 配るということですか。

知事
 はい。ウルトラマンやバルタン星人の動画を見ましたので、ああ、こういうふうにやればいいのだなという感じはつかめたかなと思っています。

幹事社

 そのほかございますでしょうか。

記者
 北米訪問は、今年(令和7年)1月にも訪問されていたので、今年(令和7年)2回目でよろしいかということと、改めて訪問する理由をお願いします。

知事
 行政上は、年度が違うので、昨年度(令和6年度)と今年度(令和7年度)と1回ずつという数え方があるのですけれども、実際には暦年、カレンダーイヤーでは同じ年に2回ということになりますし、半年ちょっとの間隔で行くということで、集中的にカナダ、アメリカに働きかけているというふうに言ってもらってもいいと思います。やはり大きな経済力があるところですし、そういう経済力を背景に岩手のものを買っていただくということについても増えているところです。また、過去のいろんなつながりもあって、そういったつながりを生かしながら、今改めてアピールしていくのにいい場所で、ニューヨーク・タイムズの盛岡掲載や岩手出身メジャーリーガーの活躍というような何十年に1度というようなすごいことが集中して起きている時期でもありますので、カナダ、アメリカへの集中的なトップセールスをするということになっています。

幹事社
 よろしいでしょうか。それでは、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いいたします。

記者
 今日のバックパネルのほうにもあると思うのですけれども、9月1日からJR東日本の重点共創エリア指定に伴う秋季観光キャンペーンがスタートすると思います。いわて観光キャンペーン推進協議会の会長である知事として、今回の3か月間にわたるキャンペーン期間中どういったことを期待したいかということをお聞きしたいと思います。

知事
 インバウンド観光客数は増えていて、コロナ前を上回っているのですけれども、日本人観光客数はコロナ前の水準には回復していないというところがあります。日本全体人口が減って、日本人観光客数というのは日本全体減っているところではあるのですけれども、改めて日本国内で日本人にも観光を盛んにやってほしいということで、最近新しくできた西和賀、錦秋湖のところのコーヒーハウスでありますとか、そういう新しい見どころ、特に若者、女性に評価の高いところを積極的にPRするというところがあります。あとは、秋、冬というのは昔から年間の中で比べると観光客数が少ないところなので、この秋、冬の魅力を強調して年間を通じて観光客に来ていただけるようにというところがあります。

記者
 ありがとうございます。それで、先ほどの知事の発表のトップセールスにも少し関係してくるのですけれども、今回トップセールスの際にインバウンドのほうのPRもされてくるということですが、今回の岩手のキャンペーン等、そういった部分も併せてPRされてくる御予定なのかお伺いできればと思います。

知事
 内容的には盛岡がニューヨーク・タイムズから高く評価されたとか、あとみちのく潮風トレイルも欧米、英語圏で大変評判というようなことは国内向けにもアピールしますし、海外でもアピールしていきます。

記者
 2点お伺いさせてください。三菱商事のほうで秋田、千葉、両県沖の3海域で進められてきた洋上風力の建設計画から撤退するというような発表がなされました。岩手県のほうでも再エネの導入促進を掲げていて、特に久慈市沖のほうで浮体式洋上風力の発電の事業化を目指した取組が進められていて、国の再エネ整備の準備区域として整理されているのかなというふうに認識しているところなのですけれども、今回の撤退というのは、やっぱり物価高騰だったり、事業環境の厳しさだったりですとかが顕在化した形であるとともに、国事業そのものへの信頼自体も揺るがしかねないのかなというふうに認識しております。知事の御所見をお伺いできればと思います。

知事
 当該企業が洋上風力をやるという事業を受けたときに入札というのですかね、幾つかの企業が幾らでやります、幾らでやりますという中で一番低い価格で当該事業を得ることができたという事情があり、そのときは、えっ、そんな安い価格でできるのかとか、そういう安い価格で日本の主要な洋上風力の事業を総取りしたけれども、大丈夫なのかとその頃から言われていたので、やはりその頃からちょっと無理はあったのだと思います。その後の燃料代とか資材価格高騰もロシアのウクライナ侵攻が主な原因で、異常な戦時経済でこうなっているということもありますので、例外的な現象が起きているのかなと見ています。諸外国で洋上風力というのは見込みのあるものとしてどんどん進んでいるところでありますので、中長期的には洋上風力というのはどんどん今後伸びていく分野であり、岩手県もそれに適したところは久慈市とかありますので、進めていきたいというふうに思います。

