令和7年4月18日知事会見記録
開催日時
令和7年4月18日15時30分から15時51分まで
会見記録
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いします。
知事
県議会4月臨時会を招集しまして、令和7年度一般会計(第1号)補正予算を提案します。補正予算額は35億円です。大船渡市林野火災からの一日も早い復旧・復興に向け、ここに出ていますけれども、暮らしの再建として避難所の運営支援、そして、なりわいの再生として事業者の被災施設設備の復旧支援、インフラの整備として治山ダムや砂防堰堤の設置などの予算を計上しています。
以上です。
広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
幹事社
それでは、ただいまの発表事項1件について、各社から質問があればお願いします。
記者
私から大きく2点お伺いいたします。本年度第1号補正ということで、なりわいの再生、インフラ整備に力点が置かれている印象がありますけれども、まずは今回の予算編成の特徴について、知事のお考えを伺えればと思います。
知事
まず、暮らしの再建関係で避難所の運営支援についての追加的な予算があるということ、そして、なりわいの再生の関係の部分が大きくなっていまして、江藤農林水産大臣が大船渡入りして発表された漁網への国からの4分の3補助や、そして、倉庫の2分の1補助、その関係で倉庫に関して県と大船渡市の分と国の分と合わせるとやはり4分の3支援になるというふうにする水産業共同利用施設の復旧支援というところが入っていることがポイントです。
また、中小企業者施設設備が損壊して、様々苦労されているということで、それに対応する予算が計上されています。
あとは、中小企業者関係では、額的にも大きくなっているのですけれども、資金融資ですね、貸付金、中小企業災害復旧資金貸付金を確保したところがポイントです。
そして、林野関係、森林、林業関係では、土砂崩れの危険性について指摘されていて、地元でも心配しているという声がありますので、治山事業、砂防事業を活用した安全の確保という予算を計上しています。
記者
ありがとうございます。現地の昨日の大船渡市の発表も見ますと、産業面での被害状況については現在まだ調査中のものが多いという印象があります。キャンセルが相次いでいる観光面についても、更なるてこ入れが必要だと、そういった指摘もありますけれども、今後の支援、あと追加の予算編成の方針についてお伺いできればと思います。
知事
そうですね、観光については大船渡市さんのほうで様々工夫して使い勝手がいいようにという形で、今回、大船渡観光需要喚起対策費補助という形で大船渡市に対する補助として1,000万円確保したところでありまして、それをどう使うかについて大船渡市内において様々検討がされているということだと思いますけれども、うまく工夫して活用してほしいと思っています。
記者
ほかの産業についても今後の更なる補正措置とか、そういったお考えというのはありますでしょうか。
知事
施設設備が損壊した中小企業に対して、被災資産復旧緊急対策費補助として9,800万円、約1億円確保してありますけれども、補助率4分の3という定置網や倉庫と同じ水準のかなり本格的な災害、大規模災害並みの水準の補助率で用意してありますし、補助上限額も3,000万円ということで、様々話題になっている事業者さん、企業さんが施設設備を復旧するのにも活用できる、有意義な額を確保しているというふうには考えておりますけれども、この資料の1ページ目の下に書いてあるのですけれども、真ん中の辺り、冒頭の考え方の一番下、米印で追加的に必要となる措置については引き続き検討ということで、これで終わりということではありませんので、必要となる措置については引き続き検討していきます。
記者
補正予算についてお伺いします。今回暮らしの再建、なりわいの再生、インフラの整備ということで、3分野について予算があるわけですけれども、この中で一番多くなっているのがインフラ整備で27億7,700万円ということです。今知事からもお話ありましたけれども、土砂崩れについての危険性というのが地元であるということで、まずこの点、県として何かしら調査とかして、その危険性というのをどのように把握されているのか、また危険性について知事はどのように思われているのかを教えてください。
知事
県のほうで、担当部局で大船渡市内の土砂崩れの危険度について調査し、延焼地域の中で危険箇所というのを把握した上で、今回の予算措置となっていますので、直すべきところは大体分かっているので、そこに迅速に治山、砂防事業を展開していきたいと思っています。
記者
今回大規模な火災で森林が大規模に焼けたということで、環境面での影響というのはいろいろ指摘があるところだと思います。土砂崩れもそうですけれども、いわゆる保水能力が失われるのではないかという話もありますけれども、今回森林が燃えたことに対しての人工物を造ることで対処するということですけれども、堰(えん)堤や砂防ダムを造って対処するという方法というのを選ばれた理由みたいなものがあったら教えてください。
知事
そうですね、今現在リスクのあるところの危険を解消するためにすぐできる方法として治山ダム、砂防堰堤というのがありますので、まずそれをやるという考え方です。
記者
今後植林もされていくと思うのですけれども、人工物については基本的にはそのまま残るということになるのでしょうか。
知事
そうですね、永遠に機能し続けるわけではそれぞれないのですけれども、他方、一定期間はそれぞれ機能します。ただ、私のイメージですけれども、治山ダムとか、砂防堰堤とかというので、土砂崩れを防ぐ部分というのは、そこに木を植えるというよりは、木はもっと奥のほうとか、広いところに木は植えられて、そうした広い森林の土地から集落があるようなところとの境の辺りの安全を確保するために砂防堰堤とか、砂防ダムとかがあるという理解ですので、治山ダムや砂防堰堤は、それはそれで造るし、木を植えていくところは、それはそれで木を植えていくというイメージでおります。
