「いわて幸せ作戦会議(in陸前高田)」(令和6年7月10日)
日時
令和6年7月10日(水曜)10時30分から11時50分まで
場所
陸前高田市コミュニティホール 2階 大会議室
出席者
・参加者(敬称略)
多勢 太一 (一般社団法人陸前高田市観光物産協会事務局員)
佐藤 真優子(Natulab Cocoon(ナチュラボ コクーン))代表)
鎌田 俊 (カーライフサポートGEAR代表、一般社団法人大船渡青年会議所理事長)
佐藤 範子 (住田町教育委員会 教育コーディネーター)
・県側
達増 拓也 知事
沖野 智章 沿岸広域振興局副局長
小野 博 政策企画部長
開会
小野部長
それでは、ただいまから県政懇談会「いわて幸せ作戦会議in陸前高田」を開催いたします。皆様には御多忙のところ御出席いただきまして、本当にありがとうございます。心から感謝申し上げます。
本日は、「若者・女性が活躍できる地域を目指して~夢を形に 希望あふれる気仙の創造~」を懇談のテーマとしまして、気仙地域でまちづくりや観光振興など、様々な分野で地域の復興に向けて取り組まれている皆様にお集まりいただいております。
私は、本日の進行役を務めさせていただきます、県の政策企画部の小野と申します。
どうぞよろしくお願いいたします。
知事あいさつ
小野部長
それでは、開会にあたりまして達増知事から御挨拶申し上げます。
達増知事
おはようございます。県政懇談会といいますのは、県内の各地、各分野で活躍している方々のお話を知事が直接聞いて県政に役立てるということでやっております。「いわて幸せ作戦会議」と銘打っておりますのは、今の「いわて県民計画(2019~2028)」という10年間の総合計画の基本目標が、「東日本大震災津波の経験に基づき、引き続き復興に取り組みながら、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわて」となっておりまして、このお互いに幸福を守り育てようというのが、県の目標になっておりますので、そのために何をどうすればいいかという作戦会議ということでこういうタイトルになっております。
今日のテーマが、「若者女性が活躍できる地域を目指して」となっており、若者女性活躍支援とか若者女性活躍促進というのは、実は、国の政府の主要な政策の1つにもなっておりまして、世界各国でも、政策的に、かなり重視されてきており、また、日本の各都道府県でもそれぞれ取り組んでいるところでもあります。岩手の場合は、そういった個々、全国的、世界的な潮流に加えて、やはり、東日本大震災津波の経験ということが大きく、発災直後の大変な状況の中、若者女性たちが要所要所で非常に活躍をして、それで、その地域が立ち上がっていく流れができ、勢いがついたという実績があります。まず、復興を成功させるためにも若者女性の活躍というのが重要だということがあり、それは、復興以外の様々な政策分野においても同様ということで岩手の場合は取り組んでいるところがあります。
その後、復興にコロナ禍が重なってきて、そして、コロナ禍の様々な制限が解除されていく一方で、ロシア・ウクライナ戦争に起因する燃料費とか資材とか物価高騰が起こりました。また、主要魚種不漁問題という、これもグローバルな気候変動に関連することで、東日本大震災津波というのは世界的な震災で災害でありましたし、そこに世界的なパンデミックや世界的な戦争、世界的な気候変動などが地域を直撃するような時代になり、一方、SDGsなど地方から世界全体の動きに働きかけたり、また、動かしたりできる時代でもありますので、そういう激動の時代の中、この気仙地区で活躍されている皆さんのお話を伺って県政の参考にしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
小野部長
ありがとうございました。
出席者紹介
小野部長
それではこの後の進め方について申し上げます。まず私からお一人ずつ御出席の皆様のお名前を御紹介いたしますので、続けて大体1分程度で自己紹介をいただければと思います。その後、本日のテーマに沿ってお話をいただきます。お一人ずつ5分程度でお話いただいた後に知事がコメントをするというような形で区切りながら進めていきたいと思います。最後に一巡しましたら、自由懇談の時間も設けたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、お座りの順に私の方から本日御出席の皆様を御紹介いたします。お一人1分程度の自己紹介をお願いいたします。
初めに、一般社団法人陸前高田市観光物産協会の多勢太一さんです。
多勢 太一
皆さん、こんにちは。陸前高田市観光物産協会に勤めております、多勢太一と申します。私は千葉県の船橋市の出身でして、大学を卒業するまで千葉県の実家に住んでおりました。大学卒業後は、都内の人材系の会社に入りまして、そこで数年間働いた後に、コロナ禍の2020年の9月に、岩手県の方に移住をしてきました。その際は、地域おこし協力隊という総務省の制度を使って、陸前高田市に移住をしまして、そのまま陸前高田市観光物産協会というところに、2020年の10月1日から勤務をしております。現在は協力隊を卒業して、そのまま陸前高田市観光物産協会に引き続き勤務をしておりまして、みちのく潮風トレイルの地域振興ですとか、あとは海水浴場のこととか、そういったところで、観光面で従事してきたといったところが、今までの私の略歴になります。本日はみちのく潮風トレイルのこととか中心にお話できたらなと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。
小野部長
よろしくお願いします。ありがとうございます。
続きまして、ナチュラボコクーンの佐藤真優子さんです。お願いします。
佐藤 真優子
大船渡市越喜来から参りました、ナチュラボコクーンの佐藤真優子と申します。本日はよろしくお願いいたします。私は東京出身で幼少期から海の生き物に大変興味がありまして、三陸町越喜来にありました、北里大学水産学部への進学をきっかけに、自然豊かな越喜来の町が大好きになりまして、住人になりました。私がやっている事業は、海産物の食べられない部分、例えばホタテ、アワビの貝殻、サンマのウロコ、ウニの殻、棘、海藻など、今まで廃棄されていたものを活用して、アクセサリーを製作し販売するというものです。材料集めから製作、イベントでの販売をすべて一人で行っているもので、大量生産はできないのですが、おかげさまで、2017年のいわて特産品コンクールにおいて、最高賞の県知事賞をいただき大変励みになりました。現在は、盛岡のリアスパーク、花巻のマルカンデパート、前沢サービスエリアなど、県内7か所にて販売していただいておりますほか、大船渡市のふるさと納税の返礼品にもしていただいております。三陸の海産物の美味しさは全国的なんですが、食べられない部分も、こうして活用でき、身につけることもできるということを多くの方に知っていただき、三陸の海の魅力を発信できるよう日々取り組んでおります。以上です。
小野部長
ありがとうございました。続きまして、カーライフサポートGEAR・一般社団法人大船渡青年会議所の鎌田俊さんです。お願いします。
鎌田 俊
