令和4年12月21日教育長記者会見における質疑応答

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ページ番号1061102  更新日 令和4年12月27日

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令和4年12月21日(水曜日)
県庁10階 教育委員室

発表事項:なし

質問事項:

(1)教職員の処分について

(2)冬休みの過ごし方について

(3)一年の振り返りについて

(4)送迎用バスの置き去り防止対策について

(5)静岡県裾野市での園児虐待による元保育士逮捕について

質疑応答

(教育企画室)

 これから教育長記者会見を始めます。本日は教育長からの発表事項はありませんので、幹事社の進行により、質問にお答えする形で進めます。幹事社様、お願いします。

 

(幹事社)

 記者クラブからの代表質問はありません。各社から事前に通告している質問がありましたら、お願いします。

 

(記者)

 3点についてお伺いします。まず、先日発表になりました懲戒処分についてですが、今回対象となった事案は、管理職からのパワハラと部活動中の体罰でした。パワハラも体罰もどちらも人権を侵害する行為で、教育現場ではあってはならないものだと思います。これまでもコンプライアンス研修など、様々対策は続けていらっしゃると思いますが、実際に未だに深刻な事案が発生するということの受け止めと、教育長はこういった不祥事が起きてしまう、減らない原因、理由がどこにあると考えているか、今後の改善に向けた対応策も含めてお伺いします。

 

(教育長)

 教職員の不祥事に係る懲戒処分等の全体的な受けとめについてですが、これまでも県教育委員会、それから市町村教育委員会及び各学校において再三再発防止に努めてきたところですが、19日に発表した案件を含め複数の懲戒処分を行うこととなったことは、誠に残念であり、大変遺憾であります。

 令和4年度は、懲戒免職事案が2件ありました。その都度、教職員の綱紀保持の徹底と服務規律の確保について通知を発出し、また、県立学校長会議の場や、小中学校長に対しましては、教育事務所ごとに開催している地区校長研修の場において、直接私からその徹底を促してきたところです。

 また、校長以外の教職員に対しても、例えば中堅教諭等資質向上研修講座、これは令和3年度までは教員免許更新のための授業力向上研修という形で実施しておりましたが令和4年度は中堅教諭等資質向上研修講座、中堅研という言い方をしておりますけれど、こういった研修講座の中でそこでも私の講話の時間を取っています。その講話の中で、教職員一人ひとりが自らを律していくことの必要性を、強く求めてきたところです。具体的には、教職員の自覚と行動による、不祥事を許さない組織風土づくりを強力に推進すること、それから県立学校生徒重大事案がありましたので、この再発防止に係る研修会を、必ず学校で、全ての教職員が参加して実施することなどを徹底してきたところです。

 しかしながら教職員による不祥事が根絶に至ってないということ、特に今回は管理職による事案が発生していることは、極めて残念でならず、当職として、県民の皆さんに改めてお詫び申し上げる次第です。

 今後の不祥事の根絶に向けた取組としては、実際に県内で発生した不祥事案の事実関係や要因の分析などを整理し、各所属での研修に活用してもらうことなど考えています。また、コンプライアンス推進の取組や各種研修の中で、絶えず不祥事を許さない組織づくりに取り組んでいくこととします。

 

(記者)

 実際にコンプライアンス研修であったり、いろんなことを教育長自らお話をされて、ただそれでも減らないというのはどういったところに原因があると思われますか。

 

(教育長)

 一部の教職員になるわけですけれど、実際には各職場において研修とかコンプライアンスの日の取組であるとか様々機会があって、そういった機会を通じて職員一人ひとりに、この綱紀の保持、コンプライアンスの徹底について常にお願いをしています。

 ただ中には、一部の教員の中で、理解不足といいますか、昔からのやり方に固執しているような、今人権を守ることなどそういったことを教育の場でしっかり教える立場にある教員が、それを自ら犯してしまっているということはこれはあってはならないことであり、引き続き徹底を図っていかなければならないと考えています。

 私ども、県立学校を所管している立場からは、7月4日、いわゆる不来方高校の自死事案の命日の翌日に令和4年度は臨時学校長会議を開いて、改めて徹底をお願いをしたところでありますし、私も学校現場を訪問する機会がありますので、その際に学校長と懇談する機会があります。その懇談の中で必ず、学校内でどういう研修をしましたかなど、具体の取組内容を確認しています。それから授業の状況であるとか、実際に部活動をしている時間帯であれば、活動している状況、そして顧問の教師が生徒に対しどういった指導をしているかというところも、可能な限り見るように努めていて、そして徹底するようにお願いをしてきています。

