「いわて幸せ作戦会議(in住田町)」(令和7年8月27日)

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ページ番号1091338  更新日 令和7年11月5日

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日時
令和7年8月27日(水曜日)10時40分から12時00分まで

場所
住田町役場1階 町民ホール

出席者

・参加者(敬称略)

   中村 純代  (一般社団法人大船渡地域戦略 事務局長)

   石田 裕夏  (陸前高田市地域おこし協力隊 特定非営利活動法人高田暮舎 移住コンシェルジュ)

   阿部 正幸  (株式会社山海畑 代表取締役)

   平林 慧遠  (しもありすマンふぁーむ 代表)

・県側

   達増 拓也 知事

   沖野 智章 沿岸広域振興局副局長

   小野 博 政策企画部長

開会

小野部長
 それでは、ただ今から県政懇談会「いわて幸せ作戦会議in住田」を開催いたします。皆様には御多忙のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。心から感謝申し上げます。 本日は、「それぞれの挑戦者たちが描く気仙の未来」を懇談のテーマとしまして、気仙地域でより良い復興に向けて取り組まれている皆様にお集まりいただいております。私は、本日の進行役を務めさせていただきます、県の政策企画部の小野と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

知事あいさつ

写真:懇談会の様子1

小野部長
 それでは、開会に当たりまして、達増知事から御挨拶申し上げます。

達増知事
 
皆さん、おはようございます。本日は、お忙しいところ、御参加をいただきまして誠にありがとうございます。県政懇談会というのは、知事が県内各地域、各分野で活躍している方々のお話を直接伺い、県政に役立てるということで昔からやっております。「いわて幸せ作戦会議」という名称になったのは、「いわて県民計画(2019~2028)」という10年計画の基本目標が、「東日本大震災津波の経験に基づき、引き続き復興に取り組みながら、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわて」という幸福を基本目標に掲げていることから、「いわて幸せ作戦会議」という名称であります。

 本日は、「それぞれの挑戦者たちが描く気仙の未来」ということで、今年のちょうど半年前ということで、報道でも、ここ数日、盛んに行われているわけですけれども、大船渡市で大規模林野火災があり、真っ向から向かって乗り越えていこうという挑戦が、今、この地域にはあると思います。

 また、人口減少問題というのは日本全国共通の課題ではありますが、この地域にも人口減少問題という挑戦があります。そして、東日本大震災津波の挑戦というのは、やはり、大変大きく、今でもその要因は大きく残っているわけでありますけれども、そのような復興の経験の中から新しい地域振興の取組が、この地域で生まれ、また育っているということもあります。そういう意味で運命によって、この挑戦ということが避けられない状況になっているというところもありますが、それを主体的に受けとめて、やるぞということで主体的に取り組むということで、本当に乗り越えて大きな課題も乗り越えていくことができるんだということ。それを、今、県内外に発信しているのが、ここ気仙地域だと思いますので、今日はそういうお話を伺い、まず、この地域の将来をより確かなものにしていくということ。そして、岩手全体、さらには、日本全国にも希望が持てるようにしていく。そういう、大きな一歩にしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

出席者紹介

小野部長
 
それでは、この後の進め方についてですが、まず、私からお一人ずつ、御出席の皆様のお名前を御紹介いたしますので、続けて1分程度で簡単な自己紹介をいただければと思います。その後、本日のテーマに沿ってお話をいただきますが、お一人ずつお話が終わった都度、知事がコメントをするというような形で、区切りながら進めていきたいと存じます。そして、最後に自由懇談の時間も設けたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。それでは、本日、御出席の皆様を御紹介いたします。まず、一般社団法人大船渡地域戦略事務局長の中村純代さんです。お願いします。

中村 純代
 中村純代と申します。今日はどうぞよろしくお願いいたします。私は、2011年の東日本大震災の時にボランティアの予定で2週間の予定でリュックを背負ってきてそのまま現在に至っているんですけれども、やはり、岩手の魅力、特に気仙地域ですね。魅力に本当に取りつかれてると言っても過言ではなくて、それを外からいらっしゃる方にもお伝えしたいし、地元の地域の方にも、改めて、「自分たちが住んでるところが素晴らしいところである。」っていうことを実感していただきたいなと思って様々な活動を行っております。今日はどうぞよろしくお願いいたします。

小野部長
 
ありがとうございます。よろしくお願いします。続きまして、陸前高田市地域おこし協力隊 特定非営利活動法人高田暮舎 移住コンシェルジュの石田裕夏さんです。お願いいたします。

石田 裕夏
 
初めまして。陸前高田市のNPO法人高田暮舎で移住コンシェルジュを担当している石田裕夏と申します。高田暮舎は陸前高田市から業務委託を受けて移住定住促進事業を担っている法人です。現場スタッフは全員地域おこし協力隊で構成されているので、私も地域おこし協力隊であり、移住者でもあります。私の出身は新潟県ですが、移住前は夫の地元の京都に住んでいました。そんなある日、夫から、「夏でも涼しい東北に移住をしたい。」と相談を受けたことがきっかけで本格的に移住を検討するようになりました。そして、相談を受けてから3か月後には、まず旅行として高田を訪れまして、8か月後には、当時、保育園の年中さんだった息子を連れて家族三人で高田に移住してきました。高田暮舎では私自身の移住経験を生かしながら、移住前から移住後まで一貫したサポートを行っております。本日はその取組の一部にはなるんですが、御紹介させていただければと思います。よろしくお願いいたします。

小野部長
 
よろしくお願いいたします。続きまして、株式会社山海畑代表取締役の阿部正幸さんです。お願いいたします。

阿部 正幸
 はい。阿部と申します。よろしくお願いします。私も中村さんと同じように、1週間のつもりでボランティアに来たのがきっかけで、それがいつの間にか13年になりまして、今は大船渡市の綾里というところで、家も買ってしまい、自分の会社もそこで去年起業しましたので、しっかり岩手の人になったなと思っています。もともと、本当に1週間のつもりの教育支援のボランティアがきっかけでそこからNPOの職員を1年ほどやった後、今は株式会社雨風太陽という会社になりましたけれども、生産者と消費者をつなぐということで、関係人口という言葉、もう世の中一般的になりましたけれども、そういった言葉の提唱に携わりまして、ずっと私自身はその東北食べる通信という食べ物つき情報誌というサービスに従事しております。傍ら、5年前に綾里に引っ越しまして、春は3月4月のワカメの船に乗り、それ以外の時期は東北あちこちを駆け回りながら、生産者を取材したり、いろんな地域振興に係るプロジェクトに携わっているとそんなところでしたが、今年の2月26日ですね。私の家のすぐ近くでも山林火災で燃えまして、私自身も正直、自分の家はもう無くなるなという覚悟をしまして、家を避難して2週間避難生活を送りました。今日は、その後に展開しました、「綾里ワカメ大作戦」ということで支援活動の内容をお話しようと思いますけれども、自分自身もどちらかというとこれまでは支援する立場だったものが、ある意味、被災者というか応援される側になって非常に自分の考え方も変わったところもありましたので、そういったことを含めてお話できればと思っております。よろしくお願いします。

