「いわて幸せ作戦会議(in盛岡)」(令和7年2月10日)
日時
令和7年2月10日(月曜日)10時30分から11時50分まで
場所
盛岡地区合同庁舎8階大会議室
出席者
・参加者(敬称略)
櫛引 亮(リトルもりおか 発起人)
岡堀 真麻(八幡平市 地域おこし協力隊)
外岡 卓之(雫石町 移住コーディネーター)
小西 まどか(くずまき山村留学生寄宿舎 ハウスマスター)
・県側
達増 拓也 知事
小野寺 宏和 盛岡広域振興局長
小野 博 政策企画部長
開会
小野部長
それではただいまから、県政懇談会「いわて幸せ作戦会議in盛岡」を開催いたします。
皆様、御多忙のところ、またお寒い中、御出席をいただきまして本当にありがとうございます。心から感謝申し上げます。
今日は、「“つながり”で未来を拓く」を懇談のテーマといたしまして、県央地域で様々な分野での活動を通じて、ふるさと振興に取り組まれている方々にお集まりをいただいております。
私は本日の進行役を務めさせていただきます、県の政策企画部の小野と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
知事あいさつ
小野部長
それでは開会に当たりまして、達増知事から挨拶申し上げます。
達増知事
県政懇談会「いわて幸せ作戦会議」ということで、岩手県内各地域各分野で活躍する人の話を知事が直接伺い、県政の参考にするという趣旨で、昔からやっておりますが、「いわて幸せ作戦会議」と銘打っているのは、今の県民計画の基本目標に「お互いの幸福を守り育てる希望郷いわて」というフレーズがありまして、県民の幸福というものに着目してやっているところから「いわて幸せ作戦会議」という名前で今やっています。
去年、この1年間を年末年始に振り返るテレビ、新聞、雑誌の企画などがあったのですけれども、世界全体は戦争や分断が広がり、日本にも様々、いろいろな良くないことが起きていた1年だったんですけれども、一方、視点を地方に移しますと、岩手県の場合、ニューヨークタイムズが盛岡市を紹介し、その効果が去年1年間も続いたりとか、様々いろんないいことが、好材料がたくさんあるなというふうに思っておりまして、是非、今日はこの県央圏域でふるさと振興に取り組んでいる方々から、活動内容や取り組んでいく上での課題、今後の抱負等を伺い、意見交換するということで、岩手の希望を見いだしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございます。そして県議会議員の皆さんも、ありがとうございます。
出席者紹介
小野部長
それではこの後の進め方についてです。まず私から、お一人ずつ御出席の皆様のお名前を御紹介いたします。続けて1分程度の自己紹介をいただければと思います。その後、今日のテーマに沿ってお話をいただきますが、お一人ずつお話が終わった都度、知事がコメントするというような形で進めていきたいというふうに思います。そして、お話が一巡いたしましたら、自由懇談の時間も設けたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日御出席の皆様を御紹介いたします。始めに、リトルもりおか発起人の櫛引亮さんです。
櫛引 亮
初めまして。リトルもりおかの櫛引と申します。本日は貴重な場に参加させていただいて、大変ありがたいです。私たちはですね、首都圏で岩手県盛岡市をキーワードに、ゆるくつながるコミュニティを作っている有志団体となっております。若者が集う県人会のようなものを目指しておりまして、盛岡や岩手の魅力を発信しているというところです。活動している主なメンバーは15人ぐらいで、20から30代のメンバーです。私自身は盛岡市みたけの出身で、高校まで岩手で過ごして大学進学で関東に行き、卒業後はUターンして新聞記者を4年ほどやっておりました。その後、再び首都圏に戻って、現在は食品メーカーで広報の仕事をしております。本日は首都圏からの視点というところで、つながりについてお話できればと思いますので、何卒よろしくお願いします。
小野部長
どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、八幡平市地域おこし協力隊の岡堀真麻さんです。お願いします。
岡堀 真麻
八幡平市地域おこし協力隊の岡堀真麻と申します。本日はどうぞよろしくお願いします。私は、出身は八幡平市ですが、20年ほど東京に住んでおりまして、協力隊としてUターンしました。八幡平市に合併する前の小さな村出身でしたので、意外と知ってる場所や知らない場所、それぞれあって、面積も広いので情報発信もしがいがあるなと感じています。あと移住定住に関するミッションを行っておりますので、その辺も後ほどお話できればと思います。本日はよろしくお願いします。
小野部長
ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして雫石町移住コーディネーターの外岡卓之さんです。お願いします。
外岡 卓之
皆さんこんにちは。岩手県雫石町で移住コーディネーターをしている外岡卓之と申します。所属の方は、雫石町役場の観光商工課都市交流推進室というところになります。私は神奈川県横浜市出身でして、サラリーマン生活を経て、田舎暮らしを志して最初6年間ほど熊本県に行っておりましたが、雫石町の地域おこし協力隊の募集に惹かれて、2017年にやってきました。以来、移住体験ツアーですとか、移住セミナーですとか、後ほどいろいろ詳しくお話したいと思うんですが、移住者交流会などの企画運営ですとか、移住に関する情報発信、個別相談などを行っております。今日はどうぞよろしくお願いいたします。
小野部長
どうぞよろしくお願いいたします。
そして葛巻山村留学生寄宿舎ハウスマスターの小西まどかさんです。お願いします。
小西 まどか
はい。葛巻町から来ました小西まどかと申します。私は葛巻に移住して5年になるんですが、移住前の10年間は滝沢市に住んでいた友人のところに遊びに行くのが年に1回の楽しみで、私にとっての岩手は元気をチャージする場所という印象でした。岩手に遊びに行く回数が少しずつ増えていく中で、友人の家族とか知り合いの方を通じて生活を見せてもらって、岩手移住に踏み切ったっていう経緯があります。普段は岩手県外から葛巻高校に進学した高校生が暮らす寄宿舎で働いています。高校3年生はもうすぐ卒業なんですが、岩手を離れる生徒たちが、岩手とどんなつながりを持てるのか、今日は皆さんのお話も楽しみにしてきました。どうぞよろしくお願いいたします。
小野部長
はい。ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。県からの出席は、達増知事、それから盛岡広域振興局の小野寺局長でございます。よろしくお願いいたします。
また、本日は、県議会議員の皆様にもお越しをいただいておりますので御紹介申し上げます。