 また小中学校につきましてはこれは市町村立になりますので、先月、市町村の教育長との意見交換の場がありましたので、その際に改めて綱紀の保持について徹底をお願いしたところです。これは日々のあらゆる機会を通じて、教職員に絶えず話をして伝えていかなければならないと思っております。

 

(記者)

 部活動のお話が出ましたけれども、不来方高校の事案を受けて、今、県としてもその再発防止の岩手モデル策定に取り組んでいる中で体罰が起きてしまったということに対してはどのように受けとめていますか。

 

(教育長)

 まさに今、岩手モデル策定委員会で外部の有識者の方々にも入っていただいて、モデルの策定に向けて検討を進めている、その検討状況についても、資料とか、委員会の内容について各学校に周知をしていますし、そういったものをしっかり理解して、本当は一人ひとりに伝わって欲しいと考えて取り組んでいる中での今回の事案ということは、本当に残念であり、そこを改めて徹底していかなければならないという思いを強くしています。

 

(記者)

 次に、新型コロナの状況について伺います。コロナ感染症が第8波に入り、全県で感染者が増加する傾向にあります。インフルエンザも先日流行入りしたというニュースがありまして、これから冬休みの過ごし方ですとか、休み中の部活動であったり、集まる機会ももしかしたら多くなるかもしれないですが、どういったように過ごして欲しいなど注意喚起、留意点などありましたらお願いします。

 

(教育長)

 学校は今週末或いは来週から冬休みに入りますが、また年末年始の帰省等によって人と接触する機会が増えてくると予想しており、冬休み中におきましても、引き続き毎日の健康観察を行うことや、体調不良時は外出を避けること、それから室内の換気、或いはこまめな手洗いなどの基本的な感染症対策を徹底して欲しいと思います。

 12月9日に開催された国の新型コロナウイルス感染症対策分科会におきまして、年末年始の感染対策についての考え方が取りまとめられ、文部科学省を通じて12日に通知がありました。内容は、オミクロン株対応ワクチンの早期接種、季節性インフルエンザの同時流行や感染拡大が生じた場合の医療逼迫防止、それから十分な換気の実施等となっています。特に、帰省先では、高齢者、高齢の親族等と接する機会も多くなるため、事前に検査を受けるよう呼びかけることが必要ということが示されており、このことについては15日付けで各県立学校、各市町村教育委員会に通知をしたところです。

 部活動につきましては、これまでと同様に、実施について地域の感染状況であるとか、それから競技ごとに、競技の特性、或いは活動形態等を踏まえて、慎重に判断していただきたいということ、それから、活動時間は可能な限り時間短縮を図るとか、部活動前後での集団での飲食、部室等の共有エリアの一斉利用を控えるなど、部活動に付随する場面場面ごとの感染症対策を徹底していただくということ、それから、大会・コンクール等の参加に当たっても、主催者が示すガイドラインに基づいた対策を徹底していただきたいこと、大会参加する前には、抗原検査キットを学校に配布していますので、しっかりチェックをしていただいて、健康観察を徹底していただいて、参加に臨むということをお願いしたいと思います。冬休み中におきましても、改めて感染症対策の一層の徹底を図っていただくようお願いしたいと思います。

 

(記者)

 最後に令和4年の教育行政の評価や課題など、振り返りをお願いします。それから1年を漢字一文字で表すとしたらどの字を選ぶか、その理由も併せてお願いいたします。

 

(教育長)

 まず、1年の振り返りですが、この1年間も新型コロナウイルス感染症の対応で、学校現場への対策であるとか、子供たちの健康、安全、安心への対応というところで、コロナ禍の中でも、少しでも前に進むことができるように取り組んできたところです。

 そのような中にありましたが、岩手の子どもたち、或いは岩手出身、或いは岩手ゆかりの人たちの活躍が、本当に多かったと思います。県民の皆さんにも多くの感動と喜びなど、コロナ禍で閉塞してるような雰囲気を吹き飛ばすような活躍をしてくれました。

 具体的にはちょっと例示させていただきますけれども、2月には北京オリンピックで、小林陵侑君が金メダル、銀メダルを獲得したり、本県ゆかりの選手の活躍もありました。それから4月にはロッテの佐々木朗希君が完全試合を達成したり、あと私も高校野球のファンなんですけど、夏の甲子園で一関学院高校が一勝を挙げたり、また一関学院高校の工藤信太朗君がアンダー20の日本陸上競技選手権大会男子3000メートルで優勝したということ。それから、東山町出身で鈴木颯君という愛工大名電高校の、岩手出身東山出身の方がいるんですけれど、卓球インターハイで3冠と活躍している。それから、城西中出身の高橋美月さんは埼玉栄高校でハイジャンプで優勝したり。あとはもう皆さんご存知の通り、大谷翔平選手の活躍が素晴らしいものがあった。スポーツ関係でも本当に多くの活躍がありました。

