「いわて幸せ作戦会議(in久慈)」(令和7年5月28日)
日時
令和7年5月28日(水曜日)14時30分から15時50分まで
場所
久慈地区合同庁舎 6階 大会議室
出席者
・参加者(敬称略)
坂本 香菜 (一般社団法人 洋野町観光協会)
宇部 晃平 (NPO法人風花 カフェRokka(ロッカ)店長)
佐々木 陽菜 (ダンスチーム SUNLIGHT(サンライト)代表)
杉山 由朗 (タオソフトウェア株式会社(地域活性化起業人))
・県側
達増 拓也 知事
佐々木 哲 県北広域振興局長
小野 博 政策企画部長
開会
小野部長
ただ今から、県政懇談会「いわて幸せ作戦会議in久慈」を開催いたします。
皆様には、お忙しいところ、御出席をいただきまして、本当にありがとうございます。今日は、「若者が輝く県北の未来」を懇談テーマとし、久慈地区で地域振興やDXの推進など、様々な分野において、復興やふるさと振興に取り組まれている皆様にお集まりいただいています。私は、本日の進行役を務めさせていただきます、県の政策企画部長の小野と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
知事あいさつ
小野部長
それでは開会に当たりまして、知事から挨拶申し上げます。
達増知事
皆さん、こんにちは。
県政懇談会というのは、昔から知事が、県の各地域の各分野で活躍している方の話を直接聞いて、県政に役立てるということで行われていますが、「いわて幸せ作戦会議」というように銘打っているのは、県の総合計画(「いわて県民計画(2019~2028)」)の基本目標の中で、「お互いに幸福を守り育てる希望郷いわて」というフレーズが入っておりまして、幸福、幸せ、ウェルビーイングという視点を持って、県政をやろうということになっておりますので、こういうタイトルにしております。「in久慈」ということで、私は2週間ほど前にも久慈に来て田植えなどをやっていたんですけれども、緑の季節になってきているなという感じがいたします。
先週は、全国の知事の中で、「将来世代応援知事同盟」という有志の知事が集まって、地方創生とか人口減少対策というようなことを積極的にやりましょうという会議が、今年は福井県で行われたんですが、福井県は、日本総研が取りまとめている、幸福度都道府県ランキングで、ずっと1位になっている県でもありまして、福井県も幸福を県の政策のスローガンにしているところなんですけれども、幸福、ウェルビーイングという視点が、人口問題を考えるときにも、人口減少の原因や理由になっていると思われる、生きにくさを生きやすさに変える、就職しにくい働きにくいを働きやすいに変えるなど、結婚しにくい、出産しにくい、子育てしにくいを、それぞれ「しやすい」に変えるなど、そういう時に、幸福、ウェルビーイングという視点が有効だというような議論をしてきました。同時に、人口減少問題に真面目に取り組んでいると、「人口が少ないことは悪だ」とか、「人口が減り続けているところは悪だ」みたいな間違った固定観念を共有するきらいが、特に都会で行われていると議論にはあるんですけれども、実態はそうじゃないというのは、近くに住んでいる皆さんにはよく分かると思うんですけれど、人口が少ないところでも、人口が減り続けているところでも、ものすごいかけがえのない良さというのはあるわけでありまして、そういうのをちゃんと見逃さないようにするためにも、幸福、ウェルビーイングという視点が有効なのではないかと、そういう視点から人口の少ないところや、人口が減り続けているところの良さにも気づいていくことで、むしろそういったところの人口の減少にブレーキをかけることもできるんじゃないかというような、堂々巡り的なところもあるんですけれども、そういう議論をしてきたところであります。国の方でも、改めて地方創生をバージョンアップしようという議論になっていますし、地方は地方で、バージョンアップというか、とにかく地方創生ということを政策の軸にしながら、福祉でも、教育でも、産業振興などでも取り組もうというような感じになっている昨今でありまして、今日お話を聞いて、是非、政策の参考にしたいと思います。よろしくお願いします。
出席者紹介
小野部長
ありがとうございました。
この後の進め方についてですが、まず、私からお一人ずつ御出席の皆様を御紹介しますので、続けて1分程度の簡単な自己紹介をお願いいたします。その後、今日のテーマに沿ってお話をいただきますが、お一人ずつお話が終わった都度、知事がコメントするというような形で、進めて参りたいと思います。そして、最後に自由懇談の時間も設けたいと思っておりますので、是非お話をいただければと思います。
それでは、早速ですけれども、本日御出席の皆様を御紹介いたします。お名前を御紹介いたしますので、大体1分程度で自己紹介をお願いいたします。始めに、一般社団法人洋野町観光協会、坂本香菜さんです。
坂本 香菜
こんにちは。一般社団法人洋野町観光協会の坂本香菜です。私は滝沢市出身になります。洋野町地域おこし協力隊、観光振興推進員として、令和3年4月に洋野町に来ました。任期中は、主に洋野町観光協会の事務局の運営に携わっておりまして、公式ホームページやSNSでの情報発信、「ひろの歩き」、「ふのり採り体験」、「ひろのの味を楽しむ会」など、洋野町の歴史、自然、文化、食を体験するイベントを企画しておりました。今年の4月からは、任意団体から一般社団法人となった、一般社団法人洋野町観光協会に引き続き所属し、町の観光業に携わっております。本日はよろしくお願いいたします。
小野部長
どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、NPO法人風花、カフェRokka(ロッカ)店長の宇部晃平さんです。
宇部 晃平
NPO法人風花が運営するカフェRokkaの、一応店長をやらせていただいております宇部晃平と申します。簡単に自己紹介させていただきます。18歳で久慈工業高校を卒業して、千葉県の方で会社員として入社して、(プロフィールシートには)大手って書いてしまいましたが、サラリーマン生活を10年経験して、2021年に久慈の方にUターンしてきて、現在は、義理の母が経営しているNPO法人風花に入社し、新規事業でカフェの店長として配属されました。現在では、金土日を中心にカフェの方を運営しております。どうぞ今日はよろしくお願いいたします。
小野部長
今日は、よろしくお願いいたします。
続きまして、ダンスチームSUNLIGHT(サンライト)代表の佐々木陽菜さんです。
佐々木 陽菜
こんにちは。久慈市、野田村を拠点に活動している、ダンスチームSUNLIGHTの代表をしています、佐々木陽菜です。SUNLIGHTは、東日本大震災津波の復興支援活動で、野田村にダンスを教えに来てくださっていた、神奈川県の湘南にあるダンススタジオ、「Studio HANA!」の皆さんから活動を受け継ぎ、現在も子どもたちにダンスを教えています。普段は、山根町で母が経営している飲食店の手伝いをしながら、SUNLIGHTの活動や個人でのダンスの仕事も、平行で毎日頑張っています。本日は、よろしくお願いいたします。