はい。おはようございます。大船渡から来ました、昭和60年生まれで今年39歳になります。鎌田俊と申します。高校3年生と高校1年生、そして、小学校6年生、5年生の4人の子どもを育てております。仕事としてはですね、大船渡市盛町の商店街の一角で、2019年から新車や中古車などの車販売を経営しております。また、先ほど御紹介いただきましたとおり、2021年度から一般社団法人大船渡青年会議所に所属しておりまして、本年度理事長という職をお預かりしておるところでございます。達増知事におかれましては、先日の7月6日、大船渡市内で開催されました岩手ブロック協議会主催の第53回岩手ブロック大会の折にはですね、御祝辞やファンクションの一つでありました第3回いわて高校生政策甲子園、こちらの方に参加者に向けたビデオメッセージ等、御対応をいただきまして、誠にありがとうございます。本日大変緊張しておりますが、大船渡を愛する一人の市民として御意見できたらなと思います。よろしくお願いいたします。
小野部長
ありがとうございました。よろしくお願いいたします。そして、住田町教育委員会の佐藤範子さんです。お願いします。
佐藤 範子
皆さん、こんにちは。花巻市出身で、住田町には結婚を機に参りまして8年目となりました。今は、住田町教育委員会教育コーディネーターとして活動しております。佐藤範子と申します。住田高校は住田町にある唯一の県立高校です。町として何とか支援をしながら、魅力を高めていこうという事業に携わっております。その他にはですね、地域で働くママたちの代表として何かできないかということで、居場所づくり、子ども食堂の立ち上げに関わり始めています。つい昨日、タイムリーに会議がありまして、8月に始動できそうな運びとなりました。そのあたりで自分のキャリアをハッシュタグにすると、人、教育、若者支援、キャリアのマッチングっていうところかなというふうに今振り返っております。住田町は課題先進地でありますが、一人一人こう顔の見える、すてきな町だなあというふうに感じています。今日は気仙広域で皆さんとお話をしながら、知事ともいろんな話をしながら、良い場になればと思っています。よろしくお願いします。以上です。
小野 部長
ありがとうございました。4人の皆様から、まず、自己紹介を頂戴いたしました。県からの出席者でございます。達増知事、それから、沿岸広域振興局大船渡駐在の沖野副局長でございます。よろしくお願いいたします。
懇談
<テーマ>
若者・女性が活躍できる地域を目指して~夢を形に 希望あふれる気仙の創造~
小野部長
皆様のお手元にお菓子と飲み物を準備しておりますので、是非お召し上がりいただきながら懇談を進めていければというふうに思います。
それでは、まず、沖野副局長から、本日のお菓子、そして懇談テーマについて説明いただきたいと思います。
沖野副局長
お手元の方には、ジュースとお菓子を御用意させていただきました。まず、ジュースの御説明をさせていただきたいと思います。このジュースは、陸前高田市の佐々木農縁が製造販売する「北限のゆずドリンク」でございます。柚子の栽培は日照時間が長く、温暖な気候が適していると言われており、ここ陸前高田、そして、大船渡、ここがその北限と言われております。柚子は200年以上前から、この陸前高田市民に愛されてきていると伺っております。震災後、陸前高田の復興の象徴として、この柚子のブランド化を目指しまして、平成25年6月には市内の生産者や産直施設などにより、北限のゆず研究会が組織されました。お手元の方には資料をお配りしておりますけれども、現在、研究会では、佐々木農縁が中心となりまして、柚子の収穫体験や、地元での栽培講習会の開催、様々な商品開発を行いながら、ブランド化に向けて精力的に取り組まれております。このドリンクは陸前高田市産の柚子と釜石市の仙人秘水をブレンドしたものであって、さっぱりとした飲み口と、豊かな柚子の香りが楽しめるジュースに仕上がっております。続いてお菓子でございますが、これはちょうどこの建物のすぐ目の前にあるんですが、昭和元年創業の老舗お菓子店、おかし工房木村屋で人気の味噌パウンドケーキでございます。下の方に切り口がございますので、そこから開けていただければと思います。かぶりついてもお皿に取ってもいいような構造となってございます。このお菓子は、同じく陸前高田市で創業以来100年以上の歴史を持つ、老舗味噌醸造所「小島麹店」、こちらの味噌を使用した塩味、甘味ともに控え目でやさしい風味に仕上がったパウンドケーキであります。こちらのお菓子には小島麹店の味噌の他にも、陸前高田市のブランド米「たかたのゆめ」の米粉、産地化を目指して取り組みが進められているピーカンナッツも使用されておりまして、地元愛に溢れる逸品となっております。震災を乗り越え、長く地元から愛され続けている両店自慢の味をぜひ御賞味いただきたいというふうに思います。続きまして、本日の県政懇談会のテーマについて御説明申し上げます。今回の懇談会のテーマは、主要テーマを「復興」といたしております。三陸のよりよい復興の実現に向けて、各方面で御活躍されている皆様と意見交換を行うものでございます。本懇談会の具体テーマにつきましては、「若者・女性が活躍できる地域を目指して~夢を形に 希望あふれる気仙の創造~」とさせていただいております。震災から13年あまりが経過しまして、復興の取り組みは着実に進んでいる一方で、少子高齢化や若者の流出等による人口減少が深刻化し、大きな課題となっております。復興の先を見据え、将来にわたって持続的に発展していくことができる地域づくりを進めるためには、次代を担う若者や女性が夢を持って地域へ根差し、その実現のため、希望を持って大いに活躍できる環境・風土を目指していくことが必要と考え、このようなテーマといたしました。本日は、各方面で御活躍されている皆様から様々な御意見、御提言を頂戴いたしまして、今後の県政に反映させていただきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
小野部長
ありがとうございました。それでは、早速ですが、懇談に入りたいと思います。ここからは、沖野副局長から説明がございました本日のテーマに沿って、4人の皆様から、それぞれ取組や課題、今後の方向、御自身の抱負、県への期待なども含めて、お話をいただければと思います。お一人大体5分程度を目途にお話いただければと思います。お話いただいた後、知事からそれぞれコメントをいただくというような形で進めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、初めに多勢さんお願いいたします。
多勢 太一
