平成30年11月28日知事会見記録

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平成30年11月28日10時30分から10時58分

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に知事から発表があります。それでは、知事、お願いいたします。

知事
 まず、「第8回いわてマンガ大賞」コンテスト受賞作品の決定です。応募総数、一般部門34作品、1~4コマ部門200作品のうち、一次審査を通過した作品について、プロの漫画家、漫画雑誌編集者など11名による最終審査を経て、各賞が決定しました。
 一般部門の大賞は、千葉県千葉市のザネリさんの「鶴と亀のいちじ」に決定しました。二戸市を舞台に、不思議な事件を調べる探偵・鶴が二戸市に出没する幽霊・亀の交流を通じて、九戸城の歴史に触れるストーリーです。
 そして、一般部門の優秀賞は、滝沢市のヤマトアオさんの「星屑カスケード」、盛岡市のもくたろさんの「おでんせ!妖荘」、山田町の永愛(えな)さんの「桜ノスタルジア」の3作品です。
 そのほか、特別賞5作品が決定しています。
 学校に在籍している生徒・学生を対象とした学生部門については、金賞2作品、銀賞3作品が決定しています。
 1~4コマ部門の最優秀賞は、一般の部で盛岡市の三上結樹(みかみ・ゆうき)さん、中学生以下の部では盛岡市の中学3年生、SAKAriver(さかりばー)さんの作品が受賞しています。
 その他、1~4コマ部門では、優秀作5作品が決定しています。
 一般部門の大賞と優秀賞受賞作品については、県が運営するWEB(ウェブ)マンガサイト「コミックいわてWEB」で配信します。そして、大賞受賞作品については、来年3月発行予定のマンガ単行本に収録されます。
 12月15日に表彰式を行います。
 次に、第3回マンガ郷いわて特別賞の表彰についてです。マンガ郷いわて特別賞とは、マンガやイラスト等の企画、制作、広報等の活動を通じて、岩手県の魅力発信や文化芸術振興、東日本大震災津波からの復興等に貢献した個人、団体、作品等を表彰するものですが、第3回受賞者として、漫画家、そして女子美術大学客員教授である萩尾望都(はぎお・もと)さんを表彰することに決定しました。
 萩尾望都さんは、東日本大震災からの復興に思いをはせた作品集「なのはな」を2011年に執筆されています。そして、この作品集の一つとして、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」をテーマにした「なのはな―幻想「銀河鉄道の夜」」という作品も執筆されています。復興と岩手県の文化振興に大きな貢献をしていただきました。また、そのほかにもさまざま復興支援の活動をしていただいています。
 萩尾望都さんに対する表彰式も12月15日に行います。
 3番目、「岩手アップル2Weeks2018」の実施についてです。りんご産地岩手のイメージを県内外にさらに強くアピールするため、県内のさまざまな事業者や団体の連携によるPRキャンペーン「岩手アップル2Weeks2018」を12月1日から14日までの2週間実施します。
 岩手県は、りんごの生産量が全国第4位、そしてりんごの1人当たり購入金額と消費量が全国1位であります。
 84の協賛店に岩手県産果実を使ったスイーツ等を提供する「いわて果実のご褒美スイーツメニューフェア」を行います。
 12月1日、イオンモール盛岡のイーハトーブ広場でオープニングセレモニーを実施します。その日は、岩手県産プレミアムりんご「冬恋」の発売開始日でもあります。強い甘さとまろやかな酸味が特徴のいわば究極の岩手県産りんご「冬恋」であります。
 「岩手アップル2Weeks2018」で、りんごを中心に県産果実を県民の皆様、そしてまた県外の皆様に御愛顧いただければと思います。

広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。

幹事社
 それでは、ただいまの発表事項3件について、各社から質問があればお願いいたします。

記者
 いわてマンガ大賞の受賞についてお聞きしたいと思います。今回の応募作品の中で、特に知事が読まれていて気になった作品、あるいは全般的な作品の印象を教えてください。

知事
 全体として、画力、また、ストーリー、構成、大変クオリティーが高くなってきているというふうに思います。
 最優秀作品、マンガ大賞受賞作は、二戸市を舞台ということで、一般的には知る人ぞ知るというようなディープなテーマを選んでいただいたかなと思うのですけれども、非常に巧みにマンガ化していて、九戸城の話とか、二戸市の座敷わらしの話とか、これは多くの人に知っていただくことにも(なるので)、いい作品になっているなというふうに思いました。

