平成30年4月2日知事会見記録

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ページ番号1000743 

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平成30年4月2日10時49分から11時22分

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。本日は知事からの発表はございません。
 
幹事社
 質問の前に記者クラブへの転入者を紹介いたします。転入者から一言挨拶をお願いいたします。

 (記者紹介)

幹事社
 本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はございませんので、各社から質問があればお願いいたします。

記者
 先ほど今年度の訓示も終わったところですが、昨年度末にILC東北準備室の方で(ILC東北)マスタープランの概要が公表されまして、その中で初めてメーンキャンパスについて、一関市か奥州市かということが明記されたのですが、その辺りについて知事の所感とお考えをお聞かせください。

知事
 まず、全体としてより具体的なイメージを持っていただけるような、そういうマスタープランができたのではないかなというふうに思います。国と地方、県と市町村、民間との役割分担を示していくということもポイントでありまして、そういう中でキャンパス機能とか、そういうことも近くの市が担っていくというような内容になっているわけですけれども、これで特に政府においてILC建設を決定していくための材料というものがより充実してきたのではないかなというふうに思います。

記者
 特にもプランの中では、要はコアゾーンとして盛岡から仙台まで幅広い中での設定があるのに対して、その中で岩手県から2市がメーンの研究所としてふさわしいのではないかということについて、あと、今後政府の方にも4月に具体案を公表して、政府に提出するというお話ですが、2つの市が選ばれたことについて、岩手県としてはさらに誘致に向けた得策というか、何かございましたらお願いします。

知事
 最終的には運営主体において決定されるものでありましょうから、それが国際機関であれば国際機関において決定する、また日本政府であれば、そこは日本政府が決めることだと思うのですけれども、そういう段階にまで持っていくためにどういうことを決めればいいのかということを地元として、そして科学者、研究者の皆さんの方からの知見として、マスタープランをまとめるということが目的でありますので、政府における検討プロセス、これは関係国も含めてでありますけれども、それが一層スムーズになっていくことを期待します。

記者
 先ほど行われた年度始めの知事の訓示の中身のことでお尋ねしたいと思います。ふるさと振興総合戦略の関係の中で、3本柱にある「働く」、「育てる」、「暮らす」、それぞれが幸福追求の確かな営みになるよう、幸福のための構造改革を力強く進めようという呼びかけがありました。「幸福」については、次期総合計画のキーワードになっていて、今、策定作業が進んでいるわけですけれども、幸福のための構造改革というのは新しいフレーズなのかなと思うのですが、総合計画と、あとふるさと振興総合戦略とどういう関係性で幸福というのはさらに深めていこうというお考えなのか、その点、先ほどのお話の趣旨も含めてお聞かせください。

知事
 さまざまな問題を解決していくために、やはり変化を起こしていくことが必要で、それを構造改革と言っていいと思うのですけれども、経済や社会の構造改革ですね。ただ、過去さまざまな構造改革が唱えられ、その構造改革はGDPを増やすこと、経済成長のための構造改革で、経済成長の数字が良くなりさえすれば、格差の問題とか貧困の問題とかについては二の次みたいな、そういうところがあったり、また、国の財政赤字を減らすための構造改革というような構造改革が唱えられ、それでかえって日本経済が弱くなり、地方も衰退し、国の財政もなかなか健全化しないというようなことが起きたりしていると思います。一見、その目標だけを見るとそれは正しい目標で、誰も反対できない目標を掲げた構造改革というものが、その目標以外をないがしろにすることで、かえって事態を悪化させるということが、ある種平成30年間続いてきたようなところがありますが、「幸福」というキーワードを使いますと、岩手県の幸福指標の研究会の報告書にあったように、およそ人間の営み、地方では住民、国では国民の民の営みの経済関係から社会経済、自然環境やら歴史、文化まで含んだ全ての営みが向上していくということをきちっと見ていくことができる、そういう構造改革ということを地方からやっていかなければならない。そして、当面直面する課題として、人口減少問題ということがあって、それを克服していくためにもそういう人間の営み全般をきちっと包括的に、総合的に、しかも相乗効果も合わせて高めていくことができるような構造改革を地方においてしていかなければならないという時に、幸福という目標は非常にいいのではないかなというふうに思っています。

