令和3年2月1日教育長記者会見における質疑応答

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ページ番号1037718  更新日 令和3年2月26日

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令和3年2月1日(月曜日)
県庁10階  教育委員室

発表事項:

  • 新たな県立高等学校再編計画後期計画(最終案)について
  • 岩手県立特別支援学校整備計画(最終案)について

質問事項:

  • 新たな県立高等学校再編計画後期計画(最終案)について
  • 岩手県立特別支援学校整備計画(最終案)について
  • 県と盛岡誠桜高校の耐震改築補助制度をめぐるトラブルについて
  • 夜間中学の設置について
  • 再発防止「岩手モデル」策定委員会について

質疑応答

(教育企画室)

 それではただいまから、教育長記者会見を始めます。

 本日は、教育長から発表事項がございます。

 それでは、佐藤教育長よろしくお願いします。

 

(教育長)

 それでは、令和3年度から令和7年度までの5年間を期間とする「新たな県立高等学校再編計画後期計画」の最終案について説明をいたします。

 昨年2月に後期計画(案)を公表後、パブリック・コメントを実施するとともに、7月から9月にかけて、地域検討会議や意見交換会等を開催し、後期計画(案)の内容について多くの意見を伺って参りました。

 また、各団体から要望等も多数いただいたところです。

 これらも十分に考慮した上で、全県的な視点や生徒にとってより良い教育環境を整備するという視点を重視しながら、慎重に検討を重ね、当初案から一部見直しを行い、最終案としたものです。

 まず、基本的な考え方、「生徒の希望する進路の実現」と「地域や地域産業を担う人づくり」については、変更はありません。

 また、一定の入学者のいる「1学級校」及び7学級校等の学校を維持することも当初案のとおりです。

 当初案から見直したのは、学校の統合に関する部分です。

 資料No.1「新たな県立高等学校再編計画後期計画(最終案)~後期計画(案)からの見直しのポイント~」をご覧下さい。

 まず、資料の右側、最終案の箱書きにあります修正1の部分をご覧下さい。

 盛岡ブロックにおける盛岡南高校と不来方高校の統合については、原案のとおり両校を統合し、特色ある教育を実践する学校を設置したいと考えています。

 ただし、中学生への配慮の必要性に関する意見もあったことから、統合の過程について見直しました。

 当初案においては、令和4年度から令和6年度まで盛岡南高校の学級数を1学級ずつ減じることとしておりましたが、令和4年度の盛岡ブロックにおける中学校卒業者の数に合わせて、盛岡南高校、不来方高校両校の定員を現行のまま維持した上で、令和5年度に両校ともに1学級減とし、その後、統合時に両校合わせて3学級減とすることとしたものです。

 これにより、統合まで両校とも一定の学校規模を確保することになり、活発な学校活動が統合前年まで維持できるようになります。

 資料の追加の部分をご覧下さい。

 産業教育の一層の充実や統合後の施設等の有効活用に係る意見を踏まえ、今回の統合に合わせて、校舎等の老朽化が著しい盛岡工業高校を盛岡南高校の統合後の校舎に移転し、施設設備を一部更新することで、工業教育のセンタースクールとしての機能強化を図ることも検討したいと考えております。

 次に、資料の修正2の部分をご覧下さい。

 県南地域における水沢工業高校、一関工業高校及び千厩高校産業技術科の統合についてですが、千厩高校産業技術科を統合対象から除外し、水沢工業高校と一関工業高校との統合に見直しました。

 地域検討会議等においては、ブロックを越えた圏域の広い統合により、通学の遠距離化を招くことを懸念する意見が多く、その中でも、東磐井地区の生徒に与える影響に関するものが多数あったこと等を踏まえたものです。

 これにより、東磐井地区に工業の学びを残しつつ、県南地域の工業の基幹となる学校を設置したいと考えております。

 次に、資料の修正3の部分をご覧下さい。

 宮古ブロックにおける宮古商工高校と宮古水産高校についてです。

 見直しは、両校の統合は行わず、それぞれを単独で維持しつつ、老朽化が進む宮古商工高校と宮古水産高校の校舎及び施設等を同一校地内に集約して、両校の施設の共有化を図るなど、一体的な整備を図りたいと考えております。