小野部長
 
よろしくお願いいたします。最後に、しもありすマンふぁーむ代表の平林慧遠さんです。お願いいたします。

平林 慧遠
 平林と申します。よろしくお願いします。皆さん、遠いところ来ていただき、ありがとうございます。私は農業と林業を普段やっていて、なりわいを生きがいにして生きていきたいとずっと思っており、それを今やってます。そんなに挑戦してるかどうかは分かりませんが、その辺をお話したいなと思います。また、先ほど山火事の話もありましたが、実は、以前に気仙地域で県職員をしており、達増知事の下で働いていたこともあり、気仙という地域がすごい大好きです。今回このような事態があり、林業をやっているので何かできればと思っています。今日はそういうことも含めてお話できたらなと思ってます。私が住田に来たのは妻の実家が住田にあり、農業林業をやっているので、そこで、一時期お手伝いしていました。今は自立してやっているというところです。その辺も含めてお話したいと思います。よろしくお願いします。

小野部長
 
はい。よろしくお願いいたします。県からは、達増知事、沿岸広域振興局大船渡駐在の沖野副局長でございます。なお、本日は、県議会議員にもお越しいただいておりますので、御紹介いたします。大船渡選挙区選出の千葉盛議員です。


千葉盛議員
 よろしくお願います。

小野部長
 
はい。よろしくお願いいたします。

懇談

写真:懇談会の様子2

<テーマ>
それぞれの挑戦者たちが描く気仙の未来

小野部長
 
続きまして、皆様のお手元にお菓子と飲み物を準備しておりますので、召し上がりながら御懇談いただければと思います。まず、沖野副局長から本日のお菓子と懇談テーマを御紹介しますので、どうぞ召し上がりながらお聞きください。


沖野副局長
 
沿岸広域振興局の沖野でございます。本日、お手元の方にお飲み物とお菓子をご用意させていただきました。この茶菓を御紹介いたします。まず、お飲み物ですが、これは地元の定番でございます。JAおおふなと営農部が製造販売しているりんごジュースでございます。こちらは、陸前高田市の特産品である「米崎りんご」を使用して作られた果汁100%のジュースでございます。りんごを丸かじりしたようなみずみずしさと、自然の甘さとコクをお楽しみいただきたいと思います。続いて、お菓子ですが、お菓子は大船渡市のさいとう製菓株式会社の「黄金の七郷」でございます。気仙地域は、かつて奥州藤原氏の黄金文化を支えたとされるほど多くの金が算出した場所として知られております。7月には日本遺産みちのくGold浪漫、これに大船渡市が追加認定されたところでございます。こちらのお菓子は、黄金の国ジパングをイメージした商品でございまして、上品な黄身餡の中に栗を丸ごと包み込み金箔をあしらった美味なる一品でございます。どうぞご賞味いただきたいと思います。

 続きまして、県政懇談会のテーマについて、御説明させていただきます。今回は主要テーマを「復興・ふるさと振興」といたしまして、三陸のよりよい復興の実現に向け、各方面でご活躍されている皆様と意見交換を行わせていただくものでございます。本日の具体テーマは、「それぞれの挑戦者たちが描く気仙の未来」とさせていただいております。東日本大震災津波から14年が経過し、復興の取組は着実に進んでおりますが、一方で、人口減少やそれに伴う担い手の不足、地域のなりわいの再生や震災の教訓の伝承等、いまだ多くの課題が残っていることに加え、今年7月に大船渡市内で発生した大規模な林野火災による被害からの復興も、今後取り組むべき新たな地域課題となっております。

 そこで、今回は、気仙の未来に強い思いを持って、それぞれの地域や分野で地域に活力を与える取組に挑戦していただいている皆様に御参加をいただきまして、気仙地域のより良い復興という未来を見据えた取組を話題にしたいと考え、このようなテーマとさせていただいたところでございます。本日は限られた時間ではございますが、どうぞよろしくお願いいたします。

小野部長
 
ありがとうございました。それでは、早速ですが、懇談に移らせていただきます。ここからは、沖野副局長から説明がございました、本日のテーマ「それぞれの挑戦者たちが描く気仙の未来」といったことで、NHKのプロジェクトXのような形になっておりますけども、お集まりの皆様それぞれ異なるフィールドでありますけれども、いろいろな活動を進められていらっしゃいます。現在の取組や課題、今後の方向、御自身の抱負、県への期待なども含めてお話をいただければと思います。中村さんから順にお一人5分程度でお話をいただき、その後、自由懇談というような形で進めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。それでは、初めに中村さん、お願いいたします。