記者
 ありがとうございます。もう一点なのですけれども、大船渡市の林野火災から半年がたちまして、また、国で議論されていた消防防災対策のあり方に関する報告書も公表されたと思います。報告書の中では、林野火災を踏まえた予防資機材の配備だったりですとか、あと早期の応援要請に向けた体制整備などの必要性が指摘されていると思うのですけれども、それを受けて、県としてどのように受け止めているかをお伺いできればと思います。

知事
 やはり日本全体にとっても重大な災害だったということで、総務省消防庁のほうでもかなり手間暇をかけて検討して、今回いろんな案が出されたところで、非常にありがたいなと思っています。それらを参考にして、岩手県としても予防の仕方から山火事の発生すぐ後の対応、そして、森林保全全般に関するところもグレードアップしていきたいと思います。

記者
 先日岩手県内の小学校の男性教諭が勤務校のトイレで女児を盗撮して懲戒免職になるという事案がありました。基本的には教育委員会の管轄とは思うのですけれども、知事の受け止めと、あと何か対策として考えていることはありますでしょうか。

知事
 情報通信技術の発達で盗撮ということがあちこちで行われているのですけれども、教職員は学校の子供たちをそういうものから守ることが使命であります。にもかかわらず、自ら子供たちに害を与える側になるというのは決してあってはならないことでありまして、今回の事案に対しては私も遺憾に思っております。改めて教職員の皆さんには学校を守り、子供を守るということについての責任を自覚してほしいと思います。

記者
 知事の5期目の任期が来月(9月)で折り返しを迎えます。任期前半の総括について100点満点中の自己採点を含めて教えてください。また、任期の後半で重点的に取り組みたいことをお願いします。

知事
 そうですね、点数にできないと言っていた時期もあるのですけれども、それでも今みたいに点数をつければというのはよく聞かれるので、60点と今聞かれてぱっと思いついた数字として60点、根拠はないのですけれども、60という数字が思い浮かんだので、60と今言っています。
 この2年間というのは、去年(令和6年)の地方創生10年、それに向け、また、それを踏まえて地方創生の過去の取組を反省し、国全体として目標が達成できなかったので、地方創生を強化しなければならない、バージョンアップしなければならない、そういうことに取り組んできて、岩手県は国の見直しに先んじて世界に開かれた地方創生でありますとか、そういう新機軸を盛り込み、デジタルやグリーン、環境などで強力に支えられた地方創生、また、男女の役割を巡るアンコンシャスバイアスの解消ということについても全国的にも活躍した天野さんに岩手に何度も来てもらったり、また、県としてインタビューしたりとかして、日本全国の中でも率先して男女の役割をめぐるアンコンシャスバイアス解消に取り組んできました。
 そういう地方創生をバージョンアップしていくということと並行し、豚熱や鳥インフルエンザという動物感染症が今まで起きたことがないようなスケールで起きていますし、風水害プラス大船渡林野火災という、これも今までなかったような大きな災害が起きていて、そういった危機管理に追われた2年間でもありました。
 まず、危機管理といえば物価高騰による地方経済の危機的状況というのもずっと続いておりまして、そういう危機管理的なことをしっかりやりながら地方創生をバージョンアップしていくということを今しっかりやっていきたいと思います。

記者
 ありがとうございました。もう2点お伺いしたいのですけれども、まず1点目で、知事の公約で掲げられていた(マニフェスト+)39のうち一番最初に子育て支援策を掲げられていました。女性の社会減と少子化はかなり進んでおりますが、そんな厳しい状況下でどんな成果があって、今後考えている対策などあれば教えてください。