小野部長
どうぞ、よろしくお願いいたします。
そして、タオソフトウェア株式会社、地域活性化起業人、杉山由朗さんです。
杉山 由朗
皆様はじめまして、杉山と申します。昨年4月より地域活性化起業人という総務省の制度で、所属企業であります、タオソフトウェア株式会社からの派遣によって普代村におります。地域活性化起業人の任務としましては、普代村役場の業務効率化とデジタル化に取り組んでおります。プライベートのところですと、私自身、「日本Androidの会」でコミュニティの運営委員長をしておりまして、そこのコミュニティから県内でイベントを開催するなど、様々なことに取り組んでおります。ちなみに私は、神奈川県の湘南大磯の生まれでして、小学6年生の時に横浜市に引っ越しをしたので、実家は横浜市にあります。中高、横浜市立の学校に通って、大学は東京都内の大学に通い、大学院は神奈川県に戻って、仕事は東京都で行って、(プロフィールシートに)活動歴はいろいろ書いているんですけれども、ここに来る前は伊豆大島におりました。そこでも、いろいろとイベントをやったりとかして、その後、普代村に来たという感じです。本日は、よろしくお願いいたします。
小野部長
本日、この四人の皆様と一緒に懇談会を進めて参りたいと思います。よろしくお願いいたします。
県からは達増知事、そして県北広域振興局の佐々木局長でございます。よろしくお願いいたします。
また、本日は県議会議員の皆様にもお越しいただいておりますので、御紹介申し上げます。始めに、久慈選挙区選出の中平均議員です。
中平均議員
中平です。よろしくお願いいたします。
小野部長
続きまして、宮古選挙区選出の佐々木宣和議員です。
佐々木宣和議員
よろしくお願いします。
小野部長
続きまして、畠山茂議員です。
畠山茂議員
本日は、よろしくお願い申し上げます。
懇談
<テーマ>
若者が輝く県北の未来
小野部長
どうぞ、よろしくお願いいたします。
皆様のお手元に、お菓子と飲み物を準備しておりますので、是非お召し上がりいただきながら懇談を進めて参りたいと思います。
それでは、佐々木局長から本日のお菓子の説明、それから重要な懇談のテーマについて紹介をお願いいたします。
佐々木局長
それでは、私から紹介をさせていただきます。是非召し上がりながら、お聞きいただければと思います。お手元のお菓子ですけれども、今日出席していただいております、佐々木陽菜さんのお母さんが、先ほどちょっと自己紹介でありましたけれども、「café soramame」、山根温泉の「べっぴんの湯」の近くにあります古民家カフェでございまして、そこで提供されている、その名も「おかあさんチーズケーキ」だということでございます。きび砂糖を使用されているということでございまして、やさしい甘さが特徴のケーキでございます。チーズの香りが広がって、しっとりとしたクリームのようにとろける滑らかな食感が印象的だなというふうに思っております。あんこと生クリームが添えてありますけれど、一緒に味わうことで、繊細な甘さがより引き立ちます。そうした変化も楽しみながら、お召し上がりいただければと思います。このチーズケーキですけれども、久慈市山根町で活動しておられました、地域おこし協力隊が栽培されていた野菜を生かした商品を作りたいと考えたのがきっかけでできたというふうにお聞きしておりまして、今回は時期的にベーシックなものをお出しいたしましたけれども、時期によっては地元の旬の野菜、例えばかぼちゃですとか、にんじんですとか、干し柿やミントなどを使った、個性溢れるチーズケーキということで、様々な種類を提供されているというふうにお聞きしております。地元の方々、若者にも人気の商品となっているそうでございますので、皆様にも、是非お店の方に足を運んでいただければというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。それから飲み物ですけど、これは普段、振興局職員が飲んでいるものですが、職員がいつもより心を込めて淹れましたので、おいしいと思います。是非、飲みながらお召し上がりいただければと思います。よろしくお願いします。
今日のテーマですけれども、「若者が輝く県北の未来」としております。久慈地域を含む県北圏域は、県の中でも人口減少が進んでおりまして、特に、老年人口指数は4広域圏で最も高くなっております。地域の活力を維持、向上するためには、若い世代を中心とした新たな人材の確保と、そうした方々の活躍が不可欠だと思っております。
また、この地域ですけれども、イギリスのタイムズ紙で「みちのく潮風トレイル」が日本で訪れる場所として紹介されるなど、価値ですとか魅力が世界的に認められ、急速に注目が高まっていることを感じております。県といたしましても、このような機会を捉えて、地域資源を生かした交流人口の拡大、地域産業の振興など、地域を活性化させるための取組をさらに強化していきたいというふうに考えているところです。
今日お集まりの皆様は、それぞれの分野で地域の振興や活性化を目指した取組を展開されている方々でございます。地域の未来を担う若い皆様と一緒に、地域の課題である人口減少対策や、若い方々が望む県北地域の未来について話し合う機会になればと考えまして、このようなテーマといたしました。
今日は、皆様の取組をもとに意見交換を行いたいと思っておりまして、活動の中での気づき、それから課題、今後の抱負、これからの岩手県に望むことなどについて、御意見をお伺いできればと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
小野部長
ありがとうございました。
それでは早速ですが、懇談の方に入らせていただきます。ただいま佐々木局長から説明がございました、今日のテーマ「若者が輝く県北の未来」に沿って、現在の取組や課題、今後の方向、皆様の抱負、そして県に期待することも含めてお話をいただければと思います。先ほど、自己紹介をいただいた順番でお話いただければと思っております。大体5分程度、少し超えても結構でございますので、お話いただきたいと思います。
それでは、始めに坂本さんからお願いいたします。
坂本 香菜
私の洋野町での活動と、その中での気づきとか課題に思ったことを、これからお話していきたいなと思っております。
