「いわて幸せ作戦会議(in久慈)」(令和6年6月4日)
日時
令和6年6月4日(火曜日)10時30分から11時50分まで
場所
久慈地区合同庁舎 6階 大会議室
出席者
・参加者(敬称略)
馬内 広斗(OLD NEW 代表)
長谷川 恵美(洋野町地域おこし協力隊)
越戸 菜摘(株式会社越戸商店)
新山 麗佳(農業)
・県側
達増 拓也 知事
佐々木 哲 県北広域振興局長
小野 博 政策企画部長
開会
小野部長
皆さんおはようございます。ただいまから県政懇談会「いわて幸せ作戦会議in久慈」を開催いたします。皆様には御多忙のところ御出席をいただきまして、本当にありがとうございます。心から感謝申し上げます。
本日は、「県北の未来は私たちが描く」を懇談のテーマといたしまして、久慈地区で産業振興や地域づくりなど、様々な分野で取り組まれている皆様にお集まりをいただいております。
私、本日の司会進行役を務めさせていただきます、県の政策企画部の小野と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
知事あいさつ
小野部長
それでは開会にあたりまして達増知事から御挨拶申し上げます。
達増知事
県政懇談会「いわて幸せ作戦会議」ということで、今、県の総合計画10か年計画で、基本目標に、「東日本大震災津波の経験に基づき、引き続き復興に取り組みながら、お互いの幸福を守り育てる希望郷いわて」というふうに基本目標に掲げておりまして、それで「いわて幸せ作戦会議」というタイトルでやっております。岩手県内、各地域、また各分野で活躍している方の意見を、知事が直接聞いて岩手県政に役立てるということが目的でありまして、東日本大震災津波があり、コロナ禍があり、また、主要魚種の不漁問題や燃料費物価高騰問題などが重なって、多事多難ではあるんですけれども、一方で、復興の中から新しく作られてきた道路でありますとか、市街地のいろんな施設でありますとか、そして、様々な地域内また地域外、人と人との繋がりでありますとか、それを活かしていくことで、希望を持ちながらお互いの幸福を高め合えるような、そういう材料も新しくできてきているところです。
また、もともと岩手県それぞれの地域ごとに、この自然、歴史、そこから培われた、独自の地域資源とか、地域の良さとかそういうものがありますので、改めてそういうものを活用して、人口減少問題が日本全体で今、取り組まれておりますけれども、人口減少の原因になっているような、働く場がないとか、あとは結婚、出産子育て、様々困難があるとか、そういった目の前の問題は、様々政策的に解決していかなければならないのですけれども、一方、この1週間、NHKが、新プロジェクトXで、島根県隠岐の島、海士町という、人口2,000人台にまで人口が急激に下がったんですけれども、そこから一気に地域の活性化が進んでいるところを紹介するとか、そして先日土曜日にはタモリステーションという特別番組で、このニューヨーク・タイムズが紹介した盛岡の良さを、テレビで放映するとか、その地方の良さ、地方こそ日本の良さを代表する場所なんじゃないかというそういう発想の転換も、日本社会に今、提案、提言されているようなところでありまして、是非、岩手のこの久慈地域というところ、6月7日が、タマシン・アレンさんの御命日、それでこの週末にタマシン・アレンさんをしのぶ会が、久慈市で開かれたということなのですけれども、昔、非常に生活環境厳しく、日本のどこかで奉仕活動しようというアレンさんが、一番大変そうなところということでこの久慈地域に来たという、そういう歴史もある、この日本の中でも条件の厳しいところもあるこの地域から、地域の活性化っていうことをやって、東京一極集中を反対側から裏返していくような新しい国づくりが出来ればと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
そして、県議会議員の皆さんにもお忙しい中ありがとうございます。今日はどうぞよろしくお願いいたします。
小野部長
ありがとうございました。
出席者紹介
小野部長
それではこの後の進め方ですけれども、まず私の方から、お一人ずつの御出席の皆さんのお名前を御紹介いたしますので、続けて大体1分程度で簡単な自己紹介をいただければと思います。その後、今日のテーマに沿ってお話をいただきます。お一人ずつ、大体5分程度でお話いただいた後、その都度知事がコメントするというような形で区切りながら懇談を進めてまいりたいというふうに思います。最後に、御自由に御意見をいただけるような自由懇談の時間も設けたいというふうに思っておりますので、その際には、今日のテーマに関わらず、御自由に様々お考えをお話いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、早速ですが、本日御出席の皆様を御紹介いたします。初めに、OLD NEW(オールドニュー)代表、馬内広斗さんです。
馬内 広斗
初めまして。OLD NEW代表の馬内と申します。現在OLD NEWという任意団体になるんですが、そちらの代表を務めさせていただいております。主に、現在は久慈市のユベントスという旧喫茶店をリノベーションして、そこを、レンタルスペースや、カフェといったことで地域の若者が挑戦できる拠点として活動をしております。他にも、地域活性化だったり、県の委託事業だったり、そういったことを、現在、何個かやらせていただいております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
小野部長
どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、洋野町地域おこし協力隊の長谷川恵美さんです。お願いします。
長谷川 恵美
皆様おはようございます。はじめまして。洋野町地域おこし協力隊の長谷川恵美と申します。
昨年の4月から洋野町役場農林課に所属して、パン工房等運営支援員として活動させていただいております。それまでは、盛岡、東京、久慈市等を転々とし、協力隊になったタイミングで、地元の洋野町にきちんとUターンして戻りました。
本日はよろしくお願いいたします。
小野部長
はい。ありがとうございました。
続きまして、株式会社越戸商店の越戸菜摘さんです。お願いします。
越戸 菜摘
越戸商店の越戸菜摘と申します。よろしくお願いいたします。
越戸商店は、水産加工会社のため製造工場があり、そこで地元の海産物を加工販売しております。その他に、久慈、宇部、普代にスーパーが3店舗ございまして、地元のお客様に新鮮なお魚を届けております。
