令和2年5月22日知事会見記録

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開催日時

令和2年5月22日 10時30分から11時25分

会見記録

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いします。

知事
 令和元年度の岩手県文化スポーツ表彰及びいわて暮らしの文化特別知事表彰受賞者の決定についてです。
 岩手県文化スポーツ表彰は、本県の文化及びスポーツの振興に顕著な功績のあった個人又は団体を表彰するものです。
 いわて暮らしの文化特別知事表彰は、長年にわたる県民の日常生活に密着した文化的・芸術的な活動について、その功績が顕著である個人又は団体を表彰するものです。
 令和元年度の受賞者は、岩手県文化スポーツ表彰の文化分野では個人5名、スポーツ分野では個人11名です。いわて暮らしの文化特別知事表彰では、個人3名、1団体です。
 受賞者のお名前また御功績については、お手元の資料を御覧いただきたいのですが、今回2回目になるいわて暮らしの文化特別知事表彰については、改めて紹介しますと、まず黒沼亮介(くろぬま・りょうすけ)さん、株式会社盛岡クラブチェンジの代表取締役社長を務め、岩手における音楽イベントの運営など、文化芸術振興に大きな貢献をしています。そして、小暮信人(こぐれ・のぶひと)さん、南部興行株式会社代表取締役社長として、映画祭の開催などを通じ、岩手の文化芸術振興に多大な貢献をしています。そして、道又力(みちまた・つとむ)さん、日本脚本家連盟の脚本家であり、岩手の文学史を体系的に取りまとめられたこと、地元関係の多くの脚本を執筆されていることなどで、本県の文化芸術振興に多大な貢献をしています。そして、るんびにい美術館、長年にわたり障がいの垣根を越えた交流機会を提供し、作品を紹介するなど、本県の文化芸術振興に多大な貢献をしています。
 表彰式については、今後の新型コロナウイルス感染状況等を踏まえて開催いたします。日時が決まり次第、お知らせすることとします。
 以上です。

広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。

幹事社
 質問の前に、記者クラブへの転入者を紹介します。5月に転入した記者から一言挨拶をお願いします。

 (記者紹介)

幹事社
 それでは、ただいまの発表事項1件について、各社から質問があればお願いします。

記者
 今、特別知事表彰の御紹介もありましたが、文化、スポーツそれぞれ年齢の若い方から先輩、大先輩に至るまで幅広いのですが、岩手の文化芸術のその裾野の広さみたいなこともあると思うのですが、知事、改めて御所感を頂ければと思います。

知事
 そうですね、歴史的な蓄積があって、また裾野の広がりがあり、その上で国際的にも活躍する若い人たちがどんどん出てきているということで、大変頼もしく思います。今新型コロナウイルスの関係で通常の形で文化活動やスポーツが難しい状況ではあるのですけれども、この文化の力、スポーツの力というものは復興の力にもなってきましたし、地域振興の力にもなってきました。感染防止と、そして文化、スポーツ活動の両立をうまく図りながら、岩手の文化、スポーツの力が、このコロナ対策に、様々な大変な思いをしている世の中に役立つことを期待します。

幹事社
 それでは、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いいたします。

記者
 今、スポーツのことも出ましたのでお聞きします。日本高野連が20日に夏の甲子園中止を決定しまして、インターハイなども含めて中高生の全国大会が軒並み中止となっております。知事として、この件についての御所感を伺います。

知事
 それぞれ感染防止とスポーツ活動の両立について、いろいろ悩んだり、また盛んに調整をしたりしながら、最終的には団体の自治として、民主的な手続に沿って決定をしたということと受け止めていますので、その決定についてはそれぞれ重く受け止めたいと思います。
 一方、大会での活躍のチャンスということがなくなってしまった、その活躍を目指していた選手の皆さんに対しては、気の毒だなという気持ちがある反面、何らかの形でそれぞれのスポーツの本質に迫りながら、自分の力を高め、そしてそれを他の人にも評価してもらえるような、そういうやり方というのがあり得ると思うので、そこをそれぞれのスポーツをされる皆さんや、また、団体毎に工夫をしていただきたいなと思います。