私は、もともと旅行会社の方にずっと在籍していまして、旅行会社では、(旅行の)手配の他に、企画、運営をしていた経験がありましたので、洋野町観光協会では、先ほど自己紹介の方でも少しお話させていただいたような、洋野町を散策する「ひろの歩き」を主軸に、「ふのり採り体験」、「そば打ち体験」などの体験イベント、あと郷土料理を味わう「ひろのの味を楽しむ会」などを企画し、運営しています。今週末は、資料の方でお渡しさせていただいたんですが、役場と協力しまして、久慈平岳の山開きの日に、久慈平岳を散策する「ひろの歩き」が開催されます。参加者は、八戸市、久慈市を中心に、毎回20名前後の方が参加されております。この他にも、もう1枚(資料を)つけているんですけども、「みちのく潮風トレイル」を歩く「ひろの歩き」も開催しております。こちらのツアーは、リピーターの方が多く、盛岡市や宮古市、七戸町など遠方からも参加されます。毎回、約6キロから8キロの道のりを歩きまして、休憩に洋野町のおやつを提供しています。参加者との触れ合いもあり、飲食店やスナックをめぐる商店街散策ツアーですとか、郷土料理を作るイベントを開催して欲しいなど、参加者の方からたくさんのアイデアをいただきまして、これからいろいろまた新しい企画をしていきたいと思っています。私の方でイベントを企画する際に、必ず町内の人、物を意識して、できるだけ地域の方と関わりが持てるような内容に努めております。ですが、こういう企画をしていく上で難しさも感じていまして、地元のガイドさんが少なくて、そして事業者も人員的余裕がないので、観光客を受け入れてくれるところがなかなかありません。あとは、施設の規模がそんなに大きくないので、観光客を対応できる施設が少ないという印象です。以前、盛岡市の三八五バス株式会社さんと連携してバスツアーを企画したのですが、バス1台、約40名のお客様をお迎えするのに、結構もう手一杯という印象を受けました。そういうところからも、私個人としては団体のお客さんを受け入れた方が、町にとって収入になると思って引き受けはしたんですけれども、なかなか洋野町にとっては、団体のお客さんっていうのはハードルが高いなと感じております。
あと、日常の業務の方で感じていることは、先ほど少しお話にもあったんですが、「みちのく潮風トレイル」のハイカーさんが、ここ数年ですごく急増しているという実感があります。飲食店や宿泊施設を案内するという機会が、とても増えております。観光協会の事務所が種市駅にありまして、そういうことからも、JR八戸線を活用しながら、ルート沿線上に宿泊するハイカーの方をよく目にします。キャンプ利用の方も多くいらっしゃいます。今まで洋野町では、海外の方ってほとんど見ることがなかったんですけれども、お話を伺うと、ドイツですとか、オランダ、ニュージーランド、オーストラリアからいらっしゃっているということでした。皆さん、デジタルマップを見て歩いていらっしゃいます。今まで、インバウンド対策をしてこなかった洋野町なんですが、観光協会では英語版の、洋野町周辺マップを作成しようということで、今動いているところです。そして、順次、飲食店や宿泊施設と連携し、英語表記のメニューですとか、表示板を増やそうという活動をするところになります。岩手県としても「みちのく潮風トレイル」の周知ですとか、整備に力を入れていただければと思います。団体の受入れと違って、今ある飲食店、宿泊施設でも、お客様を対応できるところが洋野町に限らずあると思いますので、沿岸地域の観光の光になるのではないかなと感じております。
あと、最後になるんですが、観光に携わるものとしてちょっと一つ要望があります。みちのく潮風ルート上に、種市海浜公園近くに水門があるんですが、現在、自動開閉システムの不具合で通行止めになっています。完全復旧まで、約2年かかるということを聞いています。国道45号線からまっすぐの道で、種市海浜公園の玄関口にもなる道になるので、早めに直していただければ助かります。以上になります。ありがとうございました。
小野部長
ありがとうございました。
坂本さんは、町内の人や物を意識しながら、様々なイベントも考えていらっしゃるという中で、やはり「みちのく潮風トレイル」のインパクトが非常に大きいというお話をいただきました。
では、知事からお願いいたします。
達増知事
洋野町の観光のために働いてもらっていて、私からも御礼申し上げます。ありがとうございます。
「みちのく潮風トレイル」のハイカーさんが、欧米やオーストラリア、ニュージーランドなどからどんどん増えているということで、非常にいいんじゃないかなと思います。いつかはこうなる日がやってくるのだったと思うんですけれど、本当、世界水準の豊かな自然があって、食べ物の美味しさも世界水準でありますし、ここ10年、20年、日本全体はインバウンド観光客が増えて、改めて日本の良さやすごさというのが、草の根レベルで浸透しているといいますか、普通の諸国民の間に、日本の良さが浸透していて、そして最近になって、日本の中でも特に地方がいいということが浸透しているときだと思います。交通や通信が発達して、(地方に)来てもらえるようになっているので、来た人たちと交流したり、やれることをやりながら、お互いウィンウィンの関係でやれれば、非常にいいんじゃないかなと思っております。
そして、まとまった数の団体旅行への対応が難しいということで、これは、その40人くらい平気だよというような施設を確保していくというのが、一つあるのかもしれないんですけれども、少人数に力を入れていくという手もあるかもしれません。一方、少人数のお客さんが増えてきて、いろいろ飲食のニーズとか、あるいは滞在や休憩とかでもお金をいただけるようになってくれば、大人数用の施設も整備できる条件が整ってくるというところもありますでしょうし、その辺を、県もしっかりとみながら、町と連携してやっていきたいと思います。
通行止めの件は、2年間通行止めというのは、ちょっと長過ぎるなと思います。
佐々木局長
陸閘の通行止めの件ですけれども、洋野町の方といろいろ打ち合わせをしまして、緊急時に開けたり閉めたりというところに支障があるので、イベントのときにはしっかり何かあったときには閉められるような体制にした上で、開けておくという対応をさせていただいていますし、ちょっと「(たねいち)ウニまつり」までには間に合わないんですけども、この夏ぐらいには、通常時開けておけるような体制にできるのではないかということで、今進めております。その辺については、間もなくということですので、少しお待ちいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
小野部長
ありがとうございました。坂本さんから県へのリクエストをいただきましたけれども、本日いただいた様々な御意見等につきましては、持ち帰りまして、県庁の中でもしっかり共有して反映させていくようにしておりますので、是非何かございましたらお願いいたします。
それでは、お二人目に進んで参りたいと思います。宇部さんからお願いいたします。
宇部 晃平
よろしくお願いします。カフェRokka店長、宇部晃平です。すみません。まず、ちょっと緊張していて心拍数が高かったんですけれども、いただいたチーズケーキと振興局のコーヒーで、かなり、心拍数を200から100ぐらいまで下げることができました。ありがとうございます。ちょっと頭がごちゃごちゃしていて、支離滅裂になってしまうかもしれませんが、お付き合い頂戴いたします。
