平成30年10月15日知事会見記録

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平成30年10月15日10時30分から10時57分

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。本日は知事からの発表はございません。

幹事社
 質問の前に記者クラブへの転入者をご紹介します。転入者から一言挨拶をお願いします。

 (記者紹介)

幹事社
 本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意がありませんので、各社から質問があればお願いします。

記者
 明日からの予定で行かれるCERN(セルン(欧州原子核研究機構))、ILC(国際リニアコライダー)関連について質問します。ILC誘致の是非を決めるのは日本政府ですが、そのタイムリミットが迫るとされている中で、この時期に素粒子物理学のトップが集うCERN(セルン)を訪問される狙いを改めて教えてください。

知事
 ヨーロッパでの2020年からの素粒子物理の5カ年計画にILCを盛り込んでもらうために今年が大変重要な年なわけでありますけれども、こういう重要な時期には関係者間の情報共有が非常に大事だというふうに考えておりまして、今回、CERN(セルン)を訪問して、研究部門の責任者であるエルゼン副所長と、そして、ILC関係のリニアコライダー・コラボレーション、LCCの責任者であるリン・エバンス博士にお目にかかる予定であります。岩手県としての国への要望活動や国民的理解増進のための取組、また、建設候補地としての受け入れの準備、こういった状況について最新の情報を共有し、そしてヨーロッパの協力なくしてILC(実現)というのはできませんので、国際社会における一層の協力を訴えていく中で、CERN(セルン)の関係者の皆さんに特にお願いをしていきたいというふうに思います。

記者
 今のお話でも出ましたが、素粒子物理学のトップの研究者らに建設候補地の知事として最も訴えたい、伝えたい、向こうの方々も不安に感じていらっしゃることもあると思うので、それを払拭するために最も訴えていきたいことは何でしょうか。

知事
 まず、地元としての準備はしっかり進んでいるということをお伝えしたいと思いますし、また、岩手県としても岩手県の中のことだけに取り組んでいるのではなくて、国民的理解が深まり、そして広がっていくような東京での講演事業でありますとか、ILCサポーターを増やしていく事業でありますとか、そういったことにも県も力を入れているということを伝えたいと思います。

記者
 一方で、決定するのは日本政府だというところで、現実的にCERN(セルン)の研究者たちに訴えたところでそれをどう生かしていくかというところが大事だと思うのですが、CERN(セルン)の研究者たちから受けた期待とか、懸念とか、そういうものを今後政府の判断を後押しするためにどう生かしていきたい、どういった行動で示していきたいとお考えでしょうか。

知事
 岩手県として、あるいは東北として、また、さまざまな関係団体と一緒になりながら、政府や、また、与党に働きかける機会はありますので、その機会を捉え、ヨーロッパの研究者の皆さんの希望、願いというものもしっかり伝えていきたいというふうに考えます。

記者
 県議会の関係でお伺いします。先日、決算特別委員会で2017年度決算、全会一致で認定されました。4年連続の認定となる見通しですが、そのことについて知事の受け止めをお願いします。

知事
 平成29年度の県の事業は、東日本大震災津波からの復興について本格復興期間からその次の期間へと移り、復興後半の重要な時期における復興関連事業を推進してきましたし、平成28年台風第10号からの復旧・復興についても大事な時期でありました。また、いわゆる地方創生、ふるさと振興関係、人口減少対策や地域づくりについてもさまざま重要な事業を展開した年度でありましたので、活発な議論が行われて、県民の皆さんにも改めてどういう年度だったかということが伝えられ、そしてその中で決算認定というふうに、決算特別委員会の段階でありますけれども、至っているということはいいことだというふうに思います。

記者
 過去には3年連続で不認定ということもありましたけれども、ここ4年は連続で認定になるということですけれども、何か当時と変化というか、その点はどう考えでしょうか。

知事
 復興も後半に入ってきてという言い方をしてもいいと思うのですけれども、予算面で見たピークである本格復興期間というものにオール岩手一丸となって取り組み、そして、その先の岩手沿岸三陸地方の地域振興のあり方とか、また、内陸と沿岸両方含めた将来像とか、そういったものをうまくオール岩手で共有できるような形で進んでいるということかなというふうに思います。

記者
 あと、今回認定の見通しではありますが、附帯意見もついています。県議会の中では、次期総合計画であるとか、三陸防災復興プロジェクトにおいては厳しい指摘もありました。それらの文言が附帯意見には入っているわけですが、そうしたことについては知事はどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。