盛岡選挙区選出の上原康樹議員です。
上原 康樹議員
よろしくお願いします。
小野部長
続いて吉田敬子議員です。
吉田 敬子議員
よろしくお願いします。
小野部長
斉藤信議員です。
斉藤 信議員
よろしくお願いします。
小野部長
軽石義則議員です。
軽石 義則議員
よろしくお願いします。
小野部長
福井せいじ議員です。
福井 せいじ議員
よろしくお願いします。
小野部長
小林正信議員です。
小林 正信議員
よろしくお願いします。
小野部長
村上貢一議員です。
村上 貢一議員
よろしくお願いします。
小野部長
続きまして、八幡平選挙区選出の工藤剛議員です。
工藤 剛議員
よろしくお願いします。
小野部長
続きまして、滝沢選挙区選出のハクセル美穂子議員です。
ハクセル 美穂子議員
よろしくお願いします。
小野部長
柳村一議員です。
柳村 一議員
よろしくお願いします。
小野部長
松本雄士議員です。
松本 雄士議員
よろしくお願いします。
懇談
<テーマ>
“つながり”で未来を拓く
小野部長
皆様のお手元にお菓子と飲み物を準備しておりますので是非お召し上がりいただきながら、懇談を進めていければというふうに思います。
それでは、まず小野寺局長のほうから、今日のお菓子、それから、重要でございます懇談のテーマについて紹介をお願いいたします。
小野寺局長
盛岡広域振興局の小野寺です。本日はどうぞよろしくお願いいたします。座って御説明をさせていただきます。まず、お菓子の御紹介をさせていただきたいと思います。本日のお菓子は、雫石町のレンタル菓子工房utakaneさんで作られております「厚焼きクッキー」でございます。このutakaneさんは、空き店舗をリノベーションして、平成30年11月にオープンされた工房で、代表の渡辺さんはこれまで約60人、様々サポートされて、パン屋さんや菓子工房を開業された方も多いというふうに伺っております。本日お配りしたクッキーは、渡辺代表が作られているもので、全部で6種類あるそうですけれども、本日はココア味と紅茶味の2種類を用意させていただきました。どうぞお召し上がりながら懇談していただければというふうに存じます。よろしくお願いいたします。
次に、テーマの説明をさせていただきたいと思います。本日の懇談のテーマは“つながりで未来を拓く”でございます。人口減少対策、それから地域振興を推進する上で、移住の促進それから移住後のネットワークづくり、そして高校を核とした関係人口の創出、さらには県外から本県を応援する活動など、様々な切り口での取組が重要なんだろうなというふうに思っております。こうした活動を主体的に実践し、つながりづくりを通じて、本県の活力を創出されている皆様方に御意見を伺って、今後の人口減少対策や地域振興の参考にしたいというものでございます。ですので、まさに皆さんが今行われている活動自体が、それを御紹介いただくということが我々の学びにつながるというふうに思っておりますので、そういったことで、どうぞ忌たんのないお話をいただければと思います。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
小野部長
はい。ありがとうございました。それでは早速ですが、懇談の方に入らせていただきます。
ここからは、今、小野寺局長からも説明ございました、今日のテーマ“つながりで未来を拓く”に沿って皆様の活動、課題、今後の方向、御自身の抱負、それから県への期待なども含めてお話をいただければというふうに思います。
それでは早速ですが、櫛引さんから大体5分程度でお話をお願いいたします。
櫛引 亮
はい。改めまして、リトルもりおかの櫛引と申します。よろしくお願いします。今回私がお伝えしたいのは、今、小野寺局長の方からもありましたけれども、首都圏の関係人口の活用というのが、より一層大切になってくるのではないかということになります。私たちは2017年に、首都圏で岩手や盛岡の事を気軽に話せる場が欲しいということで、リトルもりおかという有志団体を立ち上げております。2019年から本格的に活動をスタートしておりまして、盛岡に関わるすべての人をですね「モリオカン」とアメリカンみたいな形で呼ばせていただいておりまして、「エンジョイモリオカン」ということをミッションに、首都圏で盛岡や岩手とつながるきっかけづくりを続けております。最近の言葉で言えば、岩手、盛岡のファンづくり、いわば推し活のようなものかなと思っております。
私たちの活動は首都圏で盛岡、岩手を推すことで、その魅力を、多くの人に届けるPRの一環になっていると、そのように感じています。本日もリトルもりおかのTシャツを着ておりますが、小さくですけど「Morioka」というふうに書いております。こういった形で、首都圏でも盛岡を推していくというような活動をしております。私たちは、岩手、盛岡とのつながりを感じられる場を、様々な形でこれまで作ってきておりまして、オフラインでの交流イベント、盛岡ゆかりの人たち、岩手ゆかりの人たち50名以上が集まるようなですね、オフラインのイベントやったりとか、あとは岩手、盛岡の写真展を、魅力を伝える写真展を首都圏でやったりとか、あとコロナ禍には、なかなか帰省することが難しいというところで、オンラインで帰省してはいかがということでグーグルマップを活用して、オンライン帰省のツアーみたいなものをやったりとか、あと企業とのコラボレーションということで、ヘラルボニーさんとかベアレンビールさんと一緒にオンラインのイベントを開催したり、そういったことをやっておりました。私たちのメンバーというのは、私は広報なんですけれども、経営コンサルとか、マーケターとか、カメラマンとか、デザイナーとか、編集者、人事とか多様な職種の人たちがいます。出身も岩手県の紫波出身であったりとか、陸前高田出身であったりとか、盛岡に限ったことではないんですけども、それぞれが本業のスキルを生かしながら、岩手、盛岡のために何かできることはないかという思いで活動しております。
活動を続ける中での気づき、課題というところでありますけれども、大きく二つあるかなと思っておりまして、一つは、首都圏で活動している中では、やっぱりなかなかつながるきっかけが難しいなというところが一つ大きなところかなと思います。岩手出身者、盛岡に関心ある人たちは結構いまして、ふるさととつながりたいとか、いずれ岩手に戻りたいというふうに思ってる方々が結構おられます。ただ、そのためのきっかけがなかなか作りづらいというところがあるかなと。実際私たちも微力ですけれども、こういった活動を楽しみながらやってる中で、岩手に再び関わりを持って、最終的に移住された方も複数いらっしゃいます。これは、首都圏で岩手とのつながりを維持すること、その結果繰り返し来訪する、訪れること、そして岩手での生活のイメージが具体化することで実現できたんではないかなと考えております。もう一つの課題に関しては、やっぱり移住とかする際に、大きなハードルになるのは仕事かなと思います。これはメンバーにも、岩手に戻るとしたら何が今課題ですかということをヒアリングしたところ、やはり今の仕事、なかなか現在の仕事をスパッとやめることは難しいでしょうと。それはかなり不安がありますと。岩手で実際どんな仕事があるのか、自分のそのポジションが岩手でどう活用できるのかわからない。あと給与的なものも当然あると思います。そういう経済的な不安も含めて、仕事のハードルというその二つが大きく課題なのではないかと思います。