私自身は、高校卒業後、大学を機に上京し、そこから10年ほど東京におりまして、一般の企業に勤めていたんですが、結婚を機に、ちょうど2年前に岩手の方に帰ってきまして、現在は、朝は市場の方に行って魚の買い付けをする業務と、あとは工場の品質管理を行っております。先日、対米HACCP(ハサップ)の認証も取ることができました。
小野部長
はい。よろしくお願いいたします。
最後に、農業を営んでいらっしゃいます新山麗佳さんです。お願いします。
新山 麗佳
はい。野田村で農業をしている新山麗佳です。よろしくお願いします。
18年前、結婚を機に、夫の実家のある野田村へ東京から移住してきました。令和3年に新規就農し、今年で4年目となります。ブロッコリー、キュウリを中心に規模を拡大して、雇用をしています。
今日は皆さんといろいろお話をできたらなと思って楽しみにしていました。よろしくお願いします。
小野部長
はい。ありがとうございました。
今日は達増知事、そしてこの4人の皆様で懇談会を進めてまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。
県からは、達増知事、それから県北広域振興局の佐々木局長でございます。よろしくお願いいたします。
また、本日は県議会議員の皆様にもお越しをいただいておりますので御紹介申し上げます。
宮古選挙区選出の城内愛彦議員です。
城内 愛彦議員
よろしくお願いします。
小野部長
佐々木宣和議員です。
佐々木 宣和議員
よろしくお願いします。
小野部長
畠山茂議員です。
畠山 茂議員
よろしくお願いします。
小野部長
そして、久慈選挙区選出の中平均議員です。
中平 均議員
よろしくお願いします。
小野部長
よろしくお願いします。
懇談
<テーマ>
県北の未来は私たちが描く
小野部長
皆様のお手元にお菓子と飲み物を準備しておりますので、是非お召し上がりいただきながら、懇談を進めていきたいというふうに思います。それでは始めに佐々木局長の方から、今日のお菓子と懇談のテーマを御紹介いただきたいと思います。お召し上がりいただきながらお聞きいただければと思います。お願いします。
佐々木局長
県北広域振興局の佐々木でございます。どうぞ、召し上がりながら聞いてください。
皆さんに御用意いたしましたのは、今日御出席いただいております、馬内さんが営んでおります、カフェ「ユベントス」で提供されているレモンケーキになります。資料としてもお配りしておるんですが、国産レモンの果汁ですとかレモンピールを使用した、レモン風味の豊かな手づくりのしっとりしたケーキです。先日私もお店にお邪魔いたしまして、馬内さんのコーヒーとともに頂戴したんですけれども、大変やっぱり馬内さんのコーヒーもおいしいので、大変美味しかったなあと思っております。今日は残念ながら馬内さんのコーヒーではなくて、市販のドリップコーヒーになります。これも振興局の職員が心を込めて入れたコーヒーでございますけれども、是非、機会がございましたら、ユベントスに足を運んでいただいて、クラシカルなお店の雰囲気の中で、馬内さんの入れたおいしいコーヒーとともにお召し上がりいただければいいかなというふうに思っております。
小野部長
ここでいいですか。馬内さんの方から追加で何かおすすめポイントなどありましたらお願いいたします。
馬内 広斗
おすすめポイントというか、レモンケーキっていうのが、昔の喫茶店とかでよくあるようなイメージでっていうので、自分もこのレモンケーキを作り始めたので、ただちょっと今っぽさも出そうということで、上のアイシングも、しっかりレモン風味の部分を入れたり、あとは、ちょっとぱさつかないように、しっかりしっとりなるようにっていう部分は意識して作ったものです。お口にあえば良かったですけど、大丈夫ですかね。以上です。
小野部長
ありがとうございました。では、続きをお願いいたします。
佐々木局長
それでは本日の懇談会のテーマですけれども、「県北の未来は私たちが描く」というテーマにいたしました。久慈地域においても、他の地域と同様に、人口減少が進んでおりますけれども、去年はあまちゃんが放送10周年となりまして再放送もあったところでございます。2月には、イギリスのタイムズ誌で、みちのく潮風トレイルが「日本で訪れるべき場所14選」に選出されました。4月には、三陸鉄道40周年を記念するイベントがございまして、明るい話題もたくさんあるところでございます。県といたしましてもこのような機会を捉えて地域をさらに盛り上げたいというふうに考えているところでございます。本日お越しいただいた皆さんも一度は地域を離れたものの再び地域に戻ってこられた方々、また他の地域から移住された方々でございます。地域の持つ魅力ですとか、可能性を感じられて、それぞれの分野で新たな取組を行っているということでございます。今日は久慈地域をどんな地域にしていきたいのか、どのような未来像を描いているのか、皆さんの、その地域に対する思いを熱い思いをお伺いしながら、懇談を進めてまいりたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
小野部長
それでは早速ですが、懇談の方に入らせていただきます。ここからは今、佐々木局長からも説明ございましたテーマ、「県北の未来は私たちが描く」に沿って、4人の皆さんの今の取組、課題、今後の方向、御自身の抱負、そして県への希望、期待なども含めてお話しいただければというふうに思います。それでは早速ですが、馬内さんから、5分程度でお願いいたします。
馬内 広斗
はい。そうですね。自分は、ちょっと自己紹介の方に戻るんですが、もともと、久慈市出身で、飲食店をやるために東京の方に就職をしたのですが、東京に行ったときに、やっぱり都会なのですごいワクワクするような施設だったり、イベントっていうのがすごく多くて、ただ、高校までいたこの久慈市が何かそういったワクワクするようなイベントだったり、場所っていうのが少ないなと、東京に行ったときに思いました。働きながらですね、ちょっと自分も自分発信で、何か事業を起こしてみたいなと思って、まだこれやろうっていうふうには決まってはなかったんですが、久慈市にUターンをしてきました。
その後は、久慈市の飲食店だったり、他にもフィリピンの方に語学留学に行ったりと、いろいろな経験をしてきました。そこのフィリピンの留学で一番印象に残ったことが、笑顔という部分でした。やっぱり、フィリピンの方々は、日本よりも貧しいというか、そういった環境でもすごく笑顔が絶えない生活をしていて、日本とは全然違うなって、そこですごく実感をしました。そういった部分ですね、久慈市にワクワクする場所がないとかイベントがないと、フィリピンで経験したその笑顔という部分、これをちょっと久慈市でどうにか自分発信でできるんじゃないかなと思い、今のこのOLD NEWという団体を立ち上げました。