中村 純代
 
よろしくお願いいたします。まず、最初にお配りしたお手元にある、この「トレイル・メンテナンス・ミーティング」のチラシ。お手元にございますのでご覧いただけますでしょうか。来月9月27・28日に今回の大規模林野火災で被災した綾里・赤崎地区に通っております、みちのく潮風トレイルのルートが被災していることから、そのルートの復興、地域の復興ということを多くの皆様と語り合うためのシンポジウムと、カリフォルニアからトレイルメンテナンスの専門家であり、林野火災の専門家でもあるので、そういった方たちをお招きして実際にトレイル整備、ノウハウについて、考え方について学んでみようということを2日間かけて企画をしております。ぜひ皆様にもご参加いただきたいと思いますので、よろしくお願いします。このチラシに至るお話をこれからさせていただきます。私は先ほども申し上げたとおり、ボランティアとして来まして、その後、帰ろうと思っていると、「こういうことをやらないか。」とか、「こういったことをやってくれないか。」というような話があって、「それをやってから帰ろう。」、「次を終えてから帰ろう。」と思っているうちに、結局、現在に至っております。その中で自分が九州生まれのものですから、東北については本当に何も知らなかったんですね。震災の時もたまたま岩手に来たという言い方になるんですけれども、よく分かっておらずに来たような状況だったんです。そんな私が13年ほどですかね。阿部さんと同様にこの地域のことを知っていき、地域の方たちにお世話になりながら、いろんなことに取り組んでいく中で、やはり、自分の中では、東北、岩手、そして、気仙の魅力というのは、この雄大な自然だったり、海ですね。海から取れるおいしい食べ物というのもあるんですが、そして、何よりも人だと思っています。いろんな方たちに本当にお世話になってきたんですが、本当に魅力的な方たち、そして、地域のことを誰よりも思っている方たちでこの町は構成されている、この地域はできているなと思ったので、その魅力をきちんと外に発信していきたいということで、今やっている旅行会社で取り組んでいます。今いる旅行会社は3年前に転職しました。その前はまちづくり会社であります、キャッセン大船渡という商業施設にオープンから関わらせていただいておりました。市内の中心部に再生された商業施設が賑わっていれば、地域が潤うんじゃないかという考え方を最初は思っていたのですけれども、もちろん、誘客という効果はあるんですが、やはり、地域の人、例えば、小さな商店のお父さんとか民宿のお父さんお母さんたちが本当に潤っているかというと、なかなかそこまでまだ結びついていないなということを感じたので、旅行会社に転職をしました。旅行会社で何をやってるかというと、地元のツアーですね。ローカルツアー部門を会社の中に立ち上げていただいて、外から来る人たちを御案内する仕事をしております。宿泊される方がいても、そのまま帰ってしまう方が多かったりするので、やはり、ビジネス目的のお客さんが大船渡には多いので、その方たちにも1分1秒でも多く滞在いただいて、1円でも多く地域にお金を落としていただくには、やはり、旅行という仕組みを観光という仕組みを使うのが一番良いのではないかと思って、ローカルツアー部門を立ち上げ、同時に観光地域づくり法人大船渡地域戦略のDMO登録も担当させていただき、昨年おかげさまで登録DMО法人となりました。やっていることは同じなんですけれども、やはり、観光で地域が稼ぐ力を身につける。観光とは観光業者だけのものではなくて、一次産業、二次産業、いろんな産業の方たちがそれぞれ「関わりしろ」を持っている部分だと思っております。ですので、その方たちが地域で観光で稼いでいく力を身に付けるということで登録DMOに取り組むと同時に、自分は外からいらっしゃるお客様を一人一人御案内して、素敵な場所にお連れし、美味しいものを食べてもらって、そして魅力的な方たちに会ってもらうということを日々地道に実践しているというところになります。地域の人たちが大船渡というところを多分、皆さん控え目だと思うんですけど、あまり、「良い所だよね!」とはなかなか言わないっていうのがあって、それは私みたいな九州から来た人間からすると、「なんでだろう。」って思っていたんです。こんなにいいところなのに、と私はいつも言っているのですが、地元の方は「えー、何が良いの?」とか、「いいとこある?」などと言われて、「いやいや。」みたいな話をいつもするんですけど、それはもともと良いとこに住んでるからなのであって、やはり、そういう方たちにも、改めて「自分の住んでるところはいいとこだよ。」、「自分の住んでるところ最高だよ。」というように声に出してもらえることができたらっていうのが私の目標としているところであります。その中で、それが魅力だと感じていることを一番お伝えできていると思うのがみちのく潮風トレイルです。皆さん御存じのとおり八戸から新地までの1000キロのルートです。その中で岩手県は499キロ、ほぼ半分は岩手県なんですね。さらに大船渡市は77キロありますが、自然の豊かさだったり、ダイナミックさだったり、あとは食べ物の美味しさだったり、地域の人たちの温かさに触れることができる、私からすると、自分が素晴らしいと思っている魅力をすべて詰め込んだ観光コンテンツだと思っております。みちのく潮風トレイルを知事にもよく触れていただいて、本当にありがたいと思っておりますが、やはり、この地域ですね。気仙も含めたこの地域の改めて魅力を発信できる観光コンテンツとして力を入れているところでございます。いろんな事業をDMOの方で取り組んでおりますが、このチラシにある「トレイル・メンテナンス・ミーティング」は、大船渡地域戦略の方で取り組んでいる環境省事業の一つでもあります。こういったメンテナンスを本来県の仕事、国の仕事みたいに火災の後にいろいろ言われたりしますが、私たちはこの地域を、このルートを愛するハイカーさんだったり、地域の皆さんを含めてみんなでどうすればいいか考えて、このトレイルを復興させるため、地域を復興させるために自分たちが何ができるかということをみんなで考えて取り組んでいきたいというふうに今は考えております。あと、個人的には、この地域は水も米もお酒も美味しくて体重が増加の一途を辿っているんですけれども、ここに来た人たちはみんなすごくいいとこだって分かるんですけど、来るきっかけになるためにプロモーションというものが必要だと思っておりまして、そのために広域連携の取り組みですとか、あとは、みちのく潮風トレイルのような4県29市町村が入った広域での観光コンテンツの可能性というところに非常に感じているところでございます。早口になりましたが、以上です。ありがとうございました。

小野部長
 
ありがとうございました。中村さんから地域の人たちが本当におじいちゃんおばあちゃんも含めて潤う上で、人から人を呼び込むと、そして、できるだけ長く居てもらって、そこでお金を落としてもらう。これも重要といったことで観光、それからローカルツアーの企画運営といったことも取り組まれているといったことでございます。知事の方からお願いいたします。

