令和4年7月20日教育長記者会見における質疑応答

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ページ番号1057956  更新日 令和4年7月25日

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令和4年7月20日(水曜日)
県庁10階 教育委員室

発表事項:なし

質問事項:

(1)県立学校教職員の懲戒免職処分について

(2)再発防止「岩手モデル」策定委員会について

(3)新型コロナウイルス感染症感染拡大の中での夏休みの過ごし方について

質疑応答

(教育企画室)

 これから教育長記者会見を始めます。

 本日は教育長から発表事項はございませんので、幹事社の進行によりまして、質問にお答えする形で進めます。

 幹事社様、お願いいたします。

 

(幹事社)

 幹事社から記者クラブを代表して質問させていただきます。

 まずは、職員の懲戒処分の関連について4項目質問がありますので、1点ずつお伺いします。

 処分に関わる事実と自殺との因果関係について判断しなかった理由を教育長から改めて説明いただきたい。

 懲戒処分の発表の際に、教育長から説明するべきだったと思いますが、説明者として出席しなかった理由も併せて教えてください。

 

(教育長)

 まず、処分に関わる事実と自死との因果関係についての御質問ですが、第三者委員会の調査報告書におきましては、「元顧問教諭の叱責や暴言による自信の喪失と『使えない』などの発言によって受けたダメージ」や、「相談に乗ってほしいと切実に願いながらも、苦しみを分かってもらえるはずはないという思いから相談できなかったことによる孤立感、絶望感」など6項目について、自死の背景・原因として報告書に記載されているところです。

 県教育委員会としても、この報告書の内容を全て重く受け止めています。元顧問と被害生徒の自死との関係については、法律や医療、心理等の専門家から構成される第三者委員会が、約1年半にわたる調査及び審議の結果としてとりまとめたものであり、その報告書以上の結論を導き出すことは難しいと判断したものです。

 このことにつきましては、先日7月17日(日曜日)に開催された第6回再発防止「岩手モデル」策定委員会において、御遺族様と被害者御家族様からも、今回の懲戒処分に当たり、因果関係の点について改めて説明してほしいという御質問をいただき、そのように説明しているところです。

 私どもは、第三者委員会の調査報告書で、「元顧問の叱責・暴言」が被害生徒の自死の背景・原因に挙げられ、そのとおり受け止めた上で、不適切な言動自体が、悪質で常習的であること等を踏まえて、免職相当と判断したものです。

 特に、悪質で常習的という点は、盛岡一高事案の裁判の過程において、自ら体罰を認め、指導等を受けていたにも関わらず、不来方高校においても不適切な言動を行っていたことを重く見ています。

 なお、懲戒処分の発表の説明に当たっては、担当課である教職員課が行うこととしているものであり、本件処分についてもそのように対応したものです。

 

(幹事社)

 では、2点目です。

 処分に関わる事案は第三者委員会の報告書で明らかにされているものばかりだったにも関わらず、なぜこれほどまでに時間がかかったのか、理由の説明をお願いします。

 

(教育長) 

 まず、事案の発生ですが、平成30年7月3日に発生しております。その後、御遺族様とのやり取りの中で、8月31日に、第三者委員会の設置と、同委員会での調査実施について御遺族様から御要望があったことを受けて、10月に第三者委員会設置要綱を制定して、翌年1月6日から調査等が始まっています。第三者委員会は、合計23回に渡って開催されまして、本事案の事実経過や背景の調査を委員会で独自に行っていただきました。

 そして、その結果を調査報告書として取りまとめていただき、令和2年7月22日に県教育委員会が受け取り、その内容について御遺族様に御報告をさせていただきました。

 処分については、第三者委員会の調査報告書の内容を踏まえまして、県教育委員会が処分権者として事実関係を調査し、確認した上で判断しなければならないものであることから、令和2年7月22日に調査報告書を受け取った後、教育委員会として関係者への調査、確認を行ってきたものです。

 その調査、確認に当たりましては、事案の重大性に鑑み、元顧問教諭の前任校である盛岡一高赴任時まで遡って、平成19年になりますけれど、元部員等に協力をお願いして、事実関係についての調査を慎重に進めてきたものです。そのために時間を要したということがあります。

 その調査結果を踏まえまして、処分に向けた検討を行い、手続が整ったことから、処分を実施したものです。

 

(幹事社)

 3点目になりますが、盛岡一高事案で処分した際には、体罰があったにも関わらず減給処分にとどめていました。今回より処分が軽い減給処分にとどまった理由は何か教えていただきたいです。