記者
 鳥取県では、県独自の大会に、県が会場使用料やネット中継の費用など約1,000万円を盛り込んだ補正予算案を6月の県議会のほうに提出するというふうに報道されています。岩手では、高校野球では独自の大会の開催可否を現在検討しているというところですけれども、岩手としてそのような支援が可能であるのか、またほかの支援する方策があるのでしょうか、お伺いします。

知事
 岩手の高校野球については、岩手の高野連で検討中と聞いていますけれども、一般論として、文化、スポーツに関わるコロナ対策を克服して、様々な、今までやったことがないようなことをやろうということについては、県としては、それは大いに支援していきたいと思います。

記者
 新型コロナのことでお伺いします。昨日、緊急事態宣言が京都、大阪、兵庫で解除になりましたが、この解除を受けて、知事から岩手県民の皆さんに改めて何かメッセージがありましたら教えていただきたいのですが。

知事
 大阪、京都、兵庫において感染の拡大が収まってきて、感染のリスクが低くなっているということで、これはいいことだと思います。緊急事態宣言の対象にならない地域については、そこのリスクを見極めながら、不要不急での行き来を自粛要請がなく、社会経済活動をやっていただきたいと思っておりますけれども、ただ、堰き止められていた水を一気に放流するような感じで多くの人がどっと動きますと、リスクが急激に高まる危険性というのが出てきますので、状況を見極めながら、まず不要不急ではない、仕事等の行き来については、これは自粛をお願いしていないですので、そういったところで判断を迷っていたような方々は、必要であれば思い切って行き来していただければと思います。

記者
 もう一点なのですが、新型コロナの影響で、無観客でのレース開催がずっと続いている岩手競馬についてお伺いしたいのですけれども、一昨日、競馬組合のほうから、もし無観客で半年間レースを続けた場合、好調なインターネットの馬券販売があったとしても、3億6,000万円の赤字になるという見通しが出たのですが、知事としてはこの試算をどのように受け止めていらっしゃいますか。

知事
 ざっくり言って、売上げは1.5倍に増えているのですけれども、それでも収益というのですか、決算としては赤字が見込まれてしまうというのは、非常に残念な状況であります。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、全国的に無観客競馬でやっている中でそういう現象が起きているということでありますので、ファンの期待はますます高まり、また勝馬投票をしたいという人、実際する人が増えている状況ですので、そうした皆さんの期待にちゃんと応えられるような持続可能な経営を可能にするような工夫をしていかなければならないと考えます。

記者
 私も関連して岩手競馬のことについて伺うのですけれども、岩手競馬では単年度収支均衡ルールというのがあると思います。昨年来、禁止薬物問題があったときに、特にその存廃ルールの見直し、ということにはならなかったと思うのですけれども、今回、この新型コロナウイルスの感染拡大がいつまで続くか見通せない中で、改めて存廃ルールを見直していくというお考えはあるのか、についてお聞かせいただければと思います。

知事
 競馬組合としては、やはりルールにのっとって、岩手県、奥州市、盛岡市に迷惑をかけないように、赤字にしないように頑張りますということが基本でありまして、組合の管理者の立場からすると、そういう「組合、頑張れ、努力と工夫で乗り越えろ」というスタンスなのですけれども、一方、知事の立場から見ますと、県議会議員の皆さん、また競馬組合議員の立場に加え県議会議員、あるいは奥州市と盛岡市の議員としての発言などを聞いて、その辺から県民や市民の声を推しはかっていきますと、東日本大震災津波のときもそうでしたが、競馬組合が原因ではないような理由で、構造的に収入が大きく減るというような場合には、競馬組合の外から何かしなければならないのではないか、という声があるというのは感じております。
 一方、そもそも公営競馬として存在している理由は、構成団体にお金を還元するというのが存在の意義であり、300億円余の借金をきちっと返すということが存在意義であろう、まずとにかく借金を返せというような声もあるという、そういう正反対の考え方があると承知しております。
 そういう中から、今の競馬組合、岩手競馬に対してどうすべきかということは、まだ形にはなっていないところでありますけれども、今は売上げは1.5倍に増えているのに収益構造は赤字が増えてしまっているという、この実態を関係者のみならず県民に、奥州、盛岡の市民にもよく知ってもらって、その中でみんなで考えながら、どうしていけばいいかを決めていければいいと思います。