はい。よろしくお願いいたします。ちょっと、トップバッターということで、大変緊張してるんですけれども。はい。お伝えできればなと思ってます。まずですね。今までやってきたことの御紹介っていうところと、あと、こうなったらいいんじゃないかなっていうところの意見、大きく二つに分けてお話できたらなと思っております。まずですね。船橋市からこちらの方に移住をしてきて、最初に出会ったのがみちのく潮風トレイルでした。というのも、10月1日に着任したときに、最初に地元紙の東海新報さんがいらっしゃって、トレイル部というのがあるらしいんですけれども、その方々、社長も含みでお越しになられて、何だこの人たちはってびっくりしたのが一番最初の出会いです。はい。そこから私も興味を持ちまして、体を動かしたりとかすることが大好きだったので、みちのく潮風トレイルに関わっていこうというふうに決めて、取り組んできた3年半でした。中でもですね、こういった、地元の広田小学校の小学生がいるんですけども、地元の広田小学校とコラボをして、総合的な学習の時間を使って、みちのく潮風トレイルのことや、三陸復興国立公園のことを学んだり、その結果、子どもたちがこういうマップを作ると。そういった取り組みを進めてみたりですとか、あとはですね。ここにあるんですけれども、高田トレイルエールっていうビール、クラフトビールを地元のビールメーカーさんと一緒にコラボをして作ってみたりとか、他にも中間地点を表すミッドポイントというものを、ついこの間完成したんですけれども、大野海岸ですね。すごく背景が海が綺麗ですごく風光明媚な場所に建設をさせていただいて、これはちょうど陸前高田市が、1,000キロあるみちのく潮風トレイルのちょうど真ん中、500キロに位置するというところから、これ陸前高田市にしかできないことだなと思いまして、アメリカのロングトレイルなんかも参考にさせていただきながら、こういった看板を作成しました。教育とのコラボですとか、地元のビールメーカーさんとのコラボとか、あとは、こういうハイカーさんに向けてのものを作っていきまして、どんどん、どんどん陸前高田市にハイカーさんが来て欲しいなと。それプラス、これきっかけでトレイルのことを知ってもっと歩いてくれる人が、市内とか、県民の方で増えてくれたらいいなという思いで、こういった活動を進めて参りました。一方でいろいろデータを見てみますと、みちのく潮風トレイル全長1,025キロあると言われているんですけども、岩手県のルートが占める割合が非常に高くてですね。ルート沿いには北の方には景勝地もありますし、浄土ヶ浜もありますし、あとアドベンチャー感を感じられるスポットもありますし、一方、こちらの南の方に来れば、食事もそうです、美味しいものがありますし、震災のことを学べるフィールドもあるといったところでかなり豊かなフィールド、宮城県とか福島とか青森に比べてたくさん楽しめるフィールドじゃないかなと思ってます。今後、観光商品につなげていくことを考えていくと、やっぱり、地元のガイドさんの育成っていうところが大事なんじゃないかなと思ってまして。私自身も教育旅行でトレイルガイドをやったりですとか、ツアーで受け入れをしたりとか、そういったところを精力的にやってはいるんですけども、なかなかガイドさんの数がやっぱり足りないので、大きく、たくさん、たくさん広げていくっていうことが難しかったりします。今の三陸ジオパーク認定ガイド講座というのがあるんですけれども、例えばですが、そういったところに、トレイルの要素とかを入れつつ、そういったガイドさんをどんどん増やしていって、受け入れの実績を増やしていければ、なんかより、何ていうんでしょう。市民とか町民の方とかの収入向上ですとか、あとは受け入れが、旅行会社側も、大変ありがたいという形になるんじゃないかなと思うので、また岩手に来ていただく人を増やすためにも、そういった環境の整備ってところ、県、オール岩手で何かできたらいいなというのが思っているところです。はい。私からは以上になります。
小野部長
ありがとうございました。先日新聞にも報道されておりましたミッドポイント。これは、本当に、ぜひ写真を撮りたいなという、そこだけじゃ駄目ですけど、ちゃんと歩いていただきたい、写真撮りたいなと私も思いました。知事の方からお願いいたします。
達増知事
多勢さんには、陸前高田市、地域おこし協力隊でやってきて、その後、定着していただいてありがとうございます。そうですね。トレイルに出会い、そして、その魅力に気づいて、どんどんそれを共有して発信しているというのは非常にありがたいことであります。長いので、それをどう活用していくかというのは、県でもいろいろ考えていますが、県が考えている間に、すでに、もう色々こういうふうに活動し、成果物もどんどん出来たり、建ったりしているということでありがたいなと思います。そういう中で、ガイドが大事っていうのは、私もみちのく潮風トレイル5周年で、宮古でみんなで歩こうというイベントがあったときに、この何キロか。ちょっと歩いたんですけれども、やはり、説明してくれる人と一緒に歩くと非常に楽しめるなというのを感じました。自分は、まず歩くことと、あと説明されている海の方を見たり、岩の地層を見たり、そういうガイドさんがいなければ、自分で、時々ガイドブックなどあるいはスマホの検索とか、そういったものを見ながら歩くことになるんでしょうけれど、過去そういう個人旅行、国内、国外でいろいろやった経験があるのですが、ガイドさんと一緒に歩くと、いかに一人で歩くより、あるいはガイドなしで、数人で歩くより、快適で楽しくて印象にも残るというのを経験しましたので、やはりガイドは大事なんだと思います。
また、みちのく潮風トレイルのガイドの他に、岩手沿岸については、ジオパークのガイドというものと、あとは、東日本大震災の語り部さんも含めた、震災のガイド、あと、国立公園には観光ガイドというのが昔からあり、何種類かのガイドがそれぞれ必要とされて、養成されたりしているわけですが、だんだん、統合していった方が、人手不足問題というのがあらゆる分野にあって、ガイドの世界もそうなんだと思います。ですから、トレイルのガイドもできるし、ジオパークのガイドもできるし、それは人によっていろいろだと思うんですよね。全部できる人もいるでしょうし、また、いくつかを兼ねる人、また、兼ねずにトレイルにならトレイルに徹する人がいてもいいんでしょうが、そういう中で、貴重な人材が、効果的に観光に来る人たちを案内できるようにという工夫を今後していかなければならないなということを、感じたところであります。ありがとうございました。
小野部長
ありがとうございました。それではお二人目、佐藤真優子さん、お願いいたします。
佐藤 真優子
はい。今日はちょっと私の作っている商品もお持ちさせていただいたので、御覧いただきながら話を聞いていただければと思います。大船渡は養殖業も盛んですが、漁師さんが丹精込めて作っても、そこは、自然相手ですからすべてが成功するということは難しく、育たなかったホタテやアワビは今まで廃棄されてきました。海の生き物が大好きな私にとっては、貝殻一つにしても、砂浜に打ち上がった海藻にしても、すべてお宝でこれを何かに活用できないかなあと。できれば、身につけられる形で再利用できないかなと思ったのがこの仕事を始めるきっかけでした。まず、商品の説明をさせていただきますと、まずはアワビの貝殻を使ったシリーズ、小さいアワビは養殖の過程で育たなかったものをいただいて、洗浄・消毒・乾燥・研磨の工程を経て、この個体は背面が美しいからそのままネクタイピンにしようなどとその貝殻の顔を見て決めています。大きな貝殻は食べ終わった後のもの。皆さん私が殻で何か作っているからと我が家に届けてくださったり、玄関前に置いといてくださいます。
達増知事
これですね。
佐藤 真優子
あ、そうですね。それは、はい、養殖の途中で育たなかった個体ですね。アワビは内側の美しい輝きが、何とも綺麗な貝殻ですので、それを生かしながら樹脂に閉じ込めています。また、アワビは昔から縁起物と言われていますので、ハレの日にお使いいただくということでお求めになる方が多いです。先日、息子の入学式がありまして、何人かのお母様の耳や胸元に自分の作品を見つけてひっそりと感激していたところでした。次にホタテのシリーズなんですが、ブランドホタテとして有名な三陸町の恋し浜ホタテを使用しています。稚貝はアワビ同様、養殖の過程で育たなかったもので、漁師さんにいただいています。トレイにある稚貝を御覧いただけると。はい。とても小さい稚貝が入っているんですが、ホタテの稚貝はその小さいサイズまで柄や色が様々実はありまして。
