平成30年6月1日知事会見記録

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平成30年6月1日10時00分から10時41分

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いいたします。

知事
 まず、第36回伝統的工芸品月間国民会議全国大会の「岩手県」開催についてです。5月17日に伝統的工芸品月間推進会議が経済産業省において開催されまして、2019年11月に開催される第36回伝統的工芸品月間国民会議全国大会の開催地が岩手県に決定しました。会期は、2019年11月2日から5日までの4日間、記念式典等は盛岡市内、催事は滝沢市の岩手産業文化センターで開催する予定です。
 伝統的工芸品月間国民会議全国大会は、経済産業省が伝統的工芸品に対する国民の理解とその一層の普及を目指し、昭和59年から毎年11月を伝統的工芸品月間と定め、全国各地で開催しているもので、毎年5万人から10万人が来場されます。岩手県での開催は、平成12年度の第17回大会以来、19年ぶり2度目の開催になります。
 岩手県は、日本を代表する伝統的工芸品の南部鉄器をはじめ、県南部には岩谷堂箪笥や平泉文化を現代に伝える秀衡塗、県北部には浄法寺塗など、各地にそれぞれの歴史、風土を背景とした伝統的工芸品や多彩な工芸品があり、復興の取組と合わせてこうしたオール岩手の魅力を発信できるように準備していきたいと思います。
 2つ目の発表事項は、岩手U・Iターンクラブ発足イベントについてです。岩手県では、首都圏の大学等との連携を強化し、県外に進学した学生等のU・Iターン就職を積極的に支援・促進するため、「岩手U・Iターンクラブ」を創設することとし、6月16日に東京都で発足イベントを開催します。
 クラブ発足式では、会員大学の皆さんに、本県の復興の状況や産業振興の状況、若者活躍支援施策等を紹介し、岩手で働き、暮らすことのメリットや魅力についてPRします。また、会員証を贈呈して、学生のU・Iターン就職に向けた協力を依頼します。発足式の後、県、会員大学、県内企業、市町村等が出席する交流会を予定しています。今後の取組に向けた関係機関連携の契機としていきたいと思います。
 また、当日は隣接会場において、県が共催する「岩手県U・Iターンフェア1in秋葉原」、そして、「いわて魅力発信&移住交流トークイベント」を開催することとしていまして、首都圏等県外の学生やU・Iターンを考えている方に岩手で働き、暮らすことを強くアピールできるものと考えています。
 この「岩手U・Iターンクラブ」という新しいネットワークによって、首都圏の学生等に対して、「いわてで働く」という選択肢を強く発信していきたいと思います。
 以上です。

広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。
 
幹事社
 それでは、今の発表事項2件について、各社から質問がありましたらお願いします。

記者
 1つ目の伝統的工芸品月間国民会議全国大会についてお尋ねします。先ほど知事の話の中で(催事は岩手産業文化センター)アピオということでしたけれども、資料を見ると、開催地は盛岡市等とありまして、アピオが恐らく主会場となって、あと今後いろいろ具体的に詰めていかれると思うのですけれども、開催地のイメージとかで何か、例えばさっきおっしゃったような岩谷堂箪笥だったり、浄法寺塗だったり、各地の産地といいますか、発祥地があるのですけれども、何かネットワーク化したりしてイベント等をやるようなお考えもあるのでしょうか。

知事
 毎年やらなければならないイベントという部分と、あとはこの機会に岩手としてプラスアルファでやりたいものとか、そういう中で「等」ということで、広くオール岩手として経済産業大臣指定の伝統的工芸品という4つのもの以外にも、それに類するような工芸品いろいろありますから、今のイメージではそういうのをできるだけ広く発信していきたいなというふうに思っていまして、そのやり方によって場所もいろいろ決まってくるというふうに考えています。

記者
 ありがとうございます。会場に関しては、県南で奥州市でしたかが誘致したいというような動きも見せたような話もあったのですけれども、そこら辺も踏まえて何か広く発信というところでは展開も可能性としてあるのでしょうか。

知事
 そもそも岩手全体、工芸の宝庫でありますし、中でも経済産業大臣指定のこの南部鉄器、岩谷堂箪笥、浄法寺塗、秀衡塗という4つが主役でありますので、そこをうまく総合的にアピールできればと思います。

記者
 私も今の伝統(的)工芸(品)の全国大会について確認なのですが、開催地として今決定しているのは盛岡市という捉え方なのでしょうか、それとも盛岡市が確定していて、他にも県内の市町村で何か関連イベント等をやっていくというような捉え方でよろしいのでしょうか。