記者
 そうすると、幸福追求という目的と、それを果たすために次期総合計画とふるさと振興総合戦略はそれぞれ手段だと思うのですけれども、武器というか、例えるならそれぞれどういう役割を担うものになるということでしょうか。

知事
 それは、これから決めていくことでありまして、新しい総合計画については幸福のための構造改革の計画になることが好ましいと思いますし、ふるさと振興総合戦略は既にあって、それに沿ってさまざま事業を展開しているのですけれども、これはより強化していかなければならないので、そのより強化していく際に幸福のための構造改革という発想がいい方向に強化していくことにつながると思います。

記者
 ありがとうございました。あともう一点、後段に明治維新や原敬首相就任のところの話で、世界的にデモクラシーと国際協調が危機に直面しているという指摘がありました。国際協調に関しては北朝鮮というか、朝鮮半島情勢のことを踏まえているのかなと思うのですが、デモクラシーのことにも触れておりますけれども、具体的にこのデモクラシーの危機というのは世界ということなので、日本に限ったことではないと思うのですが、日本に関してのデモクラシーの危機というのは今どういうところにあると捉えていらっしゃるでしょうか。

知事
 戦後、デモクラシーも、国際協調も、基本的には良くなっていくような方向にずっとあったと思うのです。でも最近、世界各地でさまざまな形でデモクラシーの発展について悩ましい状況が展開したり、また、国際協調についても逆行するような動きが、これは安全保障、軍事の分野だけでなく、経済の分野とか、あとは移民の問題のような社会的な分野でも出てきているということです。日本においてそれがどうなのかということについては、論点がいっぱいあるので、枚挙にいとまがないのかなという感じがするのですけれども、今日のこの年度初日の私の目的としては、今の日本の問題点をあげつらって、どうだ、ああだ、こうだとかいうよりも、まず岩手において地方自治の発展を通じてデモクラシーの進展とか、国際協調の進展、国際協調の進展の背後には多様性を尊重して、あらゆる人たちが共生していくことができるというような共生社会の実現と言ってもいいのですけれども、そうしたことを地方において、岩手においてやっていきましょうということを今日は強く訴えたいと思います。

記者
 わかりました。地方自治とその国際協調の趣旨はそういうことなのだと

知事
 それで多様性を尊重しようという

記者
 ネクタイが

知事
 アール・ブリュットネクタイを今日はしてきています。

記者
 わかりました。ありがとうございました。

知事
 これは、岩手の方がデザインしたアール・ブリュットネクタイ。

記者
 わかりました。さはさりながら、日本に関しての論点はたくさんあって、枚挙にいとまがないということでしたが、先週、前国税庁長官の証人喚問が行われました。いろいろそこから野党でさらに引き続き議論が噴出しているのですが、森友問題あるいは公文書の改ざん、書きかえ問題について、報道等をご覧になって、この前の証人喚問、知事はどのようにご覧になりましたか。

知事
 ちょっと正確に思い出すことができないので、思い出すままに答えますと、丸川議員さんが何とかじゃないですね、ノーですね、ノーですねみたいな「ですね」質問を幾つかしたのに対して、ノーです、ノーです、ノーですというような答弁があったのですけれども、明確な根拠を示さないでああいうふうに言い切るというのはいかがなものかと思って聞いていました。あれはどういう意味でそう言っているのかというのをもっと敷衍しないと、虚偽答弁、偽証の可能性が高いと思っていまして、せっかく証人喚問やったのに偽証の疑いが持たれるようではだめですから、その辺国会の方でうまくやってほしいなと思います。

記者
 野党の方からは、今少しおっしゃったこととかぶるようですが、疑惑が深まったというような指摘もありますが、知事もそのような認識でしょうか。

知事
 偽証してまである真実を隠そうとするということは、やっぱり疑われていたことがあったという、これは疑問に対してそれの答えを明確にするようなことなので、疑惑が深まるというよりは、逆に事の本質が見えてきたというような感じに受け止めてはいるのですけれども、ただまだ偽証と決まったわけではなく、その辺の、偽証ではないかという疑いに対して、いやいや、こういう意味でそう答弁したというような追加説明みたいなのがあれば、またそれはそれでさらに事態を明らかにしていくことにつながるので、そういうことを期待します。