まず、私の生い立ちですけれども、最初に述べましたけども久慈工業高校を卒業しまして、千葉県の方でサラリーマンを、関東の方での生活を経験して、休日は、ファッションとか、カフェとかのキラキラした業界の人に憧れて、隣の芝生がすごく青く見えて、10年目にしてUターンを決意して、夢だった、ちょっと形が複雑なんですけれども、義理の母の声がけもあり、Uターンをしてきてカフェの経営、運営をやらせてもらってというものになります。復興とか地方創生的な観点で、人口は先ほど佐々木局長がおっしゃっていましたけれども、人口が減っているっていうことを改めて聞いて、その中で、そういう趣味とか夢みたいなサブカルチャーみたいなことをなりわいにしていく若者の考えみたいな形で述べさせていただきたいと思います。やはりカフェとなりますと、結構(埼玉県)久喜市さんとかも多いんですけれども、すごいキラキラして見えてて、実際キラキラもしているんですけれども、自分は10年、割としっかりと社会人をやっていたので、お金のところも気になるのが正直なところで、そのキャッシュのフローがどうなのかみたいな感じで、年収も落ちましたし、ちょっと暗い話ばっかりで申し訳ないんですけど、でもやっぱり楽しいところもあって、自分自身のことを思い返すと、関東の方でしたけれども、憧れていた人たちの背中を見て自分もこういう起業みたいな形で行動を起こしたのを、うちに来てくれている若い方でもいいんですけど、それを波及すれば、ちょっとでも地方創生みたいなところに貢献できるんではなかろうかというふうに考えています。立ち上げて3年、4年目になりますけれども、最初のころはやっぱりすごい勢いがあったんです。3、4年目とかになってくると、いよいよ、やっとスタートラインに立ったなっていうような感じで、ここから事業をどう維持していくかっていうところがとても難しくもあり、楽しいところでもあるんですけども、具体的には、人口が減っている中で、カフェという分野で食べていくということを考えますと、どうしても、30代、40代の人が、ちょっと偏った言い方になるかもしれないんですけれども、ターゲットみたいな業種と思っていますので、1番もしかしたら少ない世代なんじゃないかなって、今聞いてて思ったんですけれども、でもやっぱり、ちゃんと地に足をつけて経営をしていこうかなと思ったときに、最近はちゃんと拠点は野田村においておきながらも、人口が集中しているところにマーケットを移して、具体的に言えば通販、全然動いていないんですけども、ちょっと活性化させたいなっていう、そうやって形を変えながら、時代に合わせてやっていかないといけないかなっていうふうに、最近は思っています。なので、ちょっとまとめますと、盛岡でも、仙台でも、東京でもいいんですけれども、そういったところで物産展みたいな形で、うちの商品とか紹介していただける機会とかがあると、とてもうれしいです。まとまりませんけれども、人口が少なくなっているところで、カフェという分野で経営、運営をしているものからの思いということで終わりたいと思います。
小野部長
宇部さん、ありがとうございました。
千葉県から戻られて、カフェといった形で経営を始められているという中で、4年目を迎え、特に人口減少で、30、40代の方々もなかなか少ない中で、これからどういうふうにカフェを経営していくのかといったことで、様々御苦労もありながら、今、工夫もお考えであるといったことです。また、もう一つ宇部さんのお考えを若い人たちにうまく伝えることができればといったお話をいただいたところですけれども、知事からお願いいたします。
達増知事
Uターンし、カフェ店長ということで、ありがとうございます。野田村は一昨年でしたか、人口の転入超過になった年があって、久慈市や八戸市で働く人が、家は野田村にあると、住所は野田村にあるということがあり、結構、そういう方々がいるということで、人口減少に歯止めがかかっているようなところもあるということなんですけれども、お店には、久慈市とか、野田村以外のお客さんも結構来るんでしょうか。
宇部 晃平
そうですね。SNSを観ましたというような感じで来ます。
達増知事
遠いところでは、どこからお客さんがきますか。
宇部 晃平
盛岡市とか、そうですね、隣の隣町の八戸市とかもです。
達増知事
八戸市は人口が多いので、どんどん来てもらうといいですよね。道路が便利になりましたからね。それで来てもらえればいいんじゃないかと思います。あと、通販も活用しながら商品を売っていきたいということですが、どういう商品を生産、販売しているんでしょう。
宇部 晃平
すいません。紹介し忘れました。直焙煎のコーヒーを主力に展開しております。
達増知事
就労支援事業所(就労継続支援B型事業所)ということでもあって、そこで働く皆さんのやりがいにもつながるでしょうから、是非その辺をうまくいくようにということで、野田村もいろいろ支援体制があると思いますけれど、県の方にも、何かあればどんどん言ってきて欲しいと思います。ありがとうございます。
小野部長
ありがとうございました。カフェのブログを見ますと、かなりおしゃれな感じで、その辺は、何かこだわりみたいことはありますか。
宇部 晃平
はい。もう都会的なものを、都会的なものをということで、(それを)田舎に持ってきたらどうなるんだろうってワクワクしながら、毎日常にネットを見ながら、都会的なものを追い求めてやっています。
小野部長
ありがとうございます。2順目もございますので、お話をいろいろと伺えればと思います。
それでは、続きまして三人目になります。佐々木さん、お願いいたします。
佐々木 陽菜
私は、お手元にあるこの資料と一緒にお話をさせていただきます。私は、周りからの勧めをきっかけに、8歳からダンスを習い始めて、週に1回は久慈市で、その他は、ほぼ毎日八戸市のレッスンに通っていました。いろんな理由が重なってしまって、途中でダンスをやめてしまいましたが、そのあとも一人でダンスを続けて、高校選択の際には、関東でダンスを学ぶという目標をかなえるために、通信制の高校に進学を決めました。ですが、ちょうどコロナ禍とかぶってしまい、久慈市から外に出ることができず、そこから毎日、母のお店のお手伝いをしながら、一人でダンスと向き合う3年間を過ごしました。
当時は、かわいい制服を着て学校に通ったり、体育祭や文化祭を楽しんだり、学校帰りに友達と寄り道をして、楽しんでいる同級生の姿を見て、普段いる山根町は、私ぐらいの若い方が全くいないので、当時はすごい悔しさと、羨ましさでいっぱいでした。そして、高校3年生の1月に、何か高校生らしい思い出を私も作りたいなっていう思いから、同じように頑張っていることがあるけど、披露する場がない子、やってみたい挑戦してみたいことがある子を集めて、頑張る人にスポットライトをコンセプトに、「SPOTLIGHT(スポットライト)」という名前でイベントを主催しました。イベントでは、お菓子づくりが得意な高校生が、実際に手づくりのお菓子を販売してみたり、カメラが好きな高校生、字を書くのが得意な高校生が、作品を展示してみたり、歌やダンスが得意な高校生が、パフォーマンスを披露したりと、名前のとおりスポットライトを浴びて、一人一人が輝くイベントとなりました。その「SPOTLIGHT」の写真が、資料の(1)の写真になります。
