平成30年7月5日知事会見記録
平成30年7月5日10時30分から11時02分
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いいたします。
知事
まず、「三陸防災復興プロジェクト2019プレイベント」の開催、そして観覧者の募集についてです。ラグビーワールドカップ2019™の開催地である釜石鵜住居復興スタジアムの8月19日のオープニングイベントに合わせて、8月18日と19日の両日、釜石市において「三陸防災復興プロジェクト2019プレイベント」を開催します。
三陸防災復興プロジェクト2019は、来年、2019年6月1日から8月7日までの68日間開催いたします。これは、復興に力強く取り組んでいる地域の姿を発信し、東日本大震災津波の風化を防ぐとともに、国内外からの復興への支援に対する感謝を示し、また、東日本大震災津波の記憶と教訓を伝え、日本国内や世界の防災力向上にも貢献していくこと、さらには三陸地域の多様な魅力の国内外への発信と交流の活発化により、新しい三陸の創造につなげていくことを目的として開催するものです。
プレイベントでは、8月18日、釜石市民ホールTETTO(テット)において三陸防災復興プロジェクト2019の開催の趣旨や催事概要を紹介します。そして、大槌(高校)復興研究会の発表、釜石商工高校の虎舞演舞、釜石高校の合唱、合奏、さらにスペシャルゲストとして、復興支援活動を熱心に行ってくださっている平原綾香(ひらはら・あやか)さんのミニライブがあります。翌8月19日は、釜石鵜住居復興スタジアムのオープニングイベントの中で、三陸防災復興プロジェクト2019の情報発信を行います。今日からこのプレイベントの観覧の募集をホームページなどで開始しますので、多くの方々にご来場いただければと思います。
次に、知事を団長とする岩手県ミッション団の台湾訪問についてです。7月11日から14日にかけて台湾を訪問し、航空会社や旅行会社に対し、台湾・花巻路線の利用促進や台湾からの誘客拡大に向けた観光PR等を行います。現地では、これまでのチャーター便の運航と、定期便化に向けた取組に対する御礼と、引き続きの連携強化を図るため、中華航空、タイガーエア台湾及び台湾の旅行会社を訪問します。さらに、今年、盛岡青年会議所と台湾の羅東(らとう)國際青年商會との交流が50周年を迎えることを記念し、宜蘭(ぎらん)県羅東市で開催される記念式典など関連行事に出席します。花巻空港への台湾定期便化をPRする良い機会ですので、羅東市でも一層の誘客拡大と交流促進に向け、本県のPRに努めていきたいと思っています。
台湾へのミッション団訪問は、震災後の平成24年度から続けており、今回で7年目となります。昨年度は、いわて花巻空港へのチャーター便の大幅な増加もあり、平成29年の台湾から本県への宿泊者数は過去最高の11万3000人泊となるなど、本県の観光業界にとって台湾は非常に重要な市場であります。今回の訪問により、いわて花巻空港初の国際定期便化がさらに盛り上がり、多方面での台湾との交流が一層深まることを期待しています。
以上です。
広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
幹事社
質問の前に記者クラブに新しく転入された方がいらっしゃるので、その方から一言ご挨拶をお願いします。
(記者紹介)
幹事社
それでは、ただいまの発表事項2点について各社さんから質問があればよろしくお願いします。
記者
三陸防災復興プロジェクト(2019)のプレイベントの件でお尋ねします。
当然当日までのお楽しみだとは思いつつ、実施宣言、どんなような趣旨を盛り込めればなというのがあればぜひ教えてください。
知事
さっきも述べたような趣旨でいろいろパンフレット(基本計画概要書)とかにも書いているものであります。まず、東日本大震災津波の風化を防ぐということが第一であります。そして、国内外からの復興への支援に対する感謝ということがそれに続き、また、東日本大震災津波の記憶と教訓の伝承ですね。そして、三陸地域の多様な魅力の国内外への発信と交流の活発化で、新しい三陸の創造につなげていくというところが趣旨になります。
記者
ありがとうございます。あと実際、本番は来年の約2カ月間ですけれども、このプレイベントをもって実質的に来年に向けて継続的な盛り上げを図っていきたいという思いもお持ちでしょうか。
知事
そうですね、今言ったような趣旨というのは、実は今この瞬間にも発信すべきことでありますので、そういう意味では本番2カ月ちょっとに先んじて、まずプレイベントの形で本番でやろうとしていることをやるというところもあります。