記者
 もう一点だったのですけれども、今、無観客開催がずっと続いておりますけれども、今後、お客さんを入れての開催の判断というのはすごく難しいとは思うのですが、ファンの方の中には、岩手県で感染者がまだ未確認ということもありまして、地方競馬の中で再開するには対策を徹底した上で、岩手からやってもいいのではないかといった声も聞かれるのですけれども、お客さんを入れての再開の判断についてはどのようにお考えでしょうか。

知事
 これは、どんな分野でも感染防止対策と社会経済活動の両立が出来ればいいわけです。それは、要は飛沫を浴びない、浴びさせない、手についたかもしれない場合はちゃんと洗って、顔につけないようにする。ということが出来さえすればいいのですけれども、競馬の場合は、レースに夢中になってくると人が密集したり、つい大声を出したり、そういう飛沫を普段以上に出す可能性もあるので、独特の工夫が求められるのだと思います。でも、工夫の余地がないわけではなく、距離、ディスタンスを確保しながら、円滑に勝馬投票券を買って、そしてその場で競馬を楽しんでいただくということは不可能ではないと思っておりますので、工夫のしどころであります。その関係でも、今売上げは1.5倍なのに、無観客レースであるがゆえに収支が赤字にどんどんなっていく。これを観客がきちっと自分をコントロールして、密集したり、大声で叫んだりとかしなければ、観客つきのレースが可能になるのだということを利用者の皆さんがきちっと自覚し、自ら進んで距離を取ろう、叫ばないようにしようという、そういう機運が満ち満ちてくれば、より実現可能性は高まると考えます。

記者
 私も、すみません、競馬の関係だったのですけれども、今おっしゃった一定の距離を取るとか、そういった部分は感染対策プラスアルファで難しいという部分もありますが、先ほど知事がおっしゃったように、ネットの売上げは好調ですが、ただ赤字についてはやっぱり入場料収入の減少が一部考えられると思うので、例えば入場制限であったり、何人ぐらいという、あと競馬場のほうでエリアを区切るなりなんなりして、再開に向けて判断するというのは、知事の頭の中でどれぐらいに判断するというのはありますでしょうか。

知事
 組合職員たちは、常に状況、実態を見たり、また他の主催者、全国の他の地方競馬主催者や全国団体と情報のやり取り、意見交換などして、今どこまでできるかというのを推しはかろうとはしているところと理解しています。

記者
 そうすると、そういった再開の時期の判断についても、まだ現段階では不明というところですか。

知事
 具体的にはそういう話は出てきていないのですけれども、ただ感染防止策を一定程度講じ、再開ということは、これはできるだけ早くしたいという気持ちもまた同時にあります。

記者
 分かりました。あと、先ほどの甲子園の関係で、中高生のスポーツ大会が軒並み中止になって、県としても支援のほうを考えたいということですが、今後、補正予算で方向性や具体的なものは何かあるのでしょうか。

知事
 当初予算の中でも、文化振興、スポーツ振興の予算は様々ありますし、またコロナ対策を直接の目的とするような予算については、これは必要であれば常に補正予算というのは組まなければならないと考えていますので、文化、スポーツ関係もそのとおりです。

記者
 話が変わりまして、9月入学の導入について伺います。岩手県では、ほぼほぼ通常どおりの運用となっていると思うのですけれども、一方で学校の9月入学について、政府、あと自民党が検討を始めています。この9月入学導入について、知事は賛成なのか、それとも反対なのか、どちらか教えていただけますか。