知事
 経済産業省で行われた伝統的工芸品月間推進会議において、まず岩手県というふうに決定し、そしてあとは毎年やっている記念式典等と催事については、記念式典等が盛岡市内、催事がアピオですね、滝沢市の岩手産業文化センターで開催の予定というところまでが今決まっているという、今発表できる状態にあるというところです。

記者
 そうすると、今後、何かしら広げていく段階で関係する市町村も含め準備委員会等立ち上げて協議していくというようなことでよろしいのでしょうか。

知事
 ええ、そのとおりです。

記者
 あと2019年の開催ですが、ラグビーワールドカップ™、三陸防災復興プロジェクトと大きなイベントが続いて、19年ぶり2度目の全国大会の開催ですが、その辺り関連して何か産業振興の部分で、あと伝統(的)工芸(品)のPRの部分で、どういった発信というか、岩手のPRをどのようにしていきたいかというか、お考えがあればお聞かせください。

知事
 東芝メモリ、デンソー(岩手)の新工場の建設が決まり、また着工が進んでいる中で、そもそも岩手は伝統的工芸品というのが昔からあって、そういうものづくりの伝統があるというのをアピールするいい機会だと思いますし、また、インバウンド観光振興という観点からも、この南部鉄器をはじめ岩手の伝統的工芸品、最近は南部鉄器に加え漆、漆器ということで、浄法寺塗、秀衡塗、あと岩谷堂箪笥も漆を使ったり、南部鉄器を使ったりしていますから、そういう伝統的工芸品の4品目というのは、海外に対する岩手の一つの顔にもなっているので、それをアピールするいい機会だと思っています。

幹事社
 そのほかありませんか。では、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はないので、各社から質問があればお願いします。

記者
 ILCについてお伺いしますが、昨日、福岡(市)で国際会議がありまして、建設実現に向けて年内に日本政府に前向きな姿勢を求めるような声明を出したということでした。まず、こうした動きについて、知事はどのように受け止めていらっしゃるかお願いします。

知事
 素粒子物理学の進展の中で、ひところは先進国が自前の加速器をどんどん発展させて、競争しながら新しい発見をとやっていた中で、大型の研究施設が必要とされるようになり、ジュネーブ近郊のCERNでまずそういう国際的な連携が一つ成功し、そして次は線形の直線型の次世代加速器を、これは世界みんなで協力して、世界のどこか1カ所に造ろうという話の中で、日本に造るのがいいのではないかということが国際的な研究者の皆さんの間で合意され、そしていざILCを造って運用していくにはこういうふうにやっていけばいいのではないかという具体的なところまで話し合われるようになって、今回の福岡会議まで来ているということだと思います。そのILCが造られる場所として、この岩手県北上山地の合意が形成されてきているわけで、今回の福岡会議というのも、岩手におけるILC建設というのを実現していくための大きな一歩、前進になったと受け止めています。

記者
 また、昨日、文科省の有識者会議も開かれまして、経済波及効果の話も出たようです。3兆円近い経済波及効果があるという試算も出ました。この点についてはどうお考えでしょうか。

知事
 ざっくり言って、日本がILCを建設するということを国民の皆さんに説明できるようにするための根拠というのをどんどん詰める作業をしていただいている中、それがまた一歩進んだなというふうに受け止めています。こうしたILCの研究上の効果に加えて、経済波及効果というのも広く国民に知られるようになって、国民的な支持の中で建設が決まればというふうに思います。

記者
 例年6月は、(各省庁の)概算要求前の政府要望を行っている時期だと思います。今年も恐らく行くのだと思うのですが、そういったILCについての働きかけ、どのように今後取り組んでいこうとお考えでしょうか。

知事
 まずは、6月の岩手県からの政府要望の中でも、ILCは最重要項目でありますので、しかるべく政府に要望、提案を伝えられるよう今調整しているところです。

記者
 例えば、政府のどなたにILCについて要望するとか、決まっているものがあれば教えていただければと思います。

知事
 そこはまだ調整中でありまして、さらに言えば、東北ILC推進協議会で東北ILC推進協議会としての決議が決まって、それを政府に伝えようという話もありますので、それと一緒にやれれば、なお効果的ということで、そちらと一緒に行くような調整も今試みているところです。

幹事社
 ほかにありませんか。

記者
 ILCに絡みましてもう一点お願いします。先ほど話に出ました東北ILC推進協議会の総会での決議というのは、これも6月に政府にお伝えするという流れでいいのでしょうか。