記者
 ありがとうございます。今回でマンガ大賞8回目ということですけれども、応募作品数を見ると、今回は今までで一番少ないということなのですが、大会(コンテスト)としての盛り上がりというか、その辺りはどのように考えていますでしょうか。

知事
 まず、クオリティーは上がってきていますので、数が少ない分、その分、質の高いものに絞り込まれてきているのかなという感じがします。
 また、今の九戸城の話みたいに、今まであまりマンガで取り上げられなかったようなものがマンガに取り上げられる(という)ことで、ますます岩手の魅力とか、地域資源とかをマンガで発掘するということが今回のいわてマンガ大賞でも進んだと思いますし、これは良いことだなというふうに受け止めています。

幹事社
 それでは、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いいたします。

記者
 24日に再開した岩手競馬についてなのですが、原因究明を待たずに再開に踏み切ったということですが、改めて今回の再開について、知事のお考えをお聞かせください。

知事
 おかげさまで、計画費(額)を上回る販売額を得ることができまして、ファンの皆さんに対して本当にありがたいなという思いをしております。やはりファンの皆さんの期待にしっかり応えていかなければならないなと改めて感じたところです。
 真相究明については、さまざまな調査、検査、そして、監視や警備の強化をやっておりますので、そうした取組、あるいは警察による捜査によって、さまざま事実関係が早く分かることを期待します。

記者
 水沢競馬所属の馬の事前の検査等ありますが、盛岡の所属の馬が水沢のレースに出る場合は事前検査を行わないという考えですが、これについて改めて知事はどうお考えですか。

知事
 競馬再開に向けての取組内容については、先の競馬議会で執行部報告したところでありますけれども、それ以外のことをやってはいけないということではないというふうに考えていますので、現場の判断でこれもやった方がいい、またこれもできると。あまりお金や手間暇がかかって、開催を危ぶませるようなことはできないし、またすべきではないと思いますけれども、そうでないのであれば、さまざま現場の工夫で、やる予定にしていなかったこともどんどんやってもらえればいいのではないかと思います。

記者
 陽性馬の発生、可能性はまだ100%消されたわけではないと思うのですが、その中での再開で、この間、競馬ファンからも原因究明を望む声も上がったと思いますが、今後岩手競馬に対して、競馬ファンや県民への信頼回復についてはどのように努めていくおつもりでしょうか。

知事
 事実関係の究明につながるような検査、そして監視や警備の強化はやっておりますし、また、警察の捜査も行われているところですので、そちらの進展を期待していただきたいと思います。

記者
 先日、政府が外国人労働者の受け入れ拡大に向けた入管法改正案が衆(議)院で可決されましたが、特に岩手含めて地方での人材不足は深刻ですが、一方で社会保障制度を含めた問題点もあるという中で、知事の所見をお聞かせ願えますでしょうか。

知事
 まず、一面、今政府が提案している法律の内容といいますのは、広く自治の問題に関わることでありまして、全国知事会としても、今年の北海道での全国知事会議で、新たな外国人材の受入れプロジェクトチームというものを設置し、そこで自治の観点から見たさまざまな課題をピックアップして、国に対して申し入れをするようにしています。8月28日付で法務省等に既に提言を出しているのですけれども、いわゆる外国人材の日本語教育や、安心して働き暮らしていくための支援など、広くそれぞれの地域における生活ということについて、国が責任を持って取り組むことを求めております。
 いわゆる労働力として、財やサービスの生産に当たる以外の時間、それぞれの地域の中で生活者として、地域の一員として暮らしていくわけでありますから、岩手県の場合、ILC(国際リニアコライダー)の取組の関係で、外国の人が岩手で働き、生活する場合、どういう基盤、地元の体制が必要かという中で、医療の問題とか教育の問題については、プロジェクトチームでさまざま検討しているのですけれども、オールジャパンとしてそういう検討が必要で、そしてその財源なども地方に丸投げしてしまうのではなくて、やはり国策として、今までと違うやり方で、外国の人たちに日本で暮らし、働いてもらおうということであれば、そこは国の責任でその体制をつくっていってもらわないと地方が大変困るということを申し上げたいと思います。