このOLD NEWという団体は、現在任意団体だったんですが、この名前の由来は、オールドの部分が、昔の久慈の伝統だったり歴史っていう部分を大切にしながらと、NEWの部分、新しい世代の発想とかそういった部分のどちらも大切にしたいよねという部分で、このOLD NEWという名前をつけました。現在4名のメンバーで活動をしているのですが、自分とあともう1人は、NANAMARUNI COFFEEという久慈のカフェを経営しています嵯峨さんという方と、もう1人が、山根地区で将来パン屋さんを開きたいという、6次産業でそのパン屋さんをやりたいということで、一次産業をすごく頑張っている子。自分の一個下の子なんですが、その子と、あと、地域おこし協力隊で久慈市に来ている山下さんという、現在4名で活動しております。
メインでやっているのが、先ほども言ったユベントスというカフェと、レンタルスペースを運営しております。なぜこのユベントスでやろうかと思ったかというと、ユベントスっていうのが、昔、15年前ぐらいまで喫茶店として地域にすごく人気のある喫茶店だったんですが、そこが閉まりましてそこから空き家になっていたんですが、内装見たときにすごくかっこいいしもったいないなってすごく思ったので、ここを昔の喫茶店の雰囲気も残しつつ、今のカフェのようなちょっとこじゃれた洗練されてるような、そういった空間にしたいなという部分でそこのユベントスをお借りして、自分たちでリノベーションして、現在の内装になっております。カフェの部分は、飲食を楽しんでもらうっていうのは、もちろんそうなのですが、高校生とかには、全然頼まなくていいよと言っております。というのも、ただお話に来てとか、将来の夢だったり、何か悩みを相談できるような、そういうコミュニティーとしても地域に根づいていきたいなという意味で、そういったことをやっております。
あと一応メインがレンタルスペースになっているんですが、このレンタルスペースっていうのが、このOLD NEWのそもそものコンセプトが若者の挑戦の背中を押せる存在にというコンセプトがありまして、このレンタルスペースをやろうって思ったのが、久慈に帰ってきて飲食店で働いてるときに、ハンドメイドの方とか、なんかそういう方々が、何か販売できるような場所がないと、レンタルスペースが久慈にないから、ちょっと大変なんだよねみたいな、そういったことを聞いていたので、自分がこのユベントスでやろうと思い、実際に今行っております。これまでは、イベントだったり、あと、写真展示だったり、あとは盛岡のほうから店舗を持っている方なんですが、久慈でちょっと挑戦してみたいという方々がいらしてレンタルをしていただいて、イベントだったり、そういったことを行ってきました。
これからなんですが、これからの展望は、現在ユベントス1階はレンタルスペースとカフェという形でやっているのですが、2階が今、空いていまして、その2階に、ちょっと最近ご縁があって交流がある現在法政大学の1年生の起業している子がいるんですが、久慈のことが好きになってくれて、ちょっとコミュニティスペースを作りたいと、あと久慈で事業をしてみたいということで、ユベントスを拠点に一緒にやっていこうというふうになっています。何をやるかっていうと、久慈市の企業さんだったり、あとは、県内の学生だったりっていうのを、県外の学生お呼びして、そこでマッチングして、例えば、インターンだったり、そういうことをやっていくっていうのが、今のメインの計画になっております。他にも、久慈市をもっと、自分たちは、盛り上げることができると思っていまして、そういった部分で、久慈市のイベントだったり、あとは県内のイベントっていう部分は、自分たちは結構参加させていただいて、今後もっと久慈を盛り上げていきたいなというふうに、現在思って活動しております。
小野部長
はい。ありがとうございました。それでは知事の方からお願いいたします。
達増知事
フィリピンは私も何回か行ったことありますけれども、やはり人々の笑顔が印象的で、エネルギーが何かこう湧いてくるような感じを受けて、こっちも元気になるなと思ったことを思い出します。
そして、このカフェ、それも昔あったユベントスというのを再興するような形で取り組んでるというのはグッドアイディアだと思います。ニューヨーク・タイムズに盛岡の記事を書いたクレイグ・モドさんは、盛岡の良さの大きい要素として、喫茶店がたくさんあって、若い人たちがセンスのいい喫茶店をやっていると。その中には、昔からある喫茶店を継いで親の代からやってるとか、また、新しくそれを復興してるみたいなこととか、それが街のために非常にいいということを指摘していて、久慈市全体のためにも非常に効果があるんだと思います。
レンタルスペースで、若者の背中を押すというのは、ドラマあまちゃんで、夏ばっぱが主人公アキの背中を押して海に飛び込ませるという名場面があるんですけれども、やっぱり背中を押してあげることが非常に大事で、押さないと飛び込まない人たちはやはりいるので、押して飛び込ませると。あまちゃんがいいのはこの夏ばっぱも海の中に飛び込んで、ウニを拾ったりしているわけで、若者を飛び込ませるだけじゃなく、押してる自分も飛び込むというところが大事なんだと思います。
カフェに高校生がただいてもいいっていうのは、これは高校生にとってすごくありがたいと思いますね。そして、2階にこの法政大学1年生の起業家を入れるとやはり今、時代はスタートアップの時代でありまして、県としてもこの県民からスタートアップが起きてくる。また、東京はじめ、よそでスタートアップした人を岩手に住まわせるみたいな企業誘致みたいなものですけれども、それをやはりできるだけやりたいと思っていて、それに成功した地域は、かなりそこの地域の雰囲気も変わるし、スタートアップ、それが今できる時代で、それをやる若い人が、一人でもいればすごいありがたいし、また一人いるとその周りでどんどん広まりますのでね、それがうまくいけば、非常に久慈市のためにも岩手のためにもいいなと思いますので、期待します。ありがとうございます。
小野部長
ありがとうございました。
それでは次に、長谷川さんからお願いいたします。
長谷川 恵美
私は昨年4月から洋野町地域おこし協力隊のパン工房等運営支援員として、洋野町水沢地区おおのパン工房でパンづくりと販売をメインに活動しております、長谷川と申します。