知事
 附帯意見では、ラグビーワールドカップ2019™釜石開催の成功や世界遺産の登録の推進に関する取組をはじめとする文化・スポーツの振興、三陸防災復興プロジェクト2019の開催等による将来を見据えた沿岸地域の総合的な振興、国際リニアコライダーの実現のほか、人口減少対策や地域特性を生かした産業の振興、雇用対策、医療・介護・福祉の充実、学校教育の充実及び防災・減災対策など、本県が直面する課題を踏まえた次期総合計画を定め、県北・沿岸振興などふるさと振興の具体的な取組を着実に推進されたいということで、この附帯意見もそうですし、ほかに県議会の議論の中で出たさまざまな意見も参考にしながら進めていきたいというふうに思います。

記者
 あと、別件になりますけれども、消費税についてお伺いしますが、今日、政府が臨時閣議で来年10月の10%への引き上げを表明するとのことです。この判断に対する知事の見解と、県内経済への影響もあるかと思いますが、その点についてどうお考えかお聞かせください。

知事
 やはり東日本大震災津波の被災地として、またそこに台風第10号災害が重なっていることもあり、被災から立ち上がる復旧や復興に悪影響を及ばさないようにということを今までもそこを心配してきたところですし、今回もそこが心配になるところです。政府や与党、さまざま議論されている中では、かなり消費税率引き上げによる経済に対するマイナス効果を補うような工夫もしていくということが議論されていますので、ぜひ経済的に弱い状況にある方々がさらに困窮することなどないように、そして、地方創生も5年の最終局面になっていく中、東京一極集中はむしろ加速しているという状況の中で、地方の経済が相対的に弱くなることがないようにそうした対応を求めたいと思います。

記者
 基本的には国の対策という部分が大きいかと思いますけれども、県としても何か考えていくことというのはあるのでしょうか。

知事
 岩手県内における経済活性化、また、経済的に弱い状況にある人たちがさらに困窮したりすることがないようにということについては、消費税率の引き上げがあるなしに関わらず、県としてもしっかり取り組んでいかなければならないところでありまして、それは次期総合計画の中にもさまざま政策が取り入れられていますし、来年度予算に向けてもそうした事業をしっかり準備していきたいと思います。

記者
 今の話に関係して、知事としては、そうすると消費税率の10%への引き上げに関しては、反対、あるいは時期尚早、あるいは今話したように、困窮者が増えることがないような、丁寧な対応をしてくれれば、政府の判断なので、それはそのとおりだという、どういう受け止め方をされていますか。

知事
 日本経済全体についての情報を把握しているところで、しかもまた、そのほかのさまざまなマクロ経済政策との兼ね合いで決定されることだと思うので、消費税率10%への引き上げだけを取り上げて、それを絶対悪のようには考えませんけれども、ただ地方において感じる経済情勢については、決して明るいことばかりではなく、特に地方創生の視点から見て東京一極集中が加速しているというのは相対的に地方の経済社会が弱くなっているということですから、これはよほどの地方の経済社会を強くするような、東京との差を縮めていくような策を同時に打たないと、消費税増税は経済的に弱いところほどそのダメージが強く出る、相対的に負担がきつくなる税なわけですから、そこはよほど気をつけなければならないというふうに思います。

記者
 ありがとうございます。あともう一点、県議会が決算認定する見通しであるという話の中で、附帯意見の中で来年度の予算編成についても決算の審査を踏まえて指摘がありました。後半の方で、適切な積算根拠に基づいて県民の理解が得られる予算編成や事務執行することという部分があるのですけれども、この点は恐らく総合計画というよりは三陸防災復興プロジェクトのことではなかったかと理解しているのですが、この辺りの意見に関しては、知事はどのように受け止められますか。

知事
 三陸防災復興プロジェクト2019については、先ほど読んだ部分に具体的に書いてあるところであります。
 そして、最後の段落、県においては適切な積算根拠に基づき県民の理解を得られるような予算編成や事務の執行を行うとともに云々というのは、これもそのとおりでありまして、適切な積算根拠に基づいて県民の理解を得られるような予算編成というのは、これは県としてやらなければならないことだと思います。

記者
 ありがとうございます。それで、予算編成で、担当者の連絡会議等、先日取材させていただきましたが、今回、公共事業に関しては久しぶりのプラスシーリングになるということで、復興事業のピークアウトということとも重なったり、いろいろ公共の県の施設の長寿命化とか、いろんな中での方針だと思うのですが、まだ先ですけれども、改めて予算編成に向けて、知事はどういうところを注目しながらやっていきたいという思いなのか、方針ということではないと思うのですが、知事としてはどのようにお考えになっているか教えていただけますか。