知事
 岩手においては必要性をあまり感じていないというのは、過去も発言したとおりであります。そして、岩手においても、ゴールデンウイーク中に平日ベースで2日の休校を高校でやったり、また陸前高田市の、高田高校が独自の休校をやったこともあります。小中学校もそれぞれ休校の実績はありますけれども、その際、教育委員会、県も市町村も、教育委員会においては、その休校というのは勉強をしない時期ではなくて、家庭学習についてはきちっと指導して、家庭学習をしてもらう、学校に来なくても必要な勉強ができるようにしていたと聞いています。一般論としては、コロナ感染対策として休校が続いていたとしても、学ぶべきことはそこできちっと学んでいなければならないので、休校中、学べなかったから、それを全部なしにして、9月から全く新しく始めるという発想は、岩手県としてはそういう発想は基本的にないのですけれども、ただ岩手は、感染未確認地域でありますから、そういう感覚でいるわけでありまして、感染が一定程度あったところや、また長きにわたって緊急事態宣言の対象になるくらい感染がひどかった地域においては、やはり家庭学習と言われてもそう簡単ではない、という気持ちは、そこは経験していないので、そういう実際のコロナウイルスの蔓延というのを実際に体験していないところから、それでも勉強はしなければ駄目だったはずだろう、ということは言えないなと思っております。
 あともう一つのポイントなのですけれども、生徒や保護者、家庭の方々の立場からすれば、飛び級などで早く卒業できるというのはうれしいことだと思うのですけれども、卒業が遅れるというのは基本的に困ることだと思うのです。そして、学校というのは入学の時点で、今から3年間で卒業してもらう、小学校だったら6年間で卒業できると、卒業の暁には次の学校に進んだり、あるいは社会に出て働いて稼ぐことができるという約束で入学してもらっているわけなので、それを途中で、卒業が半年遅れるというのは、なかなか生徒や家庭の方々との関係では難しいのではないかなと考えております。
 文部科学省が過去に、9月入学生を色々と検討した際には、半年早めるというやり方を考えていたと聞いています。半年早めると、卒業の時期が諸外国と同じくらいになる。実は、今の状態だと日本で高校や大学を3月に卒業するというのが、諸外国の同世代よりちょっと遅いらしいですよね。そうすると、それをさらに半年遅らせると、もう1年ぐらい社会に出るのが遅れるとか、上の学校に行くのが遅れるとかなってしまうということもあり、そう簡単に9月入学、とは言えないのではないかなと思います。
 ただ、繰り返しますけれども、岩手は、新型コロナウイルス陽性患者の発生、そして感染の拡大・治療など、他のところはしている苦労をしていないので、そういう立場から他の県に対して、今まで休校中の勉強というのはできなかった、今後休校が続くとすると、そこでの勉強もできないということに対して、なかなか批判はできないなと。そういうことを前提とした半年延期の9月入学制度導入ということについても、正式な反対をするのは難しいかなと思っています。

記者
 そうすると、岩手のようにこのまま4月入学で進めようとするところと、9月入学のところ、地域毎にダブルスタンダードでもやむを得ないのかなというお考えですか。

知事
 勉強というのは、やればやるほどいいというところもありますので、3月まで岩手県内は、今年度のカリキュラムを予定どおり3月までに終わらせて、さらに半年、各学年でボーナス期間がつくとしたら、そこでさらに発展的な学習をしたりとか、あるいは学校外での色々な活動のほうに力を入れたりとか、そういうこともできるでしょうし。社会に出て稼ぐのは、半年遅れることで、それぞれの家計収入が半年分収入が減ってしまう弊害については考えていかなければならないと思うのですけれども、長く勉強できるようになるということは、基本的に悪いことではないと考えます。

記者
 ありがとうございます。あと話題が変わりまして、東京高検の黒川検事長の辞職について伺います。緊急事態宣言期間中に賭けマージャンをしていたことを黒川検事長が認めて、辞表を提出しました。この件について知事の受け止めを教えてください。

知事
 まず、検察官のトップ人事、検事総長になっていくような人たちの定年延長を内閣の裁量で自由に決められることはよくないということは、今回の件と無関係にありますので、その部分の法案を廃案にしたほうがいいという考えは先週、先々週からそのままであります。
 そして、黒川氏の今回の問題については、それでも法案の改正について政府側の説明の中で、やはり定年延長してもらわなければ困る人はいる、目の前にいる、実際に定年延長された例として黒川氏がいたということなので、法案の説明として政府がしてきたことが更に弱くなるということがあると思います。
 ということで、いち早く検察庁法改正案部分について廃案にするという作業をしていかなければならないと思うのですけれども、そういったやり直しの作業を自民党と公明党の連立政権の形だけでやっていっていいのかというと、繰り返して言っていますけれども、その体制だから今回の検察庁トップ人事に関わる一大失策をしてしまったわけで、やはり内閣の形を変えないと新型コロナ対策を的確に進めるということも含めて心もとないなと思いますので、立憲民主、国民民主からも閣僚を入れて、挙国一致内閣、そこに維新の党とか、社民党、共産党とか閣外協力すれば、オールジャパンのワンチームができて、検察問題のやり直し、きちっとした善後策、再発防止というか、検察をめぐる様々な課題を克服していくことにもつながり、コロナ対策を的確に進めることもうまくいくと思います。

