平成30年12月28日知事会見記録

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平成30年12月28日10時00分から10時47分

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。本日は知事からの発表はございません。

幹事社
 それでは、幹事社から県政記者クラブを代表して質問します。1年を振り返っての所感をお聞かせください。

知事
 今年は、大谷翔平君のアメリカ行き、平昌(ピョンチャン)オリンピック・パラリンピックでの岩手県関係選手の活躍、そして、若竹千佐子さんの芥川賞受賞という、文化、スポーツで岩手ゆかりの方々が大活躍するような中で1年が始まりました。
 そして、今年のハイライトといいますか、私が一番印象に残っているのは、8月の釜石鵜住居復興スタジアムのオープニングセレモニーで、特に洞口留伊さんのキックオフ宣言ですね。4分くらいのスピーチの中に東日本大震災津波の体験、そして、復興の進捗、未来への決意というのが込められていて、我々が共有すべきことをうまくまとめて、全国さらに海外に発信してもらえたと思います。そのキックオフ宣言、キックオフというのは試合開始ということですので、「開」という字を私の今年の漢字1字にしたいなという気持ちになりました。
 また、今年は復興道路の区間開通が相次ぎ、復興関係の道路で立丸トンネルの全線開通もありました。また、宮古・室蘭間のフェリー航路の開設や花巻空港初の国際定期便の開設もありました。(中国)雲南省に岩手県雲南事務所を開所したという年でもありました。そういう岩手が復興に取り組み、また、人口減少対策的な地域振興、ふるさと振興にも取り組む中で、さまざま岩手の可能性が開かれていった年だなというふうに思います。

幹事社
 ただいまの質問に関連して、各社から質問があればお願いします。

記者
 今年1年を振り返っていただきましたが、来年はどのような年にしたいかをお聞かせください。

知事
 来年は亥年で、イノシシが一直線に走る姿はILC国際リニアコライダーの電子が真っすぐ進んでいく姿に似ているなと思いますので、東日本大震災津波からの復興を一直線に進めていきながら、ILCの実現も前進させて、そして、ラグビーワールドカップ釜石開催を成功させ、新年度から始まる新しい総合計画もロケットスタートのような形で好発進をさせていきたいですし、そういうまっしぐらに進んでいくような、そうそう、三陸鉄道も直線一本になりますので、そこのところも一直線に進んでいく年にしたいというふうに思います。

記者
 先ほど復興の部分で道路整備など進んだというお話ありましたけれども、この1年振り返って、いろいろ被災地では復興需要の減少とか、人口減とか、水産業の不振とか、いろんな課題が顕在化しているように見えるのですけれども、改めて知事から今の課題認識というのを教えていただけますか。

知事
 復興事業ですね、建設、土木を中心とした永続的でない復興に伴うそのとき限りの事業に多くの人やお金がそこに投じられていたところから、岩手沿岸、三陸の本来のあるべき姿に向けて、人やお金がそこに集中していく。漁業、水産業の復旧・復興や観光関係、また、オールジャパンの経済界から支援を受けながら新しいビジネスも立ち上がってきています。そういったところに人やお金がシフトしていくような構造改革を進めていく必要があるので、復興固有の事業から本来のあるべき岩手沿岸をつくっていくための、三陸をつくっていくための仕事に人やお金がシフトしていくことは必要なので、そこは構造改革をいかにうまくやっていくかということだと思います。
 一方で、漁獲量、魚が捕れない問題というのは深刻ですので、さまざま加工業であれば代替的な魚の確保であったり、また、漁港の運営ということであれば、今までなかった新しい漁船の水揚げをとってきたりとか、さまざま現場の直面している課題に応じた対応をしていくことが大事な局面と考えます。