そのイベントをきっかけに、たくさんの方に私の存在を知っていただき、2023年の9月から、今度は私がみんなを輝かせようという思いで、私の名前にある「陽菜」の「陽(ひ)」を英語にして、「SUNLIGHT(サンライト)」という名前で、久慈市、野田村を拠点にダンスを教え始めました。久慈市、野田村だけではなく、岩手県各地のイベントの出演や、SUNLIGHTメンバーでクリスマス会を行うなど、たくさんの思い出と経験をさせていただきました。すべては載せられませんでしたが、資料2の写真が、SUNLIGHTの活動写真となっています。
また、個人でも、保育園や幼稚園にダンスを教えに行ったり、去年、アメリカのニューヨークにダンスのレッスンを受けに行ったり、盛岡市でワークショップをさせていただいたり、あと今月に、仙台のダンスイベントで岩手県の山田町の皆さんと一緒に作品を出展させていただいたり、たくさんの経験をさせていただきました。特に印象に残っているのは、久慈市の平山(たいやま)小学校の、現在中学校2年生(になる年)の皆さんが、当時小学校6年生だったときに、最後の学習発表会で、私の今までの人生を一つの劇にして披露してくれました。その活動風景が(3)の写真になります。
私は、もっと久慈市に好きなことを、思いっきり頑張れる環境や夢をかなえる場所、学べる場所ができて欲しいなと思っています。私は、よく同級生が帰省したときや、生徒の保護者さんから、「久慈市(から)出ないの」とか、「久慈市にいて、もったいない」とか、すごいそういうことを言われることがたくさんあります。久慈市にいても何もできないという理由から出ていってしまうのが、その若者がいなくなってしまう原因なのかなと私は思っています。私も、正直久慈市にいて、好きなことを思いっきりできない悔しさや、東京に行きたいという気持ちが、今も全くないわけではないです。そんな自分の経験もあり、私は全国、世界で活躍しているダンサーさんを久慈市に招き、パフォーマンスをしていただいたり、ワークショップを企画したりと、近くでプロのダンサーを感じられる、学べる機会を作っています。そちらが(4)の写真になります。久慈市、岩手県だからできない、東京に行かなきゃ経験できないという考えを、私の活動をとおして、少しでも変えられればなと思っています。以上です。ありがとうございました。
小野部長
佐々木さん、ありがとうございました。生まれた、あるいは住んでいる場所から出て、何かをするということもありますけれども、今住んでいる場所で、それができるように様々工夫をしていくと、そして形にしていくといったことで、お話を頂戴いたしました。知事からお願いいたします。
達増知事
久慈市、野田村を中心に活動をしていること、私からも御礼申し上げたいと思います。ありがとうございます。山根町は、その(会場内に貼りだしている)ポスターに出ている「のん」さん主演の、「星屑の町」の映画の舞台にもなったところで、そういうのに向いているんじゃないかなと思います。(資料の写真には、)ワークショップや、その前のもそうなんですけど、すごい子どもがいっぱいいるなと思って驚いているんですけれども、この子どもたちはどのくらいのところから集まってきているんですかね。
佐々木 陽菜
私が、今活動してるSUNLIGHTは、野田村、久慈市合わせて、ありがたいことに90人ほどの生徒さんがいまして、その方たちと、あとは先ほど言った山田町の皆さんとか、募集する際に、ちょっとずつ久慈市、野田村以外でダンスを頑張っている子たちが集まって、定期的にレッスンを受けられる機会を作っています。
達増知事
久慈市、野田村で、そのぐらい人数が集まるというのはすごいなと思いますし、また、交通の便もよくなっているから、他の地域との交流とかも、どんどんやれるようになっているんですね。
思えば、岩手町がホッケーの町となって、1970年の「(第25回国民体育大会)岩手国体」前までは、全然そういうのがなかったのが、そのときにホッケー競技が行われて以来、小中学生が盛んにホッケーをやるようになって、オリンピック選手もそこから出るようになっていって、それと似たことが起きているんじゃないかなと感じています。指導する人がいれば、教わろうという人たちが集まりますので、指導する人がいるということが非常にありがたいと思います。岩手県も、あちこちでそういう自分のところで指導しようと、ダンスや演劇、エンタメなど、釜石だったかの方にも、そういう芸能事務所(タレント養成所)が立ち上がるなど、ちょっと前には想像がつかなかったような、そういうエンターテイメント経営のカルチャーというんでしょうか。そういうのが、沿岸部でも花開くようになっていて、非常にいいなと思っています。
大谷翔平くんを始め、野球も岩手県の中にいても世界最先端のトレーニング方法とかコーチングとかを、動画でも、名選手のスイングとかピッチングを岩手県にいながらにして見たりも結構できるようになったりもしています。そういう動画の活用というのは、やっていますか。スマホ、あるいはパソコンでダンスを撮って、見ながら練習するような。
佐々木 陽菜
(レッスンで)動画を撮って見てはないんですけど、個人のSNSとかには、結構力を入れているので、そういう動画を通して、オンラインでもダンスの活動をしていきたいなと思っています。
達増知事
はい。ありがとうございました。
小野部長
ありがとうございました。それでは、最後に杉山さんお願いいたします。
杉山 由朗
いや、まず皆さん、すごいなと素直に思いました。私は、ちょっと直前までずっと(懇談で話すための)原稿を直していたみたいな人なんですけど、私自身は、昨年4月から普代村におりますが、まず先にずっと思ってやっていることがありまして、「帰ってきたいと少しでも思ったときに、帰って来られる場所にしたい」というのを、すごく強く思っております。というのも、私が普代村でこのお仕事をさせていただいて間もないときに、「人口戦略会議」が公表した資料に、将来、普代村は消滅する可能性があると書かれていたので、将来どうなるかも分からないんですけれども、帰りたいときに帰れる場所にしたいっていうのを、すごくその時に思いまして、そんなお手伝いができないかなと思いながら活動しています。私は、普代村に来る前は、先ほど話したとおりで伊豆大島におりまして、そこで頻繁に通っていたお豆腐屋さんがあるんですけれども、そのお豆腐屋さん、実は最近閉業しちゃったんですけど、そこ(の店主)も、若いときに4年ぐらい島を離れていたと。島を出たからこそ、島の良さが分かるっておっしゃっていたんです。なので普代村も同様に、若い方が他の地域に移住しても戻ってきたいと思える、そんな地域にできるように、力になりたいなと私は思っています。