平成30年6月22日知事会見記録

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ページ番号1000736 

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平成30年6月22日10時30分から10時57分

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。本日は知事からの発表はございません。
 
幹事社
 本日は、記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんが、まず私から一つお伺いします。
 本日、宮古港と室蘭港(を結ぶ)フェリーが就航しましたが、その所感と寄せる期待を教えてください。

知事
 今日の日を心待ちにして準備をして進め、無事に今日午前8時、第1便が宮古港を出港することができて、本当に良かったと思います。この宮古・室蘭航路というものが本州と北海道を結ぶに当たって、オールジャパンとして非常に使い勝手がいい、特に最近関心が高まってきた働き方改革、(トラックの)運転手さんの働き方改革という面からも大変いいルートだということで、全国から注目されながら航路が開設されたこと、非常に喜ばしく思いますし、また、宮古・室蘭を結びながら、広くこの岩手と北海道がつながって、それぞれの住民の行き来、交流が増えていくことが期待できますので、そういったところを県としても促していきたいと思います。

幹事社
 では、各社から質問あればお願いいたします。

記者
 このフェリー就航ですね、改めてになるかもしれませんが、県勢発展とかにどうつなげていくか、そしてどんな事業展開を考えているかを教えてください。

知事
 岩手県で初めてのフェリー航路で、東日本大震災津波発災直後には想定されていなかったような復興の進展でもあると思っています。地域の安全、生活、なりわいを確保していくという取組の結果として、岩手の沿岸、三陸が想定以上のポテンシャルを持ってきたということだと思います。全国的な流通の要の役割を果たしていくことができるということ、そして岩手と北海道の人の行き来を想定以上に増やしていくことができる、そういうルートでもあるということで、ぜひこの力を復興に生かし、また、オール岩手の振興にも生かしていきたいと思います。

記者
 何か具体的な事業とか、思い浮かぶようなことはありますでしょうか。

知事
 三陸鉄道の中村社長がけさの第1便に乗って室蘭に向かったと聞いておりまして、室蘭からこっちに来た場合、宮古で上陸し、すぐ三陸鉄道を利用して、岩手沿岸あちこち行くことができるようになりますので、特に来年、宮古・釜石(間)も三陸鉄道になるということと合わせた時に、三陸鉄道にもつながっているのだということを生かしていきたいというふうに思います。

記者
 私もフェリーの関連なのですが、航路の維持、発展という意味では、いかに貨物を確保していくかというのが重要になるのだと思います。また、北海道からの修学旅行の誘致であるとか、また、外国人客をいかに誘客していくかと、観光面での県の役割も大きいと思いますが、県としてそれぞれどういうふうに今後取り組んでいこうとお考えなのか、お聞かせください。

知事
 オールジャパンのための本州、北海道を結ぶ要としての役割は、使えば使うほどその良さが分かっていくものだと思いますので、どんどん使っていただけるように、港の設備もですけれども、いわゆる復興道路ですね、これも非常に便利なのだということを利用者の皆さんに理解していただけるように、道路そのものは国の事業で造っているわけですけれども、あちこちで降りることができますから、そういう便利さも含めて、降りて地域で食事をしたりとか、買い物をしたりとか、そういうこともできるのだというところは県と市町村一体になってアピールしていきたいと思います。
 そして、交流や観光の面では、今、今年の事業として岩手県観光キャンペーン推進協議会を中心に展開している(いわて三陸復興・)絆(・観光)キャンペーンで、改めて岩手沿岸にスポットライトを当てて、内陸とのつながり、また、沿岸の中でのさまざまなイベント等々をPRしているところですので、そこにうまく室蘭航路も組み合わされていくように働きかけていきたいと思います。宮蘭航路をですね、働きかけていきたいと思います。

記者
 貨物といった意味では、物流関係の業者への働きかけとか、そういったことも必要になるのではないかと思いますが、その具体的な県としての働きかけ、何か考えているものがありましたらお聞かせください。

知事
 日頃からポートセールスはやっていて、私がプレゼン等する中でも宮蘭フェリーについては新情報として潜在需要を掘り起こすことも始めていますけれども、常日頃からポートセールスはそれぞれ担当部局とか、関係の団体を通じてやっていますので、そこにしっかりフェリー航路のことも入れてアピールしていくようにしたいと思います。

記者
 私もフェリー航路の件でお尋ねします。第1便は早速出発したのですけれども、知事としてはいつ乗りたいとお考え、乗る予定があるか、それがあれば教えていただきたいのと、車で行くか、人として乗るか、何かプランがあったら教えてください。

知事
 今予定はないのですけれども、やはり乗りたいですね。ゆっくりした船旅というのは、それ独特の気持ちよさ、また、海の上を船で移動する独特の旅の面白さがありますので。車と一緒かどうかというのは、どういう日程が確保できるかにもよるので、できれば車で行って、北海道に渡って車であちこち行くみたいなことがやれればいいなと思います。