記者
確認なのですけれども、そうすると木が燃えてしまった部分は、ある意味人工物を置いて何とか対処しようという感じの理解でいいのでしょうか。
知事
治山ダムにせよ、砂防堰堤にせよ、何千、何百ヘクタールを覆い尽くすようなものではなく、広いところのごく一部の危険箇所にぴちぴちぴちと造られるようなものですので、それを造ったからといって森林を植えるところが減るということではないと理解しています。
幹事社
それでは、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いします。
記者
本日からアメリカの追加関税措置に伴う県の相談窓口が設置されました。昨日は、赤澤経済再生担当相がトランプ大統領と会談するなど日米協議が進められている状況ではあると思いますけれども、先行きを不安視する県内の企業に対して、事業者に対して、県としてどう対応していきたいとお考えでしょうか。
知事
まず、関税引上げに関連する輸出企業や関連サプライヤー企業というのは岩手県内にもありますし、また農林水産物の輸出も増やしていこうと、アメリカにも増やそうとしておりますので、そこには一定の影響が想定されます。
そして、米中の貿易摩擦が非常に悪化していくような流れで、また、アメリカが世界中を相手に貿易闘争を仕掛けているような状況がこのまま続くのであれば、それは株式市場が予想しているように半年ぐらいたつと大分景気が落ちているかもしれないというような、そういうリスクが今あるのだと思います。
そこで、まずは相談窓口を県としても設けまして、不安を抱えている県内の中小企業、農林漁業者を支援したいと思います。様々資金繰り相談や支援機関、支援メニューの紹介など、今できることもありますので、そういうこともしたいと思います。
あと、岩手県は今知事が全国知事会の農林商工常任委員会の委員長をやっていますので、来週あまり遅くならないうちに、政府に対して全国知事会農林商工常任委員長としてトランプ関税対策の緊急要請を行いたいと思っております。暮らしや経済の悪化を防ぐための対策を講じること、そして、輸出の関係である程度トラブルがあったとしても、地方経済が日本経済を強力に支えるような経済構造に日本を変えていけばいいわけでありまして、そのような内需拡大型の経済政策を求めていくというような内容の緊急要請を行いたいと考えています。
記者
ありがとうございます。全国知事会としての国に対して緊急要望されるということでしたけれども、現政権内では関税対策も含めて大型の経済対策を打つために補正予算を検討する動きもありました。国に対して、そういった予算面での要望というのは今回の要望の内容には入るのでしょうか。
知事
結果として、輸出企業や輸出を増やそうとしている農林水産業者が困らないようにするということが要望の内容なのですけれども、そのためにはトランプ関税政策の分析ということがやはり必要で、日本経済への影響について的確な分析を行って、それを基にした政策を求めていくような形になります。さっき県としても相談窓口で紹介するといった資金繰り支援など、今すぐできることについて強化するために国の財政出動を増やすということはあり得ると思いますけれども、補正予算云々(うんぬん)とかいうそういう財政技術論には立ち入らず、結果として地方の企業や農林水産業者が困らないようにしろというところを要望したいと思います。
記者
先日仙台市の印刷会社がサイバー攻撃を受けて卒業アルバムのデータが流出した可能性があるという問題が発生しました。県内では、大船渡市や盛岡市などが流出可能性があると教育委員会から発表されましたが、県教(育)委(員会)の管轄だと思いますけれども、県内の状況について、県として把握されていることがあればお伺いしたいです。
知事
私が聞いているところでは、県教(育)委(員会)事務局としても今調査中で、県の関係の学校について調査をしているというところです。
記者
話題替わりまして、ILC(国際リニアコライダー)の件についてお伺いしたいと思います。先週県の市長会議がありまして、その際に政府ですとか、国への要望活動をするに当たって、首長の中からは知事の参加、出席が条件だというような御意見もありました。それについて、国への要望のタイミングですとか、知事はそれに出席されるのかどうかについてお考えをお伺いできればと思います。
知事
来年度予算に向けた国への要望というのは、知事として毎年やっていますので、今年もそれはやるつもりです。そして、それぞれ国への要望のパイプ、ルートというのは市町村とか、それから経済団体とか、また、ILCに関して特別につくってある岩手県や東北のILC推進の協議会とか、いろんなルートから働きかけるというのはありだと思いますし、そういった複数のルートを合わせて合同でやるということをしたいのであれば相談には乗りたいと思います。
記者
年度始めとか早い段階で合同要望するというようなタイミングというのはあるのでしょうか、今のところ。
知事
それぞれ基礎自治体の視点からも県という広域自治体からの視点からも、また、経済界や、そして、それらを合わせたILCの推進協議会という視点からも、それぞれの視点でこのように必要だということが政府に伝わっていくことが効果あることと思っていますけれども、それらの視点を何か融合させるメリットとかを、発言された首長さんは考えていると思うので、それがあれば相談を受けたいと思います。
広聴広報課
以上をもちまして記者会見を終わります。
次回記者会見
次の定例記者会見は4月25日(金曜日)の予定です。
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