私たちとしては、これらの課題を解決するためのキーワードとして、この御時世を踏まえてですね、副業と二拠点居住が、今後キーワードになっていくんじゃないかなと思っております。当然岩手県の皆様も遠恋複業課とか、いろいろな施策をしていただいてると思いますけれども、それも踏まえて、今後副業と二拠点をどう拡大していくかっていうのが一つキーワードになっていくんじゃないかなと思っております。テレワークの普及によって、副業がしやすくなっています。リトルもりおかのメンバーでも、副業してる方が多いのが現状です。本業は首都圏でやりながら、岩手の企業で副業という働き方も当然できると思っております。副業を通じて、岩手の企業、地域と関わることで、岩手の仕事とか暮らしのイメージが具体化されて、結果として移住とか、二拠点居住へのステップにつながるんじゃないかなと私たちは思っております。また、その副業を通じて形成されたネットワークが、新たなビジネスチャンスであったりとか、岩手の魅力発信の場になることっていうのも私たちは期待できるんじゃないかと思っております。二拠点居住に関しては、いきなり移住のハードルはなかなか高いというふうな方々もおられると思うんですけど、二拠点居住であったりとかお試しの移住というのはもっと気軽にチャレンジできるんではないかなと思います。逆に二拠点居住を皆さんできますかっていうのも、ちょっとメンバーの方にもヒアリングさせていただいたところ、これが実際事実かどうかっていうのは別として、御意見としていただいたのは、やっぱり滞在費、移動費の負担、あとマンスリーマンションが思ったより多くないんじゃないかという御意見がありました。長期滞在する上で、負担になってくると。あとは夜遅くまで使えるカフェとか、ワークスペースがそれほど多くないんじゃないかという御指摘もございました。そういったことがあるかなと思います。岩手県の方でもですね、いろいろなサポートされてると思うんですけども他の自治体でも、移動費の支援とかそういったことをされてるんじゃないかなと思いますので、そういった支援を増やすと、より移住とか、副業がしやすいんじゃないかなと私たちは思っております。
あと最後に私たち自身の課題というところも一つございまして、リトルもりおかというのは先ほどお伝えしたとおり、かなりボランタリーな活動をしております。なので、ゆるさが強みでもあるんですけど、弱みでもあるということで、なかなか継続を維持していくっていうのが難しい部分もあるんですね。それはやっぱりメンバーのライフステージが変化していく中で、活動のペースが変動してしまうというところがあって、これはやっぱり限られたリソースでの活動維持の難しさみたいなところがあって、私たちだけではなくて、首都圏で活動しているそういう有志団体みたいなものが他にもあるんですけども、そこの皆さんにもヒアリングしたところ、やはりそこは共通していて課題に思っていると。継続的なつながり創出のための活動、こういった支援も是非お願いできればなと思っております。
改めまして、岩手県、若しくは関係機関の皆さんに支援していただきたい、お願いしたいこととしてはですね、一つ目が首都圏の関係人口をつなぐ、そして維持する仕組みづくりと、そういった機会の創出。あとは市民団体へのリソースの提供とかですね、サポート、さらには副業のマッチング、二拠点居住支援の強化みたいなところを是非お願いできればなと思っております。こうしたサポートがさらに広がることで、岩手と首都圏の若者をつなぐ力になると、私たちは信じております。私たちは、これからもモリオカンとして、盛岡、岩手の魅力を楽しく発信し続けていきますので、そして、多くの人たちと新しいつながりの輪を広げて、ともに岩手の未来を創る仲間として歩んでいきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
小野部長
はい。櫛引さんありがとうございました。櫛引さんの方からは岩手、盛岡との首都圏を中心とした関係人口を維持していくためのポイント、それから課題、県のサポートへのお考えなどについて、非常にまとまって全体像が見えるような形でお話をいただきました。大変ありがとうございました。それでは知事の方からお願いいたします。
達増知事
櫛引さんには、岩手と首都圏をつなぐ役割を果たしていただいてありがとうございます。東京で集まるっていうことで、いろんなきっかけづくりになり、移住定住にもつながっているということで非常にありがたいと思います。
一方、この移住定住の滞在費、移動費とか、二拠点居住、副業をやるに当たっての課題を指摘いただきましたので、移動費については東京、首都圏でやった県政懇談会でも、学生方から指摘されたところであり、やはり検討していきたいと思います。
今、「サンセット・サンライズ」という映画が公開されていて、テレワークで首都圏の会社の人が三陸の漁村の空き家に住んで、そこからリモートで仕事をするっていう映画で、やはりそういうのがどんどん広まればいいと思いますし、三陸の漁村は自然の豊かさとか、魚のおいしさとかは優れているんですけれども、盛岡、あるいはその周辺は、いろいろ都市機能が便利っていうところで、やはりテレワークのメリットもかなりあると思いますので、いいのではないかと思っています。
そして、改めてこのリトルもりおかには、盛岡出身以外の人もいるということで、岩手の中の盛岡というのは、やはり県庁所在地であるということと、あとは、拠点性で盛岡という名前を出しつつ、岩手全体のこともできるし、広げようと思えば、北東北から函館あたりまでも含んだエリアのことを盛岡の名において、やったりもできる、そういう盛岡というものの拠点性であり、また、このシンボルとしての強みもあるので、岩手県としても是非この盛岡を活用し、ニューヨークタイムズにも載った盛岡ですから、この盛岡という名前が、かなり有力になってきていると思うので、リトルもりおかとも連携しながらいろいろやっていきたいと思います。ありがとうございました。
小野部長
それでは続きましてお二人目でございます。岡堀さんの方からお願いいたします。
岡堀 真麻
はい。岡堀と申します。私の現在の活動は、地域おこし協力隊として3年目に突入しまして、3月末で終わるんですけども、この3年間は、移住定住に関するミッションを中心に行ってまいりました。その中でも印象的な出来事というか、八幡平ならではと感じることが、何件かありました。