知事
 根本原因であるアンコンシャスバイアス解消ということについて経済界、また、地域社会、広く取り組むようになっているということは成果だと思います。それが実際の人数的な成果に出てくるようにしていかなければならないのですけれども、今起きている物価高騰問題は、やはり地方経済に、より厳しく影響が出てきていて、東京の経済と地方の経済の格差というのは、今ますます広がり、雇用条件も東京など都会の企業のほうがいい条件を出せるという、そういう経済の情勢が続いているというちょっと逆風が今あるところではあります。ですから、地方経済、岩手の経済について底上げをしっかり支援しながら半導体、自動車など伸びる分野をどんどん伸ばし、農業を始め、一次産業でも勝負に出るような思い切った振興策を打ち、そして、スタートアップ企業、若い人たちが新しい会社を起こすということで、岩手は結構全国でも注目される動きが出ていますので、このスタートアップということの場になるような岩手の環境整備もしていきたいと思います。
 あとは、開かれた地方創生、インバウンド観光振興、輸出振興というのを軸にしながら海外との交流を発展させて、それが地域の魅力、岩手で働くことを経済的に支えられるというふうに持っていきたいと思います。

記者
 ありがとうございます。もう一点なのですけれども、隣県の宮城県の村井知事が6選を目指して出馬をする意向なのですけれども、現時点で知事は6期目の出馬について考えていることがあれば教えてください。

知事
 過去2年間のことを振り返るのでも非常に多くの内容がありますし、この後の2年間ということもかなり先の長い話だなとちょっと今見えているところですので、更にその後のことについてはまだちょっと、しっかり考え、公表できる状態ではありません。

記者
 私からは、先日答申がなされました岩手県の最低賃金に関してお尋ねします。引上げ額過去最高で、初の1,000円台超えということです。まず、こちらに関しての結果というのでしょうか、答申についてどのように受け止めているか所感をお願いいたします。

知事
 中央(最低賃金)審議会答申での目安額は64円アップだったのですが、それを大きく上回る79円アップで1,031円、この中央の目安を上回る額の増え幅も史上最高なのですけれども、結果としての79円という引上げ額も史上最高、そして、1,000円を超えて、更に31円、1,031円という答申額は非常に思い切った額というふうに受け止めております。日本全体として、国策として最低賃金を引き上げる、これは賃上げによって物価高騰を乗り越えようという、そういうことでもあるのですけれども、そういう全国的な政策の流れの中で非常に大きな一歩を記したというふうに思います。
 一方で、賃上げというのは、特に地方の中小企業にとっては経営を圧迫するものであり、物価高騰に加えて賃上げということで、それを価格に反映できなくなると、地方の中小企業にとっては極めて厳しい状況になっていきますので、特に地方の中小企業の価格転嫁というのは、消費者向けの価格転嫁もさることながら、大企業向け、オールジャパンの大企業向けの価格をなかなか引き上げられないという課題があるので、そういう価格転嫁がしっかりできるように県としても取り組んでいきたいと思いますし、また、生産性向上、技術革新なども含め、かなりの生産性向上がないと賃上げを下支えする収益は得られませんので、そういう生産性向上支援というのもより力を入れていきたいと思います。
 また、国策ということをさっきから言っているのですけれども、賃上げも最低賃金の引上げも国がもう国策として呼びかけているところで、今の内閣もかなりの後押しをする力強い後押しをするということを明言していますので、これだけ思い切った最低賃金引上げをしたところがちゃんと報われるような支援を国に求めていきたいと思います。

記者
 ありがとうございます。今の発言の中でも知事もおっしゃっていました、中小企業のほうでの賃上げに対する体力が問われるようなことになってくると思います。それで、県としては昨年度(令和6年度)も賃上げを行った業者に対しての補助なども行っておりました。昨日の答申に併せては、県や政府に対しての要望というのも盛り込まれております。その中で、岩手県に対しては「政府要望の趣旨を踏まえて、県としても地域の実情に考慮した支援策の拡充・強化をするとともに、各種助成金の申請に要する経費の支援など賃上げ環境を整備するきめ細やかな助成制度の整備を図ること」という意見もついております。今のところ喫緊では9月に議会が招集される予定になっておりますけれども、そういったところでの補正予算などの考えというのは今のところあるでしょうか。

知事
 岩手県は、他県にほとんど見られないような手厚い支援を賃上げ企業にしてきているのですけれども、ただその財源は国からの予算を活用しておりますので、今そういう国からの予算がない状態であります。ですから、最低賃金が実行されるのはもうちょっと後からにはなるのですけれども、国においては早めに賃上げ支援の財源になるような地方への十分な財源の確保ということを求めたいと思います。