記者
 夏休み辺りどうですか、夏の時期ぐらいは。

知事
 さてさて、いろいろ考えてみたいと思います。

記者
 6月15日に住宅宿泊事業法が施行されました。一般住宅でも民泊が可能になりましたが、知事としての期待や課題を教えてください。

知事
 岩手県では、既存のホテル、旅館だけでは宿泊場所が足りないという、そういう時期があったり、あるいはそういう場所があったり、それを民泊が補っていくようになればいいと思います。そういう宿泊場所がなかったということで、岩手に来ることを諦めていた人たちが諦めずに済むようになるということを期待したいと思います。
 また、岩手は東日本大震災津波の後を振り返っても、デスティネーションキャンペーンや希望郷いわて国体・希望郷いわて大会でおもてなし力を高めてきて、普通の人の家でお振る舞いをしたり、また泊めたりとかという、そういう潜在力もあると思いますので、そういうおもてなし力を生かした民泊が岩手において発展することを期待したいと思います。

記者
 JR東日本が岩手と秋田の県境に整備を検討している秋田新幹線の新ルートについて質問します。来月、秋田県と秋田県内の沿線自治体がルートの早期実現に向けて期成同盟をつくろうという動きが出ているのですけれども、秋田県の佐竹知事がその中に達増知事もぜひ顧問だったり、アドバイザーとして参加してほしいという意向を示しているのですけれども、それに対する達増知事のお考えを教えてください。

知事
 秋田新幹線が大雨や強風による運休、大雪によるダイヤの乱れなどの自然災害による輸送障害のリスクを抱えているということについては承知しています。JR東日本が検討している新トンネルというものが秋田新幹線の運行安定化や速達性の向上、また、東北・北海道新幹線の方の運行安定にも一定の効果が期待できるものであるならば、それはいい考えなのだと思います。
 一方、JR東日本が交通事業者本来の責務として事業化することを期待するところでありまして、黒字会社であるJR東日本、その力を遺憾なく発揮して迅速に検討が進み、また整備も進むということを期待したいと思いますけれども、そういう基本的考え方のもと、期成同盟会に参加することが、そういう基本的考え方と合うかどうかということを今検討しているところでありまして、加盟した方が良いと判断できたら、すぐに加盟するようにしたいと思いますけれども、今はまだ検討中です。

記者
 大阪であった地震についてお伺いしたいですけれども、ブロック塀(の倒壊)で小学生が亡くなるということもありましたが、県も通知されたということですけれども、今後大阪であった地震を教訓にどのような整備や対策をとっていかれる予定か教えてください。

知事
 ブロック塀の倒壊で小学生が亡くなられたというのは大変痛ましいことであります。また、その他にも4名の方が亡くなられ、合わせて5名の方が亡くなっているということ(で)、改めて哀悼の意を表したいと思います。
 また、人口の多いところ、通勤通学時間帯(で)の強い地震ということもあって、大変大きな影響(があった)中、被害に遭われた方も多いということで、お見舞いを申し上げたいと思います。
 ブロック塀の関係でありますけれども、6月19日付(けで)文部科学省通知がありまして、学校におけるブロック塀等の安全点検を行うべしということで、県(教育委員会)としても対策が必要なブロック塀等について、速やかに必要な(点検と)安全対策を講ずるよう県立学校、そして市町村教育委員会等に通知をいたしました。まず、それ(安全点検と安全対策)の対応をしっかりやっていくというところでありますけれども、岩手において児童生徒の通学路の安全確保については、それぞれ学校ごとにスクールガードや交通指導員など地域の方々の協力をいただいて、大人たちの目が通学する子供たちに注がれるよう、しっかりした取組が行われていると思います。また、警察等との関係機関との連携も行われていると思っておりまして、そういった普段の取組をきちんとやりながら、今回のブロック塀(の安全点検)については文部科学省通知に基づいて適切に対応していきたいと思います。

記者
 その他ですね出されたコメントにもありましたけれども、今後支援など何か考えがあれば教えてください。

知事
 大阪方面への支援ですね。全国知事会において、被災(府)県からの広域応援要請に備えて情報収集に当たっているのですけれども、現時点で全国知事会への要請というのは受けていないと聞いておりまして、県としては全国知事会と連携しての応援派遣というのは行っていないところではあるのですけれども、要請があった場合には速やかに岩手県応援本部を設置して、被災府県のニーズに合った支援を行っていきたいというふうに考えています。ただ、今のところ要請はないという状況です。

記者
 大槌町の旧庁舎についてお伺いします。(建設リサイクル法の)法定の手続が出ていなかったということはわかりましたが、震災遺構を残すということを改めて、その意味を含めて知事にお伺いしたいということなのですが、地元の意見をじっくり聞きながらというのは極めて民主的なプロセスで大事なことだなと思う一方で、やはりこうした大きなあつれきのようなものを生んでしまう状態にあると、これについてちょっと教えてください。