記者
 先ほど国への要望はされているということなのですけれども、他県では外国人労働者の雇用実態に関するアンケートを実施、国の動きを受けてやっているところもあるのですけれども、その国の動きを受けた県の対応で考えていることがあれば教えていただけますでしょうか。

知事
 岩手は岩手でILCの関係もあって、外国人が岩手で暮らしていくために何が必要かということを既に岩手で生活したり働いたりしている外国人の皆さんに伺ったり、集まって議論してもらったり、さまざま取り組んでいるところですけれども、今の政府が法律案として提出している内容は、かなり何十万という単位で一気に外国人を増やそうということですので、もう少しどういう影響があるのか、日本津々浦々、どういう地方の体制が必要なのかということをもう少し国民的に検討して、議論する必要があると思いますので、今臨時国会でばたばたと衆議院の採決まで進んだようでありますけれども、これはもうちょい時間をかけて、地方の方できちっとこれは受け入れられるという形ができない中で、とにかく門を開くということにするというのは、これは拙速のそしりを免れませんので、そうではないようにしてほしいと思います。
 というわけで、今の段階で法律の成立を前提にしてどうのこうのというのは、ちょっと取組方としては拙速のそしりを免れないので、今の法律の中身でいいのか、例えば、(特定技能)1号に該当する人は5年間、家族の帯同が許されないとか、それは本当にそれでいいのかとか、まだまだ法律の内容について検討しなければならない部分はあると思います。

記者
 日曜日の大船渡市長選挙で年内に実施される予定の全ての市町村長選挙は終了し、13執行された選挙で、半数近くの7の選挙で無投票というふうになりましたけれども、この無投票になることについて知事はどのように感じられているのかということと、自治体によって事情はさまざまだと思うのですが、背景にどういうことがあるというふうにお感じになられているか、教えてください。

知事
 それぞれの自治体の中で、立候補する自由もあれば、立候補する自由があるということは立候補しない自由もあるわけで、そういう自由な政治、政治的な自由という憲法が保障する枠組みの中で、それぞれの市町村において、そういう選挙が行われたということについては、まずその結果を尊重しなければならないというふうに考えます。

記者
 一方で、有権者は選択する機会を逸しているということも言えると思うのですけれども、その辺については、選挙の主役は有権者であるべきだという話を知事はかねがねされていますけれども、そういった側面から見た場合はどうでしょうか。

知事
 立候補の自由があるから、他に立候補する人がいなければならないと思う人は、その人が立候補する自由があるし、しかし、一方でさまざまな事情で立候補できないということであれば、その人が立候補しない自由もあり、1人の立候補者以外の全ての人が立候補しない自由を行使するということは否定はできないと思うのです。ということで、まず結果を尊重したいと思います。

記者
 分かりました。知事自身も前回選挙では無投票で当選されていますけれども、来年予定されている知事選挙についてはどういう選挙が理想というか、また無投票になってしまう可能性もないわけではないのですけれども、どうなるのが理想で、知事自身が立候補も含めてどういうふうに関わっていくと今の時点でお考えになっているかということを教えてください。

知事
 県の選挙管理委員会としてきちっと準備をし、公正で、また、きちっと法律に基づいた選挙が行われるということを確保することが大事だと思います。

記者
 知事の関わり方、立候補も含めて、今どういうふうにお考えでしょうか。

知事
 選挙管理委員会から必要な予算など(について)財政部局の方にさまざま調整があり、公正な選挙を実施するような予算措置など県としてとっていかなければならないでしょうし、また、人員とか、そういったことをきちっと用意することが務めかなと思います。

記者
 現時点でご自身の出馬についてはどうお考えですか。

知事
 今、特に考えていません。

記者
 先日なのですけれども、岩手県産が公正取引委員会からの警告を受けましたけれども、改めて今回の件を知事はどう受け止めていらっしゃるか教えてください。

知事
 岩手県産株式会社が公正取引委員会から警告を受けたということは、真摯に受け止めなければならないと思います。岩手県産株式会社においては、当該手数料の徴収を取り止めたわけでありますけれども、今後、業務が適正に行われるよう、県としても指導していかなければならないと考えます。