また、ラグビーワールドカップ2019™岩手県・釜石市開催というものも、これは世界のラグビーの取組の流れの中で、ラグビーのイベントとして行われるわけではありますけれども、東日本大震災津波のことを伝え、また、復興の今を見ていただいて感謝の気持ちを伝える絶好の機会でもありますし、そういう東京オリンピック・パラリンピックは復興五輪とか呼ばれているわけですけれども、同じような意義がラグビーワールドカップ2019™岩手県・釜石市開催にはあると思っていますので、そういう意義をより明確にして強くアピールするためにも三陸防災復興プロジェクト2019プレイベントを釜石鵜住居復興スタジアムのオープニングイベントと合わせて行うことに意義があるというふうに考えています。
記者
台湾訪問の関係でお伺いします。11日から訪問して旅行会社であるとか、そういったところと連携強化を確認するというお話でした。昨日、8月1日の定期便就航という話も(タイガーエア台湾)張会長の方からありまして、そういった具体的な日にちが出て、初めて台湾に行くということになると思いますが、特にも今回の訪問でどういったところを訴えるなり、取り組んでいきたいとお考えなのかお聞かせください。
知事
まず、準備万端整えて遺漏なく8月1日を迎えるということが大事だと思っておりますし、また、いよいよ8月1日、歴史的な花巻・台湾間の定期便化ということを広く知っていただくためにも、(定期便化)直前にミッション団訪問ということの意義があるというふうに考えています。
記者
ちょっと気が早いかもしれませんが、定期便化が実現すれば、次は持続的に長くやっていくと、路線を維持していくというのが大事になると思うのですが、その点課題というのはどんなところだとお考えでしょうか。
知事
通年でお客さんが利用するということで、チャーター便、定期チャーター便となってかなりもうほとんど定期便に近いような運航にはなっているのですけれども、もともとチャーター便、観光の目玉というふうに広く知られる季節を中心にやったわけですけれども、それ以外の季節にも需要があるようにしていくということが大事だと思います。
幹事社
各社さん特にありますでしょうか。ないようでしたら、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はございませんので、各社さんから質問があればよろしくお願いします。
記者
ILCについてお伺いしたいのですけれども、昨日、国の有識者会議の報告書案がまとまりました。このことに、まずまとまったことについての所感と今後の期待を教えてください。
知事
有識者会議において、ILC計画の科学的意義や建設運営コスト、国際協力の状況等について議論され、特に250ギガ(電子)ボルト(への)ILCへの計画見直しについて、改めて科学的意義が確認されるなど一定の評価がなされ、日本がホストする国際協力に向けて前進したものというふうに受け止めています。
記者
一方で、報告書案の中で厳しい指摘もあったと思います。例えば、日本の負担割合が高くて、国民の理解が必要だとか、そういったことも指摘されていましたけれども、そのことについてどうお考えですか。
知事
コストが大きい、高いというのは最初からそういう話でありましたので、それに対して国際的な経費分担のあり方などについてこの議論が深まっていったということは、実現に向けて着実な前進ということではないかと思っています。そして、国民の理解、協力を得ることというのも、これも関係者の間では認識されていて、ILCサポーターズの運動やILC100人委員会の設立など、そういう取組も進んでいるところで、ILCの意義について広く国民に理解していただきたいという思いは地元の私たちもそのとおりでありますので、そのような方向で、さまざまな動きが進んで、ILCの実現につながっていけばいいなというふうに考えます。
記者
一方で、ILCについての理解というのは、東北、岩手では広がっているかなと思うのですけれども、それ以外のところであまり広がっていないのではないかと感じます。この報告書の中でも、そういったこととか、国民の理解について深める必要があるということとか、あと、外国の持続的な財政支援や費用分担が必要だということが言われているのですけれども、また、政府の中でも慎重な意見が出ているような話も聞いていますが、今後どのような戦略でILC実現に向けて進めていきたいでしょうか。
知事
大規模科学研究というのは、ひところメガサイエンスという言葉で呼ばれていて、私が外務省で働いていた時、国連局科学課に配属され、配属されている間に、それは国際科学協力室という名前に変わったのですけれども、ちょうどメガサイエンス花盛りのころだったのですが、アメリカの国際宇宙ステーションも、たしかまだソ連、ロシアのミールと競争でしたし、あとは加速器については、アメリカ、テキサスにアメリカ独自の巨大円形加速器をつくるという動きがあったり、国家間競争というところが強かったと思うのですが、やがて国際宇宙ステーションも、もう今や、昔はアメリカのスペースシャトルで行っていたのがロシアのソユーズで行くようになっていて、広く国際協力で巨大科学研究を進めるのだという時代になってきていて、最初からそういうふうに組み立てられてきた初めてのケースがILC、国際リニアコライダーなのではないかと思います。