記者
 先ほど訓示など終わったところではあるのですが、改めて新年度はどのような年にしたいか、それから今年度さまざま課題とか事業があるのですが、特に強調したい部分ありましたら教えてください。

知事
 まず、復興とふるさと振興ということが今年度も大事です。また、復興については、今の復興計画の最終年度で、計画にある事業をしっかり進めて、その次につなげていく、そういう大事な年度であります。そして、ふるさと振興面については、これは現行総合計画の最終年度だということで、現行総合計画に沿った施策をしっかり進めていきながら、それがふるさと振興総合戦略とも相まって、そういった問題を解決する方向に力強く進んでいかなければならない年でもあります。そして、復興計画と総合計画の新しいものを作らなければならない年度でもあって、今の計画に基づく事業を展開しながら、次の計画も策定して、そういう意味では新しい計画の方向性のようなものを今年度からさまざま取り入れて、幸福というテーマを意識したりとか、第4次産業革命的なイノベーションということを意識してやっていくとか、そういう年度にしていきたいというふうに思います。

記者
 ありがとうございます。もう一点ちょっと別のお話になるのですが、けさ方アメリカで、メジャー(リーグ)で大谷選手が初登板、初勝利上げました。また、(選抜高校野球で)花巻東(高校)も(昨日)敗れてはしまったのですけれども、かなり健闘したということで、所感があればお願いいたします。

知事
 大谷君は、まず開幕戦にバッターとして出て、初打席、初球打ちでヒットを打ったということが本当にすごかったと思いますし、そして初登板で勝利投手になったということもすごいと思います。二刀流でデビューに成功したと言ってもよく、大リーグの歴史に新しいページをしっかりと刻んだということで、本当にすごいことをしているなと感心しております。
 また、花巻東高校のベスト8入りという活躍ですね。昨日の試合は残念な結果に終わりましたけれども、その前の試合なぞは守備と攻撃、それぞれに花巻東(高校)らしさが出て、接戦、延長サヨナラ勝ちということで、すばらしい試合だったと思います。そこに菊池雄星君、何か雄星君については、非常にすごみのある圧倒的な開幕勝利投手で、雄星投手と何か肩書きをつけなければならないのではないかという気持ちになるほどすごみのある日本プロ野球界最強のピッチャーという感じのピッチングをしてくれて、母校の活躍と大谷君の大リーグの活躍、合わせて非常に大変なことがこの春起きているなというふうに思っています。
 あと、明日への一歩という言葉に引き寄せれば、それぞれ非常に力強い大きな強い明日への一歩を踏みしめたなと思っていて、ここは私もあやかりたいですし、岩手県全体としてそういう若い皆さんの活躍を力にして、岩手全体としても力強い明日への一歩を踏みしめていきたいと思います。

記者
 ラグビーワールドカップ™のチケットの発売と、あとは購入についてお伺いします。先月の19日から開催地の住民限定の先行抽選販売というのが始まっていまして、今後一般販売とどんどんチケットの購入をする機会が増えていくと思います。ただ、インターネットを介しての購入ということで、私の周りなんかでも高齢者を中心にちょっとお前、チケット取ってくれないかとか、よく頼まれたりもするのですけれども、そういうインターネットにアクセスをするのがなかなか困難な方々に対して購入を手助けするような何か取組を、主催者でないのであれなのですけれども、県として何かイメージありますでしょうか。

知事
 まず、地元を優先していただいているというのは、非常にありがたい配慮だと思っております。また、どこか1カ所に並んで行列して早い者勝ちとか、あるいはコンサートのチケット予約のような電話で早い者勝ちとか、そういうのに比べるとまだどんな人にでもチャンスがあるようなやり方をしていただいているのかなというふうには思っておりまして、せっかくそういう配慮に配慮を重ねていただいているような格好ですので、インターネットが苦手な方とかが不利にならないように、そこは何か工夫できればなと思います。

記者
 それこそ楽天イーグルスなんかは被災地の小学生を自分たちのスタジアムに招いてとかというのをやっていますけれども、県は主催者、主体でないので、なかなか難しいかとは思うのですけれども、何かそういったことというのは決めていますか。