幹事社
 それでは、幹事社質問に関連する質問以外について、各社から質問があればお願いします。

記者
 岩手競馬から5頭目となる禁止薬物の競走馬が出たのですが、まずそのことについて知事の受け止めを教えてください。

知事
 その結果、せっかくファンの皆さんが楽しみにしていた年末年始の岩手競馬を開催できなくなってしまうというのは非常に残念で、また申しわけなく思います。これは、ファンの皆さんだけではなく、県民の皆さんにも年末年始の岩手競馬開催ができなくなったことを申し訳なく思います。
 今回は、今までの禁止薬物問題が起きていた厩舎やその隣接厩舎とは全然違うところで禁止薬物が投与された可能性が高く、それはイコール故意的な事件である可能性が高いので、この禁止薬物投与というか、禁止薬物の発見につながるようなことを起こした人には、速やかに自首をして、事実関係を明らかにしてほしいと思います。

記者
 知事がおっしゃった故意的な犯行という見方もありますが、再発防止策は整ったと言った後でのこの5頭目のもので、岩手競馬に対する信頼など損なわれていると思いますし、責任者として知事の責任といいますか、そういったところをどうお考えでしょうか。

知事
 まず、何が足りなかったのか、どうすれば防げたのかということについては、今回の手口とか、動機とかを明らかにする必要があると思います。そういう意味でも、警察の捜査もありますけれども、それを待たずに(禁止薬物陽性馬発生を引き起こした)本人には自首して、全てを明らかにしてほしいと思いますし、また、心当たりというか、何か怪しい人を見たとか、自分の身の回りにやった(禁止薬物を投与した)ことをほのめかしている人がいるとか、そういう情報があればどんどん提供、ご協力をいただきたいと思います。
 また、岩手競馬の管理者としては、ファンの皆さんの期待に応え、そして県民の信頼にも応えて、競馬を開催することが責任でありますので、年末年始は残念なのですけれども、その後、きちんと競馬開催できるようにしていくよう努めていきたいと思います。

記者
 次の再開に向けては、管理者としては原因を特定してから再開するべきなのか、それを待たずしても、前回のように再開してもいいとお考えなのか、そこだけ教えてください。

知事
 手口がわかれば、盛岡競馬場で(禁止薬物の投与が)行われたのか、水沢に移動する途中、あるいは水沢に移ってから水沢で行われたのか、それは動機も関連していて、そういう人がもうしないというふうになれば、もうほかの誰もしなくなるようなことなのか、そういったところが明らかにならないところでは、今現在ではあるのですけれども、まずは水沢の方も、盛岡の方も、今以上の警戒態勢といいますか、そうした対策を強化していくことが肝心かなというふうに考えます。

記者
 同じく岩手競馬の件でお伺いしますけれども、前回11月に再開をする際は、水沢競馬場の厩舎に所属する馬を対象に事前の検査を行って、クリーンな状態の馬だけを出走させるということで再開を決断したわけですけれども、今度は3月に特別開催での再開を目指しているということなのですけれども、11月に再開する時と同等か、もしくはそれ以上のレベルの対策をとらないといけないと思うのですけれども、全頭検査も組合は示唆していますけれども、管理者としての立場として、とにかく岩手競馬で出走する馬全てに事前に検査を行うということの有効性ですとか、実効性についてはどう思いますか。

知事
 やれることとか、やった方がいいことは何でもやっていくという考え方が基本だと思います。全頭検査は、検査してくれる研究所の方の体制の問題もありますので、そちらとよくよく相談しながらやり方を工夫していけばいいと思います。ただ、今現在、馬たちの体の中に禁止薬物がないことを確かめさえすれば、ほかに何もしなくていいかというと、そうではないので、さまざまな警戒態勢の強化のようなこともそれはそれでやっていく必要があると思います。

記者
 もちろん対策と同時に原因の究明ということで、原因を特定して、それを除去するということがまず必要なのかなと思うのですけれども、これまでも警察の捜査には協力するというような対応をとってきたわけですけれども、ようやく前回の(競馬組合の)記者会見で告発という形で正式に警察と協力していくというような話になりましたが、5件目が出たところでようやくそういう警察に対しても正式な告発に踏み切る決意を示したのは、ちょっと遅過ぎるのではないかなという考えもあるのですけれども、それについてはどう思いますか。