18歳で実家を出て、20歳から15年東京で働いて、岩手県に帰ってきてすぐ久慈市で7年働きましたが、どうしても洋野町で働きたいという思いが募り協力隊に応募をさせていただきました。東京から戻ってすぐに協力隊に応募すればよかったのですが、向こうにいる時点で、地域おこし協力隊を知らず、ハローワークなどにも求人が出てないので、仕事の候補には全くなかったです。久慈市で就職してから協力隊の存在を認識するようになりました。私の場合は、何がやりたいかではなくてどこで働きたいかで今の活動をさせていただいております。最初は、洋野町で働ければ何でもいいと思って協力隊の下調べも何もせずに、応募用紙を役場に受け取りに行ったのですが、窓口になってくださった一般社団法人fumotoの大原さんという方が、パン工房の運営支援員の募集と私をマッチングしてくださって今すごく感謝しております。協力隊になるまで、多くの失敗や少しの成功体験を経験し、特に年を重ねた中年の転職でしたので、それまでの経験や知識を生かし必ず即戦力になる意気込みで活動を始めました。私がメインで活動しているおおのパン工房は、閉校した洋野町水沢地区の水沢小学校を工房として活用しております。洋野町大野地区には、大野村時代に造られた四つの工房がありますが、それぞれ年々スタッフが減少しており運営が難しくなっていることから、おおのパン工房を中心に、豆腐工房とそば工房を含めた三つの工房の運営支援での地域おこし協力隊の募集がありました。そちらで、私はパン工房をメインに、パンづくり、パンの納品、販売、SNSの投稿をさせていただいております。実際おおのパン工房のパンは、材料にこだわっており、小麦粉は、100%岩手県産、銀河のちからとゆきちから、食事パンに使用している雑穀は、イナキビとアワなんですけれどもすべて洋野町で採れたもの、牛乳はおおのゆめ牛乳。雑穀が入った食事パンに関しましては、卵とバターを使用しておりませんので、毎日でも召し上がっていただけますし、食事パンと菓子パンに関しては手づくりで防腐剤も入っておりませんので、体にやさしい素朴なパンです。このこだわりをまだまだ身近な町内の方も御存じないので、皆様にただただ知って欲しいという思いで、SNSもインスタだけなんですけれども力を入れております。今現在パン工房に併設している店舗はお休みしておりまして、パン工房のパンが買える場所は、大野と久慈の産直を合わせて4店舗、そしてイベントでの出店です。自分がこの1年活動してきて、一番楽しいなと感じる活動は、イベントでのお客様との対面販売で、20歳から20年以上接客しか経験がありませんので一番職歴を生かせる場面でした。昨年はコロナが5類に移行して、パン工房としての出店も多く、お客様も大変多かったのが印象的です。パン工房が毎年出展していたイベントはもちろん、他の自治体の協力隊に声をかけていただいた協力隊マルシェというものにも、今年、道の駅いわて北三陸と道の駅いわいずみの開催に参加をさせていただきました。協力隊マルシェは、様々な経歴や年齢の協力隊の皆さんと、自治体を超えた、交流ができて、とても貴重で楽しいですし、協力隊というのが任期が決まっている分、その時の出会いを大事にしたいと思えることや、この先の自分にもいろんな可能性があるかもと希望が持てたり、自分の活動の進捗の参考にもなり大変勉強になります。また、最近は協力隊の横の繋がりで、新しいパンの納品先が決まるなど、やりがいも徐々に感じております。また、微力ですが、洋野町内にある豆腐工房の「豆風鈴」、そば工房の「雑穀黄金」も運営支援で携わらせていただいていまして、自分の活動に関わる皆様にとてもよくしていただき本当に感謝をしております。
大野村時代の地元を25年前に飛び出して、当時は全然わからなかったこの地域のありがたみや、すべてが宝の山ということを今更感じて過ごしており、こんなに四季、春夏秋冬の四季に、いちいち感動してそこら辺に自生しているものをすごく食べて、足元で咲く花とか、山とか牧草がこんなに美しいんだと驚きながら過ごしております。方言とかなまりもなくしてはいけない財産と改めて感じております。Uターンしたばかりの時は、こんなに美しい景色のところなのに、なんでもっと宣伝しないのって、もっと何で世に出さないのと思ったんですけれども住んでいれば全部が当たり前で、珍しいものではないので、そこで、やはりよそ者の感覚も持っていなければ魅力も発信できないですし、都会と田舎の感覚の違いも感じ取れないので、あえて全てにおいてなりきってしまわないようにしています。大都市に比べると、こちらはないものだらけで足りないものだらけで、欲を出せばきりがないんですが、今あるもので十分、魅力があるすばらしいプライスレスな洋野町なので、小さい頃に見ていた手が届きそうで降ってきそうな星空が、今でも変わらないであるっていうことが岩手に帰ってきて一番良かったなと思ったことでした。
逆に困ったことは、収入がガクンと落ちることと、あと車がないと仕事がない。雪の冬道やアイスバーンの運転もかなり寿命を縮めています。これらのことが予想以上にショックで、結構途方に暮れたことは覚えています。帰ってきても仕事がない、給料減るよって聞いてはいたんですけども、実際びっくりしました。東京に戻ろうかなって思ったことも結構あります。Uターンの自分でも結構カルチャーショックだらけでしたので、移住とかIターンの方はもっと大変な思いをなさってると思います。
今はパソコンがあればどこでも仕事が出来るという方が増えてきている中で、自然の音しか聞こえない田舎も選択肢に十分なり得るかなと思いますし、公共交通機関がとても不便ですから、観光で時間があるお客様は、何もしない贅沢を味わえる場所だと思います。
私は地元を一度離れた方がいいと思っているので、若い方と話すときはちょっと無責任ですけども、外さ出ろ出ろって言ってしまいます。自分の活動を通じて、次に繋がる協力隊や、パン工房で働きたい、洋野町、久慈広域で働きたい、または地元や岩手県に帰ってきたいなと少しでも思っていただけるよう、自分自身が実際に生き生きと楽しく活動させていただいております。
また、2年目の活動の延長線で、合併した洋野町をまだまだ知らないので、山側の人間として海側の種市方面のことも地元の方々と接して覚えていきたいと思います。今は畑違いの職場ですが、とても充実した毎日であっという間に1年以上が過ぎてしまい、1日の活動時間や、あと任期の3年は短いなとあせっています。任期が終わっても、洋野町を離れる理由がありませんのでこのまま洋野町にいたいと考えておりますし、人口が減って消えてしまいそうな洋野町ですが、自分の活動を通して魅力をどんどん発信し、交流人口だけでも増やすお手伝いをしていきたいと思います。以上です。ありがとうございました。
小野部長
はい。どうもありがとうございました。洋野で働きたいという強い思いで帰っていらっしゃった長谷川さんから様々、地域のありがたさ、不便も多いけれどもといったことでお伺いいたしました。ありがとうございました。知事の方からお願いいたします。