 また文化面でも皆さんご承知の通り、黒沢尻北小学校の児童が、NHKの全国学校音楽コンクール、全日本合唱コンクールで、日本一、2冠を達成したこと、また、不来方高校も全日本合唱コンクールで、最高賞を受賞した。不来方高校のOBの阿部泰洋さんは、今は大学院で、全日本学生音楽コンクールの声楽部門で日本一とか、北上市立上野中学校出身の岡本梨奈さんはフルート奏者でありますけれど、全日本学生音楽コンクールで優勝。このように文化面でも、本当に、岩手に関係する方々が大変活躍されている。

 そのほかにも、風流踊がユネスコ無形文化遺産に登録になったり、大槌高校の復興研究会が内閣総理大臣表彰を受けたりしました。もう紹介するにはまだまだいっぱいあるんですけれど、子どもたちなどのその活躍の姿、これは大変嬉しく思っておりまして、また頼もしく感じる1年でもあったと思います。

 ということで、漢字1文字というところになるわけですけれど。今大体想像ついたかなと思うんですが、活躍の「躍」です。おどるという意味、読みもありますけれど、令和4年はそういった、活躍する方々が多く、また躍進した年でもあったのだろうと思っています。令和3年は、「誉」、名誉の「誉」を挙げて、様々な分野で活躍した人を讃えるという意味でその漢字を使ったんですけれど、令和4年はそれ以上に活躍した方が多く、躍進が際立った年であったと思っています。日本一になったということで、私のところにも報告にくる機会も多くありましたし、そういった機会には私は欣喜雀躍して、本当に嬉しい思いで迎えたところです。また、令和5年は卯年になりますので、飛び跳ねるという意味もありますし、こうした関係者の皆さんが、一層の活「躍」を、期待する意味も込めて、この漢字にしました。

 

(記者)

 教育行政の面では、大きく進んだことですとか特に力を入れて取り組んだことですとか、そういった方面の振り返りはいかがでしょうか。

 

(教育長)

 GIGAスクール構想の前倒しで、ICT機器の整備が一気に進んだということがいえると思います。ただ一方で、課題も見受けられ、整備されたタブレットやICT機器をいかにうまく活用していくか、これが、ある意味ではこれからの課題になっていると思います。

 それからもう一つ、いじめ不登校の児童生徒の数が、これまでの過去最高の数字になっているということで、これへの対応が喫緊の課題だと捉えています。いろいろ成果が出て進んでいる面もありますが、まだまだ課題も多く残っているのではないかと。それへの対応がまず求められるということで、新年、これらの対応に取り組んでいかなければならないと考えています。

 

(記者)

 先日12月定例会で、補正予算で子ども子育て支援関連事業の方で、児童の送迎バスへの安全装置の設置関連費用が約3億7200万円が計上されたんですけども、こういうこれぐらいの規模が児童の安全のために予算が組まれたということに関して、教育長としての所感をお願いします。

 

(教育長)

 県内でもスクールバスに置き去りになった事案がありました。これにつきまして、前回の会見でも述べたように、これはあってはならないことでありますし、それに対応した対策等も喫緊の課題になっているということで、12月県議会の最終日に追加で補正予算を提出して、予算の議決をいただいたということです。教育委員会が所管している部分につきましては、市町村の幼稚園であるとか、それから県でも特別支援学校等、そういったところのスクールバスの安全装置の導入に向けて対応していきたいと考えております。

 保健福祉部やふるさと振興部等、関係する部局等々もありまして、子どもたちのそういった事案が発生しないように、子どもたちの安全安心をしっかり守るためにもその取組は重要であると思いますので、国の財政支援を受けながら、確実に取組を進めていくよう措置をしていきたいと考えています。

 

(記者)

 財政課の方の資料を拝見したんですけども、その中で具体的な対応策として、その安全設備の導入というところで、各施設の登園管理システムの導入ですとか、あとはその子どもを見守るGPSの導入とかそういったものがあったんですけども、県としてどういった方向で対策をとっていくということかなと思ったんですけど、予算の使い道というか、対策の方法としては、教育長としては、やり方についてはどう感じていらっしゃいますか。

 

(教育長)