移住前後のサポートということで、移住前の相談対応っていうのは、東京での移住相談会に参加したりですとか、あと移住相談LINE(ライン)というのを市で作っておりますので、気軽にLINEで相談ができます、ということで月に数件相談が入ったりしている状況です。東京での相談会は、割と漠然とした「いつか地方で暮らしたいです」という相談が半分くらいで多いんですけども、その中でももう具体的に移住時期を決めて、逆算して準備をしている方ももちろん多いですし、Uターンするために就職活動をされてる方も多くて、日々いろんな選択肢があるなと感じています。
2022年にハロウインターナショナル(スクール)安比(ジャパン)という、アジア初の全寮制インターナショナルスクールが開校しまして、それに伴う移住相談というのが、この1、2年で少しずつ増えております。具体的には、東京にずっと住んでいらっしゃった方が、ハロウへ転職することが決まりまして、安比高原で面接をして、その足で市役所にいらっしゃって、「私は内定が決まったんですけども、何から準備すればいいですか」とかっていう、こちらもびっくりするんですけども、そういう突然、市役所にいらっしゃる方というのも少ないですけどもありまして、実際、就職が決まってから八幡平のことを知っていくというか、八幡平はそもそも知らなくて、ハロウがあったから初めて知りましたという方も少しずつ増えてきて、そういった新しい流れもできているなと感じています。
あとは移住した後のサポートですと、移住者交流会の企画運営を行っておりまして、交流会だけではなく、農業体験だったり、雪道運転の講習をセットにした交流会も毎年開催しております。3年間いろんな移住した方とお話していると、共通点のある方や、何となく合いそうだなと感じる方々がだんだんわかってきたので、そういった方々に個別に声をおかけして、来ていただいて、交流の場を作ったりというのも最近とても楽しいなと思っています。あとは地域ならではの暮らしを、せっかく八幡平で暮らしているのであれば、この地域をもっと知って、さらに楽しんで欲しいなという思いで開催しております。
ちょっと課題だと感じているのが、お試し居住という制度を市ではやっていないので、移住相談会でも、頻繁に聞かれるんですけども、冬の暮らしを1週間体験してみないと、ちょっと移住は決められないですっていう声もよく聞くので、雫石町がちょっと羨ましいなと思うんですけどもそういったところがあれば、八幡平もいろんな選択肢に入ってくるのかなと思っております。はい。以上です。
小野部長
はい。ありがとうございました。岡堀さんの方から、移住定住について、特に前後のサポートそれぞれあるかというふうに思います。またハロウ(インターナショナルスクール安比ジャパン)の開校を契機に、新たな相談も出てきたといったことで、そういった流れも出てくるんだなというふうにお話お伺いいたしました。では、知事の方からお願いします。
達増知事
Uターンをして八幡平市地域おこし協力隊に入って活動していること、ありがとうございます。岡堀さん、私からも御礼を申し上げたいと思います。
移住定住、この昔ながらの豊かな自然で移住定住って言う人もいれば、ハロウ(インターナショナル)スクール(安比ジャパン)絡みの新しい理由での移住定住などいろいろいるんだと思いますね。そして、冬をちょっと経験してみないとというのは、そうですね、お試し居住はやっているところもあり、居住というところまでいかなくてもツアーみたいなのをやっているところもありますね。それで、冬の朝の寒さとかを実感してもらうみたいなツアーとかでやっているところはありますよね。あるいはもう、雫石ではお試し居住をやっていると。雫石で試してもらって、八幡平市への移住定住検討みたいなこともあるのかもしれませんし、ないのかもしれませんけれども、いろんなやり方あるかもしれませんけれども、いずれ、岩手の冬の経験の仕方はいろいろあると思うので、とりあえずできることからやっていければいいのではないかと思います。
そして、農業とか雪道運転とか、経験してもらうっていうのは大事だと思います。ライフスタイルとしての農業というか、たしなみとしての農業というか、生活の中であるいは生活の延長として農業をやれるようなところもありますし、それで収入にもつながれば、なお結構というところがあると思いますね。櫛引さんの移住定住をしたいけど、さあ仕事はっていう話がありましたけど、地方にも、都会にあるような仕事は地方にも一通りあるんだけれど、ただそれだけで食べていけないのが地方の課題っていう、これは人口が多い少ないの問題で、東京であればどんな仕事でもその仕事だけで食べていくくらいの需要が周辺にあるけど、岩手みたいなところだと、需要がゼロではないんだけど、それだけで食べていくぐらいの需要はないっていう、そこで二拠点だ副業だという話になっていくと思うので、八幡平市においても、副業的なやり方とか、半農半X、西日本の方でよく言われているのは、農業で一定の収入でも農業だけじゃ食べていけないのでプラス、IT関係の仕事、ただIT関係だけでも食べていけないので農業と組み合わせて収入を確保するみたいな、複数の仕事で年収を確保するみたいなものの中にこの農業っていうのを位置づける手もあるんだと思います。はい。ありがとうございました。
小野部長
はい。ありがとうございました。それでは3人目。
先ほどお試し居住の話も出ておりましたけれども、外岡さんの方からお願いいたします。
外岡 卓之
はい、よろしくお願いします。私は今、雫石町役場で移住コーディネーターとして、まさに移住促進の仕事をしてます。もともと2017年に(地域おこし)協力隊で来たときは、まちづくり会社というのがあったんですけども、そこが業務を受託するという形で行ってました。その頃、お試し住居というのができまして、その管理とかも含めてやっておりました。他に、私たちは、移住に関する情報の発信、これはホームページですとかSNSなどを使って行ってます。あとはその移住の個別の相談、その時に使っているのが、今、皆様のお手元にある「雫石はこんなとこ」という資料です。これは、私が来たころからすでにあったんですけれども、毎年毎年、制度が変わっていったり、あるいは最近は子育て世代の移住に力を入れているというところで、その辺の情報量を厚くしたりということで、毎年変えてきてまして、どんどん分厚くなって今40ページぐらいになってきているんですね。来年は来年でまたちょっと変えていこうというふうに思ってます。こういった相談の時にこういった資料を使ってはいるんですけども、それ以外に、東京のふるさと回帰支援センターというところでよく行うんですけど、移住セミナーですね。例えば農業ですとか、起業ですとか、住まい探しですとか、様々なテーマで、そこをいろいろ経験してきた、主に先輩移住者の方に講師になっていただいて、お話したり、その場で雫石町を紹介したりということをやっております。