達増知事
長谷川さんは、地域おこし協力隊になって本当良かったですよね。地域おこし協力隊をこのUターンで活用するというのはまだあまり良さが知られていないので、やはりどんどん広めたいと思います。
やはり、それでいて都会の経験というのが非常に役に立ちますし、ただそれをふるさとに戻ってきて役立たせようという時、どこでどう働くかというのが、やはりすごい壁になるところなのですけれども、地域おこし協力隊という形で、まずとにかく体を動かして働いて、一定の収入が得られるというところからスタートできるということは非常にいい仕組みなので、そのUターンで地域おこし協力隊というのはどんどん広めていきたいと思います。
そして、パンの説明を聞いて本当に美味しそうだなと、説明を聞いているだけでも口の中につばが湧いてくる感じでありましたが、思えば、岩手県北部、県北は、ヨーロッパのような気候風土で伝統的には、米づくりよりそういう小麦とか雑穀に向いているということですから、パンづくりには非常に向いているのだと思います。いい原材料が入手でき、また酪農にも向いているので、ミルクとか乳製品とか、それと組み合わせるということでまたさらに美味しくなりますし、どんどん食べられていけばいいなと思います。
そして、本当は地方にはなんでもあって、豊かな植物、そして星もたくさん見えるということで、なんでもあるのですが、お金はないですよね。それが収入の低さに繋がるわけですが、お金に関して、やはり都会というのはもうお金を集めてそれを増やすために、都会というものが形成されているので、お金の量に関しては、それは都会の取り柄ではありますが、一方、お金は今、都会から地方へとか自由自在に動き、あるところにはある。そのお金を地方においても、買ってもらったり、利用をしたりできるようになっているので、やはり生産したものがどんどん売れるとか、そこで行うサービスを利用してもらって収入になるというようなことをどんどん増やせる時代になっていると思いますので、県もそういうことを応援していきたいと思います。
公共交通機関は、これも地方に足りなく、都会はそれで満ち溢れているのは、人口が多いからやはり公共交通機関は都会が充実するのですけれども、人口がない分、公共交通機関は薄くなってしまうのですけど、一方、最低限、運転できない事情があるときにそれでも移動が出来るというようなことをやはり補償するような、この最低限の公共交通はちゃんと岩手隅々にも残していきたいと思います。
このおおのパン工房の情報はどんどん広めて、買いに来る人が増えるとか、この機会にしていきたいと思います。ありがとうございます。
小野部長
ありがとうございました。
それでは続きまして、越戸さんの方からお願いいたします。
越戸 菜摘
改めまして、越戸と申します。よろしくお願いいたします。
私は今まで東京の方に住んでいて、帰ってきたのが2年前になります。現在勉強中のため、知見が不足しており至らない点もあるかと思いますが、普代村で働いてみて、現状課題として感じていることについて、今日はお話させていただければなと思っております。
水産業界の課題として、魚の水揚げ量が極端に減少しているというところがあると思います。久慈地区普代の周辺でいうと、今まで定置網はサケ漁のために、秋サケを取るために、定置網を入れていたというところがあると思うんですが、震災前と比べて、秋サケの水揚げ量は99%減少しており、やっぱり地元の水産加工業の皆さんは秋サケに頼っていたところがあるために、大きな打撃になっています。プラスして、漁師の方々も水揚げが減少していることで、収入が減ってしまい後を継ぐ人がいなかったり、生活できないために辞めてしまう漁師さんが増えているのが現状です。
私たち、水産加工の会社として出来ることとして、魚価を上げることが必要なのではないかなと考え、まずは衛生管理の向上は最低限営業をする上での土台として必要だと思い、HACCP(ハサップ)の施設の認証に向けて取り組んでおりました。HACCPとは何かというと、ハザードアナリシスクリティカルコントロールポイントHazard Analysis Critical Control Pointの略なんですが、食品等事業者自らが食中毒汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握した上で原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去又は低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法です。最低限、そちらのHACCPの認証を今回取ることが出来ましたので、今後はより付加価値をつけた商品を積極的に展開していきたいと考えています。岩手県にお願いしたいこととしては、漁師さんが増えるような取り組み、家族が生活できるような最低限の収入を確保できるような仕組みづくりにお力添えいただきたいと考えております。簡単なことではありませんが、先日ニュースで見たお話として、宮城の気仙沼はカツオの水揚げ量が、27年日本一というお話を見ました。理由をニュースで調査していて、漁師さんたちに聞くと、結構出稼ぎで来られてる方々も多くて、それなりの収入が期待できるためというお話でした。理由としては、水産業界は、競りだったり、入札だったりあるんですが、高い値段と低い値段が結構差が出たりするんですよね。同じ鰹、その日に取れた同じ鰹でも、物がいいものは、高く売れて、ちょっと物が良くないとか、大量に採れすぎると魚価が下がってしまって、安く売られてしまうことがありますが、気仙沼はその低い価格っていうのが、周りよりも高いことで安定した収入が得られると漁師さんはおっしゃっていて、あと、船から帰ってきた時に、癒しの空間があることで、励みになるというお話をされていました。船が帰ってきた時に、『お帰りなさい』っていうふうに、地元の方々に言ってもらえたりとか、あとは疲れて帰ってきて、おいしいものが食べられる飲食店がある、行きつけのお店が出来てほっとできる、あとは、銭湯があることで疲れを癒せるというお話を漁師さんはしていました。やっぱり誰かどこか一部分の人だけが頑張っても、漁師さんを増やすということは難しいと思うんですが、地域全体で盛り上げていけるためにみんなで創意工夫ができると良いなと思います。久慈地区、特に普代村は漁師町だと思います。昔は漁師さんがいて、魚がたくさんとれたことでとても潤っていました。しかし魚の減少に伴い収入が減ったことで、やっぱり廃れていってる部分もあるのかなと思うので、水産業界を盛り上げることが、地域が元気になることにも繋がるのではないかなと思います。