達増知事
それ、かわいいですね。
佐藤 真優子
はい、とても様々な柄があるんですが。
達増知事
このサイズで。
佐藤真優子
はい、1センチ、2センチ弱のものですね。ただ、そのサイズでは食卓に上がることはまずないので、そんなに色合いが実はカラフルだということは知られてはいません。最近では、ジャーナリストの安田菜津紀さんがサンデーモーニングの中で着用してくださっていたりですとか、ネクタイピンはブラタモリの撮影でいらしたタモリさんにお土産として渡させていただきました。あと、大船渡といえば、やっぱり、サンマの町と言われるほどサンマが水揚げされるんですが、サンマを焼く時って、特に、ウロコを取る作業をしなくても、そのまま焼けますよね。ですが、それって流通の過程でうろこが取れてしまっているだけで、実はサンマにはたくさんのうろこがついています。魚屋さんのタンクには大量のウロコが溜まっていて、廃棄するのも一苦労なんですね。海に流れてしまうと、全然分解されなくて、下に溜まってしまいますし、ですので、私の方でそれをいただいて、まずは洗浄するんですが、ここが一番大変なところで、生臭さをとって、何度も洗います。消毒して、染色して、1枚1枚紙に並べて乾燥させます。そこで、やっとアクセサリーにする素材になります。そちらのお皿にある透明なものが染める前のうろこで、色がついてるものが、染めた後のものです。イベントなどでこちらの商品を販売すると、必ずと言っていいほどお客様がにおいを嗅ぐんですよ。でも、「大丈夫です。生臭くないですよ。」と言って、販売してます。夏はこちらのサンマのシリーズが一番売れる商品です。次は、ウニのシリーズなんですが、今まさにウニのシーズンです。私も毎年ウニ剥きのお手伝いをしています。今日はお休みをいただいてこちらに来ました。ウニが高い理由がよくわかる本当に大変な作業なんですが、身を取った殻というのは、海に廃棄するのは罪になってしまうので、漁師さん方々は自分の土地に穴を掘って埋めたりですとか、苦労して殻を廃棄しています。そんな殻や棘の廃棄の一助になればなと、本当に微々たる量ですけれども、これまた私の方で引き取って、また洗浄・消毒・乾燥の工程を経て、商品にしています。そちらの黒い部分がウニの棘です。最後に海藻のシリーズなんですが、岩手の海藻と言えば、やはり、わかめが有名なんですが、私がアクセサリーにしているのは、ピリヒバという石灰質の食べられない海藻です。海岸に行くとたくさん打ち上がっていて景観を損ねているんですが、御覧いただくとわかるとおり、枝分かれがとても美しい繊細な海藻で、海辺のごみとしておくのは大変勿体なく、これも拾って、色を抜いたり染めたりして、商品に蘇らせています。以上が、私が現在制作している商品の一部になるんですが、今、私の耳につけているもの、実はこれホヤの殻なんです。ホヤも商品にしたいと思って、いろいろ試作しているんですが、乾燥工程がとっても難しくて、もう3年以上かかっていまして、まだ成功してない。いつか商品に変えたいと思っています。最近ではあなたの作品はSDGsですねとよく言っていただくんですが、開業した当時はそのような言葉はなかったので、私の取組が結果として、SDGsに繋がっているのであれば、とても幸いですし、昨年、盛岡一高の高校生の生徒さん二人が探究活動で、海洋汚染について学んでいるということで、いろいろ調べる中で私にたどり着いてくださいまして、是非見学させてもらえないかと、盛岡から来てくれました。私は普段家族で海岸に出かけて貝殻などを拾いながらごみ拾いもしているのですが、その様子から見学してもらって、大船渡の海にいる生き物や、最近、話題のマイクロプラスチックなどを知ってもらって、工房に戻って拾った貝殻でキーホルダーを作ってもらいました。彼らには普段から海のことについて興味があったけれども、内陸にいるのでわからないことが多かったと、実際に足を運んでよかったですと言ってもらえて、私もやってよかったなと思いましたし、その日のことを文化祭で発表してくれたそうです。こうして、私が好きで始めたことが、このような形でも、何かの役に立てたのであればとても嬉しいですし、そうした小さな繋がりから一人でも多くの方に三陸沿岸に足を運んでいただいて、海に関心を持っていただき、昨今では海水温の上昇で海の環境が激変してしまったなどのニュースもよく見ますが、三陸海岸は岩手県の宝だと思っていますので、皆さんで大切に守っていければなと思っています。
最後に、今後の抱負ですけれども、最初にも話したとおり、養殖業は気象の影響ももちろんですし、2011年の東日本大震災津波では大打撃を受けました。今現在はどうせ捨てるものだからと漁師さんから貝殻をいただいているんですけれども、私がもっと、もっともっと頑張って、いずれはその捨てるものを買い取れるくらいになれるように頑張りたいと思っていますし、また震災で被災して沿岸を離れて暮らす方々から、私の商品でいつも海を感じられるのが嬉しいとの声をいただくので、そういった方々の気持ちに寄り添いながら作品づくりをこれからも続けていきたいと思っています。以上です。ありがとうございます。
小野部長
ありがとうございました。お一人目の多勢さんは、トレイルというアプローチで三陸の宝を広く紹介。そして、佐藤さんは、まさにSDGsにも繋がる廃棄される水産物。また、水産学部で専門的に勉強されてきた背景もあって、非常に説得力のあるお話をいただきましたが、知事の方からいかがでしょうか。
達増知事
やはり、専門で学ばれているということもあって、それぞれの本質や材質を捉えた活用をされていると私も感じました。そして、SDGsが国連で決議されたのは、震災の後です。私もこの復興で誰一人取り残さない、そういう復興の理念を決めて行っていたら、SDGsも同じことを言っており、すでに地域の中で、復興ということでやっていること、やろうとしている方向性がSDGsにばっちり出ていて、あるいは、地球全体を良くしようということで決められたゴールなんですけれども、そういう地球全体グローバルな目標というものが、実は地方の、さらに地域の中で日常的に追求されたり、日常的に生業として取り組まれているんだなというのを感じていますので、これも非常にSDGsな感じなんだと思います。私の母親が10年くらい盛岡市内でアクセサリーショップをやっていたことがあって、いろいろ手伝っていたことがあるので、いろんなアクセサリーを見たことがあるんですけれども、もう全然引けを取らない、アクセサリーとしてのクオリティが高いなと思って見ておりまして、素材も大変いいもので、かつ貴重なもので、それがこういうクオリティの高いアクセサリーになっているということで、ぜひ多くの人たちに利用してもらいたいなと思いますね。また、アワビの小さい殻は見たことあったんですけど、ホタテの小さい殻は初めて見ましたし、サンマのウロコもこういう姿では初めて見まして、そういう新鮮な驚きもあってすごくいいんじゃないかなと思いました。是非是非、この調子で発展するように、応援したいと思います。ありがとうございました。
小野部長
ありがとうございました。それでは、3人目、鎌田さんからお願いいたします。
鎌田 俊