あとは移住した後のサポートとして個別の相談を行ってるんですけれども、移住者交流会というのを、今は年に5回程度、これは2019年から始めてるんですけども、そもそものきっかけはその前の年に、東京で移住セミナーをする機会があって、そのあと、ちょっとした懇親の時間を取って、たまたまそこに以前、雫石に移住したんですけれども、地元に戻ってしまった方が参加していて、何で戻ってしまったのかっていう話をちょっと聞いたところ、自分の居場所がなくなってしまったとか相談する相手がいなかったというような話を聞いてですね、それがすごい心に残っていまして、なんかせっかく移住してきてくれたのに、戻ってしまう。そこはその時に孤立感を感じてたりとか、ちょっと自己否定になってしまったりとかというところがあるんだなっていうのを感じました。それを何とかしたいなと思ってまして、いろいろこう考えた中で、移住者同士のつながりの場を作ってみると、いいのかなと。2019年の8月からですね、実験的に、最初私が講師みたいな感じでやって、今、皆さん召し上がっているutakaneの渡辺さんなんかにも、彼は盛岡市の方なんですけども、雫石で6次産業化の支援なんか行ってるんですけども、そういったところから、起業のお話なんかをしていただいたりとか、毎回毎回、様々な分野で活躍している方とか、先輩移住者に来ていただいて、いろいろアドバイスをもらったり、新しい情報を出してもらったり、あと、参加者同士で交流していただいたりっていうことをやってきました。中には、それがきっかけで仕事に繋がったり、なんていうこともありまして、最近は、私ともう1人の移住コーディネーターでやっているんですけども、もう1人の方が割と体験的な交流会をすごい得意としてまして。またそういうのを結構、参加者の方も求めているんだなということが分かり、2、3年前から割と自然体験ですとか、おいしいものを作って一緒に食べるとかですね、といったことをやってます。次回は2月22日に、大豆から豆腐づくりをしようということで、実はこれ盛岡(広域振興局)の農政部の方に講師になっていただくんですけれども、いろんな方とコラボしながら行っています。そういったところで、つながりづくりというのは、今続けております。
今課題に感じているのは、移住相談者がここ数年非常に増えてきてるんですね。特にコロナが明けた後ぐらいから、去年一昨年は100件とか120件、今年はもうすでに110件近くの相談が来ているんですけども、皆さん住まい探しにすごい苦労しておりまして、私たちも移住して来ようとしてる方の住まいの要望になかなかこたえられないっていう現状があります。特に中古物件で郊外で畑をやりながらみたいな、そういう憧れというのが、結構皆さん持ってる方多いようなんですけども、なかなか空き家はあるんですけれども、賃貸とか売却できる物件として登録できるものがなかなか見られないっていう現状があって、人口は減ってはいるんですけれども、意外と世帯数は減ってなかったりっていうこともあるんですが、その辺を今とても強く課題だと感じてます。今できる範囲では空き家バンクへの登録を促すチラシを作って、広報誌にまぜて班回覧を行ったりですとか、納税通知書と一緒に町外に物件を持ってる方に促してみたりなどということは行ってるんですけども、まだまだ十分ではないなというふうに感じてます。私からは以上です。
小野部長
はい。ありがとうございました。お話をいただきまして、やはり特に移住後のサポート、様々な外岡さんの経験を踏まえてサポートを手厚くなさっているという点。また、課題としての住まいの問題。これはやはり、供給側の方としても、しっかり準備していくことが重要といったことで、県の方でも移住者の皆さんの空き家住まい支援事業という形で、市町村と一緒になって空き家対策なども進めてはいるんですけども、やはりなかなかその物件の数がっていうところはあるかと思います。ありがとうございました。知事の方からお願いいたします。
達増知事
はい。外岡さんにも、雫石町移住コーディネーター、ありがとうございます。このパンフレットも役に立つような情報がいっぱいあって、県農業公社のコテージむらのことも紹介してもらってありがとうございます。
移住者交流会、なるほど、あちこちでやられてはいるんですけれども、ただ会って、お互いの情報交換っていうだけじゃなくて、移住者の皆さんがまだ知らないような、自然の行ってみるといいところとか、あと、食べ物ですね。地域の伝統的な食べ物の作り方、その食べ物の世界に入っていくと、もうネタは尽きないんじゃないかというくらい、いろいろあって。そして、そういうところに、その食べ物を通じて、移住者の皆さんにいろんな人とのネットワークも作っていただくっていうのはすごいグッドアイディアだと思いますね。
ニューヨークタイムズが盛岡市を褒めるにあたって、そこに住んでいる人たちが普段利用している飲食店とか普段歩いているところ、普段行く公園とかが非常にいいという紹介の仕方で、これは盛岡に限らず、日本全体、日本の地方っていうのは、そこに住んでいる人たちが、長い歴史を通じて作り上げてきた生活文化のようなものがあって、そこはアメリカのような歴史の浅い国に住んでいる人からすると、とてもうらやましいような、東南アジアとかもそうなのですけれども、そういう生活文化というのがあって、雫石には雫石の生活文化があって、それを発掘して、共有して発信していくようなことをしながらやっていくと、移住定住というのも弾みがついていくのかなということを感じました。
それから、住まい探しは、岩手県全体でもやはり問題で。岩手沿岸で復興のボランティア、手伝いをしたいというような人たちが住むところがあまりないっていうようなところから始まって、岩手県北の方も、若い人向けの安い家賃で住めるような適当な住宅がないとかですね。岩手全体、せっかく岩手に来て、住みたい、生活したり仕事をしたりしたいっていう人がいるのに、住む場所がなかなか見つからないという課題があって、これは非常にもったいない話ですので、是非解消していきたいと思いますね。
空き家問題については、空き家はいっぱいあって、映画「サンセット・サンライズ」は、あれは岩手出身の楡周平さんという人が原作を書いていて、一昨日対談をしたんですけれども、あれは、企業が空き家のリノベーションをして、企業がリスクを負って、一定のお金をかけて、そして、それを適切な値段で貸し出すっていうのを企業が事業として行うことで進めていくという解決方法は提示されているんですね。一つは民間企業がリスクを負う形で、でも、需要はあって、うまくお金が回るような形で、事業として採算取れるようなふうには持っていけるんじゃないかと思っていて、そこを行政が支援するというのがあると思っています。
