岩手県食の匠227 石亀文子さん(雫石町) 重っこ料理(煮しめ)

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ページ番号1007836  更新日 平成31年2月20日

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料理の紹介(いわれ・特徴)

雫石町では、冠婚葬祭や農村行事、集落の寄合いなどの際に、山菜料理や赤飯など様々な料理を重箱に詰めてお互いに持ち寄り、皆でまわして食べるという「重っこ料理」の文化が受け継がれている。その中でも、赤飯やおこわなどの主食もの・漬物とあわせて、煮しめは欠かすことのできない定番メニューである。

今回のレシピは夏のお祭りなどめでたい時向けのもので、仏事の際には、肉類を使わず油揚げで代用する。

また、重箱に詰める際に、必ず個数を奇数にするように言い伝えられてきた。

今回のレシピに使用している「南部かしわ」は、天然記念物「岩手地鶏」を基礎に昭和60年に岩手県が開発した特産肉用鶏であり、雫石町では「岩手しずくいし南部かしわ生産組合」が(1)放し飼い(2)120日の長期飼育(3)自家配合飼料にこだわって生産している。放し飼いと長期飼育による締まった肉とほどよい脂肪の旨味が特徴で、スープに甘味とコクがある。

材料(4人分)

  • 南部かしわ鶏のもも肉 200グラム
  • にんじん 約150グラム
  • ごぼう 2分の1本(約100グラム)
  • さやいんげん 4本(約20グラム)
  • 昆布(25センチ) 4枚
  • 凍み豆腐 2枚
  • こんにゃく 2分の1枚(200グラム)
  • ふき(ない時期は塩漬けのもの) 2本(約100グラム)
  • 干ししいたけ 4枚

だし汁

  • 煮干しだし 800cc(8本)
  • 昆布のもどし汁 200cc
  • 干ししいたけのもどし汁 200cc

調味料

  • 砂糖 大さじ2
  • みりん・酒 各大さじ3
  • しょうゆ・薄口しょうゆ 各大さじ2

作り方

下ごしらえ

  1. 鶏肉は一口大に切り、酒、塩少々(分量外)でもんでおく。凍み豆腐はぬるま湯でもどしておく。戻した凍み豆腐は短冊状に4等分にする(家庭用スライサーの波型の部分で押すように切り、飾りをつけてもよい)。
  2. 干ししいたけは、水に浸してもどしておく。すぐに使いたい場合は、ぬるま湯に砂糖少々(分量外)を入れてもどす。干ししいたけのもどし汁は、だし汁に使うのでとっておく。もどしたしいたけは、半分に切る。
  3. 昆布は、水に浸してもどしておく。昆布のもどし汁も、だし汁に使うのでとっておく。もどした昆布は平たくして軽く結ぶ。煮ているとほどけるので結び目を爪楊枝などで押さえる(きっちり結ぶ場合もあるが、噛みにくいためゆるく結んでいる)。
  4. 煮干しは、頭とはらわたを取ってからだしを取る。
  5. ふきは茹でて皮をむいて(塩蔵の場合は塩抜きする)、7センチくらいに切っておく。
  6. にんじん・ごぼうはななめ切りにする。にんじんは角をそぎ落とすことで煮崩れにくくなる。ごぼうは煮る前にさっと洗い、2分間水に浸してあくを抜く(ごぼうは長時間水につけると風味が落ちてしまうので短時間にすること)。
  7. さやいんげんはヘタを取り、7センチくらいに切っておく。
  8. こんにゃくは厚さ1センチくらいの短冊状に切り、中央に1センチから2センチの切り込みを入れ、片方の端を穴に通して手綱結びにする。その後沸かしたお湯に入れ、2分から3分ほど茹でる。
  9. 調味料はあらかじめ合わせておく。

作り方

  1. だし汁を入れた鍋に煮えにくい材料から順に入れふたをして中火で煮込む。始めに昆布、ごぼう、もどしたしいたけを入れ10分から15分ほど煮る。次にこんにゃく、にんじんを加え10分から15分煮る。その後鶏肉を加え10分ほど煮る。
  2. 合わせておいた調味料を2回から3回に分けて鍋に入れる(1回で大さじ2杯から3杯ほど)。
  3. 1回目の調味料を入れた後に、凍み豆腐を入れる。その後、ふきを加えて煮る。
  4. 竹串でごぼう、にんじんが煮えているか確認する。竹串がすっと通る固さになったら、さやいんげんを加えて、ふたをせずに5分ほど煮る。
  5. 味が足りない場合は、薄口しょうゆで調節する。火を止めて粗熱を取ってから重箱に詰める。

料理・技術のポイント及び工夫している点

  • こんにゃくは、沸かしたお湯に入れ2分から3分ほど茹でる。このあく抜き作業をすることで、こんにゃく特有の臭みが抜け、味がしみやすくなる。
  • 凍み豆腐は味付けする前に入れると煮崩れしやすくなるため、1回目の味付けをした後に入れる。また長く煮こみすぎると溶けてしまうので、長時間煮すぎないこと。
  • さやいんげんは、ふたをして煮ると味がよくしみこむが色が悪くなる。ふたをしない方が緑色が鮮やかに残る。
  • 材料は一度に入れるのではなく、固さなど特性に応じて煮かたや煮る時間を変えることがポイントである。・調味料は味見をしながら少しずつ入れること。
  • 今回のレシピは夏のお祭りなどめでたい時向けのもので、凍み豆腐は短冊状に切るが、仏事の際には、肉類を使わず油揚げで代用し、凍み豆腐・油揚げ・こんにゃくは三角に切る。
  • 重箱に詰める際に、必ず個数を奇数にする(凍み豆腐、鶏肉、油揚げ、こんにゃく、にんじん、昆布など具が大きく数えやすいもののみ。ふきや山菜など数えにくいものの数はこだわらない)。

写真:重っこ料理(煮しめ)

このページに関するお問い合わせ

農林水産部 農業普及技術課 普及担当
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