 実際に国の方でも様々な対策を講じるということで、昨日12月20日付けの事務連絡で国の方から、送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置のガイドラインというのが、やっと示されました。その内容を見ますと、送迎用バスの子ども置き去り防止に向けた安全措置としての降車時の確認のためのブザー、エンジンを停止した後車内の確認を促す車内向けの警報、これは後部の座席で音が鳴っているのを止めにいかないとスイッチを切れないというものですとか、或いは自動検知センサーをつけて、車外に警報を鳴らすとか、そういった国土交通省のガイドラインも示されたところです。こういったものをそれぞれの設置者の方にも伝えながら、安全装置の導入に向けても取り組んでいただくよう、そしてまた装置等に頼るものでもないと思います。ヒューマンエラーがあってはならないものですから、改めてこの送迎用バス、或いはスクールバスの運行に関わる従事者に対する指導といいますか、取組の徹底というものを改めてお願いをしたいと思います。実際に、今回の事案が起きた際にはこれも11月の中旬に行われた市町村の教育長さん方との意見交換の時に、私の方から冒頭挨拶で、改めて徹底をお願いするよう依頼をしたところですし、今般のこの県の補正予算の措置、それから、国から示されたガイドライン等を活用していただいて、対策を徹底していただきたいと考えています。

 

(記者)

 不祥事の件について、未然防止に努めているとは思うんですが、令和4年度は懲戒免職処分が2件と先程教育長おっしゃいましたけれども、令和3年度と比較して件数自体は増えているのかどうかという点がまず1点。

 管理監督責任の立場にある学校長のパワハラとか不適切言動はだいぶ重いかなと。これだけ再発防止に向けて取り組んでいた中で、管理監督責任者自らの立場にありながら、そういった行為を行うことはあってはならないとは思っていて、再発防止にこれまで取り組んできて、その効果っていうのが果たして生きているのかどうか。目に見えた効果に繋がっているのかどうか。先ほど岩手モデルのまさに同じく再発防止に取り組む中で、体罰この辺はやはり、重く受けとめなければいけないのかなと。年齢も、他の教員を指導する立場にある年齢の教員が、こういった行為を行っているってことは、重大なのかなと。改めてそのあたり、件数も踏まえて、説明いただければと思います。

 

(教育長)

 まず令和4年度、これまで、12月までの懲戒処分を行った不祥事等ですが、件数は20件になります。令和3年同月比、いわゆる令和3年12月と比較すると、前年度10件ですので、20件になっているということで、非常に残念でならない、遺憾な数字であります。それから今おっしゃられたように管理監督者、しかも令和4年度は2つの事案で校長職にある職員が不祥事を起こしているという点につきましては、私は非常にこれはあってはならないことでありますし、管理監督、部下の教職員を指導する立場にある職員として、このようなことを起こしているということは、本当に、残念でならない。

 今回はこの2件につきましては市町村立の校長でありますけれど、先ほど申し述べたように6教育事務所の管轄ごとに地区校長研修講座というのを開いてるんですが、過去2年間はコロナの対応で、開催できませんでした。令和4年度は、1日限りではありましたけれど、集合での対面開催。その中で1時間、私の時間をいただいて、最後校長のみならず、管内の教育長さんも、一緒にその場にいる形での研修です。出席できる教育長さんはということですが。そこで、研修会の資料も、パワーポイントで私自ら作って、そして、教育行政の推進に係る部分と、それからコロナ対応、併せてこのコンプライアンスの徹底、綱紀保持、不祥事の撲滅ということを強くお願いをしてきました。管理監督者の方々は、常に部下職員に対しての指導もしている立場なんですが、どこかに気の緩みがあったのかもしれません。改めて市町村教育委員会に対しては、この年末年始も控えているわけですし、不祥事の根絶に向けた取組の徹底ということを改めてお願いしていきたいと思います。

 

(記者)

 先日静岡県裾野市の保育園で元保育士が逮捕という事案がありました。こういった事案についての受け止めと、あと県内での調査ですとか、今後検討されていることあれば教えてください。

 

(教育長)

 保育園での出来事ということですので、実際所管してるのは保健福祉部になるかと思います。私どもは例えば、幼稚園とかもありますし、県立では特別支援学校の方でも幼稚部もあったりするんですが、子どもの指導といいますか、担当している保育士さんであるとか、幼稚園教員であるとか、そういう子どもに接する立場にある方々にあっては、あってはならないものですし、そういった意味では私どもはこの4月に就学前教育を意図して幼児教育センターを設置しています。これは教育委員会所管のみならず保健福祉部であるとか、私学を担当しているふるさと振興部の関係部とともに、この就学前の幼児児童等に対しての教育のみならず、人間としての発達段階に応じた、遊びを通じた学びを理解してもらうとか、そういったことを組織的といいますか、全県を挙げて取り組むような体制を今スタートさせたところです。保育に関わる保育士さんも含めて、資質の向上と言ってしまうのではないのかもしれませんが、携わる方々の何といいますか、しっかりと子どもたちと向き合うことを理解をしていただくことに努めていかなければならないと考えています。

 

(教育企画室)

 これをもちまして、記者会見を終了させていただきます。

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