また、ここまでちょっと強く思ったのは、岩手県に対する思いを、私の知り合いから感じたっていうのもあります。もちろん、普代村に来てからも、岩手県に対する思いとか、すごく伺うんですけれども、私の中では、岩手県にいない方の岩手県に対する思いっていうのがすごいなと、他の地域よりもすごく感じております。(知り合いから)昨日話していいって言われたんで、具体的に話しますが、普代村に来る前に、実は私、旅行とかも含めても、そもそも東北を訪れたことがないという、そんな状態で、突然引っ越しっていうところからスタートしているんです。つまり、初めての東北で、初めての岩手県が普代村で、本当何も分かんない状態でスタートをしました。そんな中ではあったんですが、活動開始前から今に至るまで、私は、スマートフォンのOSであるAndroidの国内の普及活動を行っている、「日本Androidの会」のコミュニティ運営委員長を務めております。その活動の中で知り合った人が、紫波町出身だったんです。その紫波町出身の人が、紫波町だけじゃなくて、岩手県全体を詳しくて、その人は、引っ越してから結構たっているらしいんですけれども、最近の岩手県のことまで詳しくて、(鉄神)ガンライザーも1時間ぐらい教えてもらったんですけど、そのぐらい岩手県のことが大事っていうことがすごい伝わってきたというのがあります。その人、今岩手県に住んでいないんですけれども、最近、普代村の移住コーディネーターの方から、移住をする上で困ったことを聞かれたんですけれども、「正直その人が(岩手県のことを)教えてくれたので、それはすごく大きかったです」って答えたぐらい大きかった、もしその知り合いがいなかったら、私はその(何も知らない)状態で移住してきたので、正直ここまで継続できなかっただろうなってすごく思うんです。なので、そのぐらい岩手県の魅力をその人から教えてもらうとともに、すごい思いを感じたっていうのが強くあります。
この他にも、ちょっと別のところになっちゃうんですけれども、横浜市に大槌町役場の派遣職員として、東日本大震災津波の復興に関わった方がいらっしゃるんですけれども、私たまたまその方と偶然つながることがありまして、その方のところに行ったら、大槌町のポスターとか写真集とか、それこそ震災時の写真とかがいっぱいあって、横浜市のコミュニティ施設なのに、大槌町のことがいっぱいあって、正直びっくりしたっていう。岩手県にいなくても、岩手県は誰かのふるさとであると、大事な場所なんだなっていうのは、すごい感じたっていうのがあります。
そんな私自身は、岩手県が全く分からないという状態、そのスタートからではありましたが、だからこそかもしれないんですけれども、岩手県に対する思いをすごい感じています。なので、今回のテーマである「若者が輝く」にはっていうお話で「若い方が移住につながらず、逆に流出してしまう」、これって思いのすれ違いじゃないかなって思うことがあります。昨年、私は「ふだいまつり」の上組の山車づくりを少しお手伝いさせていただいたんですけれども、その山車づくりのときに、実は私よりも1個若い方が積極的に関わられていらっしゃいました。作業後の雑談とかそういうときにも、普通に打ち解けていらっしゃるので、それを見て、今回県北で輝ける方っていうお話があったんですが、県北で輝ける若者は多いのではないかと私は思っています。ただ、一方で解決が難しい事情で、普代村に住めないっていう方もいらっしゃいます。具体的にはどうしているかっていうと、久慈市に住みながら普代村役場でお仕事されていらっしゃる方が何人かいます。ちょっと細かいことは省きますが、そういった方もいらっしゃいます。なので、そういう方が多いなってみていると、私自身は普代村に来ることになったのは、地域活性化起業人という仕事がきっかけだったので、例えば、地域おこし協力隊の方からお話を伺うと、かなり状況が違うなっていうのは、例えば(私は)普代村がいいなと思って来ているんじゃなくて、いきなり仕事で来たって感じだったので全然状況が違うと。ただ、もうここまでのもの(岩手に対する思い)を私は、正直知り合いとかからも、いろいろと見聞きしてきたので、仕事ではない時間、プライベートの時間で、もうちょっとやりたいことをやりたいな、やれることをやりたいなと思って、結構動いています。
例えば、先ほども触れました「日本Androidの会」、ここで「PLATEAU(プラトー)2024 アイデアソン/ ハッカソン by 日本Androidの会」っていう、ちょっと長いんですけど、そういうイベントをちょっと開催して、資料(プロフィールシート)の1番最後に、国土交通省のホームページにも載ったので(資料へ記載した)、一応そういうイベントがあるんですけれども、「PLATEAU(プラトー)」っていうのは、国土交通省が主導の3Dデータの都市モデルなんです。何でそれをやろうかと思ったかっていうと、「普代水門」です。「普代水門」があったことで、大災害の時、普代村の外にいた方で亡くなったってケースはあるそうなんですが、(水門の内にいた)多くの方を救ったってことは、普代村のことを知ってもらう、または地元の方が普代村のことを改めて見つめ直すのに、ちょっといいんじゃないかなと思って、ちょっと取り組もうと思ったんですけど、普代村はちょっとデータ整備予定がなくて、直近だと、もともと盛岡市は整備済みだったんですが、(イベント開催当時)今後整備予定のところが宮古市にあったんです。なので宮古市で(イベントを)やりました。私一人だととてもちょっと大変なので、イベントは香川県にいるメンバーと共同で運営をすることで開催をいたしました。なので、このイベントですね、普代村以外でも結構聞かれるイベントになりました。
この他に、ちょっとこれだけでは、私はまだ岩手県のことを分かりきっていないなと思いまして、他にも、横浜市の地域活性化団体で「SIDE BEACH CITY.」っていう団体があるんですけれども、私、そこに関わっていまして、そこから「いわて若者カフェ」とか、そういったところの取組を知るなど、岩手県で行われている、その地域活動をできるだけ収集して、自分の活動に活かそうと思っています。なので、最初のお話で、帰ってきたいと少しでも思ったときに帰れる場所にしたいという意識から、こんな感じの活動をしてきております。岩手県にいらっしゃる方はもちろんなんですけれども、私の知り合いとか、さっきお話した横浜市のコミュニティスペースの方とかみたいに、岩手県にいない方でも、岩手県に対する(思いがある)その方々の力になりたいなと思って活動しております。ちょっと長くなりましたが、以上にさせていただきます。
小野部長
杉山さん、ありがとうございました。まさに、杉山さんの得意分野を活かしながら、普代村にいらっしゃいますけれども、もしも普代村にいらっしゃらなくても、日本中、あるいは世界中の知り合いを通じて、活動していただけそうな、そういった勢いを感じました。ありがとうございます。それでは、知事からお願いいたします。
達増知事
日本で1番人口の多い市、横浜市から岩手県で1番人口の少ない村、普代村に来てもらいありがとうございます。