達増知事
 
中村純代さんには大船渡にずっといていただいて非常に大事な活動をしてもらい、私からも御礼申し上げます。ありがとうございます。「トレイル・メンテナンス・ミーティング」。「カリフォルニア・コンサベーション・コー」のCCCをゲストに迎えるということで非常に素晴らしいなと思います。今年のG7サミットがカナダで開かれましたが、サミットの議題というのは非常に大事で各国自分の国から議題に載せたいと思うことを競争しながら議題に入れているのですが、今年のサミットでは森林火災というのが議題に盛り込まれていまして、それについてサミット参加国で共同宣言もしていて、実は、欧米プラス日本共通の課題になってるんですね。カリフォルニアも非常に大きな山火事に襲われて大変だったわけですし、カナダもそうで、ヨーロッパの方でも、どんどんそういうのが起きているっていうことで、そういう課題を世界と共有しながら、そして、トレイル整備というものを直接地域に触れて直していく活動をするってのは非常に良い活動だと思います。みちのく潮風トレイルは、海外メディアでどんどん取り上げられて評判が良くなり、多くの人たち、インバウンド観光客も来るようになっていて素晴らしいところだと思います。国立公園もあるところですし、またジオパークでもあって、そもそも地質的に変化に富んでいて、その上に豊かな自然や人々の歴史文化も乗っかっていて、そして、東日本大震災津波の経験もあるっていうことで、世界にあるいろんなトレイルの中でも、もう傑出したトレイルですよね。そして、世界のトレイル。アメリカのアパラチアン・トレイルをちょっと歩いたことがあるんですけれど、本当に人里離れたところにあって、潮風トレイルの方は歩く場所そのものは人が住んでないようなところを歩くんですけど、すぐ近くに町も鉄道の駅とか都市機能がすぐ近くにあるので、都市機能も活用しながら、人が住んでいないようなところを歩くっていう非常に便利なトレイルであり、これは本当に岩手の宝だなと思っておりますので、ぜひ、大船渡市・気仙地区でも大いに活用して欲しいなと思います。そして、関係人口ですね。これは本日の共通のテーマになると思いますが、これは外からどんどん人に来てもらうということで、改めて地域の良さ魅力も発見されていくということが大事なんだと思います。今年の1月2月ごろ、「サンセット・サンライズ」という映画が公開されて、原作は岩手県一関市出身の楡修平さんが書いていて、厳密には岩手県境に近い宮城県の漁村港町が舞台になってるってことなんですけど、映画の中では県にはほとんど言及されず、「東北に来てます。」とか、「三陸に来てます。」っていうことで大船渡でもロケされているので、大船渡の映画だって言ってもいいような感じの映画になってると思いますね。あの映画でも地元の人たちは地元の良さがよく分からないというか、何もないと。特に、東京の人との関係では全然駄目ですからみたいな感じになってるんですけれども、東京から来た釣りが好きで魚が好きな主人公なので、そこの角度から地域の良さをどんどん表にし、そして、リモートワークですよね。テレワークを発展させていくっていう地方創生ドラマにもなっているんですが、そういう最初は食べ物とか景色とかそういうところから良さを発見するわけですが、だんだんいろんなビジネスとか生活全体、仕事にも、そういう場になっていくっていう可能性が非常にあると思いますので、ぜひ、その調子でやっていただきたいと思います。ありがとうございます。

小野部長
 
それでは、続きまして、石田さんの方からお願いいたします。

石田 裕夏
 
改めまして、石田裕夏と申します。まず、お手元にパンフレットをいくつかお配りしておりますので、これも見ながらお聞きいただければなと思います。移住歴3年目で地域おこし協力隊3年目の私が移住定住促進のためにどのような活動をしているか、そして、どんな未来を目指しているのかというところをお話させていただければと思います。まず、移住コンシェルジュの活動内容は、大きく分けて三つあります。一つ目は、広報活動。二つ目は、移住フォロー。三つ目は、定住フォローになります。一つ目の広報活動なんですが、数ある自治体の中から陸前高田に興味を持ってもらうためには、まず知ってもらうことが大切かなと思っています。そのために、「高田暮らし」という移住定住ポータルサイトがあるんですが、こちらで情報発信を行っています。また、年に数回、東京で開催される移住フェアに出展をして陸前高田の魅力をPRする活動を行っています。その出展の時だったり、相談の時にこういった「高田暮らしの手引き」というものを使って高田がどんな町かを御案内したり、相談、配布なども行っています。移住フェアで思い入れのあるエピソードがあります。私が移住コンシェルジュになって初めての東京での移住フェアに出展した際に会場の入口でどこのブースに行こうか悩んでいる女性がいました。一緒に来ていたスタッフが、陸前高田で話を聞いてみませんかと声をかけてくれて、私がいる高田のブースまで連れてきてくれたんですが、お話を伺うと、その当時、大学4年生で卒業と同時に、移住と就職をしたいとおっしゃっていました。高田には、同じように新卒で移住して市内で協力隊だったり、就職をしてっていう若者もいるので、後日、ZOOMでお繋ぎして相談できる場をセッティングしました。そうしたらですね、その後、実際に現地を訪れてみたいということで現地案内の御希望をいただきましたので、どんな場所に行きたいのかとか、どんな人に会って話を聞いてみたいのかを事前にヒアリングさせていただいてプランニングをして、当日、御案内をさせていただきました。それから数か月後に、「陸前高田市役所に採用が決まりました。」と御連絡をいただきまして、「住まい探しのお手伝いもして欲しいです。」ということで、こっちに来た時に一緒に不動産屋さんに行って内覧に同行したり、そういったお手伝いの方もさせていただいた方がいます。現在も高田で仕事も暮らしも楽しんでくれていて、私も自分事のように本当に嬉しく感じています。彼女のように移住から実際に移住するまで、あっという間に決める方もいれば、移住を検討し始めてから数年後に、「やっと念願が叶って移住することができました。」っていうような相談の方もいるので、本当に移住相談は十人十色だなと感じています。だからこそ、二つ目の移住フォローに繋がることなんですが、一人一人の相談に丁寧に親身になって対応するということを常に心がけています。移住フォローの方ですね。こちらの活動は日々の移住相談対応というところが主な活動にはなってくるんですが、その他にも、年に一、二回、2泊3日の移住体験プログラムというものを企画運営しています。このプログラムでは個人旅行ではなかなか体験できないような先輩移住者だったり、地元住民の方との交流だったり、また、農業体験・漁業体験といったことを今まで行ってきました。今年度も9月と2月に開催を予定しています。過去5回の移住体験プログラムでは対象者を20歳以上の方としていたんですが、9月のプログラムでは未就学児の親子を対象に高田での暮らしだったり、お子さんの一日保育所体験ができるような企画を用意しています。というのも単身ではなく、ご家庭をお持ちの方の移住相談は大きく分けて2パターンありまして、一つ目は、未就学児のお子さんがいるご家庭です。我が家もそうだったんですけれども、やっぱり、子どもが小学校に上がる前の方がフットワーク軽く動けるのかなというところで、そういった相談が多いのと、もう一つのパターンがお子さんがもう独立をしたので、夫婦で移住をしたいですというご家庭が多いです。こういった移住相談の増加を受けまして、今回は未就学児の親子に向けた移住体験プログラムというものを企画運営に挑戦することにしました。初めての試みとなるので、いろいろとバタバタはしているんですが、来月の開催に向けて準備を頑張っているところです。三つ目の定住フォローですね。こちらの方は、「高田暮らし交流会」というイベントを定期的に企画運営しています。チラシも入れているんですけれども、こういったものですね。この目的なんですけれども、普段の暮らしの中でなかなか接点が持てない先輩移住者だったり、地域の方と繋がっていただけるような機会として定期的に交流会を企画しています。今年度は6回予定をしていまして、5月には、みんなで一緒に夕食を作って食べる交流会をしました。7月には海の見えるキャンプ場でバーベキューを楽しむ交流会をしました。次回、9月ですけど、ボッチャとかカローリングといったニュースポーツで体を動かした後にみんなで一緒にランチを食べるっていう交流会を企画しています。いつも参加者10人くらい募集をしてやっているんですけれども、参加した方からは「楽しかった。」とか、「また参加したいです。」と、とても好評いただいてますので、皆さんからの声を生かして内容をブラッシュアップしながら、これからも企画運営を続けていきたいなと考えています。最後に、私が思い描く気仙の未来についてですけれども、陸前高田には高校卒業した後の進学先がないので、多くの若者が一度は市外に出ていってしまいます。ただ、それは決して悪いことではなく、むしろ、世界を広げるいい機会だなとは思っているんですが、ただどこかのタイミングで、やっぱり地元に戻りたいなと思ってもらえるような、そんな町であって欲しいなと願っています。そのために、私たちは移住してきた方々だけではなくって、もともと高田に住んでいた人たちとも繋がりを作って、みんなが安心して楽しく暮らし続けていけるような場所づくりを目指していきたいなと考えています。そして、今後は、陸前高田市だけで完結するのではなく、生活圏を共にしている住田町や大船渡市とも連携をしながら、広域での受け皿を作っていくことが大切なのかなと感じています。人の流れだったり、暮らしの形が多様化していく中で行政区を越えた取組がこれから地域の鍵になってくるんじゃないのかなと現場で動いている立場からそのように感じています。陸前高田に限らず、この地域全体が暮らしたい帰ってきたいって思えるような場所になっていくことを願って、今後も移住定住の活動に取り組んでいきたいなと思っております。以上になります。ちょっと触れることはできなかったんですが、お試し居住という中長期間の暮らし体験ができる制度もありますので、パンフレットを入れさせていただいていました。ありがとうございます。