はい、ありがとうございます。私なんですが、仕事が先ほど自己紹介でも少し申し上げましたとおり、車販売店をしております。多勢さんとか佐藤さんのように地域の特色を生かした仕事っていうわけでは決してございません。一般的な車屋さんになってしまいます。私が今日お話したいなと思ったのは、仕事柄、そして、青年会議所という組織に所属しているところからですね、仕事に通ずるところの地域課題みたいなところを少しお話できればなと思っておりました。私自身が経営しているお店っていうのが、大船渡市の盛商店街の中にございます。私のお店自体はですね、もともと、母方の方の祖母と祖父が靴店を営んでおりました跡地となります。盛町というところはですね、海からも離れた環境にありまして、東日本大震災津波の影響も少なく、現在ももともとの町並みが残ってるところでもあります。私自身まだ小さいときからですね、裸足で靴を履かずに街中を走って歩きまして、商店街のおじいちゃんおばあちゃん、みんながですね、家族のような温かい町っていう印象があります。この盛町なんですが、古くからですね、商いの町っていう歴史がございます。しかしながら、大型ショッピングセンターだったりの進出や、経営者自体が高齢化っていうところを背景にいわゆるシャッター商店街と現在なっております。この課題っていうのは大船渡に限った話でもなく、そして県内どころか、日本全国に言えることでないかなと思っております。また、この課題というのは今後さらに加速していくのではないかなと思い、シャッター商店街どころか、商店街自体の消滅っていうところも懸念しているわけでありまして、なぜ、この空き地・空き店舗自体が活用できないのかなっていうのを日々仕事しながら、よく車で私も出勤等で通りますので、考えながら通るところであるんですけど、よく若者とかがですね、何かに使ったりっていうのはできないのかなと思っております。店舗の造りなんですよね。店舗の造りに問題があるんではないかなと私は考えております。古くからある建物でありまして、店舗の奥っていうのが居住空間になっております。そのために、貸したくても貸し出しがなかなか行えないとか、あとは借りたくても逆に借りられないっていう、その結果ですね。瀕死の商店街での経営を諦めてしまって、市内の中心部の方に店舗が増えているっていう、こういった流動が発生してるのかなと考えておりました。大船渡市っていうところは先ほどもございましたけど、広大な太平洋を代表する豊かな文化とあと美しい自然っていうのが私も大好きな調和した町であるなと考えておりまして、そんな中でも盛商店街っていうところでは、継承される文化として、古くから旧七夕、8月7日にですね、灯ろう七夕が毎年開催されているところでございまして、昨今の都市部からの田舎への移住など、注目を集めているところをですね、少し活用を今後して、チャレンジショップの推進だったりとか、あと良き町並みを消滅させずに、復活させるための運用というのが何かできないものかなと考えておりました。私も高校3年生の娘がいる身ですので、進学等で学生たちが県外とかに出てしまうっていうのは今後押さえが効かないのかなと考えております。そういった中でもですね、商店街の様々な活用が可能になってくれば、交流人口だったり、関係人口が徐々に増え、Uターンを考える若者の受け入れ先にもなっていかないかなと。そういったところで若者だったり、女性の活躍の場、是非活かしていけないかなと考えておるところでありまして、もちろん大船渡市に住みゆく私たち若者もそうなんですが、是非、県としてもですね、整地の準備っていうところ、何か御協力一緒にやっていけないかなと考えておるところでございます。私からは以上になります。
小野部長
ありがとうございました。私も実家が商店街でして、ウナギの寝床のようなところで生まれたので、鎌田さんのおっしゃる店舗の構造の問題というのはよくわかります。また、知事がこういう形で県政懇談会で沿岸を回っておりますけれども、やはり、古いところをリノベして活用したり、若い人たちが集まる場という形で、また再活用されるようになったりというような例もどんどん増えてきているのかなと見ておりました。知事の方からお願いいたします。
達増知事
進学進路の話からいきますと、高校生向けキャリアセミナーに出て挨拶する時に気が付いてしゃべるようになったのが、みんな故郷にずっと残り続けるか、それとも出ていくか、そういうところを悩んでいるわけですよね。私からは、皆さんの前には、いくつかの選択肢があるけれど、そのどれを選んでも成功するように、どれを選んでも幸福度が高まるようにするのが県の任務なので、安心して主体的に自分の道を選んで進んで欲しいと。それは、ずっと地元に残り続ける人たちのためにも様々な政策、これは結構わかりやすく、子育て支援、まちづくり関係などでもいろいろやるわけですし、あとは進学就職で一旦地元を離れて、そこから、また戻ってくる。Uターンする人もいれば、大谷翔平君みたいに外に出たまま、ずっと外で活躍するパターンもあり、それぞれどちらも岩手県としては歓迎するという言い方をして、いつでも帰って来られるように、例えば大学に進学するのでも、その大学に県の情報を、主としてこれは就職情報ですけれど、それがちゃんと行くようにしたり、あとはアプリやフェイスブックで、岩手のいろんな情報が分かるようにもするなど、ずっと地元にいるが一つ目で、一旦外に出て戻ってくるが二つ目、外に出て外で活躍するのが第三の選択とすれば、四つ目としては、県外に生まれ育った人が、岩手にやってきて生活したり仕事をしたりするという、これについても、成功するように、県としては政策をちゃんとやりますという、この四つの希望、どれを選んでも希望があるようにするというのが県のミッションというふうに、去年あたりから言うようになってきまして、今年はそれを県の人口戦略全体の基本的な考え方にしようとしております。
それは、県にとってのミッションであると同時に、市町村にとってのミッションでもあり、実は、居住移転の自由とか職業選択の自由というのは、もう明治維新の頃から保障されていて、日本国憲法以前から保障されていますので、それを前提にしながら、地方自治体というのは、何がミッションなのかと考えたときに、そういう自分のところの境を越えて行ったり来たり、あるいは来たり、そして、出て行く人たちについても、ちゃんと最後まで責任を持つという姿勢がそれぞれの地方自治体には求められているんだろうと思います。
大船渡市もそうでしょうし、盛町のような、市町村の中の地域にも、やはり、そういうミッションがあるので、ずっと残る人たちのためにも、一旦出て戻ってくる、あるいは新しくやってくる、そういう人たちのためにも機能するようないろんな仕掛けを商店街に施していくということが基本戦略になるんだと思いますね。また、新沼謙治さんみたいに出ていって、基本的に居住の拠点も県外にあるんですけれども、でも、ものすごく地元と繋がってるという人がいるわけで、県外で活躍する人それぞれに何らかの形でそういう地元との繋がりというのは持ち続けてもらうというのも基本だと思います。そういう拠点、ベースになるような地域づくりということが、盛町という単位でも求められるし、岩手県という単位でも求められるんだと思いますので、いろいろ古い商店街のリノベの話が、先ほど小野部長からありましたけど、紫波町で成功した例などいろいろありますので、県も研究していますし、協力連携できるところは県もしたいと思いますので、振興局や私に直接でもいいですし、どんどん県と相談、連携することも視野に入れてもらうといいんじゃないかと思います。ありがとうございました。