岩手県にいない人の岩手県への思いの強さというのは、なるほど、そうなんだなということで、あまり気をつけてなかったところで、非常に大事だなと思いました。ありがとうございます。そして、私も去年の「ふだいまつり」を見に行きまして、非常に立派な変形する山車が二つ出ていて、あれを、二千数百人の人口の村で2台作るというのは、すごいなと思って、盛岡市は、三十万人に少し届かないくらいの人口で、(山車を)10台出したいけど、10台出せなくて8台という、でも人口当たりの山車の数からいうと普代村は2台運行しているという、ものすごいことだなと思っているんですけれども、そこにいた若い人たちに話を聞くと、普段は村外に住んでいるとか、お祭りのときだけ帰ってきたとか、いろんなそういう若い人たちがいるなと思ったんですが、いろんな事情で久慈市に住んで普代村で働く人もいるということで、それは人口減少というよりは活動の広域化ということで、広域でみれば人口は減っていないので、結構、市町村別人口を見ると、交通の不便なところがどんどん人口が減っていくかっこうになっているんですけど、毎年3月11日、東日本大震災津波が起きた日、その前後にマスコミがいろいろ取り上げて、今年は(震災後)14年目とかやるんですけど、岩手県の沿岸の人口減少が著しいところを書き立てるんですよね。岩手県だけじゃなくて、宮城県や福島県もなんですけど、でも、岩手県の沿岸の人口が減っているのも、かなりの部分は、岩手県内の近隣の市とか町の方に移っていて、県外に出ている人というのは少数派でありますので、人口が減少したといっても消えてなくなっているというわけではなく、ちゃんと近くで活躍して、お祭りがあれば戻ってくるという、そういう感じなので、そういう実態をちゃんと分かったりするのが大事だなと思っていました。数字だけを見て、嘆いたりするのではなくて、一人一人が、何をやっているのかというのをみていると、結構活躍をしていたり、家族や親戚と仲良くやっていたり、仲間とも有意義な仕事をしていたりもするので、そういうところを盛り上げられればなと思っています。
あとは、二千数百人の村で、役場職員も何十人かという規模のところでデジタル化を進めようとすると、かなり、いろんなすごいことができるんじゃないかなと、実は漠然と思っていて、人数の多い人たちを相手にするDXよりも、人数が少ない人を相手にDXする方が、すごいことができるんじゃないかと期待をしているんですけど、その辺はどうでしょう。
杉山 由朗
実は、毎日悩みながらやっています。役場の人数が少人数ですので、そもそもとしても、まず目の前の課題をやんなきゃいけないことが多い状況なので、私も一緒にそれをこなしながら、業務改善を図っていくっていうことを今やっているんです。これは結構大変で、まず、おっしゃるとおり少人数だとやりやすいっていうのは確かだと思うんですが、やっぱり、もともと入っていらっしゃるベンダーさんとかの都合とかもあるので、私もすごい悩みながらやっているところです。
正直、「パッ」とツールを入れたとしても、まずそのツールを使いこなすとか、そういったところから入っていかなきゃいけないので、そこをまずどうしようかなっていうところで、どこまで話していいかっていうのもあるんですけれども、私の他にも、その地域のことを考えて活動できる方を、普代村に呼べないかとかっていうことも、ちょっと今考えながら動いております。
達増知事
大規模組織と共通する難しさがあるんだなと感じたところではありますが、いずれ、今、普代村にいない人たちを視野に入れて活動していただいてありがたいと思いますので、岩手県としても、そういうふうにしていきたいと思います。ありがとうございました。
小野部長
四人の皆様から、まずはテーマに沿ったお話をいただきました。
ここからは時間が15分弱ぐらいになるかと思いますけれども、自由懇談といった形で、お話足りなかった点も含めてお話をいただければと思いますが、いかがでしょうか。どなたでも結構です。何かございますか。はい、それでは坂本さん、お願いいたします。
坂本 香菜
私は、一般社団法人洋野町観光協会にくる前は、地域おこし協力隊として活動していたので、元地域おこし協力隊としてちょっと感じたことというか、少しお話できればなと思っております。つい先日の5月25日の岩手日報にも記載があったんですけれども、(20)24年度の地域おこし協力隊の受入れが、岩手県は過去最多の313人になったというニュースの記事が出ていました。あと、洋野町も岩手県で3番目に受入れが多い自治体になっています。すごく自治体として、受入れに対してはすごくオープンな環境なんですけれども、任期後の就職サポートがあまり行き届いていないという印象を受けていて、定住率は53.8%と、役場から聞いています。私自身も、ちょっと洋野町に残るか悩んだ時期もあったんですけれども、洋野町の地域おこし協力隊の満期終了後、観光関連に限らず、希望の職種や、今までの活動を活かした就職先がないこと、あとは、1番大きなところがお給料が安いこと、あとは空き家はいっぱいあるんですが、一人用の住まいが少なくて、家賃が高いことっていうのを理由に、定住を検討していた協力隊の仲間もいっぱいいたんですけれども、今の理由で、洋野町を去った仲間がたくさんいます。せっかく県外から岩手県を選んで、また洋野町を選んで移住してくれたのに、何か就職のサポートがあまり行き届いていないことによって、取り逃しているなってすごく感じているので、岩手県としても、そういう地域おこし協力隊のサポートを、もっとやっていただければ、地域おこし協力隊の方も、もっと定住につながっていくんではないかなと感じていますので、すいません、ちょっと今お時間をいただきました。
小野部長
坂本さん、ありがとうございました。地域おこし協力隊の方の定住率は、岩手県は6割後半だったかと思います。全体とすると比較的いいのかなと思いますけれども、やはり、今お話があった給料の話、仕事の話、住居の話、これは非常に大きな問題で、洋野町のみならず岩手県や全国的にも、せっかく選んで来ていただいた方が、そのまま残っていただけるようにということが、非常に重要だと思っております。県の方でも、ここは一つの課題と考えておりますので、しっかり検討して対応して参りたいと思います。ありがとうございます。
その他、何かございますでしょうか。話し足りなかった点など、いかがですか。宇部さんのカフェを(ブログで)見ていましたけれども、宇部さんは、福祉関係でも活躍されていて、そういった皆さんと一緒にカフェのレイアウトとか、装飾なども作ってこられたというような、様々な工夫をされているということも見ました。宇部さんから何かございましたら、お願いいたします。
宇部 晃平