小野部長
 
ありがとうございました。広報、それから移住フォロー。そして、定住フォローという形で頂戴した「高田暮らしの手引き」を見てもとてもきめ細かく、様々な情報が掲載されていて、これは、心強いなと思いました。知事の方からお願いいたします。

達増知事
 
石田裕夏さんには、自ら移住定住してくださった、プラス、移住コンシェルジュとして、さらに多くの人を移住定住させていただき、ありがとうございます。本当にきめ細かな丁寧な「高田暮らしの手引き」と、このお試し居住というのも非常にうまくシステム化されていていいなと思います。「サンセット・サンライズ」の世界。あの映画の続きみたいな感じで非常にいいなと思います。そして、進学で外に出るっていうことについて、岩手県としても、県全体、やはり、大学等への進学で県外に出るという人は結構多いわけですけれども、四つの希望というキャッチフレーズで県としては考えています。まず、岩手に生まれ育ってて、そして、岩手に残って仕事をする、ずっと岩手にいる希望。また、岩手から、一旦、外に出て、また帰ってくる。大学等への進学で一旦岩手から外に出るけれど、働くのは岩手で働く、あるいは、一旦、県外、大都会で働き、何年かして、その経験を基に岩手に帰ってくるっていうそういう帰ってくる希望。それが二つ目で。三つ目は、岩手から外に出て外で大活躍するという大谷翔平君みたいなモデルなんですけど、それもやっぱり有りだと思ってます。大谷君がずっと外で帰ってこないわけではなく、帰ってくる可能性も諦めてはいないんですけれども、岩手で生まれ育って、そして、県外で活躍して、ただ、何らかの形で岩手との繋がりっていうのは保たれるので、それも希望だと思ってます。四つ目の希望は、これは岩手県外で生まれ育った方々が、岩手にやってきて、岩手で生活して仕事をするというそういう希望を他の希望と並列で考えておりまして、どういう人生に対しても、そのベースになれるというのが地方自治体のミッションだと思ってます。そして、そのように個人の要は、人生の広域化ということだと思います。昔であれば、生まれた場所でしか生きていけなかった、江戸時代などは大体みんな生まれた場所でしか生きていけなかったわけですけれども、明治に入って、職業選択の自由と居住移転の自由というのが、これは日本国憲法になる前から日本の中で保障されていて、明治維新以降、日本の中のどこに行ってもいいし、どういう仕事をしてもいいという時代になっているんですけれども、その中で残る人、帰ってくる人、またやってくる人、そして、外に出て外で活躍する人の最初の成長の部分、そのどれに対してもきちんと役目を果たすことができるような地域でいることが地方自治体のミッションだと思っております。それは陸前高田市という単位で考えてもそうだと思います。そういう四つの希望のどれに対しても、応えられるようでいると結構残る人も多くなるっていうところもあると期待しておりますし、転出超過っていう人口減少問題が全国的に問題になっていますが、転出した人は消滅しているわけじゃなくて、広域的に生活や仕事を展開しているわけですので、そういう個人の人生の広域化に地方自治体がきちんと対応し、幸福度が高くなるとか、希望がかなえられるとかっていうことにきちんと役立てる地方自治体でいればいいと思っております。ありがとうございます。

小野部長
 ありがとうございました。本日、お集まりの4人の皆さんはまさに人生の広域化をされて気仙を選んでいただいて御活躍されてる皆さんでございます。続きまして、それでは、阿部さんの方からお願いいたします。