記者
 ありがとうございます。それでは、その国の動向を見て、それを受けて県としても動けるように今準備を進めたいというような感じでしょうか。

知事
 やはり中小企業支援は、これはやらなければならないと思っていますので、国のほうで財源を確保してくれればすぐにでも動けるようなふうにはしたいと思います。

記者
 来月(9月)1日から市街地等での銃を使ったクマやイノシシへの発砲が認められる法律改正が施行になります。先日県からも緊急銃猟に対応したマニュアルの改定ですとか対策チームの設置等ありましたけれども、改めて知事として市町村に支援しながらどうやって県民や、あるいは建物とか物的被害を止めるか、これについてお知らせください。

知事
 県のマニュアルを改定し、市町村の求めに応じ、県が対策チームを設置することができる体制整備を行いました。今後9月から10月までのできるだけ早い時期に緊急銃猟を踏まえた実地訓練を実施する準備を今していまして、これらを通じて市町村を支援していきます。

記者
 実際のところ、対策チームなんかは市町村の希望に応じて警察の方とか、猟友会の方も踏まえてメンバー(として)つくって進めるということなのですけれども、やはり銃を使うことでまず安全確保が前提ということ、あるいはその発砲する場合も、建物等に銃弾が当たってしまうとかということで、損害保険の加入とかということも当然視野に入っているわけですけれども、いろいろあって安全を守るために法律が改正されたけれども、そういうちゅうちょがあって結局追い払いとか、麻酔銃での捕獲の別の手段として出るこの銃の使用がちゅうちょされてはいけないと思うのですが、ちゅうちょされず、後押しするという立場として県はどう関わっていきたいかというのをもう少し教えていただけますか。

知事
 もともと地方側、地元のほうから要望があって国が法律を改正していますので、現場である市町村側としては大体今指摘があったような課題は想定されていて、あとはそれを課題克服が実地できちっとできるように訓練をしたりとか、関係者に周知するとか、そういう段階に入っているのだと思いますので、そういうことがスムーズにいくよう県も取り組んでいきたいと思います。

記者
 ありがとうございます。あともう一点、先ほどの記者の質問にあった今の任期のこの2年間の評価のところで、思い浮かんだまま数字をということでしたけれども、平均目指すところは何点だったのか、50点より上だったので、どうなのか、もうちょっと何かあるのではないかなと思うのですけれども、60点の根拠みたいなところをもうちょっと聞いていいですか。

知事
 根拠はありません。

記者
 でも、50より上というのは、やっぱり何かいいのかなと思うのですけれども。

知事
 何かその基準があるわけではないじゃないですか。

記者
 はい。

知事
 基準がないところで点数をつけろと言われたら、そのとき思いついた数字ということでいいんじゃないでしょうか。ある種これ性格判断みたいなものなので、そういうときにあえて自分はやはり数字は出せませんという、そういう性格の知事なのか、求めに応じてちゃんとその場で臨機応変に数字を出す知事なのかという、そういうところを見てもらえればいいのではないかと思います。

記者
 今までかたくなに数字はお答えいただけなかったので、何かあったのかなと思ったのですけれども、はい、分かりました。

知事
 よりマスコミと共にある知事を目指していきたいと思います。

記者
 ありがとうございます。以上です。

記者
 私も補足的に数点関連の質問をさせていただきます。先ほど任期折り返しについて、マニフェスト+39のお話がありました。県議会でも質問等出ておりますけれども、この進捗度について知事の自己評価について伺えればと思います。

知事
 それぞれ県行政の様々なルールに従い、また、審議会などで広く県民的に意見をいただきながら進めているところで、全体として順調に進んでいると言えると思います。

記者
 ありがとうございます。先ほど人口減少対策のお話もありましたけれども、特にも数字的な部分というのはやはり改善を目指すという形になると思うのですが、この残る任期の間に、例えばどのような成果として指標とされる部分が知事としてもしございましたらお聞かせください。

知事
 指標は、それぞれアクションプランの中で85ぐらいの(いわて幸福関連)指標が掲げられていますので、それを着実に実現していくということなのですけれども、年度ごとになかなかそこに到達するのが困難、目標に遠い実態というところをA、B、Cとか、そういう整理をして県議会や県民の皆さんに示しているのを見ていただければ、そのとおりなのですけれども、ある意味マニフェスト+39というのは、県民計画やアクションプランが自分のマニフェストだと言っていたことに選挙直前にプラス39加えたものでありまして、大きな政策の方向性や流れというよりは個別具体的に県民の、特に地域的に、あるいは分野的に、期待の高い関係事業について具体的に示したものですので、あれはむしろ特にそういった関係の地域や専門分野の皆さんとともに着実に進めていけるようなものではあります。
 一方で、新しい地方創生をつくっていくとか、そして、かつてなかったような危機に対応するということについては、これはうっかりすると全然できないという、そういう危ない分野でありますので、やはりそういったところがちゃんとできるようにしていくということが大きい課題だなと思っています。