知事
 ある1つの厩舎、それに隣接するような厩舎のみでこの問題が起きていたという時に、厩舎の衛生管理のような環境の問題とかについてもさまざま調べたり、また、そこに対策を講じるというのは合理的だったのだと思います。今回、そこ(問題が発生した厩舎)と全く関係のないようなところで発生したということで、そちらに対応する対策という方に重心を移していくということが今必要だと思いますし、また、今までとは違う手がかりのようなものもあるのだと思いますので、それに沿った捜査が進むことを期待しますし、また、あれだけファンの皆さんを残念がらせ、県民を怒らせた、競馬開催中止ということをまた引き起こしたその犯人といいますか、禁止薬物陽性馬発生を引き起こした人は、今こそ表に出て全てを明かしてほしいと思います。

記者
 私も競馬についてお尋ねします。今までのお話を聞くと、知事、管理者としては、今回の件は引き起こした原因者による事件性の高いものだというふうに、これは捜査とかがあるので、法律上はともかく、そういう犯人が、原因者がいると、それによって引き起こされたというふうに受け止められているということで理解していいのでしょうか。

知事
 可能性が高いという意味です。そしてまた、実際にそういうある特定の人が引き起こしたことであれば、その人が全てを語ることが問題解決の最大の早道なわけですから、それを期待するということです。

記者
 あと、3月の春競馬の再開を目指すという時の基準についてなのですけれども、先日、(競馬)組合の方で会見があって、その場でお聞きした時は、地全協(地方競馬全国協会)だったり、農水省(農林水産省)とも相談して決めたいという、時期等もいつの段階で決めるかというのはあったのですけれども、これは原因究明というか、犯人の特定といいますか、そういうものをもうちょっと、また陽性馬が発生しないようなものが確実性が高まった段階で判断するものでしょうか、それともそうすべきだとお考えですか、いかがでしょうか。

知事
 今回のことで盛岡競馬場の方の厩舎関係者も警戒の意識は非常に高まったと思いますし、また、実際、警戒の度合いを高めるような措置を行って、対抗措置をしていくということがやるべきことなのだと思いますし、やるべきことをやり、かつ、いろんな関係者の意見も参考にしながら、競馬組合として、これなら開催を取り止める理由はないと決断すれば、開催するということです。

記者
 わかりました。あと、出走手当や厩務員手当等に関してなのですけれども、今回、30、31日、あと年が明けて2、3、5、6、7日と、7日間開催が取り止めになるわけですけれども、この間に関しては今までは手当がありましたけれども、なくなるという方向のようで、それに関しては調騎会等への説明でも理解を得られたと言うのですのですけれども、こういう手当等を支払うか、支払わないかというのはどのレベルで判断するのか。現場の常勤の副管(副管理者)が考えるのか、それとも知事を含めた正副管理者で考えるのか、ここはどういうふうに意思決定プロセスはなっているのでしょうか。

知事
 やり方は組織に任せてほしいと思いますし、何か問題があれば、それにまた組織で対応します。

記者
 それで、今回の件で特に競馬法違反というよりも、先ほどから話があるように刑事罰の対象になるような原因者によるものが高まっている中で、7日間休止、開催取り止めするのがよかったかどうかという意見も実は私が取材している中では出ていまして、それはどういうことかというと、ある程度犯人を本当に特定するのであれば、やはりレースをやらなければ犯人も動かないので、当然こういう事態が起きた以上、30、31日の取り止めはよしとしても、年明け以降はレースをやってもよかったのではないかという、そういう声もあるのですが、この意見と今回の7日間開催を取り止めることへの判断については、知事はどのようにお考えでしょうか。

知事
 そういう考え方も参考にさせていただきたいと思います。

記者
 諸手当の件なのですけれども、結局6日間というのを1開催というくくりで考えた場合に、30と31日はもう預託料とかをつけて、実際に訓練とかもしている中での取り止めということで、いろんなお金が当然競馬関係者の方にも発生している中で、今度損失の補償をどうするかというところも極端に言えば出てくると思うのです。その場合に、やはりそれはこのままいって本当にこの原因者というのがいた場合に、請求先はそこになるのかということと、翻って全ての競馬事業に対する損失があるわけですけれども、開催取り止めによる、その損失もやはりその原因者に請求していくという、そういう手続になる、そう考えてよろしいですか。