あとは、今、話を聞いていて思ったのは、公営住宅にしてもいいのかもしれないですよね。職員の住宅で、マンション借り上げて、職員の住宅にするという。その東京から副知事が来るようなときは、マンション借り上げて公営住宅にしますよね。だから、空き家を借り上げて公営住宅にするというのも、その目的がきちんと、国の財務省がOKを出せるような、納得できるような大義名分さえあればできるんじゃないかと思いますね。地域振興、地方創生、そういった大義名分のもと、そこで地方自治体がリスクを形にするわけですよね。一定の予算をかけてリノベーションして、そして一定の家賃をいただいて提供するようなことを、そこまでやらないと、なかなか空き家バンクみたいな、結局は所有者とつなぐようなやり方というのはなかなかつながらないし、所有者の都合で貸せるようにするというのは、なかなかできないでいる状態なので、そこを突破する方法をちょっと検討していきたいと思います。
小野部長
はい。ありがとうございました。
それでは、いわて留学盛り上がってきておりますけれども、小西さんの方からお願いいたします。
小西 まどか
はい。早速、いわて留学についてから話させてもらいたいと思います。いわて留学っていうのは、県外生の県立高校への越境入学のことを言うんですけれど、葛巻には「くずまき山村留学生制度」があり、これは葛巻町が、生徒の生活環境を用意して葛巻高校に越境入学した生徒を受け入れる制度です。岩手県では、葛巻はトップランナーって言われていて、地域みらい留学の盛んな西日本を初め、各地の方と私はお話をする機会があるんですけれど、その中で、葛巻の強みは、町と県立高校の連携がとても良いことだと思っています。町が高校支援にとっても力を入れていて、寄宿舎だけじゃなくて、高校の敷地内に無料の公営塾を作っていたり、お金も人の手もたくさんかけているんですけれど、高校の先生方も取組にすごく協力的で、高校の先生方の中で、寄宿舎担当の先生を作っていただいて、何かあったときにすぐに連絡をとれる体制があったりとか、あと年に数回は寄宿舎に先生方が来てくださって、生徒の生活を見てくださったりとか、すごく手もかけていただいています。普段は町から高校の授業支援に入っている方がいまして、その方が生徒の学校での様子を私たちに教えてくださったりとか、あと逆に寄宿舎での様子を学校の先生に職員室で話していただいたりとかしています。また公営塾の先生とも情報交換をしていたり、生徒をケアするネットワークが、仕事をしていて、本当に助かることが多くって、ありがたいものだなというふうに感じています。
葛巻では、平成27年度に岩手県で初めて県外生の受け入れを行って、今年度、今の1年生が10期生、10年目になります。令和元年に定員32名の寄宿舎を建てて、現在は28名の生徒が暮らしています。来年度はもう満室になる予定です。生徒たちがいわて留学を選ぶ理由なんですけれど、もうそれぞれあるんですけれど、小中学校で転校が多かったりとか、反抗期だったっていうことを、後々カミングアウトする生徒がいたりとかなんですけれど、大体まとめると自立を目指す生徒が多いです。生徒がイメージする自立をよく聞いてみると、自分のことは自分でやるとか自分で自己決定するっていうようなことが多いんですけれど、私はこの寄宿舎生活の中で生徒たちに主体的に行動するっていうことを身につけて欲しいなと思っています。
生徒それぞれに主体的に行動するっていう範囲もいろいろありまして、寄宿舎の中で自分の意見を言える子であったりとか、それから、高校の中でリーダーシップを発揮する子ですとか、街へ出て行って街の人とのコミュニケーションを楽しむことができる子とか、様々なタイプの子がいます。生徒の相談に応じて、例えば林業をやっている方を私が紹介して話を聞く場を設けたりとか、あと、町の祭りの山車組への参加をちょっと強めに、後押ししたりとか、生徒と一緒に地域行事に参加したりして、地域とのつなぎ役をやるような仕事を私はしています。町の方も高校生のことをいつも歓迎してくださってすごくよく面倒見てくださるので、そのうち生徒と町の方、地域の方とが直接つながって、町の行事のお手伝いに行くっていうことを生徒から知らされて、慌てて送迎の準備をしたりとかっていうようなこともあったりします。
寄宿舎には時々自宅から高校に通う生徒が、バスが来るまでの待ち時間なんかに遊びに来たりとかもしています。部活で雨にあたって、ちょっと着替えたいとかいうときに寄宿舎に寄ってくれたりとか、あと夏休みには寄宿舎のミニキッチンがあるんですけれど、そこで餃子を焼いてたりとかして、地元の生徒と山村留学生がちょっとまじり合ったような光景っていうのが、今、寄宿舎の理想の姿かなあと思って見ています。
葛巻高校の郷土芸能部は、山村留学生の割合がすごく高いんですけれど、卒業しても町の秋祭りのときには、神楽に参加するために、葛巻に戻ってきたりとか、地域行事が卒業生の葛巻に来るきっかけになることがたびたびあります。大学の長期休みなんかには、葛巻に来てくれる卒業生がすごく多いんですけれど、大学の研究内容とか、進路についての話から、葛巻で何かできることがないかなっていう話に発展したりですとか、中には、一旦地元の専門学校に行った後に、葛巻で就職してくれた卒業生なんかもいます。すごく葛巻に愛着を持ってくれてるのが感じられてうれしく思っているんですが、今ちょっと悩んでるというか困ってることもあって、大学の教育実習を葛巻で、保育園での教育実習なんですけれど、受けたいんだけれど、長期滞在をする場所がない。どうしたらいいかなって。どうしてもできれば葛巻で受けたいんだけれど寄宿舎泊まれないかなあとか、そういうことを相談する卒業生もいて、これからどんどん、たくさん受け入れしてますので卒業生もどんどん増えていくので、いろんなニーズがあると思うんですが、そういうのに、ちょっと難しいかなと思うんですけれど、地域の人とかとも相談しながら、一つずつ解決して、これからも卒業生と町がつながっていくような場面を何か工夫したいなというふうに思って活動しています。
小野部長
はい、小西さんありがとうございました。今、小西さんのお話を聞いて、まさに留学生あるいは卒業生のお顔一人一人浮かべながらお話いただいてるんじゃないかなというふうにお伺いいたしました。知事の方からお願いいたします。
達増知事
はい。小西さんには葛巻町にやってきて、大事な仕事をしてもらってありがとうございます。県外からの留学生を受け入れるのをいち早く始めて、非常に軌道に乗ってきている葛巻町であり、葛巻高校だと思います。
学校や教員との連携についてもうまくいっているということお話いただきましたし、県から見れば県立高校について町を挙げて支えてもらって、またリードをしてもらっているということで、非常にありがたいことであります。高校生のパワーというのは、やはりすごいものがあって、都会の高校生のイメージは、もう受験勉強受験勉強で、もう他に何もやる余裕がないみたいなイメージがあるわけですけれども、他にいろんなことをやれば、ものすごいことができるのは高校生なので、高校野球とか象徴的ですけれど、全国を相手に何かやれるくらいの力を高校生たちは持っているので、葛巻神楽、郷土芸能などは、日本全体の中でも非常に定評のある御神楽で、あれを身につけて卒業していくっていうのはすごい、すばらしいと思いますね。海外公演なんかもやれるぐらいの力がある、御神楽なのですばらしいと思います。