東京で働いてみて思ったこととして、馬内さんもおっしゃっていたと思うんですけど、楽しいこととかワクワクすることっていうのが東京には多いように感じます。確かに田舎でも、自然の楽しみ方があると思いますが例えば船に乗ったりとか、リゾートによくあるようなマリンスポーツなどをするような場所があまり整備されてないことで、気軽に遊びにくいので娯楽が少ないように感じるのかなと思いました。
あと、東京など遠方から、お客さんがこっちにいらっしゃって接待をすることもあるんですが、泊まるところがあまり多くないと感じています。すごく景色のいい場所が沢山あると思うので、そういう景色がいい場所に温泉を掘ってもらえると、観光客の方はもちろん、仕事でこちらにこられた方も印象に残る素敵な地域になるのではないかなと思いました。以上です。
小野部長
はい。ありがとうございました。主要魚種の不漁といったことで、まずは越戸さんの方でHACCPの認証で、魚価を上げる取組をされているといったことです。また、水産業界を盛り上げることで地域の活性化に繋がるということで、県に対しても様々要望を頂戴したところでございます。
知事の方からお願いいたします。
達増知事
越戸商店さんは、この岩手を代表する水産加工会社の一つでありまして、工場を何年か前見せていただいたことがあったのですが、その時にタコを活用するようにラインを工夫していて、サケ、サンマ、イカも取れなくなってるというのに対して、取れるものを材料入手できるものをどんどん活用して販売を確保するという、そういう工夫がさすがだなと思っておりました。
そして、HACCPというのは、もともとハザードを防止するという危機管理の体系なのだというのを思い出したところで、衛生管理というイメージがあるのですけれども、同時に危機管理なので、今の水揚げの減少というのもまさに危機なので、そういうことに対応する力というのも、HACCPを通じてついてくるというか、もともとそういう危機対応の力があったのでHACCPも取得できたのではないかというふうに思います。普代村は、岩手県でも人口が一番少ない村なのですけれども、一方、NHKの新プロジェクトXで取り上げられた、海士町、島根県の隠岐の島のですね、あそこと大体同じくらいの人口じゃないでしょうか、2000何百人かということで。地域振興の日本における第一人者の藻谷浩介さんという方は、2,000人から3,000人ぐらいの単位が、人が生きる単位としてちょうどいいんじゃないかということを最近言っています。第一次産業の漁業やあるいは農業を基本にしながら、一定のなりわいを確保して、そして行政サービスも確保でき、お祭りをやったりとかそういうことができると。海士町の成功例は、人の多いところ、都会とも様々繋がって、そこから来た人たちがいろいろ、イベントの仕掛けを手伝ってくれるとか、そういう都会との繋がりがあるとさらにまた、地域振興が強力になっていくということで、普代村は越戸商店の商品のファンの皆さんが全国にいますし、また、鵜鳥神楽ですよね。私は去年初めて神社の入口のところまで行ったのですけれど、神社の規模の大きさとか、あそこの入口のあたりから海が見える感じとかというのは、かなり人を呼ぶ力があるなと思いまして、あの辺に1泊泊まりながらゆっくり過ごしたいなと思いましたね。ですから、普代村は今のままでも様々地域資源とか力はあると思ってるのですけれども、さらに、外から来る人との繋がりの力を高めるためのいろんな施設に繋がるような、そういう更なる開発はいろんなアイディアがあり得ると思うので、県としても人口の少ない町村に光を当てながら、この人口が少ないところの良さというのに、みんなに注目してもらうようにしないと、岩手県全体が人口が少ないからといって切り捨てられちゃまずいので、日本の中で人口が少ない県もいいんだというふうにしていくには、岩手県の中で人口の少ない町村もいいんだという、そういう価値観をまず岩手の中に広めて、日本全体にも広めなきゃと思っているので、普代村を盛り上げるためのいろんなアイディアはどんどん伺っていきたいと思います。ありがとうございます。
小野部長
はい。ありがとうございました。
それでは最後に、みずみずしいブロッコリーとともにお待ちいただいておりました、新山さんお願いいたします。
新山 麗佳
野田村の新山麗佳と申します。私は東京で生まれ育ち、20歳の時に結婚を機に野田村に移住しました。小学校の頃に、キャベツ農家になると言っていたことを思い出して、当時、家の裏の畑で野菜づくりを始めました。初めて育てたのはじゃがいもで、収穫したときの喜びを今でもはっきりと覚えています。そして初めての畑は、震災の津波で流されてしまい私の畑生活はそこで一旦終了しました。
子育てをしながら道の駅で働くようになり、山ブドウや野田塩など野田村の特産品があることを知りました。そこで、山ブドウに関わる人たちの熱い思いに感動しました。私もこの村で何かしたいと思うようになりました。そんなとき、夫がブロッコリーの新規栽培体験会に参加し、県内でも宮古エリアは春どりブロッコリーの栽培が盛んなことを知りました。私もやってみたいと思い、令和3年に就農しました。
1年目は春どりブロッコリー30アール、露地きゅうり8アール、秋どりブロッコリー20アール、ねぎ30アールの栽培をしました。初めて大きく野菜の栽培をしたので、草などの管理にとても苦戦しました。4年目の今は、今年は春取りブロッコリー2.4ヘクタール、露地きゅうり13アール、ハウスきゅうり13アール、秋どりブロッコリー80アール、ねぎ30アール作付けする予定です。ここにあるブロッコリーは今、収穫期真っ最中のブロッコリーになっています。失敗から学んだことを活かして、作付けを拡大してきました。拡大することにより雇用も出来るようになりました。今来てくれている方の中には、60代、70代の方もおり、働けるところが出来て嬉しいと言ってくれています。喜んでもらえることでこれからもこの仕事を続けていきたいと強く思うようになりました。高齢化している今、後継者不足や担い手不足により、耕作放棄地が増えているのが現状です。野田村でも農家をやめ、荒れ地になっているところが目立ってきています。私はその耕作放棄地を利用し、今後も畑を拡大し、雇用などを増やすことで地域活性化に繋げていきたいと思います。
小野部長
ありがとうございました。新山さん、作付面積を拡大してそして耕作放棄地を、更に農地に戻したといいますか、そこで、新たな拡大をしながら、更に高齢者の皆さんも雇用されているということで、どんどん地域の雇用にも繋がっているというお話をいただきましてありがとうございました。
知事の方からお願いいたします。
達増知事