阿部 正幸
 
よろしくお願いします。今、皆さんのお話を聞いて今日のテーマ「気仙の未来」ということで自分にとってそれって何かなと思ってお話聞いてました。一つは、やっぱり、自然資本だと思います。それはもう潮風トレイルだったり、海山。何しろ、山と海を両方体験できる場所ってのは世界中でもあまりないっていうことを多くの方にお話いただき、それがようやく光が当たり始めたというところなので、まだまだそこは、特に地域の方は気づいてないというか当たり前すぎて、「いやー、熊が出て怖いから山なんて入らない方がいいぞ。」って、二言目に言ってしまうんですけれども、「いやいや、それでも魅力があるんです。」っていうのを僕らは伝え続けたいと思って活動しています。もう一つは、やっぱり、震災以来なんですけれども、いろんな人を受け入れてきたこと、特に何か社会を良くしたいとか、様々な災害を何とかしたいと思ってる人が関わり続けてきたってことだと思います。私はいろんな取材があるので、東北あちこち行きますけれども、太平洋側も全然受け入れる地元の方の度量も違うし、人材の層っていうんですかね。それがあるなと。特に、気仙。津波がこの120年で4回来てる場所だとか、今回の火災でも非常に多くのボランティアの方を受け入れまして、特に若い世代、20代、震災当時まだ3歳4歳みたいな方々を受入れる中で私が非常に印象残ったのは、その子たちがすごい成長するんですよね。1週間漁業に携わったりする中で、その子たちの感想を見ていると、助けるつもりで来ましたけど、何か漁師さんとか凄すぎてみたいな。津波の時の漁師さんのその体験とか、その後、当然、みんな自力復興ガンガンやってきましたので、今回の火災でも自分の被害のことよりも地域のためにやってる活動だとか、そういう話を聞いて、特に今の若い子はコロナの時に学生時代ぶち当たってしまって、若干、人生経験が浅いというか「初めて遠出旅行しました。」っていう方も多い中で結構衝撃を受ける方が多い。自分の考えていた田舎とは全然違いましたと。こんなに凄い人たちがいっぱいいて、みんな何でもできると。自分の道具は何でも直せるし、そういう生き方に憧れましたっていうふうに多くの方が感想を残して、すごく僕はそれは可能性を感じています。もともと、私は、「東北食べる通信」という活動を通じていろんな生産者を取材してきまして、特にその中でも、やっぱり、Iターン・Uターン・Jターン、一度外を見た人すごく多いですね。それは、やっぱり、一回都会に出てて、地域のことを、良さを改めて感じて、戻ってきた人たちは何かし、何とかしたい。廃れゆく我が故郷を何とかしたい。例えば、この前は遠野のジビエをやってらっしゃる及川兄弟という方を取材しましたけど、イギリスまで留学して勉強して農水省の官僚をやって、それで今、遠野に戻って会社作って鹿のジビエをどうやったら地域の新たなその資源にできるかってやってらっしゃいますけれども、生産者って農業漁業をやってるだけじゃなくて、僕はソーシャルビジネスをやってるなとすごく思います。言ってみればNPOとかがやっていることをある意味では、ベンチャーとしてやっている方って非常に多いんで、私自身はそういう人をどうやったら少しでも支援できるか。やっぱり、地域の核となる資源だし、地域が変わるためのいろんな要素が詰まってるのが生産者。特に若手移住者だったりするので、それを少しでもサポートしたいと思って、ずっと10年以上仕事をしてきました。その中で綾里に住んでいますが、僕が綾里で取り組みたいなと思っているのは、やっぱり、関係人口、関係人口ってずっと我々は言い続けてきてましたが、本当にそれって地域のためになるんですかっていうのをそれに少しでも応えたい。ちょっと関係人口ってふわっとした概念なので、形が誰も定義できないところがあるんですけれども、それをもう少し、多分、それってまだまだ外の人の力を使うってことが皆さん、分からないというか、例えば、お祭りの時に「担ぎ手がいないから手伝ってけろ。」っていう話はありますが、もっと外の人の力が地域を良くすることができるのではないかと思ってますので、それを何かトライしたいなと思っています。それは、今回、非常に火災の時に感じました。私の家で非常に多くの方に寝泊まりしてもらって、とにかく、3月4月は避難生活でワカメの収穫の時間がない、人手がないっていうので、家も焼けて道具も焼けてワカメまで刈れずに半分捨てるのかみたいな、そういう議論をずっとしてきた中で、僕のできる支援活動はとにかく漁業だなと思ったので、行政の方がいろんな支援を取り組む中で自分にしかできないことをやろうと思って、「綾里ワカメ大作戦」ということで、1か月半活動して、ようやくその地域のワカメをほぼほぼ刈りきれたので、それには安堵しましたが、何より、その外の人の力が本当にちゃんと地域のためになるんだと。それを証明したかったってのはありました。実際、それを踏まえて、漁師もこうやって自分たちだけで何とかするんじゃなくて、外の人の力を借りるのも大事だなっていうふうに意識変わってもらった部分もあると思いますし、関わった都会の人は、逆に「いやいや、自分が成長したんです。支援に来たつもりだけど、こんなに成長した2週間なかったです。」みたいな。そこはやっぱすごく双方にとっての学びがあるというか、Win-Winというところがあると思うので、そういうことをどれだけ今後できるかなと。災害のときは注目も集まりますし、ある意味ピンチはチャンスのとこもあるんですけれども、どうやってそれを平時でやっていこうかってことをこれから取り組みたいなと思っています。はい。以上です。

小野部長
 
ありがとうございました。今のお話で関係人口が地域のためになる、あるいは、御本人の成長に繋がるといったことを証明したかったといったことで様々な取組、特に、「綾里ワカメ大作戦」。これにも取り組んでいらっしゃるといったことでお話をいただきましてありがとうございます。知事の方からお願いいたします。

達増知事
 阿部正幸さんも、もう長く綾里を中心に大船渡でさらに岩手で活動してもらっていて、ありがとうございます。「綾里ワカメ大作戦」というのは本当によかったと思います。ワカメを刈りきれた、売り切れたっていうこと。そして、それが、希望に繋がったっていうこと、大きかったと思います。そして、東京のいわて銀河プラザで販売することで全国の人たちにアピールすることができました。東日本大震災津波からの復興の時も、岩手県は「開かれた復興」というスローガンを盛んに発信しまして、「地元の底力」プラス「様々な繋がりの力」ですね。「復興の力」イコール「地元の底力」プラス「様々な繋がりの力」という復興方程式というものを掲げてですね。地元の底力がなきゃ駄目だというのがまず基本にはあるんですけれど、それだけでも駄目でプラス「様々な繋がりの力」で合わせて、「復興の力」になるということで今年の大船渡林野火災からの復興っていうのも開かれた形でスタートをできたことがすごくよかったと思っております。そして、ボランティアで来てくれた人たちが漁師さんの凄さに驚いたりとか、成長したというのも大変良かったと思います。なるほど。コロナがあって人生経験が浅いっていうのはすごい大事なことだと思いますね。コロナでいろんな制限があった期間っていうのは、やはり、その時にやれないことがたくさんあって、いろいろ暗い影を落としてますからね。それを回復するような埋め合わせるようなことが、今、求められていると思うので、そういうコロナのパンデミックからの回復という点でもすごく良かったんだと思います。やはり、交通は着実に便利になってきて、そして、情報通信技術は飛躍的に発展しているので、市町村の境とか県の境。さらには国境を越えた活動というのは、ますますやりやすくなっていて、そういう技術的な背景の基に関係人口っていうのが発展できるようになってるんだと思います。地方自治体としては、地域に根差す視点からすれば、まず、岩手から県外に出た人との関係をできるだけ維持発展させていくっていうところから関係人口っていうのがあります。さらに、県外にいて、これから岩手に来るであろうとか、来るかもしれない。また、来なくても岩手の物を買ってくれたり、岩手の情報を役に立ってくれるっていう人たちとの関係というのも同時に発展させていこうというのが地方自治体から見た関係人口で、それは、先ほどお話した四つの希望。四つの希望というのは岩手県の高校生向けに特に発信していますので、高校から進学就職する人たち向けにずっと岩手にいる希望。一旦、外に出てまた帰ってくる希望。外に出て外で活躍する希望。また、岩手県外の人が岩手にやってきて、岩手で働き生活する希望というのを提示していますが、それを地方自治体としてきちんと一人一人が成功するように支援するというのが関係人口を発展させていくということかなと思っております。ありがとうございます。

