岩手県食の匠220 多田育子さん(花巻市) ひなまんじゅう
料理の紹介(いわれ・特徴)
「ひなまんじゅう」は、「はなまんじゅう」、「花だんご」などとも呼ばれ、花巻地方では、3月3日のお雛様には「きりせんしょ」と共に供える菓子。花巻市大迫町はかつて三陸と盛岡を結ぶ街道の宿場町として栄え、江戸時代から代々受け継がれた貴重な雛人形が数多く残されている。3月3日のお雛様には、子供達が「おひなさん、おみせってくなんせ」と言って家々の雛人形を見て歩き、お雛様を拝んでは「ひなまんじゅう」をもらうのが風習となっていた。当時は、各家庭でお雛様の前日には子供達や親戚に配るために多くの「ひなまんじゅう」をつくっていた。現在、花巻市大迫町で開催されるイベント「宿場の雛まつり」ではその風習を復活し、地域の活性化に繋がっている。
材料(4人分)
- うるち米粉 3カップ
- もち米粉 1カップ
- 熱湯 500ミリリットル
- 砂糖 大さじ2
- こし餡 900グラム
- 片栗粉 適量
- 食紅 適量
作り方
- ボウルにうるち粉ともち粉を入れ良く混ぜておく
- 1に熱湯を加え箸で混ぜ、大きな固まりをほぐすように混ぜる。この時、熱湯を一度に全量を加えずに生地の様子を見ながら熱湯の量を加減し、生地がおから状となる程度とする。
- ぬれ布巾をかけて人肌程度に冷めるまで生地を休ませる。時間があるときには一晩休ませておく。
- 3の生地をこねる。生地にツヤが出てまとまるまで丁寧にこねる。
- 生地を直径10センチ前後のまんじゅう型にまるめ、中心に穴を開けてドーナツ状にしてたっぷりの熱湯でゆでる。
- 15分程度ゆで、生地が浮き上がってきたら冷水に取り冷やす。
- 生地が人肌程度に冷めたら冷水から取り出し、砂糖を加えて、もう一度生地をこねてひとまとまりとして、生地にツヤが出るまで充分にこねる。この時に生地が硬い場合は手水をつけてこねることで硬さを調節する。
- まな板の上に片栗粉をまぶし、生地を乗せて40グラム前後に分ける。
この際に残っている生地が乾かないようにビニール袋に入れる。 - 生地で餡を包み、形をつくる。花や果物などの木型に入れて成型する場合は、木型に片栗粉を薄くまぶし、餡が出ないように押しつける。木型が無い場合は、小さなヘラや箸などを使い、花形に成型する。
- 色づけする場合は、生地に少量の食紅を混ぜたものをさらに別の生地で包んでぼかすことで適度な色づきとなる。
料理・技術のポイント及び工夫している点
- 粉の乾燥状態やその日の気候によって、生地に加える熱湯の量が変わることから一度に加えずに様子を見ながら調製し、軟らかくなりすぎないよう注意する。生地が軟らかすぎると木型の模様が付きづらい。
- 生地にツヤが出るまでよくこねることで歯ざわりが良くなる。
- 食紅は少量でも色が濃くなるので一度少量の生地を取り分けて色づけを行い、この生地を白い生地で包むことで適度な色づきとなる。
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