知事
 できるだけ早くという話でありましたので、6月にも。また、岩手県も6月初旬に政府要望を調整していますので、その時一緒にやる可能性もありということです。

記者
 あと、数年前から中国も(加速器を)造るやに、そういう動きがあるやに聞いていますが、これはもう一つ読めないところもありますが、知事はどのようにお考えかをお願いします。

知事
 タイムだったか、ニューズウィークだったか、別の雑誌だったか、何か雑誌の報道で、中国もその加速器科学に力を入れていて、非常に大きな規模の円形の加速器を構想していて、ILCがやるようなことを大規模円形加速器でやるというような話もあるということですけれども、ILC、文字どおりインターナショナルな線形加速器ということで、今回の福岡会議も含め、去年のストラスブールでの会議、おととしの盛岡での会議等々、国際的な加速器研究者の皆さんの作業の蓄積がありますので、そういうのとは全然違う形で中国の方で取り組んでいるのかなということですけれども、まずはILCの方の実現ということで、関係者の合意が早くできればなというふうに思います。

記者
 私もILCのことで、基本的な政府への要請というか、実現を訴える方法として、今もちょっと話で出たような、例えば「今決断しないと経済波及効果とかも逃してしまうし、他の国に持っていかれてしまうよ」みたいな、そういう言い方、そういう論調で要請するものなのか、それとも望ましい実現を訴えるためにどういうロジックというか、論法で申し入れていくのが知事としては望ましいというふうにお考えなのでしょうか。

知事
 中国での独自の動きのようなことも情報を共有する意味では、それはしかるべき形でやれるなら、(政府と)政府に対していろいろ働きかけている団体側とでの情報共有というのはあった方がいいのだと思うのです。共有できる情報を広く共有する中で、政府の方で必要性ということの政府としての理屈を固めて、そして予算にせよ、条約、国際取り決めにせよ、国会に諮るわけですから、ちゃんと国会に出せるような形にまで持っていくために、あらゆる情報を共有する、そういう努力は働きかける団体側からすれば、何でもやるという形で取り組むのがいいのではないかと思います。

記者
 政府もそういう決断するまでのプロセスをつくるために準備しているのだというふうに、好意的に解釈すれば、あと期待を込めて言えばそういうことなのでしょうけれども、今、国会も会期末に向けていろいろ動いていますけれども、いろんな重要な法案とかがある中で、いわゆるモリカケ問題みたいなことで与野党が論戦を展開しているということで、政府も外交的な取組もあったりして、落ちついてILCについて検討して決断を下すのになかなか時間がないような、そういう受け止め方もできるのでしょうか。知事はどう見ていますか。

知事
 日本国政府というのは、巨大な存在でありますので、例えば東日本大震災からの復興や、平成28年台風10号災害からの復旧・復興に必要な作業も国の方できちっとやってくれていますので、公文書管理とかの問題とか、国家戦略特区の問題とか、また特殊な志向性を持った私立の学校と政府の関わり方とか、そういう大事な問題は大事な問題で国会で扱っていただいて、またやるべきことはILCも含め粛々と進めていくことができればいいのではないかと思います。

記者
 ありがとうございます。あと別件でもう一つ、新潟県知事選(挙)が先月の24日に告示されまして、6月10日の投開票に向けて候補者3人出ていますけれども、今選挙期間中なのですけれども、政府与党が推す候補と、あと与党に対抗する野党勢力が推す候補と、事実上一騎打ちのような形なのでしょうか、今論戦が展開されているのですけれども、知事は今回の知事選(挙)、報道等などでどのようにご覧になっていますか。

知事
 なかなか事情が分からないところも多いのですけれども、まさに報道から受ける印象としては、民意を反映し、選挙の結果として前知事さんが当選し、そして活動を始めていたにもかかわらず、プライベートなことが原因で急遽知事を辞めなければならなくなったということで、新潟県民の皆さんとしては知事に急にいなくなられたという思いでありましょうから、ちゃんと前の新潟知事選(挙)の時に示された民意というのをきちんと受け止めて、米山(前)知事がやるべきだったことをちゃんとやるような知事が、新潟県のために誕生すべき局面なのかなと思います。

記者
 ありがとうございます。今おっしゃられたみたいに、原発再稼働ということは1つやっぱり争点になっているということに関しては、前の知事選と同じような争点で争われているのかなと思うのですが、その点と、あと今回の選挙結果が国政にも、近々国政選挙は(衆議院の)解散でもない限りはないのですけれども、国政の今の国会情勢にも影響を与えると言われていますが、この2点については知事はどのようにお考えですか。