小野部長
 
それでは、最後に、平林さん、お願いいたします。

平林 慧遠
 
こんにちは。改めまして、自己紹介させていただきたいんですけど、私、「しもありすマン」というふうに。はい。「しもありす」というのは住田の地域の名前ですが、そこの非公認キャラクターという形で勝手に作っています。これは地域のなりわいを次世代に繋いでいきたいなという思いもあって、そういう象徴的なものがないかなと思って勝手に作ったという経緯があります。その活動みたいな話をしたいなと思います。とは言っても、私は別にヒーローでも何でもないんです。私は、下有住地域に来たのは地域おこし協力隊で入ったというのがあります。地域おこし協力隊では遊休農地の利活用みたいな形で入ったんですけども、全く農業も林業もやったことがない人間が現場に行って、何もできなかったということもありますし、また、やったことがなかったので、そういうふうな形で自立できるのかみたいなところもあって、すごく悩んでた時があります。その時に、地域の農業者とか林業者の人たちがほぼほぼ無償で私に技術を教えてくれました。それは何も言わなくても気を使っていただいて、例えば、トラクターが畑にはまったりとか、いろんなことをやってたんですけども、そういうのも普通に助けてくれたりとかこうやってやるんだよとかって教えてくれて、そういう技術を一つ一つ教わったからこそ、今の自分が自立するみたいなところに至ったというのがありますので、やっぱり、私のヒーローは下有住の人がしもありすマンだということで、そういう人を目指したいなと思って、新しく来た人とか技術を持っていない人にも優しく教えられるような人間になれたらいいなということで、こういう格好をしています。今、震災とかコロナ禍とか山火事とかという話だったと思うんですけど、この十年の間に予測もできないような困難なことが起こって、「VUCA時代」とか言われているんですけど、それが、もうこの地域にはかなり降りかかってるなっていうのをすごく思っています。もう十年以上ここに住んでいるんですけども、例えば、農業であれば気候の変動とか、そういうのもいろいろあったりするんですけど、とはいえ、ここで生きていくと決めたら、どうにかしなきゃいけないといった時に既存の生き方を少しずつ変えてかなきゃいけない。しなやかさがないと対応できていけないと感じてます。それを農業とか林業とか色々な複数の分野を跨ぐことによって、なるべく転ばないとかいろいろ接点を繋いだりして生きていくっていうようなことを今後していかないといけないなということを強く感じているところです。私がそう至った経緯の一つに陸前高田市の講演で熊谷晋一郎先生という小児科医の先生が、「自立は、依存先をふやすこと」、そして、「希望は、絶望を分かち合うこと」というメッセージを聞いて衝撃を受けました。自立というのは誰からも依存しないで生きていくことが当たり前みたいに思ってたんですけども、それとは逆で、実は依存先があるからできるんだということで、他がいるから自分があるんだぞということ。希望というのは困っている誰かに「困っているんだな。」と声を掛けて、それを共有し合うことで初めて希望というものが生まれるんだということを聞いて、すごく衝撃を受けました。そんな中で自分が何が出来るのかなあと思った時に、その絶望をもらうというか、自分事にして、そうやって困ってる人に依存先として自分を利用し、自分を使ってくださいと声を掛けること。まさに下有住地域の人たちが私にしてくれたことそのものだなと思っています。今、私は、いろんな事業を通じて、いろんな技術を学んだり、いろんな人に教わったりしてますが、それをまた別の誰かに教えたり、継承していきたいなと考えております。特に、林業は人手不足が深刻ですし、山火事も起こって復旧もしなきゃいけない時に仕事としてのなりわいとしても必要とされている人材ですが、その危険だったり、技術が覚えるのに時間がかかったりするので、それを教える人がいないと、今後の復興にも支障を来たすのではないかというところで、そういうところでも、私はいろんな人に教わってきましたし、初めての自分がいたという経験もあるので、初めての人に教えることができると思いますので、そういうところも含めて、今後の活動としてやっていきたいと考えています。また、自分の中で目標があって、そのような職人をこの数年以内に十人ぐらい作り、また、別の誰かに教えるグループを三組くらい作れたらいいなということを目標として活動しています。以上です。ありがとうございます。

小野部長
 
平林さん、ありがとうございました。地域のいろんな方から教わった技術、これを生かしていくというところで地域のヒーローとしてのしもありすマンということで、さらにその技術を伝えていきたいという熱い思いでございました。知事の方からお願いいたします。

達増知事
 
平林慧遠さんには県職員の経験を生かし、そして、地域おこし協力隊の経験を経て、しもありすマンとして活躍しているということで、大変心強く思います。教えられてきた自分が下有住の人たちから得てきたものを教えていく、それを次の人たちに伝えていくということで、団体やそこで働く人たちを増やしていくというのは非常にいい目標だと思います。「自立は依存先を増やす」というのは、そういうことだと思いますね。「開かれた復興」というのは、「当事者の底力」プラス「様々な繋がりの力」ということで、「助けてくれる」、「やってくれる」というところをたくさん確保しようという発想です。「希望は絶望を分かち合う」というのは絶望というのは絶望してる当事者にとっては、もう何をしていいか分からない絶望状態ですが、他の人から見ると、それは自分がすでに過去経験したことがあったり、経験を聞いたことがあったり、学んだことがあったり、そういうところがあるので、絶望の内容を他の人に知ってもらえば、解決に繋がるというように展開するのだと思いますね。自立は依存先を増やす、助けてくれる人とかいろいろやってくれる人を増やすということで、リーダーの役割というのには人々を指導し教えて、また命令してそのとおりにやらせるみたいなイメージもありますが、民主主義の社会のリーダーはやってもらうという立場だと思いますね。これは選挙を何回も経験していますが、投票してもらうというのは政治家の原点、政治的リーダーの原点であり、何か取引でお金をあげるから投票してというのは駄目で買収になってしまいますので、何か得をさせてあげるからやってくれっていうのじゃないんですよね。政治というのはあくまで自由な主体性に基づいて投票行動から行われなければならないので、相手の自由な主体性を引き出していろいろやってもらうというのが、実はリーダーシップなのだと思います。特に、地方では自分たちを外に向けて開いていき、自由な主体性に基づいて地方に関わることをいろいろやる人を増やしていくことが、これから特に大事なのだと思います。そういったやり方が上手な人たちがチームを作って、ウルトラ警備隊とか、科学特捜隊とかみたいな感じなのでしょうか。しもありすマンチームやしもありすマン隊ができていけば、非常に大きな力となると思いますので、県としても応援していきたいと思います。ありがとうございました。