2.数ヘクタールというのはすごい規模だなと驚いたところでありまして、30アールでもすごいと思っていたのですけれども、それだけの規模でブロッコリーというのは、これはいいところに目をつけられ、また、実際体を動かしてやってるというのはすごいなと思います。人も雇えるようになったということで、是非、この調子でと言いたいなというふうに思います。
ブロッコリーは、日本政府としても注目していて、つい最近、指定野菜に新たに認定され、また、ブロッコリーの説明会に出たのがきっかけということで、説明会もちゃんとやっていて良かったなと、行われていて良かったなと思いますし、うまくそういう将来性のある作物が、うまく新山さんの志に結びつき花開いているということ、大変いいなと思います。
私は若い頃、アメリカで2年間一人暮らしをしていたことがあるのですけれども、まず、常に家にはブロッコリーがあるような格好で、結構日持ちがし、生でサラダで食べてもおいしいし、茹でてもおいしいし、野菜炒めっていうか炒めて中華風にしたりとかいろんな食べ方があり、チーズと一緒に電子レンジで温めただけでもすごく美味しくなるという、チーズ&ブロッコリーですよね。本当にいろいろな食べ方があり、簡単に食べられるのでブロッコリーはまだまだ普及するんじゃないかと思います。県でも、ブロッコリーは応援していて、是非是非先頭を走るということでやっていただきたいなと思います。野田村はワインでも有名なのですけれども、涼しさと陽のあたり具合がワインにちょうどいいという話を村長さんからすごくじっくり聞かされたことがあるのですけれども、多分ブロッコリーにもいいのでしょうね、そういう気候が。ですから、ああいう地の利を生かして、是非、この調子で成功させていっていただきたいなと思います。ありがとうございます。
小野部長
ありがとうございました。
ここまで4人の皆さんからお話をいただきました。やはり背景として、人口減少であったり、そういった中でのなかなか暮らしが不便な点もある、あるいは収入が十分に得られないところもあるといったような課題はあるのですけれども、そういった中でそれぞれの皆様、Uターンをしたり、あるいは結婚を機にこの地にいらっしゃって、それぞれの特徴あるいは気に入った点、愛するものそういったものを活かしながら取組、日々のいろいろな仕事であったりそういったものを進めていらっしゃいます。
そういったところで共通するのは一つ、やはりワクワクするといったこと、機会であったり、そういった場があると、若い人たちもこの地のよさに気づいてくれるなといったところもあると。先ほど笑顔というお話もいただいておりますし、そういう中で若い人たち、あるいは若い人たちにも限らないと思うんですけれども、チャレンジする背中を押して、自分も含めてそこに飛び込んでいく、あるいは背中を押してあげるというような話もいただいておりました。
また、そのためにはというところで、やはり県には主要魚種の不漁にあるような様々な収入、あるいは仕事の場、こういったところの確保については、県の取組をしっかり進めて欲しいというようなお話も頂戴したところであります。県といたしましても、今日伺いました点につきましては、県の方に持ち帰りまして、関係の部署と一緒に取組の参考にして、次なる取組を考えて参りたいというふうに思っております。
ここまでお話いただきましたけど、まだ少しお時間ございますので、言い足りない点、他の方々のお話を聞いてもう少しここについて話したいといったこともあろうかと思いますが、どなたかいかがでしょうか。馬内さんいかがですか。
馬内 広斗
やっぱり久慈とか普代とか野田とかというのはすごく一次産業っていうのは、もっともっといけるんじゃないかなっていうふうには自分はすごく前から思っていたんですが、越戸さんだったり、あと新山さんがおっしゃっていたとおりに、すごくいい取組とかされていて、自分も知らなかった部分っていうのがいろいろあったのですが、自分は主に久慈地域のみで活動をしていたのですが、久慈地域だけじゃなく、やっぱり洋野とか野田とか普代とか広域で活動していって、全体がしっかり盛り上がっていけばより良いなっていうふうに今感じたので久慈地域のみならず、イベントとか、あとそういった活動をどんどんしていきたいなっていうふうに今感じました。
小野部長
ありがとうございました。
その他いかがでしょうか。今、馬内さんの方からも、広域の横の繋がりをさらに広げていきたいというお話もいただいております。また先ほど長谷川さんからも、協力隊マルシェであったり、そういう協力隊の繋がりをはじめ、横の繋がりっていうのは実は大きいなあというふうな話もありましたけれども、そういった意味で何かこれからこういった繋がりを活かしていきたいとか、そういったこともあろうかと思いますけども、何かございますか。繋がりこんなところに広げていきたいなあとかですね。今思ってるところとか、あるいは業種を超えたというのもあるかもしれませんが、何かございますでしょうか。長谷川さんに振ってしまいますがいかがでしょうか。
長谷川 恵美
御質問のお答えに沿えないかと思うんですけども、今日来ている皆さんに。
まず、普代の越戸さん、久慈市のふるさと納税を見ると、いつも越戸商店のタコが1位なんですよ。それでずっと前からすごいなと思ってまして。あと、去年からちょっと体を作るようになったこともあってブロッコリーをすごく食べていて、今、ブロッコリー高い時期もあるじゃないですか。なのでもう自分で作るんだったら、農家で作るんだったらブロッコリーだなって思っていたところでした。
(新山さん)始めるときは教えてください。
そして、馬内さんなんですけども、今、活動なさってるユベントスは、私が高校時代に行ってた喫茶店で、そこの生姜焼きがすごくおいしくって、ポークジンジャーって言うんですけど。それをまた食べたいなと思って、こっちに岩手に帰ってきてあるかなと思ったらもうお店がなくてやってなくって、すごい残念だったところに、またユベントスで始めてくださってすごい嬉しいなと思ってました。以上です。
小野部長
ありがとうございます。今日の懇談会を通じてまた新しい繋がりができたんじゃないかなというふうに私も感じておりまして、本当にありがとうございます。
いかがでしょうか。せっかくですからタコのPRも含めて、ちょうどそちらにもございますし。
越戸 菜摘
すいません。ふるさと納税で売っている蒸しダコとは違うんですが、タコの口を使った商品で、弊社の商品だとほとんどが冷凍品、冷蔵品っていうのが多い中で、常温で保管できるものです。道の駅の中に店舗を1つ保有しており、観光客が多い場所でもお土産としても持ち帰りやすいものとして販売させていただいております。これを作った経緯として、まだ私は入社してなかったんですが、母がタコで捨てる部分というか、捨てはしないんですけど地元だと煮て食べたりすると思うんですが、普通の一般の市場ではなかなか出回らないものの価値を上げたいということで作ったのがこの商品です。結構タンパク質も多く体にもいいんですが、チキンみたいな味を楽しんでいただけるかなと思いますので、一度是非召し上がっていただければと思います。