 併せて、盛岡一高の事案の時点で、懲戒(免職)処分にするという判断に至らなかった理由を教えてください。

 

(教育長)

 今回の処分は、不来方高校において、平成27年度から平成30年度までの複数年にわたって、先程も言いましたとおり、特に悪質な言動を含め、不適切な言動が常習的に行われていたことに加え、盛岡一高事案での一審判決で、違法行為や社会的相当性を欠く行為が認定され、元顧問教諭もこれを承知していたにもかかわらず、再び同様の行為を行っていたこと等の事情も踏まえたものです。

 一方で、盛岡一高での事案における前回の処分につきましては、平成20年7月から平成21年2月までの数か月間における、生徒に対する不適切な言動及び体罰を処分の対象としたもので、それ以前には処分歴も無かったことなどを踏まえたものであり、今回の処分とは内容が異なるものと考えています。

 

(幹事社)

 最後の質問ですが、「岩手モデル」策定委員会では、懲戒処分に関してどんな指摘がありましたか。また、その指摘に関する教育長のお考えを教えてください。

 

(教育長)

 被害生徒の自死と元顧問の不適切な指導との因果関係について、御遺族様と被害者御家族様からも、改めて説明してほしいという御質問をいただいたところで、これについては、先程お答えしたとおりです。

 また、既に退職した不来方高校の校長等に対する道義的責任について、御遺族様から、元顧問本人だけでなく、既に退職している当時の校長等関係者に対しても、県教育委員会として何らかの責任を追及してほしいとの御意見もいただいたところです。

 これにつきましては、既に退職した職員ですので、地方公務員法上、懲戒処分等の措置を講ずることはできないこと、今回御遺族様の御意見をいただいたことにつきましては、県教育委員会として御遺族様の発言された内容を、既に退職した関係者に対して伝えたいと考えています。

 それから、元顧問の謝罪についてでありますが、被害者御家族様から御指摘をいただいているところですが、元顧問からの謝罪が無いままで、免職後も、県教育委員会が謝罪するよう指導すべきとの御意見もいただいていました。このことについては、これまでも代理人を通じて伝えてきたところでありますが、今回も同様に、代理人を通じて連絡ができるようであれば、その旨を伝えたいと考えているところです。

 

(幹事社)

 それでは、各社から事前通告している質問がありましたら、社名・氏名の後に発言をお願いします。

 

(記者)

 代表質問に関連したところから、まずお伺いします。

 改めて、今回懲戒免職となったことに対して、教育長の受け止めを教えていただければと思います。

 

(教育長)

 児童生徒の健全な心身の育成を担うべき教職員が、このような重大な事案を起こして、教育に対する県民の皆様の信頼を損ねる事態となったことは誠に遺憾の極みであり、また、処分の決定までに時間を要したことにつきましても、深くお詫びを申し上げたいと思います。

 5月には、県立学校教諭が、所属校の生徒に対する不適切な言動等によって懲戒免職処分となるなど、不祥事案が続きました。このため、7月4日に臨時の県立学校長会議を開催し、教職員一人ひとりに対する綱紀保持の徹底を指示しました。

 また、県立学校長会議の前日、7月3日になりますけれど、これは故人の命日に当たりまして、御自宅に伺って弔問させていただき、処分の報告と二度とこのようなことを起こさないことを誓って参りました。

 

(記者)

 弔問されたということで、どのような思いで足を運ばれたのでしょうか。

 

(教育長)

 命日に弔問したのは、2度目になります。令和3年7月3日に次いでです。その前にも1月に御自宅を伺って弔問させていただいております。弔問そのものについては、命日の2回と1月の1回の3度ですが、それ以外にも報告書を受け取った際であるとか、盛岡一高事案の被害者家族様と同じ場所でもって謝罪をさせていただいたり、それから、数度に渡って御遺族様とお会いをして謝罪と故人の冥福を祈るなど、様々誠意を尽くしてきたところであります。

 先程も申し上げましたとおり、第三者委員会を設置して調査していただき、報告書をいただいてから処分までの時間を要したということ、まさに4年の月日が経ってしまったことのお詫びもさせていただきました。

 今回、命日の前の6月24日に処分を行い、そして7月3日の命日に改めて弔問させていただき、先程も申し上げましたように、処分の報告と二度とこのようなことを起こさないということを翼君の遺影に御報告をさせていただきました。