小野部長
 
皆様から一通り、テーマに沿ったお話をいただきました。皆様から様々お話をいただきましたので、時間が残り5分ぐらいになっております。もう少し言い足りなかった点もあろうかと思いますが、ここからは5分ぐらいですが、自由懇談という形にさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。それでは、阿部さんの方からお願いします。

阿部 正幸
 今回の火災の後、ずっと中村さんと平林さんとやりとりしてきまして、いろんな活動をやってきました。僕がその火災の直後に思ったのは、行政の人が一杯一杯なのをすごく感じたんですね。皆さん、とにかく、毎日、千人千人と避難者が増える中で、すべての行政職員の方が一杯一杯になっていたから、なので、僕はいかに自立、「ヒト・モノ・カネ」を自分で調達して活動ができて、しかも、ちゃんと役に立って行政の人に迷惑を掛けないかというのをこだわってやってきた中で、民間のネットワークと大船渡の場合は市民活動センターがもともと四者協議ということで行政や社協と定期メイキングをしてきたので、非常にそこの情報が僕にとっては、確かで、「行政はこれをやる」、「市民活動センターこれをやる」、「社協はこれやる」っていうのが見えたので、「それじゃ。隙間を埋めよう。」っていうふうに非常にスピーディーに意思決定できて外部のリソースとどう私はコラボレーションしようかってことを考えたことができたので、そういった連携を促すことは非常に重要だなと改めて思いましたし、今、自主性・主体性というメッセージありましたけれども、本当に住民自身が主体性を発揮しないと、いろんなメディアの取材を受けて思いましたけれども、本当に大事なことは住民じゃないとわかんないなと思いました。住民自身が発信しないと「これがされてないんですよね。」って言われると、「いや、違うんですよ。」みたいななので、主体性を持って地域の住民一人一人が活動したり、もしくは、その束役みたいなある程度、自立した動きをできる方が動いて、それを行政がサポートするっていう形でないとミスマッチが起きやすいので、これは平時でも緊急時でも同じだなと思いましたので、その点はおそらく日本で一番経験値が豊富なのはこの辺りだと思いますので、そこを伸ばしていければいいのかなと思ってます。

小野部長
 
阿部さん、ありがとうございます。非常に重要なお話だと思います。我々は、東日本大震災津波の中で経験しておりますので、これを共有することは、大切だと思います。もう御一方いかがでしょうか。中村さん、どうぞ。

中村 純代
 
私も阿部さんが言ったことをお伝えしたかったんです。今回、林野火災があり、その後、東日本大震災の後の地震で「避難をしてください。」っていう情報が出た時に先ほど阿部さんがおっしゃった地域の経験値の高さだったり、人々の前向きな姿勢とかそういったこと。必要なところを補うような役割の必要性っていうのは、私も同じように感じました。自分がこのような状態の時に役に立てることがあるとは思っていなかったんですが、実際に目の前で燃えている山を見ながら、自分は何もできないんじゃないかなと思っていたんだけど、実はあって、それは、ここへ来てからの経験はもちろんなんですけど、ネットワークですね。いろんな方にお世話になってきたので、それこそ、私には依存先が大量にあるので、そういう方たちに繋げることが自分の役割なのだと改めて実感をしました。そういう人たちがもっと増えていくのは大事なことだなというふうに思いました。最後に一つ。林野火災があった3月に市役所から依頼を受けて、移住お試し体験というのを旅行会社の方でやっていたんですね。その時は、林野火災があったので、アクティビティーはできなかったんですが、急遽、避難所での炊き出しのお手伝いをしてもらったり、夕食の際に阿部さんに来てもらってリアルな話を聞かせてもらったりしたんですね。参加者は五人限定だったんですけど、そのうち、一人に東大生がいたんです。その後、彼は阿部さんがやってる「綾里ワカメ大作戦」に自分で応募して参加して、その後、地元の漁業者さんのボランティアに再び訪れていました。昨日連絡が来て「今、また大船渡にきて漁業手伝いに来ているんです。」と。嬉しかったのは、「大船渡に帰ってきてるんです。」って言い方をしていたのと、「たくましくなった僕を見に来てください。」と言って、すごく嬉しいなと思って、最初は関わりが浅くても、その後、皆さんが繋いでくれて、今、彼はこのように大船渡に何度も足を運ぶようになったっていうのが移住定住にも繋がることなんですけど、移住しなくても、定住しなくても、彼らができることはたくさんあると思うんですね。なので、そういった意味で、すごく可能性を感じたなという、最後に嬉しかったこととしてお伝えいたします。ありがとうございます。

小野部長
 
ありがとうございます。まだまだですね、石田さん、平林さんにも本当はお話いただければと思いますが、進行の関係もございまして申し訳ございません。今日は四人の皆様からそれぞれフィールドが違いますが、自然、海、山、そして、様々な人との関わり繋がりといったことで思いを持って、この気仙の未来についてお話をいただけたと思います。ありがとうございました。

知事所感

小野部長
 
最後に知事の方からお願いいたします。

達増知事
 
本日は大変良い話を伺うことができまして希望を持つことができました。それぞれ皆さんぜひ、この調子で進んでいって欲しいと思います。地域の未来は、やはり、人の未来、そこにいる人たち、そこと繋がる人たちの未来でありますので、こういう感じで進んでいけば、決して悪いようにはならないなという感触を得たところであります。でも、いろんな災害が起きたりとか経済的な不調とか行政が大いに動かなきゃならない局面というのは出てくるでありましょうし、また、平時の地域を支える仕事、教育、福祉、様々な行政サービスというのを着実にやっていくことが、そこをベースにして人々が自由自在に動き回れる基本でありますから、そういったところを行政はきちんとやっていきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。

閉会

小野部長
 
ありがとうございました。本日は皆様、貴重なお話をいただき、本当にありがとうございました。いただいた御意見につきましては、県に持ち帰りまして、関係部局としっかり共有いたしまして、今後の県の施策に生かしていきたいと考えております。これを持ちまして、県政懇談会「いわて幸せ作戦会議in住田」を終了いたします。

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