岩手県食の匠229 菅田ツヤ子さん(遠野市) みのむしなんばん

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ページ番号1007834  更新日 平成31年2月20日

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料理の紹介(いわれ・特徴)

夏場に大量に収穫した紫蘇の葉を塩蔵して保存し、拍子切りして茹でたにんじんとごぼうをこの紫蘇の葉で巻いて作られた漬物。主に根菜類が旬の時期となる冬期に作られる。漬け汁に唐辛子を加えたり、刻んだ唐辛子を一緒に巻く作り方もあり、甘辛い味わいが特徴である。黒っぽく細長い姿かたちから、「みのむし…」の名前が付いたと言われる。

かつては農閑期における副収入のため、遠野地方を含めた岩手県内陸部の農家女性がこれを作って街に売りに出ていたことが由来。別名「みのぼしなんばん(みのむしがなまったもの)」、南部藩主に献上した際に評価されたという謂れから「南部漬」とも言われている。

材料(40個分)

  • ごぼう 1本
  • 長にんじん 1本
  • 赤紫蘇(塩蔵)40枚(作り方参照(前準備))

調味液A

  • こいくちしょうゆ 大さじ2
  • みりん 大さじ1
  • 一味唐辛子 小さじ1(事前に合わせておく)

調味液B

  • こいくちしょうゆ 1.8リットル
  • ざらめ糖 1キログラム
  • 赤唐辛子 3本(調味液Bは予め火にかけ、ざらめ糖が溶けるまで約2時間煮詰めておく。)

作り方

前準備
7月ごろ、赤紫蘇の葉を摘み取って洗ったものを樽に漬け込む。葉5枚程度を底に並べて塩を振る。これを幾度も重ね、樽がいっぱいになったら重しを載せる。40リットル樽1個に対し、葉3万から4万枚、塩25キログラムが目安。

  1. 作る前日に紫蘇を樽から出して水洗いし、水に漬けて塩抜きする。
  2. 人参、ごぼうは皮をむき、7センチ程度の拍子切りにし、それぞれ40本準備する。鍋にたっぷりの水を沸かし、塩適量を加えて人参をくぐらせる。残った湯にごぼうを入れ、ぷつぷつ泡が立ち始めた頃に湯から上げて水気を切る。
  3. 人参とごぼうは粗熱を取った後、調味液Aを回しかけ、20分程度おいて味を馴染ませる。
  4. 塩抜きの済んだ紫蘇は裏面を上にし、3の野菜を一本ずつ載せ、きつめに葉を巻いていく。シワが寄らないように葉を引っ張りながら巻いていくこと。
  5. 皿に並べ、食べる直前に調味液Bを漬物20本あたり大さじ1程度を回しかけて完成。

料理・技術のポイント及び工夫している点

  • 野菜を茹でる際は、根菜類独特の歯ごたえを失わないよう、加熱しすぎに注意。なお、人参を先に湯にくぐらせることで茹で汁に人参の甘みが移り、これでごぼうを茹でることでごぼうにも人参の甘みが移って美味しくなる。
  • 通常は一度に大量に作るので、人参とごぼうはそれぞれ別々に調味液で味付けする。
  • 出荷する場合は袋などに詰めた後、調味液Bを注ぎ、密封することで味がよりしみ込んでおいしくなる。
  • 調味液Bは保存性が良いため、作りおきして数ヶ月保存可。辛味調味料として他の料理にも応用できる。
  • 赤紫蘇を少ない枚数で塩蔵する場合は、30枚ひと束にして輪ゴムなどで束ね、これを5束用意して小さめの容器に漬ける。この時の塩の量は約100グラム。

写真:みのむしなんばん

このページに関するお問い合わせ

農林水産部 農業普及技術課 普及担当
〒020-8570 岩手県盛岡市内丸10-1
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