 地域検討会議等においては、水産関係者を中心に、三陸沿岸地域の水産振興のため、県内唯一の水産高校である宮古水産高校の存続を求める意見を多数いただきました。

 また、宮古市が中心となって「岩手県立宮古水産高等学校存続、養殖科新設協議会」を立ち上げており、同協議会から、宮古水産高校の存続とともに、校舎について宮古商工高校との一体的な整備の提案を含めた要望がありました。

 これらについて検討したところ、両校を単独校として維持しつつ、両校の連携を通じた専門教育の充実や学校活動の活性化等を図ることが可能であると判断したものです。

 併せて、現在、同協議会においては、宮古水産高校の存続に向け、学校の魅力づくりとその情報発信、遠隔地から進学する生徒のための受入体制の整備、卒業後の就職先の確保の支援等について協議しているところであり、そのような地域の取組等も踏まえたものです。

 二戸ブロックの統合については、参考の部分をご覧下さい。

 二戸ブロックにおける福岡工業高校と一戸高校との統合については、当初案でお示ししたとおり統合を図ることとし、校舎制の導入により、福岡工業高校の校舎を有効活用しながら、地域に現行の機械と電気の学びを維持したいと考えており、また、地域産業と連携した学びも取り入れながら、地域の将来を見据えた専門教育の拠点となる魅力ある学校として整備したいと考えております。

 最後に、今回の後期計画に関わる校舎等の整備の全てにおいて、学校施設の地域への積極的な開放に向けた検討を進めながら、学校と地域との連携・協働体制の一層の充実を図りたいと考えております。

 最終案についての説明は以上となります。

 なお、計画策定に当たり、盛岡市からは、住民への丁寧な説明を求める要望をいただいており、盛岡市議会からも意見書をいただいていること等を踏まえ、盛岡ブロックの再編計画に関する説明会を2月18日(木曜)に開催することを申し添えます。

 

 それから、もう1点。

 岩手県立特別支援学校の整備計画最終案についても、併せて説明をさせていただきます。

 資料をご覧ください。

 昨年の10月に岩手県立特別支援学校整備計画(案)について公表するとともに、11月16日までパブリック・コメントを実施いたしまして、県民の皆様から多数の御意見を頂戴いたしました。

 まず、基本的な方針である、(1)各地域の実情に応じた学びの場の整備、(2)関係機関と連携した個別のニーズへの対応、(3)特別支援学校のセンター的機能の充実及び主な整備内容の大きな方向性については変更ありません。

 御意見の主な内容といたしましては、「宮古恵風支援学校移転関連」、「特別支援学校未設置地区(二戸)関連」、「分教室関連」、「寄宿舎関連」等であり、一部修正を行ったところです。

 具体的な修正部分について、1つ目でございますが、「主な整備内容の(1)各地域の実情に応じた学びの場の整備」の「エ 学校立地における自然災害への対応 宮古」についてです。

 様々な対応・解決策を含めた形で検討をしていくものとして「抜本的な環境整備」と「優先的に検討」という文言の追加修正をしております。

 2つ目は、同じく「主な整備内容の(1)各地域の実情に応じた学びの場の整備」の「オ 特別支援学校未設置地区における小中高等部一貫の特別支援学校の設置 二戸」についてです。

 二戸分教室の状況等を勘案し、二戸地区の新設校設置の早期化について、「可能な限り早期の開校を目指す」と修正し、これに併せてスケジュールも修正しています。

 なお、設置場所については福岡工業高校の校地内を検討しています。

 また、スケジュールに関しては、盛岡峰南高等支援学校の教育内容等の見直しについて、目まぐるしい社会情勢の変化を勘案し、教育内容等の見直しをした後、新たな教育内容の実施について速やかに実施していくものとの考えから「取組可能な学科から先行実施」の文言を追加してございます。

 その他、本文中の数か所につきまして、文言の追加や修正を行ったところです。

 今後、成案策定後におきましても、これまでの取組の成果を引き継ぎながら、引き続き学校施設等の環境整備を含めた特別な支援を必要とする児童生徒等の教育環境の整備を進め、本県の特別支援教育体制の一層の充実を図って参りたいと考えております。