知事
 手口や動機が明らかになれば、それを踏まえた判断もしやすくなるとは思いますけれども、そうでない場合には不確実性とともに進んでいかなければならないところがあり、そこは競馬関係者共通の今回力を合わせて乗り越えようという中で、まず今のようなこの年末年始の対応ということが決められているところですので、そういうふうに進めていければいいと思います。

記者
 私も岩手競馬の関係でお伺いしますが、この間、水沢中心に対策を強化してきたという経緯があると思いますけれども、5頭目は盛岡から出たということで、組合としての見通しが甘かったのではないかという指摘もありますが、その点管理者としてはどうお考えですか。

知事
 水沢の特定の厩舎やそれに隣接する厩舎でのみ事案が起きていた時に、そこ中心に対策を講じるというのは合理性のあることではないかと思います。また、盛岡に対して何もやっていなかったわけではなくて、警備の強化とか監視カメラの設置とかしていた。ただ、それが足りなかったのか、足りなくなかったのかについては、やはり手口や動機が明らかにならないと判断できないところかと思います。

記者
 先ほどから質問が出ていまして、ちょっと繰り返しみたいになるかもしれませんが、レースの再開基準なのですけれども、原因の特定、つまり手口や動機が明らかになるということがレースの再開の基準と考えていらっしゃるのでしょうか。

知事
 レースはやって当然、やるのが当たり前で、特別な理由がない限りレースはやるものなわけです。前回も今回もやはり体制の強化とか、必要な調査等を行わなければならないので、中止のやむなきに至っているわけですけれども、そういったことが一通り終わって開催できない状況がなくなれば、これは開催(する)ということです。

記者
 そうしますと、これまでも公正な競馬が実施できる体制が整ったら再開するというふうにしてきたと思うのですが、次再開する場合も公正な競馬が確保できると、もう出ないだろうというところが基準になるということなのでしょうか。

知事
 警備警戒の態勢をつくったり、あとは必要な検査を行ったりしないと公正性を確保できないので、そういう措置を行い、それを行えば再開するということで再開してきたわけですので、今回もそういった対応がとられます。

記者
 警戒のレベルを上げていくというようなお話もありましたけれども、これまでもさまざまカメラをつけたりとかやってきたわけですが、今後具体的にどういった対策というのを講じていこうとしていらっしゃるのでしょうか。

知事
 そこを今現場の方で対応中だからこそ、開催できない状態なわけですけれども、そこはいち早く対応していくようにしたいと思います。

記者
 私も岩手競馬に関してなのですが、今回盛岡で出た厩舎に関しては監視カメラ等も設置してあると思うのですけれども、そういった監視カメラの分析したりして、犯人というような人が出てこないパターンもあると思うのです。そういった場合に、餌に原因があったとか、そういった部分はどう思っていらっしゃるのでしょうか、知事は。

知事
 今の段階でどこで陽性馬発生につながることが行われたのかは、私のところに情報は上がってきていない状態であります。

記者
 岩手競馬が標的とされて、今回故意的なものだとおっしゃっていましたが、その理由は隣接する厩舎ではないところから出てきたということですが、岩手競馬がなぜ狙われるのかということに関してはどのようにお考えですか。

知事
 まず、可能性が高まったということであって、環境汚染的な故意ではない理由ということが絶対にないと決めつけているわけではありません。また、手口や動機はやはり本人が説明するのが一番早いと思っていまして、それを期待します。

記者
 知事としては、こういうのが原因なのではないか、こういうのが理由だからこそ岩手競馬が狙われるのではないかというお考えは今のところはないですか。

知事
 こういう時にそういう臆測で、実はそうでないのかもしれないのに、そうかもしれないなんていうことをいろんなところから、特に責任ある立場の人が発言するのは非常によくないことなので、そういうことはしません。