小野部長
ありがとうございます。それでは四人目になります。佐藤さん、お願いいたします。
佐藤 範子
仕事の話と地域での動きというところ、二つお話をできたらなと思っています。お手元にこのような「住高ハウス〇〇(まるまる)」というチラシ(注:参加者配布資料)を置いてございます。住田町には、町唯一の県立高校住田高校がございまして、住高の愛称で知られています。そちらで今、住田町教育委員会に所属はしていますが、高校の敷地内のこのハウスに常駐して、高校生の支援を仕事としています。どんなことをしているのかは、このチラシに具体的にございますが、基本このハウスは放課後のコミュニティスペースです。なかなかバスの本数がございませんので、バス待ちの時間に利用してもらう。あとは自学自習の場にしてもらう。今、「探求」っていうキーワードたくさん出てきましたが、高校生の探究の授業の支援、伴走の基地にしてもらうというような活動をしています。4人のメンバーで、移住者が多いのですが、生徒の寄り添いをしながら縦でも横でもなく斜めの存在を目指して、今、学校と地域と協働しながら盛り上げているところです。小規模校であり、普通科というところの今後が、かなり気になっています。地域から求められている役割としては、小規模校普通科は、地域の受け皿みたいなところが正直あります。住田高校も募集を苦労して、この数年間、ギリギリのところでやってきました。今年はですね、新しいニュースとして、地域みらい留学の制度を使って、関東から二人生徒が入学してくれています。その受け入れと、地元生も大事にしながら、地域の学校だけじゃなくて、日本全国から求められるような、学校を魅力のあるものにしていかなきゃいけないなというふうに今考えて動いているところです。私からはその仕事の面については、県立高校の再編について、あとは、その学科とかですね。定員ですとか、教育課程そのものの見直しというところが、気になっているところです。いわゆる進学校はどう方向性を打ち出すのか、小規模普通科ではどうしていくのかというあたりです。それぞれのカラー、特色を出していかないと、これから人口減が進んでいく中、生徒たちに選ばれていく学校、持続可能な学校っていうのが求められるのではないかなというふうに仕事をしながら考えています。
地域での活動も、引き続き御紹介したいと思います。住田町は本当に「ない町」だなというふうに感じています。国際交流センターもありません。育児・子育てサークルもありません。子ども食堂もありませんでした。そんな折ですね。県の担当の方がいらして、社会福祉協議会さんに掛け合って、地元の方たちで実行団体を立ち上げてもらえないかという動きがこの春にありまして、そこから地元の有志に社会福祉協議会さんが声をかけてですね。定期的に集まりながら、私達の仲間内でまずはやってみようかということで、8月の頭に住田町で、初めての子ども食堂をプレ実施してみようという動きになっています。仕事ということではありませんが、何とか若者、女性、子どもの居場所を作っていけないかなあということで始めたことです。私も移住者です。県内出身ではありますが、子育てに関しては特に、よそから移ってくる方へのハード面のフォローや支援だけではなくて、やっぱり心の繋がりですとか互助の仕組み、ソフト面は大事だと思っています。心の拠り所は、移住定住のキーワードになってくるのかなというふうに感じています。住田町、海外からいらっしゃる方、外国人技能実習生の多い町ですので、外国人も私たち子育て世代も高齢者世帯も心の拠り所一つ持って、繋がりを持ったまちづくりをしていきたいなというふうに、微力ながら今動いているところです。皆さんからいろいろ御意見を伺いながら、「大船渡はこうしているよ。」とか「高田はこうしてるよ。」という事例を伺いながら、今日は何か情報持ち帰りたいなと思っています。以上です。
小野部長
どうもありがとうございました。今、佐藤さんの方から、外国人にとっても子育て世代にとっても心の拠り所といったものがあることで、移住定住してきた方々が、本当に安心して暮らせる町になるんじゃないかというお話を頂戴しました。また、高校の見直し関係で、再編の御意見も頂戴したところでございます。知事の方からお願いいたします。
達増知事
県立高校であります住田高校を、こんなに世話していただいてありがとうございます。高校魅力化の時代に入ってきまして、特に小規模校は魅力化をうまく作っていくことが大事なんですが、また、地元の皆さんの力を借りないと、特に、小規模校は魅力化が難しく、住田高校はいろいろ住田町にも支援をしてもらい、地元の皆さんにも支援してもらって、大変ありがたいです。住高ハウスまで作ってもらって、これは非常にありがたいなと思います。そして、関東から二人留学生が来たということで、やはり小規模校の魅力化をさらに発展させるには、まさに、おっしゃるとおり、日本全体から求められる高校になっていくという視点、さすがと思いました。そうすれば、持続可能な形で発展していけるんだと思います。まさにSDGsの世界ですが、サステナブルディベロップメントで持続可能に発展していくということだと思います。人口5,000人くらいの人口の少ない町村、岩手には住田と西和賀と葛巻とあって、あと村でも、伊保内高校がある九戸村と久慈工業がある野田村、その辺の5,000人ぐらいのところに、学級数、学年1クラスくらいのこの小規模校があって、そこが、基本的には留学を受け入れ、県外からも生徒を受け入れながら、魅力を高めていくということだと思っております。行財政の専門の学者さんとか総務省OBの人とかに集まってもらって、岩手県の行財政をチェックしてもらって、それで報告書を出してもらったんですけれども、岩手県は、高校に対して、他の都道府県に比べて、より多い割合で予算を使っているけれど、それは決して無駄遣いじゃなくて、地域事情に合わせ、かつ、きちんと教育の機会を提供できているという意味では、これはむしろ成功していることなので、それが、なるべく、予算については効率的に、しかし、維持されていくように頑張りましょうというように報告書に書いてもらいましたので、住田高校についても、存続可能、持続可能でいくように県としても取り組んでいきたいと思います。また、高校だけじゃなくて、居場所づくり・子ども食堂など、前例がなくて誰もやったことがないというのがパッと起きるとはなかなかならないので、意識してやってみよう、やろうというふうにしてもらえるのは非常にありがたいと思います。そして、やってみるとそれが、いかに良いものかというのがわかると思います。やってみなきゃわからないので、やろうということにならないわけですけれども、だから、まずやることが非常に大事だと思いますので、よろしくお願いしたいと思いますし、そういう居場所づくり・子ども食堂などは県としても応援している分野ですので、またいろいろ県にも相談など、必要に応じてしていただければと思います。ありがとうございました。
小野部長