「I」というインターナショナルという言葉が最初からついて進んできたということで、宇宙と違って国家間競争していた時代、華々しく国民にもどういうものかが見えていたのと違って、特にリニアコライダーの巨大なものというのはまだこの世に存在していないので、存在しないものを広く知ってもらい、理解を深めてもらうというのは、存在するものについてやるより大変ではあるのですけれども、ただその意義は大きいものがあると思っていまして、今までなかったようなそういう巨大な直線加速器を今までなかったような国際的な協力の枠組みでやっていくのだと。そして、今までわからなかった物質の根源、宇宙の始まり、そういったことについてかなり詳しく調べることができるのだという、そういうことをどれも新しいことではあるのですけれども、日本国民にとってそれは知るに値し、理解を深めるに値することなので、地元としてもこれは頑張っていきたいと思います。
そのために、このILCサポーターズの運動とか、(ILC)100人委員会とか、科学研究に関連しては今までなかったようなそういう国民運動的な取組も出てきていますので、いろんな工夫をしながら、今までやったことないようなこともどんどんやりながら理解を広めていくことができればというふうに思います。
記者
では最後に、やはり最後に決めるのは政府になるわけで、今現状、地元選出の国会議員の方々というのはもちろん理解があるのかなと思うのですけれども、それ以外の方々に対してどのように理解を深めていく、どのように誘致に向けて進めていきたいでしょうか。
知事
文(部)科学校法人省のもとに置かれた有識者会議の検討が終わって、次は日本学術会議に議論の場が移るということで、よりオールジャパン、政府全体として検討に取り組むという中で、広く全ての国会議員の皆さんに知っていただくチャンスでもあると思います。既にさまざまな活動を展開している超党派の議員連盟とも連携し、東北、地元の側のさまざまな団体とも力を合わせて、より広く知っていただき、また理解を深めていただくということをさらに力を入れていきたいと思います。
記者
もう一点、難しい質問かもしれないのですけれども、知事はILC実現、今どの程度まで来ている、何合目まで来ているとお考えでしょうか。
知事
検討すればするほどその意義ということが見えてきて、やはりやめるわけにはいかない、やらなければならないことだというふうに見えてきていると思います。あとは経費負担の仕組み、またそれをどういう段取りで決めていくかという、事務的といえば事務的、ただ、今までやったことがないようなことなので、前例があるわけではないので、やはり今までやったことないようなことを新しく組み立てていかなければならないというところにどのくらい時間がかかるのか予測が難しいところがあるのですけれども、しかし日本政府、日本国民、そして国際的な協力の中で、決してできないことではないと思いますので、そういう意味ではもう実現に向かって着実に進んでいるなというような実感を得ています。
記者
先日、2019年の参(議)院(議員)選(挙)に向けて平野氏が出馬表明をしましたが、3年前の知事選(挙)では、一時出馬表明をするというような態度も示されましたが、知事ご自身は平野氏の出馬についてどのようにお考えでしょうか。
知事
まだ党本部の方で正式に決まっていることでもないですし、政党の決定の中のプロセスの話、つまり政党から離れて、もう既に立候補を決めたということではないと受け止めていますので、まだ決まっていないこと、かつ、政党の自治の問題、内部の決定過程問題でもありましょうから、コメントは控えさせていただきたいと思います。
記者
それは、要は自民党の公認をまだ受けていないというような段階で、コメントはまだ差し控えるというような捉え方でよろしいのでしょうか。
知事
今現在、そもそも選挙もまだ先の話ですし、知事として何か言う段階にはないなという感じを受けています。
記者
わかりました。あと2019年は知事選(挙)もありますが、以前の会見では1年前の表明は早過ぎたというようなことも発言されていましたが、今ご自身の中で態度表明の時期というのはどのようにお考えでしょうか。
知事
福島県知事さんが最近出馬表明されましたけれども、たしか11月の任期満了でそのくらい前のタイミングで、なるほど、こういうタイミングで福島県知事さんは表明されたのだなというふうに思って見ておりました。
記者
それは、参考にするということなのでしょうか。
知事
内堀知事とはちょうど発表の前日、福島競馬の競馬場100周年記念で直接会っていろいろ話もしていたので、政治家の、あるいは知事としての、また復興に取り組みながら身を処す仕方としては、なるほどなというふうに、その発表を報道で見ていたところです。
記者
ご自身の考えについては、まだ未定というようなところなのでしょうか。
