令和4年5月19日教育長記者会見における質疑応答

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ページ番号1056599  更新日 令和4年5月27日

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令和4年5月19日(木曜日)
県庁10階 教育委員室

発表事項:なし

質問事項:

(1)県立学校職員の懲戒処分事案について

(2)中総体等の開催について

(3)令和3年度英語教育実施状況調査の結果について

質疑応答

(教育企画室)

 これから教育長記者会見を始めます。

 本日は教育長から発表事項はございませんので、幹事社の進行によりまして、質問にお答えする形で進めます。

 幹事社様、お願いいたします。

 

(幹事社)

 記者クラブからの代表質問はございません。

 各社から事前通告している質問がありましたら、社名・氏名の後に発言をお願いします。

 

(記者)

 先日、岩泉高校の教員の懲戒処分が発表になりました。かなり生徒や教職員への影響も重いような内容でした。これについての教育長の受け止めをお聞かせください。

 また、今後どういった対策が必要だとお考えになっているかについてもお聞かせください。

 

(教育長)

 16日、月曜日に処分を行ったわけですが、生徒に対する暴言、ハラスメントの禁止については、これまでもあらゆる機会を捉えて、その徹底を図ってきました。教職員、それから、教育界が一体となって、その根絶に取り組んできている中で、このような処分事案が発生したことにつきましては、誠に遺憾であります。

 改めて、私からもお詫び申し上げます。

 不祥事の未然防止に向けては、様々な場面を通じ、徹底をしてきています。

 例年ですと、県立学校長会議であるとか、それから、私から直接、新任の校長先生方に新任校長研修がありますけれど、そういった場を通じて、また、県立学校については、校長との面談などを通じて、不祥事の根絶、コンプライアンスの徹底について、機会あるごとに徹底をしてきたところです。

 そういう中にあっての不祥事の発生ということについて、本当に、重ね重ねお詫び申し上げたいと思います。

 今後の未然防止に向けた取組についてでありますけれど、各所属において、所属長を中心にそれぞれの現場に即した取組、対策を実施していただくよう改めて徹底を図りたいと思います。

 これまでも教職員に対しては、教育に携わる職業人としての倫理感、使命感の一層の醸成、それから、法令遵守意識の向上を図ってきましたが、さらに一層徹底して参りたいと考えています。

 

(記者)

 今の質問に関連してお伺いします。教員免許の更新制度がなくなり、教員への指導といった部分、今お話しにもありましたけれども、教員の資質をどのように向上させるかということが今後問われるかと思います。今般、こういう事案が発生した中で、そういった部分についてはどのようにお考えでしょうか。

 

(教育長)

 免許更新講習の受講の必要がなくなったということですけれど、一方で、教員の資質・能力の向上というのは、絶えず必要な取組です。

 授業力向上研修で一コマ講話をする機会があり、私自身からも、教職員に頑張っていただきたいことと併せて、不祥事等を起こさない、起こさせない組織風土づくりについても話をしています。

 今後、免許更新講習廃止後のあり方について、どのような形で研修を継続していくか。そのための研修体系のあり方であるとか、教員育成に向けた取組、そういったところの対応について検討しているところであり、検討においては、このような不祥事の撲滅等にどのような形で取り組んでいくかについても、盛り込んでいきたいと考えています。

 

(記者)

 今後、より各校長の指導能力というのが問われると思います。今回、校長に対しても暴言を吐かれているような場面があったようですけれども、各校長の指導力向上の取組等があればお願いします。

 

(教育長)

 管理職のマネジメントですね。そこは重要なポイントになってくると思います。

 今後、教員の資質向上に向けて、常に学び続ける教師であることが求められてくると思いますので、教師自身のマネジメントもさることながら、組織を維持していく上で、部下職員に対するマネジメントについてもしっかり取り組んでいく必要があります。そういった意味では、私は、新任校長研修において、訓示する機会を設けていますが、そういった場を通じて、様々な教職員がいるということで、常にコミュニケーションをよくとっていただくようにとか、様々課題を抱えている職員も中にはいるということもあろうかと思いますので、その把握、そして、それぞれ個々の教職員に対する指導のあり方ということも、日頃からのコミュニケーションを重視しながら、積極的に行っていただくようお願いをしてきたところです。