知事
 児童生徒枠のようなものは確保してもらう方向で調整していまして、その辺は沿岸部の児童生徒の中からきちっと会場で試合を見ることができる人たちを一定数確保するよう調整しています。

記者
 先ほど明日への一歩というようなお言葉ありましたけれども、今日から新年度が本格始動するに当たって、2018年度を象徴するようなお言葉というのは何かキーワードとして考えていらっしゃったら教えていただきたいなと。正月の会見の時に、「今年の」とお聞きしたときには思いついたら随時というふうにおっしゃっていたので、18年度を象徴するようなものを今のところ考えているキーワードがありましたらお願いします。

知事
 明日への一歩というのは、予算の名前にも付けられたわけですが、そういう意味で平成30年度、2018年度、明日への一歩という、そういう年度だといっていいと思います。まず、今目の前にある課題にしっかり取り組むことが明日への一歩になりますし、同時に次期総合計画を策定したりして、平成の次の時代のあり方を決める年度という意味でも明日への一歩年度と言っていいのではないかと思います。

記者
 わかりました。そうしましたら、予算と同様に年度の(キーワード)ということですか。

知事
 そうですね。あと原敬首相就任100周年で、相馬大作私塾開設200周年の年でもあるというのもいいのではないかと思いますね。
 明治維新150年ということについて、やっぱりいろいろ当時賊軍と呼ばれた地域や人たちについての配慮がないのではないかとか、そういう人たちのまず謝罪から始めるべきではないかというふうに書いている本も読んだりしましたけれども。あとは、明治維新が結局日本軍国主義につながったのではないかという批判もありますよね。だから、そうですね、お正月から3カ月経っているのですけれども、年度の始まりに当たって、せっかくの明治維新150年ですから、日本全体としてそれを意義あるものにしていくために、岩手からの視点というのは非常に有効ではないかと思っています。もう相馬大作の辺りから始まって、いわば日本の近代化という意味では、これは日本全体みんなで成し遂げたことだし、賊軍と呼ばれた地域や人も含めてですね。そして、結局、軍国主義化になったのではないかということについては、そうさせない方向性とか、そうさせないための人の努力も大正デモクラシーの頃にはあったわけで、そういったところに注目していくということが明治維新150年というのを日本全体にとって意義あるものにしていくことで、特にそれは岩手から発信していくことがいいのではないかなと思います。

記者
 三陸鉄道に関して質問いたします。先日の取締役会で(JRから)移管される宮古・釜石間の運行が(来年)3月23日に決定しました。2019年はラグビーワールドカップ™だったり、三陸防災復興プロジェクトであったり、沿岸に人が来るようなイベントが相次ぐわけですが、改めて久慈から大船渡まで一本のレールでつながるというところに知事が期待する部分を教えていただきます。

知事
 三陸を縦断する鉄道の中で、宮古・釜石間というのは結構稼げるという理由で国鉄がそこを手放さなかった。それ以外のところが第三セクターになったという歴史はありますけれども、ただ今回(線路等を)直すところまでJRさんがやって、直った暁には三鉄に経営移管というところについては、どうも構造的な赤字路線になってしまうということから逃れるのが難しいというような考えがJRさんの方にあったということが背景にあると思っておりまして、ですからそこをしっかり経営していくのはそう簡単ではないというふうに思っています。
 一方で、三陸鉄道に移管することで北リアス線、南リアス線合わせてリアス線という形に一本化すること、その中で三陸鉄道が培ってきた地域との一体的な経営、そして観光面でさまざま新機軸を展開して成功している点、そういったところがJRさんに評価されたというところもありますので、うまくやれば三陸鉄道全体の経営をよりよいものにしていくチャンスであると思っております。いずれにせよ地元との一体感と全国のファンの皆さん、そしてこれからファンになるであろう皆さんへのアピールが大事だと思っていますので、そういうふうに三鉄の新装開店を持っていきたいというふうに思っています。

広聴広報課
 以上をもちまして記者会見を終わります。

 次の定例記者会見は4月13日(金曜日)の予定です。

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