 

(記者)

 関連して、これからも命日の前後に各校で研修が実施されることと思いますが、改めて全ての教職員にどのような意識で、今回の事案や再発防止に向けて向き合ってもらいたいか、教育長のお考えを教えてください。

 

(教育長)

 令和2年7月22日に報告書を受領してから、直ちに臨時学校長会議を開催し、報告書の内容の説明し、報告書等を用いた校内研修会の実施を指示しました。

 また、私の方で、学校訪問する機会があります。その際は、校長と面談していますが、その際には、具体的な研修をどのような形でやったか、校長の面談のときに確認をしています。これは、現在もしています。具体的な研修内容として、どのようなやり方で実施したか、教職員の参加状況など細かく聞くようにしています。また、校長との面談だけではなく、実際に校舎の中も見るように努め、授業の風景や部活動の状況も、なかなか見る機会が少ないですが、こういう機会に指導の場面などを見るようにしています。

 令和3年度も、命日の前後に実施するように通知し、8月以降の学校訪問でも同じような確認を行いましたし、令和4年度も、7月4日に臨時の学校長会議を開催して指示しています。既に7月、これまでに市内2校、2つの高校で校長面談を行って、その実施状況を聞き取っています。教職員の意識は、一人ひとりが、報告書の内容や、「岩手モデル」策定委員会の会議そのものは6回になっているわけですけれど、その会議資料等、あるいは、他でも事案が起きたりしているということで、そういった資料を用いて、教職員一人ひとりが、このようなことがあってはならないと自らを律していくことを教職員一人ひとりに強く求めていきたいと考えています。

 

(記者)

 別の点で、もう1点お伺いします。

 第7波といわれる新型コロナウイルスの感染拡大期に入りました。これから夏休みに入るということで、夏休みの過ごし方や各家庭への注意喚起があれば、お聞かせください。

 また、各市町村教委や各県立学校に改めて指示されたことがあればお示しください。

 

(教育長)

 まさに7月に入りまして、感染者数が大幅に増えているという状況で、皆様御存知のとおりであります。特に7月に入ってから、7月前半は二桁から100を超えて、三桁になり、そして13日には過去最高の597人という県内での感染確認がされ、500人台が続いてきたということです。

 私どもは、毎朝、県立学校の感染状況の把握をしています。また、市町村の小学校中学校の感染状況も、教育事務所を通じて把握をしておりまして、その数字等を見ていくと、最近は児童生徒に加え、教職員の感染も増えてきている。実際、昨日時点で県内の感染者数は4万4千人の感染が確認されているものが、児童生徒と教職員で9,941人、約1万人と、4分の1近くを占めているのですが、最近は感染者の中でも、教職員・児童生徒の占める割合が30%を超えたりしているんですね。

 そういった日々の状況等を注意しながら見ておりまして、これから夏休みを控えているということがありますので、先週の県の本部員会議の際にも報告をしましたが、7月12日付けで文部科学省から夏季休業期間中における留意点が示されまして、直ちに、翌7月13日付けで各県立学校、各市町村教育委員会あて通知を発出したところです。

 内容は、特に夏休みという時季を考慮した内容になっておりまして、部活動については、活動中だけではなくその前後の行動、特に、部室、更衣室、ロッカールーム等の共有エリアの一斉利用を控えるとか、集団での飲食を控えるとか、そういったことも注意をしてください。それから、今、中総体が開催されていますが、各競技団体等のガイドライン等を踏まえた対応をしっかりやっていただきたいということ。

 2点目は、この時期、学校プール等の開放が行われます。一部学校訪問した際に、プールでの活動での感染も考えられるというような話も聞いているのですが、大勢で密な状態とならないということと、会話や接触による感染リスクを避けるような行動、手洗い場所や更衣室、休憩スペース等においても必要な感染対策をとってくださいということも通知しています。

 3点目は、熱中症事故防止です。今かなり高温になっていますので、熱中症のリスクが高くなっています。その危険性を適切に指導した上で、マスクを外すということも適切にしっかり判断していただきたいということを盛り込んでいます。

 それから、家庭、保護者に対しては、夏季休業期間中の過ごし方について、基本的な感染対策を継続する、あるいは体調不良が見られた場合には自宅で休養するなどの、理解と協力を呼び掛けております。

 そのような形で改めて感染症対策の徹底について周知しているところです。

 

(教育企画室)

 これをもちまして、今月の教育長記者会見を終了とさせていただきます。

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