ありがとうございました。ここまで4人の皆さんからひととおりお話いただきまして、一巡いたしました。お話の中ではトレイルガイドの育成、それから空き店舗の活用、若者による活用、集まる場にするような応援、そして、高校再編、居場所づくりといったことなど、様々な御意見も頂戴したところです。知事もこういう形でお話、様々コメントいただきましたし、持ち帰って、県の副知事、それから、関係部局長が集まる会議の場で皆様からいただいた御意見について報告し、これからの県政に活かしていくように、きちんと繋いでまいりたいと思います。時間があと15分ぐらいございますので、ここからは自由懇談となります。それぞれ、1回お話をなさってみて、もうちょっとこの辺しゃべりたりなかったといったところもあると思いますし、他の方の意見を聞いて、いや、こういうこともあるんじゃないかといったこともあるかと思います。何でも結構でございますので、是非お話をいただきたいと思いますし、皆さんも一巡目はなかなかお菓子を食べることができなかった方が多いんじゃないかということで、是非、つまみながら、これからの懇談の時間、残り15分ですけれども、過ごして参りたいと思いますが、いかがでしょうか。
達増知事
ちなみに、このケーキは、味噌の味がわかるような形でガツンときて、大変いいと思いますね。あと、ピーカンナッツも大変おいしいです。
小野部長
是非、いかがですか。鎌田さん、お願いします。
鎌田 俊
はい。お菓子、私、食べ始めちゃったんで、皆さん食べていただいてる内に、少しお時間いただいてもいいでしょうか。次にですね、私、お伝えしたかったなと思ってるのが、今度、青年会議所の方の活動なんですが、今日もですね。今こういったメンバーがいるよっていうのが分かるようにですね。資料を持ち込んでおります。表紙にですね。私の恥ずかしながら、今年のですね、スローガンというところで所信を少し書かせていただいてるんですが、本年度、私たち、青年会議所として、地域のヒーローでありたいねっていうところをテーマにしてます。また、通ずるところでお話できれば、未来のヒーローを私たちが生み育てていこうっていうところもテーマとしております。そういった観点からお話させていただきたいんですが、大船渡青年会議所としてですね。例会としまして、7月6日、先週の土曜日なんですが、事業を実施いたしました。「あそぼうさいin大船渡withソナエマチモリ」といいまして、地域のいろいろなステークホルダーの皆さんと一緒に事業を行ったわけなんですが、この事業を実施するにあたりましては、東日本大震災、これから13年が経ちましたっていうところと、復興事業が完了を迎え、新たな賑わいを創出している現在の大船渡市ではありますが、というところが、背景になりまして、私の息子、12歳小学校6年生がいます。この子がですね。小さい頃から柔道教室に通ってまして、体つきも大分大人に近づいてきたなと。胸板も厚くなって参りまして、背筋なんかもお風呂上がりにはですね、たくましさが見えるようになってました。そういった子どもたちがいる中で、この子たちは震災を知らないっていうのがまた一つ、やっぱり、地域課題になってきてしまうのかなと捉えております。事業実施を迎えて私自身感じたところとしてはですね。私たち、地域の大人がやっぱり、根気よく伝承していく義務になってくるのかなというところでございます。沿岸部の子供たちであってもやっぱり震災を知らずに、そして、風化が進んでしまい、知ろうということ自体が薄くなってきているのかなと思う中で、日頃の防災意識っていうのは低下、今後、ますます考えるのかなと思います。やっぱ日本各地で災害が発生している今の現状と災害が今後またいつ自分の身に降りかかるかわからないというところを踏まえてですね。岩手県として、そして、県民として、県民への防災に対しての促進だったり、子供たちに対して意識の向上など、今後、ビジョンっていうのがどういったところからあるのかなっていうのがあります。最後になるんですけど、私の娘高校1年生、それこそ、佐々木朗希君と同じ大船渡高等学校に進学したんですが、青年会議所日本本会親玉の組織の方で、来月の3日土曜日にですかね。2泊3日で石川県の方に被災地の支援の学びっていうところでですね。能登半島に全国の高校生を呼んで、石川県の高校生と交流をっていうのがあります。各県からですね。1名の代表者の高校生が参加するんですが、うちの娘が岩手の県代表として、今回参加させていただくことにもなりまして、この辺のお話を持ち帰って娘にも伝えてあげたいなという思いもありましたので、何かあればお話いただければと思います。
小野部長
ありがとうございます。岩手県では復興直後に4か月をかけて8月11日に復興計画を作りました。その時に、安全、暮らし、生業、これを大きな三つの柱として計画を作ったんですけども、その後になりますけれども、やはり、復興、大震災、これをしっかり伝えるということも柱の一つに加えまして、取組を進めております。陸前高田にございます津波伝承館、これを一つの核といたしまして、津波を、大震災の事実をしっかりと伝えていく、それを伝承していくんだといった取組を進めておりますし、また、教育関係においても復興教育、これは、学校でしっかりと子供たちに教えていくんだといった取組を進めております。そういった中では、例えば、岩手大学においても、かなり防災の専門家の先生方もいらっしゃいますし、また、様々な防災それから復興、その時にどういった取組が必要かといった幅広い知見を持った先生方もいらっしゃいますので、そういった専門家の皆さんにも御協力をいただきながら、学校などを中心、あるいは地域もそうですけれども、復興教育といったものを進めております。これは、本当に大震災を経験した岩手にとって伝えていかなければいけないといったことでございますので、これを継続的に続けていくと、これが重要な取組というふうに考えております。よろしいでしょうか。その他、どなたかいかがですか。多勢さんいかがですか。1番手ということで、もしかして、話し足りなかったんじゃないかというような感じもありますが。
多勢 太一
そうですね。はい。ありがとうございます。みちのく潮風トレイルのことはガイドのお話がさっき知事からあったように、いろんな本当に御活躍されてらっしゃる方が年齢層も様々いらっしゃって、たしかに私も同じことを考えたんですね。震災ガイドとか、観光ガイドとか、いろんな特性を持った方が統合していくっていうとあれかもしれないですけども、トレイルガイドもできるし、ジオガイドもできるとか、そういう兼務していく形の仕組みができたらいいなと思ってました。ガイドのところで、年齢の高い御年配の方も御活躍されてらっしゃいますし、私みたいなまだ若い20代の方とか、30代の方っていうのも活躍されてる方がたくさんいらっしゃるので、そういった方には、生活、それ一本で生活するってなかなか難しいとは思うんですけれども、副業じゃないですけども、そういった形っていうのもあると思いますし、あとは、今だと津波伝承館とかで解説員をやられてる方もたくさんガイドとして活躍してくださってるので、すでにそういう解説やってるよとか、ガイドやってますっていう方に向けて、より、何ていうんでしょう。ジオガイドっていうのがあってねとか、トレイルガイドをこういう講座を新しくやるから参加してみてくださいみたいなそういう声かけしていくのも、一つすごく可能性としてあるんじゃないかなと思ってました。それをすることによって、今、かなりインバウンドの方が盛岡にニューヨークタイムズ紙で来てると思いますけれども、沿岸には、みちのく潮風トレイル歩きに外国人の方すごい来てるんですね。なかなか、1から沿岸に台湾の方をとかやるのはなかなかハードルが高いことかなと思っているんですが、みちのく潮風トレイルの場合だと、もう勝手に歩きに来てくれるので、これを一つの契機にして、地元の事業者さんの方にも、何かチャンスをとらえていただけるような取り組み、ガイドとは別に、そういった取組も進めていく必要があるんじゃないかなというのを思ってました。はい。そんなところです。
