岩手県食の匠219 井上マツエさん(滝沢市) へっちょこだんご汁
料理の紹介(いわれ・特徴)
滝沢市では、昭和30年代半ばの開田以前は、ソバ、ヒエ、アワ、陸稲などの栽培が主で、米は大変貴重な時代であった。へっちょこだんご汁は、ご飯が足りない時日常的な主食として、ソバ粉や米粉などでだんごを作り、その季節の野菜と一緒に煮込み食べられていた。食事に味の変化をつけるために様々な工夫がされ、へっちょこだんごをかぼちゃ汁に入れたり、お祝いなどには貴重な小豆汁に入れたりして食べていた。
また、おでえしだんご(御大師だんご)ともよばれ、旧暦の12月の神様にお供えするものでもあった。
材料(4人分)
- うるち粉 1.5カップ
- 熱湯 220cc
- だいこん 200グラム
- にんじん 100グラム
- 油揚げ 30グラム
- 干しいたけ 4枚
- ごぼう 70グラム
- ねぎ 適宜
- しいたけの戻し汁 3カップ
- みそ 大さじ3
- 醤油 大さじ3
そば粉を利用する場合、そば粉1カップにうるち粉0.5カップを合わせて1.5カップとする。
作り方
- うるち粉に熱湯220ccを一気に入れ、ひとかたまりになるようにこねる。こねた生地を4等分の棒状にし、それをさらに10等分になるようにちぎってまるめ、真中にくぼみを作る。
- 干しいたけは7カップの水でもどしておく。
- だいこんはイチョウ切り、にんじんは半月切り、ごぼうは皮を取らずにささがきにして水にさらし、油揚げは油抜きしてから短冊切り、戻した干しいたけは細切り、ねぎは斜め切りにしておく。
- 鍋に干しいたけの戻し汁、だいこん、にんじん、ごぼう、干しいたけを入れて煮る。野菜が煮えたら油揚げを入れる。
- みそと醤油を加え、強火で煮立っているところに、へっちょこだんごを重ならないように入れる。だんごが浮き上がっても3分程度そのまま煮る。火を止めてしばらくするとだんごに味がしみる。
- 大きめのお椀に盛りつけをしてからねぎを添える。
料理・技術のポイント及び工夫している点
- へっちょこだんごは下ゆでしないことで、中に味がしみ込みやすい。
- へっちょこだんごは最後に入れること。早いうちに入れるとだんごが溶けてどろどろになってしまう。
- へっちょこだんごを入れるときは、だんごが沈んで鍋にくっつかないように強火にしておく。
- へっちょこだんごを入れてからは強火でぐつぐつと煮る。こうすることで、汁に程よいとろみがつきコクがでる。まただんごも口当たりがよくつるっとなる。
- みそと醤油を合わせて味付けすることで、味に深みがでる。
このページに関するお問い合わせ
農林水産部 農業普及技術課 普及担当
〒020-8570 岩手県盛岡市内丸10-1
電話番号:019-629-5654 ファクス番号:019-629-5664
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。