記者
 ありがとうございます。最後に、重要な課題の中で震災復興というのもあると思います。来年(令和8年)3月で(東日本大震災の)発災から15年を迎えるに当たって、ハード面では閉伊川水門を残して県事業は完了したと思いますけれども、被災者の心のケア等、ソフト面の課題も多々あるかなと思います。任期の折り返しを迎えるに当たって、どのように知事として震災復興を進めていきたいとお考えでしょうか。

知事
 東日本大震災からの復興、この復興事業というところでは、まずハードは終わっていないところはできるだけ早く終わらせるということで対応します。心のケアやコミュニティー支援など継続が必要な部分については、これは何年たったらやめるというような期間ありきではなくて、現場に寄り添いながら必要な支援を続けていくという形で対応していきたいと思います。
 加えて、コロナ禍から物価高騰へと復興に大きな影を落としている要素があって、そして、主要魚種不漁問題という気候変動関係の暗雲もあります。それに対してきちっと対応していかないと、復興というものがもう雲散霧消するような状況にありますので、そうならないように、特に物価高騰問題への対応というところをきちっとやっていきたいと思います。

記者
 私から、話戻りますが、大船渡の林野火災の関係です。発生から半年がたったということで、被災地では暮らしの再建やなりわいの再生、森林の早期復旧などが進められております。被災者の住宅再建の経済負担などの課題もあると認識しておりますが、発生から半年がたったということで、改めて復旧・復興に向けて県としてどのように支えていきたいか、知事のお考えをお願いします。

知事
 まず、大船渡市の対応が救助の段階から非常に早く、また、適切に行われて、住宅再建を中心とした暮らしの再建ということについては、着実に進んでいると思います。全国からの義援金もたくさん頂いていまして、その活用も含めて生活再建をしっかり支援していくということは市、県、国、力を合わせて今進められているなと思います。
 なりわいの再生の関係では、商工観光関係、落ち込んでいたものを回復するということは、今すぐ取り組んでできることなのですけれども、あと漁業のほうも、これは国がかなり地元負担がないような支援策を講じてくれているので、漁業のほうも、もう今年(令和7年)中にかなり災害前にできていたことができるようになってきていると思います。
 ただ、森林の再生というところがものすごく時間がかかるということが非常に大きな課題としてあります。国が普通に想定している激甚災害の林野災害対応をこの3年間(令和9年度まで)で終わらせるというのはとても無理な面積でありますので、まずは今3年以内にやるべきところを優先的にやるような形で進めているのですけれども、民間の森林で約1,700ヘクタール(被災した森林約3,400ヘクタールのうち、人工林面積(2月19日発災分含む))ですか、その1,700ヘクタールという巨大な面積について、いかにできるだけ早く再生していくかということを、今特に専門の皆さんが調査を重ね、検討を重ねて、議論を重ねて、できることからやっているという感じなのですけれども、県もその中にしっかり入ってできるだけ早い森林の再生ということに取り組んでいきたいと思います。

記者
 ありがとうございます。すみません、最後にもう一点なのですけれども、消防防災対策に関する検討会のほうで公表した最終報告書で、林野火災注意報や警報の新設を消防庁に提言がありました。県として発令に備えてどのように準備をしていく予定でしょうか。

知事
 消防庁を中心に全国共通のルールとして新しくしていくところがありますので、岩手県だけ独自のやり方をすると混乱するおそれもありますので、全国共通のルールの中での注意報だ、警報だという、そういうところを、全国一斉に新体制に移るのが基本なのかなとは思うのですけれども、いつでもそうできるように県としては準備していきたいと思います。

広聴広報課
 以上をもちまして記者会見を終わります。

次回記者会見

次の定例記者会見は9月16日(火曜日)の予定です。

このページに関するお問い合わせ

政策企画部 広聴広報課 報道担当
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