記者
 私も岩手競馬なのですが、競走馬に禁止薬物を投与して、早く走らせるようにするということは、一見すると賞金狙い、金目的なのではないかという見方もあると思うのですけれども、そうではなく、あくまでも何らの理由で不当に岩手競馬をおとしめる目的の可能性が高いというような見方なのでしょうか。

知事
 事実を究明していくに当たっては、消去法的に当該馬の関係者が自分たちがやったわけではないというのを確定させていけば、今言ったようなことはより確かになっていくのだと思いますけれども、それは今そういう捜査中、作業中ということなので、その進展を待ちたいと思います。

記者
 すみません、私も岩手競馬のことで伺いたいのですが、先ほどからも質問が出ていますけれども、先月のレース再開の時に水沢の所属馬は出走前検査を全頭行うと、盛岡は抽出検査はやるけれども、全頭の出走前(検査)はやらないという、ちょっとそういう差がありましたけれども、結果としてそういった対応の差が、原因者がいるとすれば、そういうつけいる隙を与えたというか、5頭目を発生させる隙を与えたのではないかという見方もあると思います。先日の会見でも、(競馬)組合の方ではそういった部分が結果として甘かったということを認める発言もありましたけれども、その辺り改めて知事としてはどのようにお考えなのか。

知事
 今回の馬の所属は盛岡の厩舎ですけれども、陽性馬発生につながることが行われたのが盛岡の厩舎でなのか、それとも水沢に移動した後の水沢で待機中そうだった(行われた)のかということはわかっていないので、その辺のまさに手口がわかれば、何が足りなかったのかははっきりしてくると思います。

記者
 これは、結果論になるのですけれども、水沢だけでなくて、例えば、盛岡も全て出走前(検査を)やるよというふうに網を張り巡らせておけば、逆にそういう発生させる隙を与えるというようなこともなかったのではないかという見方もできると思います。その辺で、結果として対策が甘かったのではないかという見方は知事の中ではお持ちではないですか。

知事
 一定の時期に全ての馬は陽性反応がないことが確認されれば、その後に陽性を引き起こすようなことが絶対起きないかと言われると、そこのことも含めて、やはり手口と動機が明らかにならないと判断は難しいと思います。

記者
 あくまでも手口と動機が明らかになった上で、結果としてその対策が完璧なものだったのか、そうでなかったのかという判断をなさるということですか。

知事
 正確な判断は、手口や動機が明らかでないと難しいのですけれども、一方で今後の対策強化に当たっては、どこを強化すればいいかということについては、過去にさかのぼって、あそこが足りなかったのではないかという、そういう対策上の過去の検証はしながら、新しい対策をとっていくわけです。

記者
 では、現時点では甘かったとか、いや、そんなことはないとか、そういった判断というのは今のところなさるということではないということですか。

知事
 やはり手口、動機との関係で、どこに問題があったかというのは確定すると思います。これは私がそう言っているとかという問題ではなく、そう思いませんか、客観的に、事の本質として。まあ、いいや。ここは私が皆さんに質問する場ではないのだけれども、今のは感想として受け取ってください。

記者
 私は総合計画についてお尋ねします。来年度初年度になる次期総合計画、幸福というテーマでしたけれども、特に県議会中心に行政のお仕着せの幸福ではどうなのか、よくないのではないかとか、そもそも前提としている物質的豊かさがまだ足りていないのではないかとか、そういった議論を経て、改めて知事が思う幸福をテーマとすることについてどうお考えかということをお聞かせください。