 今後、この免許更新講習がなくなっていった場合には、管理職が研修の受講履歴等をしっかり把握していかなければならなくなります。実際の把握の仕方等は、これから検討に入っていくわけですが、そこも併せて、今回のような事案が、二度と起こることのないように、そういった面も考慮したマネジメントのあり方ということも、対応、検討していきたいと考えています。

 

(記者)

 今の質問に関連して伺いますが、岩泉高校の元教諭自身は2019年7月にも、不適切な言動、体罰をしたとして懲戒処分を受けているわけですが、そういった中で再度問題を起こしたということです。一度問題を起こした方へのフォローの体制が不十分なのではないかという言い方もあるんですが、不祥事を起こした教諭に対してのフォローというのは現状どのようになっているか教えてください。

 

(教育長)

 前回の処分がなされた後、当該教員に対して研修を実施してきたところです。そして、指導等も重ねてきたわけでありますが、その後異動になって、新たな異動先で、今回、このようなことが起きたわけです。そこでも管理職である校長・副校長から当該職員に対しての指導を、過去の処分例も踏まえて行ってきたわけですが、その指導に対しても、素直に聞き入れていただけなかった面もあったやに聞いております。

 また、同僚職員に対しての不適切な発言であるとか、態度であるとか、そういった面もあったと報告を受けています。

 今回の事案の報告を受けて、直ちに、生徒に接することを避けるためにも、自宅待機を命じ、調査等を進めてきて、様々な不適切な対応、発言等々が判明し、厳正に対処したという経緯です。

 

(記者)

 それこそ本来であれば、そういった生徒への不適切な発言が起きる前に、未然に防ぐのが指導のあり方だと思うんですけれども、現状の一度不適切な行動をとった教職員に対してのフォロー体制というのは、十分と見ているのか、まだ改善の余地があると見ているのか、いかがでしょうか。

 

(教育長)

 今回の事案を踏まえますと、個別の指導の仕方というものにも問題がなかったか、確認は必要かと思います。管理職の話も確認しておりますけれど、再三に渡って指導等を行ってきたということは聞いており、ただそれでも、不適切な発言や対応が重なったと。

 それから、同僚職員から組織として話が上がってきたときに、「チクった」というような話も出てきたりというのがあって、色々と確認、調査をしていく中で、いろんな問題発言、問題行動が多く出てきている。ですから、普段の様子を見て指導を強化するとか、そういった必要があったかもしれません。

 今回、当該教員が、その指導を受け止めきれなかったのかどうかなんですが、そこは今後も徹底して普段から見ていかないと、そういう事案がといいますか、そのような職員がいる場合、その対応の仕方というのも、個別のケースにもよるんでしょうけれど、そこは学校現場と教育委員会事務局の方で、具体的には教職員課と情報共有しながら、しっかり指導を強化していかなければならないと思います。

 

(記者)

 今の最後のところに繋がるんですけれども、こういった所属長、校長・副校長の指導があっても聞かない、もしくは効果がないという場合には、やはり県教育委員会としても何らかの手を加える必要があると思うんですが、体制整備等のお考えはありますでしょうか。

 

(教育長)

 体制整備という質問が出ましたけど、今すぐパッと具体的な体制のあり方というのは、即答しかねますが、問題のある教員に対してどのような形で指導を強めていくかということは必要であると思いますので、その方法とか、今回の事案も十分に精査しながら、あるべき指導の体制とか、指導の仕方、それについてもどのような形で強化していくか、改めて検討が必要だと思います。

 

(記者)

 中総体・高総体シーズンが始まりますけれど、コロナ禍での開催ということもあって、それぞれ対策をとりながら開催というところですけれども、生徒の皆さんは一生懸命目標に向かって頑張っていらっしゃると思います。