小野部長
インバウンドのお客様が非常に増えているといったことで、これから、さらに広がってくるんじゃないかと期待しております。その他いかがでしょうか。はい。それでは、佐藤さんお願いします。
佐藤 範子
まず、皆さんの御経歴とか御活躍を聞いてですね。「探究」っていう話をしましたが、高校生も中学生も探求の授業っていうのがありますので、ぜひ皆さんの困りごとや地域課題っていうのを学校現場に持ち込んでみてですね、教育とマッチングっていうのはできないのかなあというふうに思いましたし、住田高校も地元の生徒は2割くらいで、あとは、大船渡、高田、釜石からの生徒が多いです。今年は、関東からも来ていますが、探求の授業で、希望する生徒がおりましたら、皆さんにつなげてですね。是非、いろんなことをお世話していただけないかなあというふうに思いました。高校生ガイドも面白いのかなあとか、もし、佐藤さんとワークショップで海のごみとか環境問題のことを伝えていただきながら、アクセサリーづくりしても面白いかなとかですね。盛の商店街の課題を挙げて、高校生の目線でまち歩きして意見を集めてみたりとか、ちょっと、今、むくむくとアイデアが沸いてきたので、これを機に、皆さんとまた繋がって相乗効果でお互いの地域を広めたり高めていけたらいいなというふうに話を聞いて思いました。はい。以上です。
小野部長
ありがとうございます。佐藤さん、いかがですか。
佐藤 真優子
防災の観点で言いますと。うちの息子は中学1年生になりまして、震災の当時、私のお腹の中にいたんですけれども、2年前にちょうど越喜来で防災訓練をやっていただいたときに公民館の方で知事はもちろん皆様の前で作文を読ませていただいたのが息子でした。その時、知事に終わってからお褒めの言葉をいただいたようで、一生懸命作文考えて良かったと言ってまして、実際に当時、お腹の中にいたので、見てもないし、生まれてからしばらく赤ちゃんですから、大変だった時期を知らないわけですけれども、あのときの防災訓練っていうのはもうすごい大掛かりな訓練じゃないですか。なので、ものすごく衝撃だったらしくて、とても心に焼きついているというか、印象に残っていたそうです。学校でもやりますけど、ちょっとハンカチで口押さえて逃げてって、いつも同じような感じではやるんですけど。ああやってヘリも飛んで船も出てっていう、とても大規模な訓練っていうのは、やっぱり震災を知らない子供たちにとってはとても有意義な本当に重要なことだったんだなと思いました。とてもいい経験をさせていただきました。
小野部長
ありがとうございました。4人の皆さんから様々御意見お考えをいただきました。先ほど知事の方からもお話ございましたとおり、岩手で生まれ育った鎌田さんのように、ずっと頑張っていらっしゃる方、そして、縁があって、岩手にお越しいただき、あるいは、他の県内の地域から気仙の方にお越しいただいて地域の中で御活躍されている方々いらっしゃいます。そういった中でも、気仙沿岸といったことで東日本大震災津波からの復興、そしてこれからの防災、これは、大きなテーマであるというふうにお話を伺いました。
知事所感
小野部長
それでは、最後になりますけれども、全体を通じて知事の方からお願いいたします。
達増知事
今日の4人の方々、それぞれの分野の最前線を切り開くような形で活動されていることは大変頼もしく感じました。なるほど、こういうこともあるんだなとか、こういうニーズがあるんだなみたいなことは、今日、非常に参考になりましたので、これは、県のそれぞれ担当にも伝えて、県としても、改めてしっかり取り組んでいきたいと思います。そして、震災後に生まれ育つ人がどんどん増えていくということにつきましては、第二次世界大戦の、戦争について風化させないとか、ちゃんと語り継いでいかなければならないということが取り組まれていて、それがいろいろ参考になるんじゃないかと思っております。東日本大震災津波は、まだ直接経験した人が現役でそれぞれあちこちにいますので、そういう人達がしっかり伝承発信をしていくこと、それを若い世代、新しい世代にもちゃんと伝えて、若い世代も、それをさらに伝えたり発信したりできるようにするということです。第二次世界大戦のことについては、直接体験した人たちがもうほとんどいなくなっているというのを踏まえて、直接体験してない世代が、また次の世代に伝承していくことができるようにとか、対外的に発信できるようになっていて、やがては、東日本大震災津波についてもそうなっていくんだと思いますけれども、その辺を参考にしながら取り組んでいけばいいと思います。
そして、東日本大震災津波のこと、また、その後の復興のこと、さらに、このトレイルのこととか事業のこととかについても、ガイドできるように、これも紳士淑女のたしなみとして誰もがある程度ガイドができるようになるというのを目標にしてもいいかもしれないなと思いましたね。特に、若い世代は、プレゼンテーション能力が上の世代より非常に高くて、私も舌を巻く面が多いんですけれども、学校でかなりプレゼン力を身につけているので、その要領で地域のことについて、初めてそこに来た人にも説明できるようになるということは、非常に広い裾野を作ることができるんじゃないかと思います。その中で、プロとしてお金を稼げるというような人もちゃんと出てくるようにすると、裾野を広くして、山を高くするみたいな感じで、そして、ガイドというのが、特殊な変わった生業ということではなくて、やろうと思えばみんながやれることをプロフェッショナル的に磨き上げて極めつつある人達みたいにしていくことが大事なんだと思います。そして、地域のことを語ろうと思えば、誰でもある程度は語れるようになるというのが、また、この地元に人が残り、人が帰ってくる、やってくるという地域づくりにも役に立つと思います。地元のことを語れる人が増え、また、一人一人がより語れるようになっていくというふうに、岩手はその語る材料が豊富で、食べ物の話だけでもかなり語って飽きないというところがありますから、そこに新しいビールなど、新製品もどんどんできてますし、それだけでもネタは尽きないところがあるんですが、さらに、自然とか歴史とか、震災のこととか、そういうのをどんどん語りあえる地域、未利用水産資源というか、廃棄されてたこと、材料も含めて海の生き物のことだけでも非常に話題は尽きないところもありましょうし、そういうふうにしていけばいいんだなと思いました。今日は本当にありがとうございました。
閉会
小野部長
ありがとうございました。まさに、いわて幸せ作戦会議、皆さんの話をきっかけに少し話が深まっていたり、次の手があるんじゃないかと思うことのできる会議にすることができました。皆様、本日は本当に貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。またお話をいただきましてありがとうございました。先ほど知事から話がございましたが、いただいた御意見につきましては、県に持ち帰りまして、県の関係部局と共有いたしまして、今後の県政にいかして参りたいと考えております。以上をもちまして、県政懇談会「いわて幸せ作戦会議in陸前高田」を閉じさせていただきます。本日は本当にありがとうございました。
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