記者
 ありがとうございます。質問で、検事長が賭けマージャンしていたということ自体についてはどのように受け止めていらっしゃいますか。

知事
 賭博罪ですか、さらには接待マージャン説もあり、わざと記者側から何万円というお金が渡され、それに見合う何か情報の提供とか便宜の供与とかがもしあれば、贈収賄とかいう可能性もあるのだと思いますし、またそれが今回指摘されている1回、2回だけではなくて、過去に常習的に行われていたとしたら、ということが今疑惑として指摘されていますので、これはどこの捜査機関がやるのか、国会が証人喚問という形で事実究明をやってもいいのでしょうけれども、国会がやってもいいし、検察が捜査してもいいし、警察でもいいのだと思いますけれども、ただそこをどうやるかについても、自民、公明の連立政権だけで決められる話ではないのではないかと思います。オールジャパンの知恵を結集して、犯罪の疑惑のあることへの究明もきちっとやればいいと思います。

記者
 新型コロナにちょっとまた話が戻りますが、PCR検査ですね、岩手は全国でも少ないほうですが、ここへ来て一関、宮古で発熱外来が設置されて検査体制拡充の動きが出てきています。それについてちょっと御感想をお伺いできればと思います。

知事
 他県の経験を参考にしますと、最近でも愛媛県で一晩で20人以上感染者が見つかったりすることがありますので、やはりそれに対応できるように今からしておかなければならないと思っておりまして、民間機関による検査の拡大や、そしてそれとも関係しますけれども、発熱外来を地域ごとにやっていただくということは、医療体制の確保という観点からありがたいことであり、また必要なことだと思いますので、県としてもそれをしっかり進めてまいります。

記者
 まず、新型コロナウイルスについてお伺いしたいのですけれども、先ほど、緊急事態宣言の対象にならない地域についてはリスクを見極めながら不要不急であっても行き来をして、社会経済活動を回していこうというお話がありました。これについて、仕事だけではなくて、いわゆる観光とか旅行などを想定しているということでよろしいですか。

知事
 はい、そうです。

記者
 岩手県民もその対象の地域以外であればそういった行き来を今後やっていくし、県外の人に対しても岩手に来てもらうことも想定しているということですかね。

知事
 そうですね、はい。ただ、無理強いはしないわけでありまして、というのはやはりそれぞれの現場で感染対策がきちっと行われていないと、まず岩手に来ていただく場合についても、受け入れるホテル、旅館や観光関係の業者で感染対策をきちっとした上でないとやはり受け入れるのは好ましくありませんので、それぞれ業界団体ごとにガイドラインもできていますし、それを踏まえながらきちっとした感染対策をとった上でお願いしますということです。

記者
 今の段階ではまだ他県の人たちに岩手に遊びに来てくださいというようなメッセージまでは出せない状況ですか。

知事
 他県から来る場合に、利用者の側にも要所、要所でマスクをつけていていただくとか、飛沫をまき散らさない、飛沫をあちこちにべたべたつけないような、ある種の自覚を持って来ていただく必要がありますので、そういう説明抜きに一般論的でどんどん来てくださいという言い方は、今の段階ではちょっとしないほうがいいなと思っております。
 ただ、してほしいこと、してほしくないことは今言ったようなことでありまして、感染対策を受け入れる側も利用する側もお互いきちっとやった上で社会経済活動を両立させていくということはやってほしいことでありますので、そういうことをうまく誤解なく伝えていく工夫をしていきたいと思います。

記者
 わかりました。それから、別件ですが、手話通訳の方が会見で配置されるようになっておよそ1か月になります。知事が発言される際に手話通訳者の方がついたことで気をつけていることがあれば教えてください。

知事
 それほど気をつけてはいなくて、普通にやっています。

記者
 実際に1回目、4月23日の記者会見の後に、聴覚障がい者の方々の団体の中で、こういったことが分かりにくかったとか、例えばそれはハード面の配信の環境にもよるのですけれども、わかりにくかったことなどを幾つか列挙して県に意見として出されているのですけれども、それは承知されていますか。