 教育長として掛けるエールの言葉がありましたら伺いたいということと、現場に対してどういう感染対策を求めているかということも併せてお聞かせいただけたらと思います。

 

(教育長)

 今日から高総体の競技が始まります。先週は、総合開会式が4年ぶりに開催できたということで、しかも感染対策を講じながら非常に工夫を凝らした開会式になったと、私も感じています。

 開会式に出席して激励の言葉を述べたのは、今回が実は就任後初めてということもあって、かつてなら県営運動公園の総合競技場の大きな会場で、さらに県内から多くの生徒が集まって応援合戦も繰り広げたりして実施しているのと比べると、かなり質素といいますか、今風に考えた形での開催でした。

 しかも、応援風景を生徒たちが主体的に映像収録して、自分たちで編集して流すというような取組ですが、本当にすばらしい。今、子供たちは、そうやって、様々新たな取組に工夫を凝らしているということがあって、そして、選手1人それから校旗を持った選手1人という、本当に限られた中で開会式に参加して、それぞれの学校紹介と、素晴らしい宣誓があったり、こういう状況の中で大会が開催できる喜びについても述べられておりました。部活動においても、まだ制限がある中で、これまで頑張ってきた力をこの大会にぶつけるという思いが、本当に伝わってきたと私も感じています。

 これから競技を迎えるわけですけれど、それぞれの競技団体ごとにガイドラインが決められています。それぞれ競技の特性に応じた感染防止対策のやり方があるわけですから、そのガイドラインに沿って、しっかり取り組んでいただきたいと思います。

 感染が確認されて出場できないことが、一番避けなければならないのだと思います。せっかく今まで一生懸命取り組んできた成果を発揮する場や機会がなくなってしまっては、元も子もないと思います。そのためにも、先日の県の対策本部員会議でも、特に注意喚起をポンチ絵等でも示してきたところですので、それを徹底していただきたい。私どもは、いろんな場面でいろんな行事を控えて、休み明けの注意事項であるとかゴールデンウィーク後の注意事項とか、分かりやすく、ポンチ絵を使いながら徹底を図ってきました。

 今、連休明け、学校が再開されてからも、高止まりしている状況にあります。改めて、先週末には、部活動等における感染対策等についても通知をしています。

 子どもたちは、こういう制約された状況の中でも、様々工夫を凝らしながら、頑張ってきておりますので、何とかその大会に参加できるような形で、そして思う存分力を発揮して、そして、全国を目指して欲しいと思います。

 

(記者)

 岩泉高校の教員の件に戻って、そういう不適切な行為、セクハラ行為を、主に受けたのは生徒かなと思うんですけど、そういった生徒のケアとかはどのようにお考えでしょうか。

 

(教育長)

 それは大変大事な視点でありまして、スクールカウンセラーを配置したり、あるいは先生方に丁寧に生徒から状況を聞いたり、相談を受けるようにお願いしておりますし、子どもたちの様子を常に、授業なり学校活動を通して細かに観察していただいて、そして支援が必要な生徒がいる場合には、しっかり寄り添って対応していただくようお願いしていきたいと思います。

 学校訪問をして校長先生方と懇談をしていると、最近コロナ禍によって、なかなか友達づくりとか、生徒同士の繋がりが希薄になっているということもお聞きします。

 今回のようなことがあって、友人にも相談できないようなことがあってはだめですし、ましてや教員、学校の方にも、遠慮なく相談できるような形で対応できるように、学校の方にもお願いをしておきたいと思います。これは学校長会議等におきましても、各学校において、十分配慮するよう呼びかけをしています。

 

(記者)

 本来であれば、頼るべき先生がこのような態度だと、不信感も抱くのかなと思うんですけれども、そういった意味で、体調不良とか、学校に登校したくないとかそういった子どもはいるんでしょうか。そういった声はあるんでしょうか。

 

(教育長)

 細かい情報は把握をしておりませんけれど、県立学校の場合ですと、担任の他に副担任がいて、それから学年長であったり養護の先生とか、担任以外の様々な方にも相談できるような形になっております。