記者
 県が出資する第三セクターへの警告というのは非常に異例だということで、県にも今回の件に対しては事前に報告あったというように聞いていますけれども、改めて県としての対応は問題なかったか、その辺はどうお考えでしょうか。

知事
 警告を受けたということは、行政処分にまでは至っていないわけでありますけれども、やはり真摯に受け止めなければならないと思いますので、そこは商工労働観光部において適切に対応してもらわなければと考えています。

記者
 指導という部分では、どういうことを考えているというのはあるのですか。

知事
 そこは、商工労働観光部において適切に行われるべきと考えます。

記者
 私も岩手県産の件で、警告を受けたということで、岩手県産側の会見もありまして、取材をさせてもらいました。その中で、物流コストの上昇という、流通するために非常にコストがかかっているということで、事務手数料と称して支払代金を減額したというのが今回の警告の内容だったと理解しています。その中で、そもそも岩手県産の設立の趣旨が物産の振興ということで、県内の伝統工芸品だったり、農林水産物、加工品を全国に発信したり、商品開発したりという趣旨のもとに行われている中で、物流コストが上昇した分を生産者側に負担させるということに関して、これは是か非かというのは知事はどう受け止められますか。

知事
 普通一般には、物流コストは生産者が負担するのが商慣行として普通というふうに聞いていますけれども、そういう中で岩手県産が物流コストを負担するような経営をしていたと。そこは、株式会社でありますから、取締役会はじめ、株式会社としてのガバナンスの中で経営のあり方についてはきちっと決めていってもらえばいいと思います。

記者
 会見の中で、今回警告をされたので、手数料自体は止めたということだったのですが、公正取引委員会とも相談して、そういったものが適正に行われるのであれば、今回は事務手数料という形でしたけれども、違う方法で何がしか生産者側にも負担する考えがあるようなお話が出ていたと思うのです。今知事おっしゃったように、岩手県産としてのガバナンスで進めるということの一端だと思うので、その辺りは今おっしゃったように、そういう考えがあって、検討するのであれば、今知事は取締役会長という立場でありますけれども、それは支持されるということで受け取ってよろしいですか。

知事
 取締役会には、商工労働観光部長が取締役として出ていて、私は取締役会には出ないようにしていますので、そちらの方は、株主(である)県としての対応は商工労働観光部長に任せますし、また、経営の方は現場の方でうまく工夫してもらえばと思います。

記者
 外国人の受け入れについて追加で聞かせてください。拙速のそしりを免れない、あと、国民的議論が必要ではないかというご指摘がありましたが、衆(議)院を通過した今、どういう舞台でそういったことが可能だと考えられますか。

知事
 全国知事会はじめ、地方団体と政府の協議の場というものがありますから、そこでの議論が大事だと思います。地方が納得できない形では実現できないことだと思うので、外国人の数が増えていくような国のあり方ということについては、地方が納得して、地方においてさまざまな施策がとられないと成り立たないことだと思いますので、その点しっかり地方団体にまず相談してほしいと思います。

記者
 特に決まっていないことがたくさんあるように見えていて、受け入れ規模であったり、どんな技能の人なのか、あとまさに知事がおっしゃっている支援、どういう支援があるのか、その支援というところに知事は重きを置いていらっしゃるように聞こえましたが、そういうことでよろしいでしょうか。

知事
 支援に重きを置くというか、今さまざまマスコミで技能実習(制度)のもとで日本で働き、暮らしている外国人の人たちのさまざまなよくない事例が紹介されていて、指を失うけがをしたら本国に送還みたいな、それはあまりに非人道的な話で、けがをしたのであれば、そのけがを治すような適切な医療が住んでいるところにおいて得られるようでなければ、それは地方としてもだめだし、日本としても憲法を有するまともな先進国とは言えないわけですから、そういったさまざまな生活上の課題というものを不安のない状態にしていくことが法律を制定する前提になると思います。

記者
 ありがとうございます。最後に、そうした疑問が解消されないまま(衆議院法務委員会での審議が)17時間で終わってしまったことについては、知事どのようにお考えでしょうか。

知事
 全ての日本国民が増えていく外国人を地域で受け入れる主体になるわけであって、そういう国民の納得感というものがあれでは得られないと思います。

広聴広報課
 以上をもちまして記者会見を終わります。
 

 次の定例記者会見は12月13日(木曜日)の予定です。

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