教育実習をやるときの住む場所問題で、やはりここにも住まいの問題が出てきていて、葛巻町は、森林組合だったか、何か働く人向けの低価格住宅、低家賃住宅を町で作るみたいなことをしているから、町に相談すれば何とかなるんじゃないかという感じもしますが、やはり県は県で、公共的な目的を持ったそういう住宅というのが足りないということにならないように、県でもいろいろ検討していきたいと思います。
いわて留学、山村留学というのは、全国にある一般的な教育のイメージで、進学校を目指し、東京とか都会に出て、そしていいところに就職するみたいな、そういうイメージで、教育というのはあるんですけれども、そうじゃないんだという、豊かな自然の中で、人と人との触れ合い、地域の行事にも参加しながら学んで育っていくという、むしろそっちの方が、教育の主流なんじゃないかということですよね。最初に言った教育のイメージは、明治維新の頃に、国家公務員とか国のために働く経済人とか、そういう人を養成するため、日本中から試験に受かる人たちを東京とか大阪も集めて、そして国のために働ける人材を養成したということで、それは当時やりがいのある仕事で、今でもやりがいのある仕事ではあるんですが、ただ実はそれで結構失うものは多いわけですよね。ふるさとのつながりとか、自然との触れ合い、人と人との触れ合いという人間本来の喜び幸せをかなりの程度犠牲にして、社会のための先進的な仕事に従事するというのは、そういう人たちも一定程度必要ではあるんですけど、それは決して主流ではないはずであって、主流というのは、やはりふるさととのつながりを生かしたり、ふるさとじゃないところでも自然や人とのつながりの中で成長していくという、そっちの方の教育こそが本来の教育の王道でありましょうから、今、岩手でいわて留学は結構成功して、留学生も増えているんですけれども、その先頭をきった葛巻高校のお陰なので、是非この調子でやっていただきたいと思います。ありがとうございました。
小野部長
はい。ありがとうございました。これまで4人の皆さんからお話をいただきました。それぞれのお話の中で、移住定住、また留学、関係人口について岩手への関心が高まり、それとともに様々な相談も増えているといったお話。その中で、お一人お一人の様々な悩みとか不安といったものをどういうふうに応えていくのかといったところで、様々御苦労、工夫をされているといったお話もいただきました。また地域とのつながりといったところも非常に核になるというふうに思っておりますし、先ほど知事の方からもお話がありましたけれども、その中で大きなポイントとして住まいをどうするのかといったところ、また、仕事、副業あるいは二拠点居住も含めまして、どういうふうな形での仕事を、様々多様化してるとは思いますけれども、どういうふうな仕事を地域の方が準備できるのか、見つけていただくことができるのかといった課題もあるんじゃないかなというふうに思っております。本当に地方、岩手にとっては、これから国の方も地方創生、新たな地方創生をもう1回再起動といった形で、また関心も高まっているといったことで、非常にポテンシャルが高く可能性が高まっているというふうに考えております。今いただいた、非常に明確なポイントも見えてきておりますので、県としても今の御意見大切にいただきながら取組を進めていきたいというふうに思っております。時間がまだございます。15分ぐらいまだ時間がございますので、是非、お話足りなかった点も含めていかがでしょうか。櫛引さんいかがでしょうか。
櫛引 亮
皆さんの活動、お聞かせいただいて、地域おこし協力隊の活動っていうのはすばらしいなと改めて思った次第でございますが、こういった座組が具体的にあるかっていう確認と、こういったものがあれば、より一層関係人口が広がるんじゃないかなっていう御提案をちょっとさせていただきたいと思います。今、地域おこし協力隊というのが、基本的には制度上、岩手県内とかその自治体に住民票を移すということが基本になっている、それは承知してますけれども、例えば首都圏在住型の地域おこし協力隊みたいなものは可能なんでしょうかと。それは今後、やっぱり人材のプールというか首都圏の人材をどうつないでいくかっていったときに、やはり岩手発だけでなくて、首都圏発のアプローチも強化していく流れの中で、関係人口の創出プロジェクトとかはやられてると思いますけども、そういった岩手と首都圏をつなぐかけ橋としての機能、今の地域おこし協力隊の活動を補完するような機能があるとより一層いいんじゃないかなと私は思うんですが、いかがでしょうか。
小野部長
ありがとうございます。やはり地域おこし協力隊は、今はその地域に移住いただいてといった形ではあるんですけども、国の方でも新たな動きとして、やはり二拠点居住といいますか、そういった流れが新たな地方創生の中でも、しっかりとした国の戦略は、この夏あたりに出てくるというふうな話であるんですけれども、岩手県の方も遠恋複業課の取組なども進めておりますし、個人あるいは東京の方の企業とか団体の方々から様々な岩手県内の企業、地域等への支援といいますか、お仕事等もお願いしているといったこともございますので、さらに副業、二拠点居住といったことを深めていく方向にあると思います。ちょっとまだ、国としての制度はないんですけれども、これからここは必要になってくるんじゃないかなというふうに思っていますので、地方としても国に提案するとか、提案型でしっかり検討していきたいというふうに思います。櫛引さんからの今のお話は、これからの流れの中で必ずやっていかなければいけないことじゃないかなというふうに思っておりますので、しっかり受けとめさせていただきます。その他いかがでしょうか。
小野寺局長
岡堀さんの協力隊卒業後の展望など差し支えのない範囲でお話していただけますか。
岡堀 真麻
はい。私は3月末で協力隊の活動は終わりまして、一旦移住コーディネーターという肩書きもなくなりますので、その後の活動になるんですけども、個人的にこれまでちょっとやりたかったことがありまして、飲食店、カフェをやりたいなと思っていて。八幡平ならではの景色を見ながらくつろげるような、なんかそういう体験をできるような。あと地域の特産品でしたり、物を売ったりとか、そういったところで今準備を進めております。