そうですね、またカフェの話をさせていただきますと、コミュニティが生まれる場所に漠然としたいなと思っておりまして、うち(のカフェ)を中心に、何か新しいものが生まれるとか、やっぱりカフェにはそういう役目があると信じていますので、地方創生につなげるワードとしては、そのコミュニティをいかに生み出せるかっていうところで、いかに興味関心が湧く、うちの店舗にわくわくしてもらえるかっていうところにちょっと注力してやってみたいなって思います。
その中で、先ほど坂本さんも言っていましたけれども、従業員の賃金とか、そういうところは、やっぱり先立つものはお金ですので、そこはそこで、私10年社会人経験したこともあるので、ちゃんと課題抽出して、そこは会社とかと一緒だなと思いながら、改善していきたいなというふうに思います。
あと、課題なんですけど、ちょっとまだNPO(法人風花)の方の出勤簿が手書きでして、先ほど杉山様が、デジタル化に取り組まれているって言ってたんですけど、ちょっと是非ですね、うちのタイムカード導入に御協力いただけないかと思いました。
杉山 由朗
はい、承知いたしました。
宇部 晃平
すいません、ありがとうございます。
小野部長
後ほど、いろいろと御相談いただければと思います。
その他、何かございますでしょうか。まだ、若干時間がございます。では、佐々木さんお願いします。
佐々木 陽菜
私は、今年21歳の代なんですけど、まだ皆さんよりも、社会経験が少なくて、それこそIターンとかUターンの経験がないので、皆さんのお話を聞いて、何か難しいな、何かすごいなって思いながら聞いていました。皆さんのお話を聞いて、私にはない角度からの見方だったり、経験だったり、すごいいろいろ聞けて面白いなと思いました。私は、今回ダンスチームのSUNLIGHTの代表としてきているんですけれども、その山根町の方の飲食店側から、ちょっとお話させていただくと、山根町で私は今、母のお店をお手伝いして、二人で毎日経営をしているんですけれども、人件費が払えるぐらいの規模ではなくて、それこそ山根町は、50代ぐらいから80代ぐらい、本当に高齢の方がたくさんいらっしゃるところなんですけれども、それこそ、人件費を払える余裕がないということで、高校生の頃から私が毎日、お店のお手伝いをしているんですけれども、正直、日中カフェのお手伝いをして、夜は(ダンスの)レッスンを90人の生徒さんと向き合って、個人でのいただいたダンスのお仕事もしながらっていうのが、キャパオーバーになっちゃうことが、どうしてもすごく多くて、ここ数年、なかなか1日オフ(休日)の日があまりなくて、そういうところで、宇部さんのお話が、なんかすごく共感できたというか、なんかそういうところが、もっとこう若者が増えてくれればなとすごく思いました。
私は、正直久慈市や岩手県を盛り上げたいっていうよりも、自分ができなかったことを、久慈市に呼んだりとか、久慈市で企画したりとか、ダンスができる環境が欲しいという思いで活動してきたので、その行動が、地元を盛り上げるっていうことにもつながっていたんだなと、今日、この機会をいただけて何か実感ができて、すごくうれしかったです。
東京都に行くことは簡単なんですけど、岩手県だからできることをこれからも大切にしながら、これからもダンスを楽しんでいきたいなと思いました。今日は、本当にありがとうございました。
小野部長
三人のお話を聞いて、すごいなと佐々木さんは思われたということなんですが、私はこの(佐々木さんの資料の)写真を見てすごいなと、これだけの若い人たちを集めて、いや、なかなかこれは大変だなと思いました。また、先ほどのお話を聞いて、久慈市で佐々木さんができることをやっていくといったことで、すばらしいと考えております。ありがとうございます。
まだ若干時間がございます。では、最後に杉山さんから、よろしければお願いいたします。
杉山 由朗
いや、正直佐々木さんのこの(資料の)写真すごいなって思って、私自身もコミュニティのイベントを開催する立場なんですけれども、人を集めるって、めちゃめちゃ大変なんですよ。これはすごいなと、素直に思いました。
あと、私もそうなんですけれども、特にデジタル化とかっていうのは、伊豆大島にいたのでなおさら思うんですけれども、その地域によって事情が違うので、その地域だからこそ勉強できること、例えば離島だと、海底ケーブルとか噴火の影響で避難の可能性があるので、サーバーの置き方や、そういうデータを収容する場所とかの置き方が違うので、正直大学に行って勉強できないってこともあると思うんです。岩手県だと岩手県で、やっぱり状況が違っていて、細かいことになるので省きますけれども、結構あると思うので、私も、もうちょっとそういうところをみつけて、若者が活躍できるような場所を作ることに貢献していきたいなというのをすごく思っております。ちょっと感想になっちゃったんですけれども、今日は皆さん、本当にありがとうございます。
知事所感
小野部長
ありがとうございました。
四人の皆さんから様々なお話をいただきましたが、最後に、知事からお願いいたします。
達増知事
坂本さんが2順目で話された、就職のサポート、あとは住宅の確保について、住宅の確保は、本当にもったいないなと思います。最近、県政懇談会のたびに、誓いを新たにしていますが、やはり若い人向けの手ごろな家賃の住宅の確保をしっかりやっていきましょう。そして、地域おこし協力隊の岩手県の定住率は全国平均より低いというパーセントになっていて、ただ、実数が全国7位かな、5位か7位か、人数は多いというところがありまして、定住せずに帰ってしまうのはもったいないというところが、より感じられるところですので、しっかり対応していきたいと思います。
そして、今日は、異分野の話をそれぞれ共有する機会があって、刺激になったんじゃないかなと思います。このメンバーが、また集まるというのは、今はそういう予定は全くないんですけれども、いろんな形でこういう感じの、異分野ですが、でも近くで同じような方向性を向いて、いろいろ頑張る人たちが、情報を共有したりとか、そういう思いを新たにしたりできるような機会を、県としてもどんどん作っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。今日は、皆さんありがとうございました。
閉会
小野部長
ありがとうございました。
皆様、本日は貴重なお話をいただき、本当にありがとうございました。いただいた御意見につきましては、県の関係部局と共有して、今後の県の施策にしっかりつなげて参りたいと考えております。
「いわて幸せ作戦会議」といった形で、皆様が、それぞれ異なった分野で活躍していただいて、御自身、あるいは周りの人たちのウェルビーイングを高めていくといった取組をしていただいております。それは、皆様のつながりの力で、自分も含めてそのウェルビーイングが高まっていくものだなというふうに実感いたしました。今後も、是非活動を頑張っていただきますように、私たちもしっかり応援して参りたいと思います。
これをもちまして、県政懇談会を閉めさせていただきます。本当に、ありがとうございました。
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