知事
 そこは広聴広報課の事前の打ち合わせ等の中で適切に対応されていると理解しております。

記者
 障がい者の方の意見としては、なかなか知事の発言の内容をつかめなかった部分があるということで、せっかく通訳の方がついたので、知事のメッセージをきちんと情報としてお伝えできるようになるといいなと私も思っていまして、例えば一文を短くするとか、話し方をゆっくりするとか、私も気をつけないといけないなと思っているのですけれども、今後、知事が何か気をつけていきたいことがあれば教えてください。

知事
 記者会見記録の書かれた文章を読んでも、自分でも分かりにくいと思うことはよくあります。それでも余り気にせずに、今日も今まで話してきていますが、今の質問を聞いて、やはり話し方は気をつけたほういいと思いました。気をつけます。

記者
 私たち質問する側も気をつけないといけないなと思うので、そこは一緒に取り組んでいけたらと思っております。やっぱりどうしても会見だと一般の会話とは違って行政用語とか、専門用語も多く出てくるので、そういったところも難しい原因かなとは思っているのですけれども、なるべく一般の健聴者に対しても、また障がい者に対しても伝わりやすいということが重要だと思うのですが、知事としては今「気をつけます」とおっしゃったその具体的に何について気をつけていきたいですか。

知事
 知事になる頃、話し方について考えました。そのときに、小学6年生に理解できる話し方をするのがいいという、そういう本を読みました。今そのことを思い出します。

記者
 なるべく平易にお伝えしたいということですか。

知事
 小学6年生が読む本を本屋でまとめて買って読んだことがあります。かなり高度な内容も書かれていました。そういう意味では、内容を落とすことなく分かりやすく話すことはできると思います。

記者
 わかりました。これから引き続き手話通訳の方が会見で同席されて、新型コロナウイルスなど大事な情報も知事が発言されると思いますので、ぜひ分かりやすいような、訳しやすいような表現を一緒に検討できたらと思います。

記者
 コロナウイルスの関係で、先ほどの緊急事態宣言のことで私もお伺いします。
 もうかなりの都道府県で解除されている地域もあるかと思うのですけれども、先ほど知事がおっしゃっていた観光の配慮という意味で、行き来しても解除されたところはいいよということなのですが、以前、知事が、宣言が解除されていないところへ、行き来を制限するようにとおっしゃっていたものの中で、帰省、実家に帰るというのも入れていたと思うのですけれども、今日先ほど、知事がおっしゃっていた内容というのは、例えば単身赴任であるとか、大学であるとかで、県内ないしは逆もしかりで、行っていらっしゃる方も、もう宣言が解除されれば、それは岩手から別の県外の家族の元へ帰っていいとか、逆に岩手に帰っていいとか、そういうことも含むと考えてよろしいでしょうか。

知事
 人事異動、また入社で、例えば東京に行かなければならない、あるいは東京から岩手に来なければならないということは今までも自粛の対象にはしていません。

記者
 今までも、行き来はオーケーだったということですね。

知事
 はい。

記者
 私も質問が長いので、気をつけるようにしたいと思います。
 先日県議会で議会費に関して、実際に執行できなくなる事情があるものも含め、2,200万円ほどを事実上返還して、コロナ対策に充てるということが決まりました。議会として意思決定しましたが、それに関して知事の受け止めをお聞かせください。

知事
 県の会計は、4月に始まり、3月に終わる年度でやっていますので、年度が終わる頃に様々な変化が確定すればいいというところはあります。一方、早い段階でもうこの事業はやらないと決めて、それに使う予算は他のことに使うということを早く決めて、それを県民にも知っていただくというのは非常に意義があると思います。県議会のほうでそのように決めたということを受けて、県としても補正予算の作業を急ぎます。

記者
 ありがとうございます。同じように執行部の皆さんのほうにしても、いろいろ今の時点でもイベント等が中止されております。予算の執行残というか、執行できないものが多くあると思うのですが、今後のコロナ対策あるいは収束後を見据えたアフターコロナ対策のような形で、今の当初予算をある程度整理してどのぐらいコロナ対策やアフターコロナの対策として使えるものがあるかというのを整理するという予定はあるでしょうか。