知事
 計画というのは、何をやるかを決めるのが計画ですので、本当にこれは長らくお待たせしたわけではありますけれども、ようやく10年間の長期ビジョンに加え、当面の4年間のアクションプラン部分、政策(推進)プランも発表され、それを見ていただければ、県として何をすれば、そしてまた、さまざまな主体が何をすれば、県民の幸福度が高まる、岩手に関わる全ての人たちの幸福度が高まるかと考えているかは、今明らかになっていると思います。経済産業面については、1次産業、2次産業、3次産業、それぞれにかなりきめ細かな施策プラス今までやったことないような新しい機軸も盛り込んでありますし、そして生活の多様性に応じて、医療、福祉、教育、また、今までのいろんな県の計画では、歴史、文化のようなことが政策の大項目になることはなかなかなかったのではないかと思うのですけれども、そういうことも大項目にしながら、岩手に生きる人、岩手と関わる人をカバーできるような形になっているのではないかと思うのですけれども、それで足りない、こういうこともしなければ幸福度は上がらないという意見こそどんどんいただきたいところでありまして、それを付け加えていくことで、よりよい計画になっていくと思います。

記者
 ありがとうございます。この1年は知事にとっては幸福な1年でしたか。

知事
 大分幸福度はアップいたしました。

記者
 何かあってアップしたのですか。

知事
 大谷君の活躍から始まって、洞口留伊さんのスピーチもそうですし、さっき言ったような復興の進展とか、海外とのつながりの進展とか、おいしいお米が取れたりとか、漁獲量の減少のような幸福度をダウンさせるようなこともあったのですけれども、ただそれに対してはうまく加工原料をスイッチして、例えばイカが捕れない分、タラにスイッチしてタラフライの新しい特産品というのが宮古の辺りを中心に生まれてきたりとか、そういう全体を総合すれば知事としての幸福度はアップし、それはひとえに県民の皆さんのおかげです。

記者
 先ほど来年の抱負を知事は述べられていましたが、来年は知事が9月で任期満了を迎えますが、知事のご進退について、今の時点ではどのようにお考えでしょうか。

知事
 今この瞬間には、来年1月からスタートダッシュということで、まずロケットスタート切ることだけを考えています。

記者
 来年は特に今後の10年間の県政を担う次期総合計画もスタートしますし、知事のマニフェストにもあった三陸防災復興プロジェクト、それは任期前の開催になりますが、ラグビーワールドカップ等、重要なイベントも開催されますが、その点について、それを踏まえてもご自身の任期についてはどのようにお考えですか。

知事
 任期付きの公職を選挙を通じていただいている者は、やはりその任期の中に集中して仕事をすることが大事で、有権者の負託に応えることだと思いますので、今日は今日一日、そして年が明ければ年明け一日一日に集中していきたいと思います。

記者
 それでは、ちょっと質問を変えますけれども、そうすると次の4年間というのは2020年度の復興創生期間の終了も迎えますし、そういった復興への対応、もしくは人口減少、産業振興、さまざま本県が抱える課題も山積していますが、そういった本県の県政をリードするに当たって、ふさわしいリーダー像というのは知事ご自身どのようにお考えでしょうか。

知事
 それは、共同体として決めていくことですからね、今、私がふさわしいと決めていただいたので、私が頑張ろうというふうに思ってやっています。

記者
 それは、県民の民意が、選ぶ方があくまでもふさわしいと(決めると)いうことでしょうか。

知事
 岩手県民はちゃんと賢明な選択ができる県民だと思います。

記者
 わかりました。ありがとうございました。

記者
 世界で活躍する選手がどんどん本県から輩出されている一方で、引退する選手もいるということで、サッカーの元日本代表で鹿島アントラーズの小笠原満男選手が昨日、現役引退を表明されましたが、それについての知事の所感を聞かせてください。

知事
 小笠原選手が選手を引退するというのは寂しいのですけれども、でもサッカー界への貢献も大きいのですが、岩手に対しても東日本大震災で打ちひしがれていたところ、いち早く現場に入って避難している皆さんを励ましてくれて、その後復興支援も行っていてくれて、岩手としても大変貢献してもらっているなと思います。選手ではなくても、引き続きサッカー界への貢献は大いに期待しますし、また、岩手に対する貢献もよろしくお願いしたいと思います。