知事
 個々の政策論、いわゆる争点まではちょっとよく分からないのですけれども、まず全体として、前回選挙で新潟県民の民意が示されたにもかかわらず、それを受けて働くべき知事さんが急にプライベートな理由で辞めてしまった、それに代わる知事を早く誕生させなければという流れが基本なのだと思います。そして、前回知事選(挙)の時に示された新潟県の民意というのは、少なからず国政に対してもインパクトがあったと記憶していますので、それがきちっと継続されるようにということがポイントなのかなと思います。

記者
 国政への影響というのはどうですか。

知事
 いろんな影響があると思います。個別の政策とかについては、ちょっと今の段階では正確には言及できかねると感じています。

幹事社
 ほかありますか。

記者
 6月に入りまして、来年の春卒業予定の高校生たちに対する求人の受け付けが始まります。就職面接会なんかも始まって、これから本格化していくと思いますけれども、県内の人手不足というのは長年言われていまして、地元の定着、県内就職率のアップに向けて、知事としてはどのように地元就職を図っていきたいなと思っていますか。

知事
 県として発信していかなければならないなと思うのは、いわば「地方完全雇用の時代」になっていて、これは岩手に限らず、ふるさとを離れなくても、誰でもふるさとで就職できる、人手不足時代だからなのですけれども、誰でもふるさとで就職できる時代になっている。そして、地方創生という国を挙げての取組もあって、それぞれの地方がより暮らしやすく、そしてより働きやすく、また、子育てもより子育てしやすくということにそれぞれ地域を挙げて取り組んでいますので、まず地元就職というのを先に検討してほしいなというふうに思います。そして、どうしても地元ではという何かがあればまた県外就職も考えるという、そういう順番で就職を考えるのがいい時代になっているのだということを発信して、岩手県内の皆さんにもそういう理解を求めていきたいです。
 そして、岩手においては、東芝メモリやデンソー(岩手)の新工場建設ということで象徴されるような、自動車、半導体関連産業集積がさらに高度化していく流れがあって、日本全国の中でも珍しく生産や雇用が拡大する流れにある北上川流域エリアですので、そういう製造業を軸にしながら、それだけではなくて世界最先端の第4次産業革命に関わるような産業が発展しているところでは、NPOみたいなソーシャル・エンタープリナー、社会起業的なこともどんどんチャンスが広がるでしょうし、農業や林業、水産業にもチャンスは広がると。そういう岩手特有の可能性というところも見ていただいて、沿岸の被災地イコール復興地も、復興の暁には全国有数、世界トップクラスの安全未来都市のようになっていくわけですので、そういうところでの働きやすさや働きがいということを岩手の皆さんには検討してほしいと思います。

記者
 確かに製造業を中心に求人の水準が高い状態で維持されているというのはあると思うのですけれども、そういったところをアピールポイントというか、軸にしていきたいというお考えでしょうか。

知事
 そうですね、地元就職ということをまず先に考えてほしいという、そういう発想の転換を求めたいですし、そうしますと個別企業の紹介についても年々より詳しく、企業説明会はじめ、知る機会が増えていますので、そういうところを利用して、地元企業を個別にどんどん調べていってほしいと思います。

記者
 ILCに関連してなのですけれども、現在策定中の次期総合計画で、今出ている中間答申案で、ILCのもちろん建設を前提とした記述がいろいろありましたけれども、それについて29日の審議会の方で、万が一だめだった場合にその辺りの記述をどうするのかという指摘もありましたが、それについて知事のお考えを聞かせていただけますでしょうか。

知事
 私としては、加速器科学中心に研究者の皆さんが国際的にILCの準備を進めていく作業がどんどん具体化し、また発展している中で、日本政府としてそれらに反対し、それらを否定するような決定というのは、ほとんどあり得ないのかなと感じていまして、言いかえると日本へのILC建設、それは岩手へのということなのですけれども、ILC建設をしないという決定というのはもう困難な状況になっているのではないかなと思っておりますので、私はあまりILC建設がなしになった場合のことというのは考えなくてもいいのかなと思っています。

記者
 ありがとうございます。あとすみません、別のことなのですけれども、今日から6月に入って、宮古・室蘭フェリーの就航まで3週間になりました。この後も(フェリー)ターミナルの落成式に出席されると思いますけれども、改めてこの路線に対する県内への観光、物流効果への期待と、あと就航後、路線の維持、拡大に向けて、どういうことが重要になってくるか教えていただけますでしょうか。