知事
 年度の終わりになってから、既に使わなかったもの、また使ったものを整理するほうがやりやすいということはありますけれども、今回の県議会の決定を参考にしながら何か県民に分かりやすくしたほうがいいものについては、そのようにするかもしれません。

記者
 夏の甲子園の中止等、学校、高校生関係のイベント中止のニュースが大きく報道されていますけれども、知事の母校の盛岡一高創立140周年で名物の運動会も中止となり、盛岡一高に限らず文化系でも、文化祭等が恐らく通常の形では各高校開けないのではないかと、先生方も苦労されているという話を直接聞いたりもします。知事の高校時代をぜひ振り返っていただいて、どんなふうに過ごしていらっしゃったか、そしてそれを思い出しながら今のつらい状況にある高校生、子供たちにどういうふうな過ごし方、学校生活の送り方を期待したいか、あるいはもしお考えあればアフターコロナの教育ビジョンとICT教育だったり、オンライン教育だったり、岩手型の新たな何か打ち出せる可能性があるのか、もし所見あればお聞かせいただけますでしょうか。

知事
 残念な気持ちというのは、私もよく分かります。小、中、高、それぞれ学校で、クラブ活動でスポーツをしたり、文化活動もやったりしていましたので、その発表の機会がなくなる、大会がなくなるというのは本当に残念無念だと思います。
 一方、全国高校総合文化祭がインターネットを使って高知大会をやろうとしているように、先端の情報通信技術を使って今までやったことがないような形でやるということはあると思いますし、また無観客や規模を縮小するなど、感染対策を講じるような形で行うということもあるでしょう。それぞれ関係者の皆さんが工夫するところと思いますが、県も様々支援したり、また相談に乗ったりしていきたい。そうですね、していきたいと思いますというより、これはもうしていきます。

記者
 これまでも平泉等で出前授業等をされてきていますけれども、そういった知事のインターネット授業みたいなことも近々あり得ることでしょうか。

知事
 ここは直近の予定について、まず一旦その日にはやらないということを決めたりしているのですけれども、先送りして予定どおりの形でやれるかどうか、またインターネットを活用した形でやるほうがいいのか、様々そこは考えながら対応したいと思います。

記者
 長時間にわたり恐縮ですが、1点だけ。感染防止ということを講じていろいろと外出はオーケーだというような趣旨もあると思うのですけれども、繁華街の接待を伴う飲食店について、これについては対策が講じられていない場合は、外出自粛を要請すると。そうしますと、休業要請はしていない中で、なかなか心理的には行きにくいというようなこともあろうかと思うのですけれども、そういったことについて、協力金という形はなかなか難しいとは思うのですが、県独自に例えばそういうところに対して支援するというようなお考えというのはありますでしょうか。

知事
 感染対策をきちっととっているということは、やはりそれぞれのお店や、また団体としてPRしてほしいところであります。また、収入が大幅に減ったということで困っている事業者さんについては、これはもう、どんな分野の事業者に対しても国の制度や、また県がつくった仕組みで様々な補償から支援、実質的に救済になるような制度がありますので、まずはそれを活用してほしいと思います。

記者
 今後の補正予算等、国の分も踏まえて出てくるかと思うのですけれども、それについて独自にという支援のお考えというのは、改めていかがですか。

知事
 実際にどのくらい損失があって、それがこのくらいの期間に及んで、このくらい足りないというような、その数字を見ながらではないと、なかなか何をやればいいというのは決めにくいところがありますので、関係の団体を通じて県の担当でも随時状況を伺っているところですし、また直接要望を頂いたりもしていますので、そういう中で相談しながらやらなければならないことを、国がまだやっていないということについてであれば、独自にやっていく、家賃補助などそうですし、また資金の融資についても、早く融資可能な独自の融資枠を県でもたくさん持っていますし、ゴールデンウイーク期間だけの休業要請でしたけれども、その休業に対する協力金なども県独自に用意しましたし、そういうことはこれからもやっていきます。

広聴広報課
 それでは、以上をもちまして記者会見を終わります。

次回記者会見

次の知事定例記者会見は5月29日(金曜日)の予定です。

留意事項:コロナウイルス感染者発生状況等により変更する場合があります。

このページに関するお問い合わせ

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〒020-8570 岩手県盛岡市内丸10-1
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