記者
 大阪府知事と大阪市長が都構想という地域的な政策課題に関して任期の満了になる前に前倒しで選挙をする意思を示しているというのが報道であったのですけれども、衆(議)院の解散のような感じのことを地方選挙で打って出ると、結構大胆なことですし、公職選挙法とか、地方自治法とかの中でいいのかどうかというのは私はよくわからないのですけれども、こういう仕掛ける出直し選挙みたいなのを一つの政策課題を持ってやるという、こういう地方選(挙)に対する動きというのは知事はどのようにご覧になりますか。

知事
 衆議院の解散というのも勝手気ままにやってはいけないことで、よくよく国民にとって選挙、投票を今しなければならない、そういう大事なテーマがあるという時でなければ解散総選挙というのはやってはいけないのだと思います。そして、地方においてもそういう大事なテーマがあれば、それは民意を問うために首長選挙の場をそうしたものにするというのはあり得るのだと思いますけれども、そこは大阪府民、市民の皆さんが一度は都構想については住民投票で判断を示しているわけですから、それをやり直しということについては、イギリスでもEU離脱について同じ似たような動きがあるのですけれども、よくよく慎重にまず議会の議員さんはじめ住民の皆さんの意向、思いというのを尊重しながら決めていかなければならないことだと思います。

記者
 知事ご自身がこういう政策課題で、先ほどもおっしゃったようによくよく慎重であるべきということだと思うのですけれども、何か政策課題があって、どうしても県内で議論が二分されるような時はそういうことをやるのはご自身が知事の立場でそういうのをやるのは一つの手段だとはお考えにはなりますか。

知事
 本当はやっぱり4年のサイクルの中にうまく当てはめて、決められた選挙の時に選挙の公約とか、あるいは選挙戦での論点、争点として扱うことが望ましいのだと思います。というのは、全ての被選挙権がある岩手県民の皆さんというか、首長は県民でなくてもいいのだけれども、立候補の可能性がある全ての人たちが4年任期というサイクルの中で、次に立候補するかどうか考えたり、準備をしたりするのでしょうから、現職が勝手気ままに選挙の日にちを前倒しするというのは、ほかに立候補しようとしていた人たちにとっては不利になるわけですからね、だからやっぱりなるべくそういうことはしない方がいいのだと思います。

記者
 なるほど、ありがとうございます。そういう中で、先ほどの質問にもありましたけれども、知事の任期は来年の9月10日なのですけれども、出てみようという人がいる場合に、現職の動向というのは一つのバロメーターだったりすると思うのですけれども、相手のために自分の出るタイミングを考えるということはないとは思うのですけれども、知事ご自身は県民に選択肢を与える時に、仮にですけれども、知事がもしもう一期やるというふうになった場合に、選択肢を示そうとした時に、そうじゃないという人たちも立候補したり、擁立したりするためにある程度どのぐらいの出馬のタイミングの時期とかというのは考えたりするのでしょうか。

知事
 具体的にそういう相談があれば考えますけれども、そういう具体的なこともないのにそういうことに頭を使って、今この瞬間やらなければならないことから注意をそらすのは、やっぱり私を選んでくれた皆さんに申しわけないことなので、そういうことはしません。

記者
 わかりました。あともう一つ、知事は今、初当選された1期目と、今3期目と、自分がやっている仕事に対して、当然今までいろんな災害があったり、いろんな事業に取り組まれてはいるのですけれども、マンネリにならないように心がけていることとかというのはあるのでしょうか、自分の施政の仕方というか。

知事
 特に心がけてはいないけれども、何かマンネリになっている余裕はないという感じがしますね。

記者
 あと、多選ということに関して、以前に質問させていただいた時に多選の弊害というものが大体どんなものかある程度、ほかだったり見てわかるので、それに陥らないようにすれば多選の弊害というのは防げるというような趣旨をかつて知事はおっしゃったことあるのですけれども、今それは3期目の残り1年切った中ではうまく順調にそれは取り組めているというふうにお考えですか。

知事
 まず、私自身が今、仕事をしていることに後ろめたさはありません。

広聴広報課
 以上をもちまして記者会見を終わります。

知事
 それでは、よいお年を。お疲れさまでした。
 

 次の定例記者会見は1月7日(月曜日)の予定です。

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