知事
 まず、岩手で初めてカーフェリーが就航するということで、これは非常に画期的なことだと受け止めています。復興道路の効果、またそれに伴う港湾の復興ということも合わせて、宮古・室蘭間が日本全体にとって格段に便利になるがゆえにカーフェリーが就航するわけですね。ですから、日本全体にとってこの宮古・室蘭間が格段に便利になるというこのチャンスをやはり岩手としても生かしていかなければならないのだと思います。日本中から物資を積んだトラックが宮古港に来て、そこから北海道に行ったり、北海道中の物資を集めたものが室蘭港から宮古港に入ってきて、そこからまた全国に行くという、そういうオールジャパンの物流に対してきちっと貢献ができる、そういう岩手でなければだめですので、ターミナルの設備とか、あと港湾の設備、いろいろタグボートとか、また全く新しく導入したものもあるわけですよね。そういうのをきちっと運用されるようにしていくことがまず第一だと思います。そういうフェリー航路の開設によって、観光についても非常に便利になるので、改めて岩手と北海道のつながりということを確認し、それを生かした観光を振興していきたいと思います。
 私はよく言うのですけれども、岩手県の各家、どこの家にもといいましょうか、ほとんどの家といいましょうか、木彫りの熊の人形が置いてあると言っていいと思うのです。これは、親戚が北海道にいるとか、修学旅行で北海道に行ったとか、北海道の人がお土産に持ってきたとか、かなり潜在的に岩手と北海道のつながりというのはありますので、宮古・室蘭間のフェリー航路を活用して、今までになかったような行ったり来たりを増やしていければというふうに思います。

記者
 明日から(東北)絆まつりが始まりますけれども、(たくさんの)来客、来場が見込まれますけれども、知事として期待したいこと、あと県内外の方々に呼びかけたいことを教えていただきたいと思うのですけれども。

知事
 東日本大震災からの復興という(東北)六魂祭のテーマを引き継いだ(東北)絆まつりでありますので、改めて日本全体にとっても戦後最悪、かつてないような犠牲と被害が出た東日本大震災津波に思いを寄せていただいて、そして復興に頑張る東北全体に改めて注目してほしいと思います。そういう思いを寄せたり、注目してもらい、テレビや新聞など報道で見ていただくだけでもありがたいのですけれども、やはり実際来ていただいて、(まつり)前後泊まっていただいたりして、お祭りプラス沿岸の方にも足を運んでもらったりとか、いろいろ物産を楽しんでいただいたりとか、そういうことをこの機会にしていただきたいと思います。
 県も盛岡から沿岸の方に行くバスツアーなどを支援したりとかしていますし、また、沿岸の郷土芸能を盛岡の方の会場で披露するような企画も県も手伝っていますので、この機会にそのオールジャパンで東日本大震災からの復興をということをまた盛り上げてもらえればと思います。

記者
 先ほど総合計画の話がありましたけれども、これに関連して、先日発表された県民意識調査で、幸福だとどれぐらい感じていますかという項目ありましたけれども、県北広域振興圏だけ50%を下回って、幸福だと感じないという割合を感じたのも県北が一番多く、23%となっていましたけれども、この結果について差があるとお考えですか。

知事
 いろいろ分析が必要だし、また経年的な変化ですね、年が進むにつれてどう変化するかなんていうところも重要だと思いますけれども、一方で岩手沿岸の復興、そして内陸の方の北上川流域の第4次産業革命的なダイナミックな動きなどと比べて、県北の取り残され感のようなイメージがそういう幸福と感じる意識調査にも影響しているのかなとも思いますので、やはり県北としての希望を持ってもらえるような施策に県としても力を入れていかなければならないと思います。
 縄文遺跡(群)の世界遺産登録を目指すとか、相馬大作の顕彰を行うとか、いろんなそういう意識面に関わることも大事だと思いますし、また、県北ならではの産業振興ということも引き続き力を入れていかなければならないと思います。
 また、観光についても東北のインバウンド観光は、まず青森県が一番増えて、北から来ている感じがありますので、そういう東北のインバウンドは北からという中で、岩手県北がまた大きい役割を果たせるように持っていくとか、そういうところも工夫していきたいと思います。

記者
 正直、話題になる明るい話題、今日もILCとか(東北)絆まつりとか、そういうのはやっぱり県北が取り残されているという感じがあるというのは、実感としてあるかなと思いますけれども、総合計画の中で何か象徴的に地域格差とか、そういったものに解消する方策として、アイデアを何かお持ちでしたら教えていただけますでしょうか。

知事
 広域振興局ごとの計画の中でいろいろ磨いていくということがあるのですけれども、オール岩手としての取組の中でも、特に県北の方に影響あるような施策というのは、また工夫をしていきたいと思います。

広聴広報課
 以上をもちまして記者会見を終わります。

 次の定例記者会見は6月13日(水曜日)の予定です。

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