知事
 東日本大震災津波からの復興、平成28年台風第10号からの復旧・復興というのは引き続き大事ですので、それはしっかりやらなければならないですし、人口減少問題としてのいわゆる地方創生、ふるさと振興ということも、これは引き続き重要であります。
 そうした中、北上川流域での生産と雇用の著しい増大が見込まれるということに対して、人手の確保というのが適切に行われて、第4次産業革命を支える地域が、いわば生活革命の場でもあるように地域資源、豊かな自然や歴史・文化の上に全国有数、世界に通用する食の生産や、また、食文化も花開いていて、おもてなしの力も国体・大会以来高まっている、そういう地域づくりを北上川流域のみならず沿岸、そして県北でもやっていくという、そういう地域づくりをしっかり進めていくと、それは次期総合計画の第一歩ということにもなってくるわけですけれども、次期総合計画のまとまり具合を見ながらその第一歩としてふさわしい予算を編成していきたいというふうに思います。

記者
 あと、歳入確保という面で言うと、先ほど話のあった消費税率の10%への引き上げというところも少なからずあると思うのですが、その点はいかがでしょうか。

知事
 社会保障関連予算を確保するための消費税率引き上げということで、歳入面でそれがプラスになる要素ではあるのですけれども、経済に対するマイナス効果の方が大きくなって、そういう経済がダウンすることで歳入が減ってしまうような悪影響が社会保障予算増の好影響を上回ってしまうようでは本末転倒なので、そこは要注意なのだと思います。

記者
 県央部の県立高校バレーボール部員の自殺の件を伺いたいと思います。おととい遺族側が県教委と面談して第三者委員会に遺族枠を設けてほしいと要請しましたが、県教委は公平、中立を欠くということで拒絶したということです。県教委は、遺族に寄り添ってと再三言っておりますが、遺族枠を設けない、拒絶したというのはそれに反するものと遺族側は言っておりますが、知事の所見を伺いたいと思います。

知事
 第三者委員会を立ち上げて調査、検証を行うということについては、教育委員会から報告を受けておりまして、その際ご遺族の要望も踏まえつつ、設置に向けて具体的な検討を行っていくというふうに聞いています。
 第三者委員会、「第三者」というのは対立関係にある当事者のどちらの支配にも服さず、独立したところから中立かつ公平な調査検証を行う委員会ということなのだと思いますけれども、そのありようについてはさまざまな意見や考え方もあると思うので、そこはよくよくまずは最初の第一、第二の当事者同士でよくよくすり合わせながら第三者委員会を立ち上げてほしいというふうに思います。

記者
 矢巾の件の時は、教育委員会と遺族側が共同して推薦した人の中から第三者委員会の委員を委嘱したという経緯があります。今回のことは、何か県教委主導で第三者委員会を進めたいのではないかという姿勢が疑われるところもあるのですが、知事はどう見ておりますか。

知事
 第一、第二のどちらかの意向で決まるような委員会は、これは第三者委員会にならないというのは、さっき話したとおりですので、ちゃんと第一、第二よくよく調整して、双方納得いく形で第三者委員会を立ち上げてほしいと思います。

記者
 知事は、県の総合教育会議のトップでもあります。知事がこの件で指揮をとる、とっていくというようなお考えはありますでしょうか。

知事
 今は教育委員会において、遺族側と調整をしながら第三者委員会を立ち上げようという段階でありますので、知事というか、知事部局としてはその経緯をしっかり見ていきたいというふうに思います。

記者
 沿岸の被災地の災害公営住宅についてお聞きします。細かい話かもしれないのですが、被災者以外の一般の入居者を募集する動きが沿岸の市町村ではあるのですけれども、県営の住宅ではまだ一般募集ということには踏み切っていないかと思います。それで、全体としては入居率は高いかと思うのですが、初めの方にできたところとか、大型のところであったり、一部の団地では入居率が低い現状にあります。コミュニティの維持という観点からも、一般募集を望む声が上がっているとのことだったのですけれども、県において今後の募集のスケジュールをどのように考えているのかお聞かせください。

知事
 岩手の場合は、市町村だけではなくて県も災害公営住宅を建設するということで、同じ事業をやってはいるわけですけれども、市町村はやはりその市町村の中の地域づくりの一環として復興にも取り組み、そして、復興の先の地域づくりというのもにらみながら災害公営住宅の使い方を決めていくというところで、県はまず災害だということ、そして広く三陸、岩手沿岸に広域的な被害があった大災害なので、そういう広域的観点から県も災害公営住宅の建設をやるということなので、そこはやはり基礎自治体と広域自治体である市町村と県、それぞれ異なるアプローチがあるのだと思います。県としては、まず災害公営住宅としての災害復興に対する被災者の皆さんに対する責任を果たしていくということをしっかり行いつつ、一方で県も市町村と連携しながらそれぞれの市町村の中の地域づくりを一緒に進めていくということも県もやりますので、そこはそれぞれ市町村と調整しながら市町村からのニーズに応えていくような局面もあり得るというふうには思います。

広聴広報課
 以上をもちまして記者会見を終わります。

 次の定例記者会見は11月2日(金曜日)の予定です。

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政策企画部 広聴広報課 報道担当
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