知事
これも一般論として、内堀知事はこうされるのだなという感じで見ていたということです。
記者
私も次期参(議)院(議員)選(挙)のことについてお尋ねします。今、コメントは差し控えたいということだったので、そう理解します。ただ、一方で3年前のことで言うと、特に平野さんが(知事選挙に)出るとおっしゃっていて、結局途中で取りやめたことで達増知事の3選が無競争で決まったわけですけれども、当時の記者会見等でやりとりしていた時には、まずなぜそういうふうに至ったか、擁立も含めてもっと説明が必要だというふうに知事はおっしゃっていたのと、あと国会多数派と民意が乖離しているというところまで発言も踏み込んでおりました。そういうのを踏まえると、参(議)院(議員)選(挙)に出ること自体に、正式に公認されるかどうかはともかく、そういうことをした方が今回参(議)院(議員)選(挙)に自分の出馬に関して動いたということに対して、知事はどういうふうな受け止めをされますか。
知事
選挙の主役は有権者だと思っていまして、それで3年に1度の参議院議員選挙(は)、衆議院の解散総選挙と違って、選挙をいつやるかということがあらかじめかちっと決まっていて、そこに向けて心の準備もしながら選挙に臨むことができるので、そういう意味ではまず、有権者の側が次の参(議)院(議員)選(挙)をどういう選挙にしていくべきかというのを考えていくのが先にある方がいいと思います。ただ、去年、突然の解散総選挙があって、あの時の選挙の理由は消費税を教育にも使っていいのかということが、それで民意を問わなければならないということだったんでしたっけ。消費税のあり方をめぐって解散総選挙というのが続いていたのですよね。ただ、選挙の後、消費税の問題もさることながら憲法改正の問題ですとか、安全保障関連法の問題ですとか、全然選挙の争点と違うことが国会の主要な争点になり、また今はいわゆるモリカケ問題ということがかなり国会の議論の大きな部分を占めていると。主役である有権者が投票行動を通じて願いをかなえるということが選挙のあるべき姿なので、なかなかまだ来年の参(議)院(議員)選(挙)に向けて、何を選挙でどういう願いを持ってどう考えていけばいいのかというのが見えてきてないところがあるのではないかなと思います。今の国会でいろいろ取り沙汰されていることが早くクリアになってくれればその先に進んでいけるのだと思うのですけれども、まだ何か有権者の皆さんとしては参(議)院(議員)選(挙)は遠いなという感じでいるのではないのですか。
記者
わかりました。あと別件でもう一点、ILCに関連して私もお尋ねします。6月の知事会見の時にILCの建設が実現されなかった場合についてどう考えるかという質問が出た際に、知事が政府として反対し、否定する決定はほとんどあり得ないというような趣旨の発言をなさいました。これに関して、過日の県議会でこの発言をめぐって知事の立場でそういう表現をするというのはいかがなものかと、あと国からも何か一部その発言に対して言及があったとのやりとりがあったのですが、知事はこの「あり得ない」とか、あと「日本、岩手に建設をしない決定は困難な状況になっており、考えなくてもよいのではないか」というのは、先ほどの着実に進んでいると実感しているという流れの一つだとは思うのですけれども、改めて真意といいますか、どういう趣旨かもう一度確認させていただいてよろしいでしょうか。
知事
あれはたしか次期総合計画との関係で、ILCが結局やらないことに、政府がやらないと決めた場合でも次期総合計画にILCを盛り込むのかという疑問があって、それについてどう思うかという問いに対して答える中で、どう答えたかはもう記録が残っているからそれを見ていただければいいと思うのですけれども、要は(次期)総合計画にILCはやはり盛り込んだ方がいいということが私の言いたかったことで、実際素案の中にはILCに関する言及が何カ所かに入っているような次期総合計画の素案になっています。今私は、次期総合計画を策定するに当たって、ILCをやらないことになるということを前提に考えて次期総合計画を作らなければならないとは思っていないということをこの記者会見で答えたつもりですし、その考えは今も変わっていません。
次期総合計画の作り方については、知事として、あるいは県として判断して対応していいのではないかなと思います。
記者
これまで推進に取り組んできたという中で、それ(ILC)がない場合も想定して(計画を)作るというのは、県の立場としてはあり得ないと、そういうことでもあるのでしょうか。
知事
いずれちゃんとILCというのを次期総合計画素案の中にも言及しながら今作業を進めています。
広聴広報課
以上をもちまして記者会見を終わります。
次の定例記者会見は7月20日(金曜日)の予定です。
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