私が住んでいるエリアは割と別荘地が広がっているので、温泉が出る温泉郷というエリアなんですけども、先ほど話題にあった二拠点居住というところでいくと、身近に、関東と八幡平と二拠点居住されている方、何組かいらっしゃるんですけども、もう時間とお金に余裕がある方といいますか、冬の間は関東へ行って、春から秋は八幡平で暮らしますっていう方が何組かいます。本当に理想的な暮らしだと思うんですけども、なかなか二拠点をすぐというのは、結構ハードルが高いなと。それぞれに拠点を構えてっていうところになると実際は、やっぱりそういうリタイアされた方だったり、あとごく稀にテレワークができる環境になったので、八幡平に家を建てますっていう方も本当に少数派ですけども出てきているので、先ほど知事からお話があったですね、八幡平も空き家が割と多くて温泉つきの物件もあったりするので、そういうところを自治体で借り上げて提供するっていうのも魅力的だなと思っているのでまたそういう地域ならではの暮らしができればいいなと考えております。以上です。
小野寺局長
展望ありがとうございました。岡堀さんは、話が合う人を、この人とこの人合うんじゃないかと見極めて、今もコーディネートされて交流会をやられてるんですけど、カフェでもそういったような人が集まる場所ということで、引き続き今やってるお仕事の延長線上にもつながるんじゃないかなというふうな感じでお話をお伺いしましたので、是非引き続きよろしくお願いしたいと思います。
岡堀 真麻
補足いただきありがとうございます。
小野部長
はい。局長ありがとうございました。
ではせっかくですので、外岡さんからお願いいたします。
外岡 卓之
ありがとうございます。先ほど知事がおっしゃっていただいたような、その自治体の方で、住宅、リスクを取って提供するっていうお話すごいありがたいなというふうに思ったんですけれども。実際ですね、私が今住んでるところは、お配りしてる資料(注出席者への配布資料)の、こんなとこにも入ってるんですが、定住促進住宅というもともと雇用促進住宅を町が買い上げて貸してるものなんですが、一旦移住者を受け入れる場所としてはすごいいいなと思ってまして、町を知ってから新しくより望ましいところを探して進むっていう、実際そういうふうにされてる方もいて、この物件が2棟あって、80室あるんですが、今もう満室状態でですね、新たに受け入れができない状態になっているんですね。これ私が来たころは、おそらく6割7割ぐらいの入居率だったんですけれども、すごい変わったなと思ったのは、断熱化を図る改修工事を行ってくれたんですが、私自身ちょっと寒くてすぐ出ようと思ってたんですけど、それをしてもらってからは、もうすごく快適でですね、やっぱり首都圏から来る人は、岩手の特に雫石の寒さはとても堪えるので、寒さ対策っていうのがこれも一つ重要かなと思ってます。これはやっぱり郊外の中古の物件で畑やりたいっていう方なんかが、古い家に住んでいただいたりしたときに、やっぱりその寒さに耐えられなくて帰った方もいらっしゃったりするので、寒さ対策っていうのも含めて大切だなというふうに思ってます。はい。
小野部長
県、それから町の方のリフォームの事業もちょうど御紹介のページがございますので、県の方も、先ほどもお話したような、そういった市町村と一緒になった改修費用の補助みたいなものもありますので、これは、市町村さん、かなり工夫されたり、お困りのところもあると思いますので、県の方でも、県土整備部を中心にこれまでの動きをさらに拡大して、お試し居住などがさらに進むように取組を進めていきたいというふうに考えております。ありがとうございました。小西さんの方からいかがでしょうか。
小西 まどか
私、さっきの話の最後に、生徒、卒業生の滞在する場所っていう話をしたんですけれど、卒業生の滞在先もそうなんですが自分の居場所も住宅も、ちょっと今問題がありまして。っていうのが、地域おこし協力隊で入ったので、定住促進住宅に入れてもらったんですけれど、そこに住める期間が7年なんです。協力隊の任期が3年で終わって、そのあと2年仕事を続けさせてもらってあと2年猶予期間はあるんですけれど、次の住むアパートを町内で探さないといけないっていうようなことがありまして。葛巻町は、なかなか単身者向けの住宅も見つかりにくいような状態で、何か今日は移住の話、住宅の話がたくさん出てて、ちょっと自分のこと振り返って、もう早めに準備をしなきゃいけないなというふうに思ったりとかしていました。今後、本当に生徒たちも卒業生も、保護者さんとかも、町に興味持ってくださる方がすごくたくさんいて、遊びに行きたいとか、ちょっと長期で滞在したいっていうような方とかも出てきたりとかすると思うので、何かそういうときにここ使えますよとかって気軽に言えるようなところがあったら本当に嬉しいなと思っています。
小野部長
ありがとうございました。小西さんもそうですし、岡堀さん、外岡さんもそうですけど、やはり地域おこし協力隊として地域にまずは移住されて、そこからさらに1歩踏み込んで地域とのつながりを含めて、いらっしゃる皆さんそういった中での、じっくり住もうと、ここに住もうというお気持ちを大切にする中で、住まいはこれから一つ重要な要素になってくるのかな、ますます重要な要素になってくるのかなというふうにお伺いいたしました。県としましても、こういった課題についてしっかりお話を承って、取組を進めてまいりたいというふうに思います。
知事所感
小野部長
それでは、まだまだお話し足りないところもあるかと思いますけれども、お時間の方来ております。最後に、知事の方から今までの議論全体を踏まえまして、お話をお願いいたします。
達増知事
やはり、地方の視点から見ますと、実績もあるし希望も見えてくるなと改めて思った今日のこのやりとりでありました。そして、今日は首都圏とのつながりを代表する人もいてくれたおかげで、やはりそのつながりを大事にし、発展させていくような工夫と仕掛け、そこにはいろんなお金もかかるし事業を工夫していかなければならないということもあるのですけれども、でもそれはやればやるほど、この地方側のためにもなりますし、また首都圏で働いたり暮らしたりしている人たちのためにも、豊かな自然とか地方独特の人と人とのつながりとか、またいろんな地方の行事とかそういうところとのつながりを持つことで、首都圏での仕事や生活がよりよいものになるという、お互いのためになることでありますので、そこは両方発展させていくように、県も一緒にやっていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。今日はありがとうございました。
閉会
小野部長
はい。どうもありがとうございました。皆様、本日は貴重なお話をいただき本当にありがとうございました。いただいた御意見につきましては、県の関係部局と共有して、今後の県の施策に生かしていきたいと思います。県政懇談会「いわて幸せ作戦会議」でございますけれども、今年度、県内を中心に東京も含めて、本日をあわせまして10回行いました。本日が今年度の最終回となりますが、まさにこれからの岩手を考える上で貴重な御意見をいただくことができたものと考えております。本当に今日はありがとうございました。以上をもちまして、県政懇談会を終了いたします。今日はありがとうございました。
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