あともう1点カットわかめを持ってきたんですけど、これも常温保管ができるものです。最近は塩蔵のわかめの売れ行きが減ってきていて、弊社でも水戻しして、そのまま食べれる形で市場に納めていたりします。消費者の方向けとして、このカットわかめだと既に切ってあって水戻しするだけで使える簡単なわかめとして御案内させていただいています。この商品のパッケージを岩手に帰ってきて、一番最初に作ったというかデザインはしてないんですけど、複数の資材や新しいデザインの中からどのような形で販売するか検討して作った商品で、私としては思い出深いものです。
あと余談なんですけど、長谷川さんが車の運転がすごい大変だったっていう話をされていたと思うんですけど、私もずっとペーパードライバーで運転したことがなかったので、帰ってきたばかりの頃はひとりで移動が出来なくて大変だったのを思い出しました。慣れるまで工場の駐車場をちょっとグルグルしてみたりとか20キロぐらいで道路に出てみたり、すごい練習をしました。今はちょっとずつ慣れてひとりでも移動出来るようになったんですが、やっぱり冬道とかはすごい怖いなと思いながら、30キロ40キロで安全に通ってるんですけど、やっぱりそういう交通の便が少しでもよくなるといいなと思っていました。あと、私事なんですけどお酒が大好きなので東京にいるときには、気軽に飲みに行けたのが、この辺だと足がないのでなかなか誰かが飲まないで運転するか、タクシーを呼ぶかになってしまうので、交通の便っていうのは良くなると飲みにも行きやすくてうれしいなと思いました。
小野部長
ありがとうございました。
それでは最後に新山さんから、知事からもブロッコリーのおいしい食べ方もありましたけども、新山さんのやはり野田での野菜づくりへの思いが強いと思いますので、最後に締めで思ってることで結構でございますのでお願いします。
新山 麗佳
私、本当に野菜が大好きで本当にちっちゃい頃から父と一緒に家庭菜園をやってたんですけど、きゅうりとかの育て方をもう全然知らなくって、なんか曲がったキュウリができたね、とかって言っていたのをすごく覚えてるんです。本当にこっちに来てじゃがいもを育てるって、植えればできるじゃん、っていう今思えば簡単なことなんですけど、本当に初めての収穫の時にすごく嬉しくて、これいつか私農家に本当になるんじゃないの、なんていう期待を膨らましてたんです。震災のときにやっぱり自分の家は一部損壊程度で全然大丈夫だったんですけど、この春とれる玉ねぎを楽しみにってすごくワクワクしてたんですけども、それを流されてしまってすごくショックを受けて、もう多分もうやりたくないなって真っ暗になった自分がいました。けれども、ブロッコリーの会議に行かせてもらって、旦那がそこでブロッコリーすごくいいよっていう。岩手県だと、多分宮古地区が一番の生産量になるんです、春どりブロッコリーは。一応東北でも岩手県は3位に入るそうです。そこで、ちょっと私もチャレンジしてみたいなっていう思いからスタートしたのがきっかけなんですけど、今はこの宮古地区でも今年の春どりブロッコリーは、3番手に入る面積を作ることになっています。
まだまだ上の方がたくさんいる中で、私の村はやっぱり高齢者の方が多くて、60代70代の方が、「結構手余して暇なんだよね」っていう方がたくさんいるんです。その方々の雇用にも繋がればいいなあと思って規模をどんどん拡大してて、今、2.4ヘクタール。一応来年には3ヘクタール、再来年は4ヘクタールと、ちょっとずつですけども増やしていって、ちょっと、もうちょっとでいいから雇用を増やして、たくさんの人たちに笑顔になってもらいたいなって思っていました。
多分一次産業は絶対になきゃいけないものだと思ってます。もう食べるのって一番大事ですから。そこに関われるようになってすごく嬉しく思ってますし、またそれをやることによって、本当に笑顔が生まれるっていう大切さも知ったので、これからもどんどん広げていって活性化っていうかもう本当に皆さんが思っている若者をも巻き込んで、地域づくりをしていきたいなってすごく考えております。
小野部長
新山さん、最後に締め本当にありがとうございました。
知事所感
小野部長
それでは、時間がまいりました。
最後に達増知事からお願いいたします。
達増知事
いわて未来づくり機構という岩手大学の学長さんや、商工会議所連合会の会長さんや経済同友会の会長さん、そして県知事がメンバーになっている会議に、山形県の庄内地方で「SHONAI」っていう名前のベンチャー企業をやっている山中大介さんという若い人を呼んで講演をしてもらって、ベンチャースピリットの迫力にみんな圧倒された一夜を過ごしたんですけれども、この岩手のこの久慈地域においても、そういうベンチャースピリットが負けずに根づいて、そして育っているということを今日は感じることができまして大変心強く思いました。県は、やはりそれがどんどん増えて、伸びていくことをしっかり支えていかなければならないと改めて思ったところでありまして、交通の問題でありますとか、様々な地方の不便さの解消など、そういったところをやりながら、あとは、いろいろな活動が行われていて、こういう商品があり、こういう生産が行われているというようなことをもっと、ずーっとどんどん広めていく情報の発信が大事だなと改めて思いました。岩手の宣伝不足問題っていう岩手全体としても、なぜこれを宣伝しないんだとか、今まで知らなかったとか言われることが多いのですけれども、やはり知らないままにさせておくにはもったいないので、県内、そして都会など県外にも発信し、外国人にも知ってもらえるぐらいに、情報発信を盛んにやって盛り上げていきたいと思います。今日はどうもありがとうございました。
小野部長
ありがとうございました。
閉会
小野部長
皆様本日は貴重なお時間いただきまして本当にありがとうございました。いただきました御意見につきましては、持ち帰りまして、県の関係部局と共有し、今後の県の政策に反映させてまいりたいと思います。
また、今知事の方から情報発信不足というお話もありました。これにつきましては、県としてしっかりと対応してまいりたいというふうに考えております。
それではこれをもちまして、県政懇談会を終了いたします。本当にありがとうございました。
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