 実際に、女子生徒さんなんかはよく養護の先生に相談をするとか、そこから学校としてのいろんな事案が把握されてくるというケースが多いです。

 また、アンケート調査等も年に数回やっているわけですけれど、そこでいち早く予兆等を把握して、対応していく必要があると思います。

 

(記者)

 別の点について伺いたいのですが、昨日文部科学省が、2021年度の英語教育実施状況調査の結果を公表しまして、公立中学校の英語教師が英検準一級以上を持っている割合が都道府県の中で全国最低という結果に岩手県の場合はなってしまったんですが、まずこの受け止めをお聞かせください。

 

(教育長)

 文部科学省の英語教育実施状況調査は、令和3年12月に調査があり、昨日結果が公表されたということで、速報的に担当の方から、そのような数字があるということも報告がありました。

 英語担当教員の英語力の状況ということも、下位にあるということを伺いましたけれど、授業における英語の使用状況などの数字で見ていきますと、かなり積極的に使われていて、全国平均を上回るような形になっているということは、非常によろしいことだと思っています。

 今、学習指導要領では、英語科は英語で授業するということが盛り込まれていますから、それにしっかり対応しているということが言えると思いますけれど、今ご指摘のとおり、中学校教員の英検準一級レベルですか、これが大きく全国平均を下回っているということ、これも報告がありまして、これについては高校の場合は、全国平均を若干下回る程度で、一方、中学校の教員が大幅に低い状況と。なぜそのようになっているのか、分析等はまだされてないということも聞いています。どういう理由なのか、そこはこれから調べてみる必要もあるかと思いますけれど、私どもは、英語教育の指導力の向上ということを、まず最優先に取り組んでおりまして、指導主事による学校訪問を強化するとか、研修の強化とか、そういった取組を通じながら、本県の英語力向上に向けて取り組んでいかなければならないと思っております。担当教員の英語力の向上について具体的に何かしていくかどうか、これは今後の検討課題だと捉えています。

 

(記者)

 まさしく教育長のおっしゃるとおり岩手県の生徒の英語による言語活動時間というのは、全国平均より少し高めの傾向にあるんですが、調査の最後の方の分析によると、生徒の英語力向上のためには言語活動の時間に加えて、英語教師の英語力という二つの要素が影響してくると結論付けています。まだこれからどう対応してくか検討中ということですけれども、教師の英語力向上に向けては、何か県教委として今後音頭をとっていく方針とか、いかがでしょうか。

 

(教育長)

 生徒の学びに直結するのが教員の指導力だと言われています。

 県全体の英語力の向上に向けて、今後は何が必要か、改めて強化すべき内容や、どういったところに力を注いでいくか。これまでも取組はしてきています。今回の文部科学省の調査の内容は、こういったところに一つの判断基準を設けていますけれど、これは、これまでの教員の、何と言いますか、年齢構成とか長い時間をかけて今に至っている部分もあるのではないかと思います。その辺の分析も必要になってくると思います。教員採用試験の場合に、英語の教員採用ではこういった資格、英検とかTOEFLとかを持っている方については加点をするようなインセンティブも与えていて、そういった形でも英語力の高い英語教員の採用ということも進めてきています。

 あとはどういうスピード感でいくのかですね、直ちにこれを改善しなければ本県の英語教育に大きな支障を及ぼすかというところまでは、今時点ではそんなに言えるものではないのではないかなという気がします。

 ですから、この英語力の向上のため、どういったところに資源を投入していくかというところは、今後の検討課題でもありますけれど、英語力の向上全体の中で、注力する場所を考えながら対応していくことがまず望まれるのかなと。単に、この数値を伸ばすことにこだわるのではないのではないかなという気もします。

 

(教育企画室)

 これをもちまして、今月の教育長記者会見終了とさせていただきます。

 次回の教育長記者会見、6月22日、水曜日10時半から、この場所にて開催させていただく予定です。本日はどうもありがとうございました。

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