知事
 今大きなあつれきという言葉もありましたけれども、さまざまな議会での議論や、また、地域団体を活用してのやりとり、さまざまいろんな仕組みを利活用して工夫しながら、大槌町において、町としての町民との対話、また、町民同士のさまざまな議論が行われて今に至っているということだと思いますので、やはり今までの経緯も尊重しながら、今回の解体工事における建設リサイクル法に基づく手続上の通知を行わないままで着工した問題ということについても、改めて大槌町の中で議会の招集とかということも含めて議論されている、またされようとしているところでありますので、そこを私としては見守っていきたいというふうに思っています。

記者
 同じ話題で。見守っていきたいということですけども改めて大槌町の解体問題について県のスタンスを教えていただけますか。

知事
 今回の建設リサイクル法上の手続きの問題については、(県に)通知を行わないまま解体工事に着手したという部分、これは手続きが不適切であったことについて遺憾に受け止めています。一方、6月21日には分別解体計画等の通知を県として受け付けております。そして、同日、沿岸広域振興局が現地確認を行い、現場では整然と分別作業等が行われており、通知の手続きの遅れのみをもって、県から工事の中止命令を出すような状況ではないという報告を受けています。建設リサイクル法をめぐる問題については、県としてはそういう基本的な受け止めをしております。

記者
 建設リサイクル法以外については、大槌町内で残す、残さないの議論はするべきだというようなお考えでしょうか。

知事
 まず、大槌町として、地方自治の町長とか議会という、そういったメカニズムが地方自治の趣旨に沿って、住民とのやりとりの中で出した結論については尊重すべきというふうに私としては考えております。今回のことで、大槌町では自らの判断で、6月21日から解体工事を中止しているということ、また、議会に臨時招集の動きがあるということ、それらについては最近の動きとしてあることなのだと思いますけれども、そこについてはやはり私からああすべき、こうすべきというような状況にはないというふうに考えています。

記者
 大槌町以外の一般論としての震災遺構について知事のお考えを、一般論としてお願いしていいですか。

知事
 震災遺構についての一般的な受け答え……。ただ、あまり震災遺構の一般論みたいな形で、災害によって被害を受けた当事者でもなく、また地域住民でもない、全ての人たちに共通するようなそもそも震災遺構の定義とか、そしてその震災遺構の定義に当てはまれば自動的にそれはああすべき、こうすべきという考え方は、自然災害からの復旧・復興の中では、ちょっと慎まなければならない考え方だと思います。やはり被害を受けた当事者、そして被災した施設が存在する地域の人たちがどのように自分たちの安全を確保して、生活を再建し、なりわいを再生していくのかという中で、地域の人たち、地元の人たちが中心になって、復旧・復興のあり方が決められていく、その中で震災遺構と位置付けて保存するということもありましょうし、もうがれきの撤去というふうな形で新しいものを造っていくというふうに整理されることもありましょうし、そこはやはり地元本位、そして人間本位に対応していくことが大事というふうに考えます。

記者
 今月14日に東京電力が(福島)第二原発全4基の廃炉の方針を示しましたけれども、これについての知事の受け止めを教えていただけますでしょうか。

知事
 福島第二原発の廃炉の方針ということですね。

記者
 はい。

知事
 私の記憶の限りですけれども、福島県の住民の皆さん、そして福島県としても福島第二原発は廃炉でということを早い段階から主張していたと記憶しますので、そうなったということはまさに災害から復旧・復興していく中で、当事者や被災地域の意向が尊重されたということで良かったのではないかと思います。

記者
 今回の廃炉の方針が、今敷地内に保管をされているトリチウムを含む汚染水の海洋放出に向けた地ならしというような見方もありますけれども、万が一海洋放出となった場合、岩手県の海産物にとっても風評被害の懸念がありますけれども、その辺りについて知事はどうお考えでしょうか。

知事
 風評以前に実質的に害がないかどうかということは、そこは厳しくチェックされる必要がありますので、まず基準を超えるような、安全性に問題があるようなその海洋投棄(放出)というのは、基本的には行われるべきでないと考えます。基準からすれば安全だけれども、さあ、(海洋放出は)どうかということについては、やはり漁業者とか、地域の住民とか、関係する、影響が及ぶ人たちの意見を尊重しながら、そこは慎重に対応すべきですし、(福島)第一原発の方の汚染水処理についても、さまざま世界の技術の最先端を駆使しながら、極力海に影響を与えないようにという努力が、東電任せにせず、もう国が事業を引き受けて、国も積極的に対応してやっていますので、福島第二原発(の廃炉)についてもそうすべきだと思います。

広聴広報課
 以上をもちまして記者会見を終わります。

 次の定例記者会見は7月5日(木曜日)の予定です。

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