 発表については以上です。

 

(教育企画室)

 ここからは、幹事社の進行によりまして、質問にお答えするかたちで進めます。

 

(幹事社)

 それでは、ただいまの発表について、質問がありましたら発言をお願いします。

 

(記者)

 まず、特別支援学校の整備計画案について、修正内容を、優先的に検討であったり、可能な限り早期開校ということで文言が追加されていますが、スケジュール的に具体的な計画というのはまだ決まっていないということでしょうか。

 

(教育長)

 今回の特別支援学校の整備計画は、以前の計画では統合、再編の計画だったのですが、今回は、統合も再編も予定がないということで、主に、施設と設備の整備が中心となっています。

 そして、スケジュールについてですが、現在、取り組んでいるのが、釜石祥雲支援学校の新築工事等です。

 これは、令和3年度から本格的な整備工事が進んで参ります。

 釜石祥雲支援学校の整備を終えた後に、二戸地区に特別支援学校が未設置ということで、小中高等部一体型の特別支援学校の設置を考えています。

 現時点における施設整備のスケジュールについては、釜石、そして、二戸ということを考えています。

 その先になりますと、県財政も非常に厳しい状況の中で、宮古恵風支援学校についても、台風や大雨の影響で臨時休業等を余儀なくされている面はございますが、まずは、釜石、二戸地区の整備を優先し、その後、財政状況と関係部署との調整を経なければ、まだ明確にはお示しできないということで、このような表現等をせざるを得なかったものです。

 

(記者)

 高校再編の方で質問なのですが、宮古市の方は統合ではなく単独で維持となりまして、他にも反対する団体からの要望等がありました盛岡南高校と不来方高校、福岡工業高校などの方は、言い方は悪いですが、反対意見は押し切るような形で、多少、歩み寄りは見せたと思うのですけれども、不来方高校も令和9年までに15学級減り、かなりの定員が減ると思うのですが、これは盛岡に来たいという子どもたちの要望には応えられなくなるということですよね。

 

(教育長)

 あくまでも、今回の後期計画最終案の考え方は、児童生徒の減少に対応するということを根拠にしています。

 宮古地区については、校舎の整備と併せて一体的な整備という形で、そして宮古水産高校は県内唯一の水産高校ということもあり、地元の宮古市を中心とした協議会が立ち上がり、県教委と連携しながら、生徒の確保や就職先等の進路についても、今後、連携、支援をいただけるということ等もあります。

 そういった中で、宮古商業高校の校舎の中に、宮古商工高校は入っているのですが、非常に施設が老朽化しています。

 商業校舎が57年、宮古水産高校が52年、工業校舎は48年経過しています。

 宮古地区の校舎が老朽化しているということが背景にありまして、その中で地域の学びを確保しつつ、子どもたちの将来、岩手を担う児童生徒のより良い教育環境を整備していかなければならないということを第一に考えたところです。

 そして、他の地域、盛岡地域、県南地域、二戸地域についても、児童生徒の減少等に対応しつつ、どのような形で地域に学びの場を維持し、生徒の希望する進路を実現するか、地域や地域産業を担う人づくりをいかに実現していくか、そして、より良い教育環境を整備していかなければいけないということで、非常に各地域から様々な要望、思い等もいただいているところですが、全県的な課題への対応、それから、校舎等の老朽化への対応ということで、いろいろと創意工夫を凝らしながら、このような修正案を提案させていただいたところです。

 

(記者)

 この盛岡ブロックの件に関して、市の方から丁寧な説明をという要望に応えて説明がなされると思うのですけれども、これはこの1回だけなのでしょうか。

 

(教育長)

 現時点では、そのように考えています。

 新型コロナウイルス感染症等への対応もあり、なかなか会場の確保であるとか、事前の登録や手続き等もあり、可能な限り対応したいと考えていますが、現時点で予定しているところでは盛岡地区についてこのようになっています。

 

(記者)

 計画案は3月には確定するものですよね。

 

(教育長)

 手続き的には、本日、お示しをして、3月の教育委員会定例会にお諮りをしたいと考えており、そこで決定となる予定です。

 

(記者)

 当然ながら今回も、説明会に関しては反対意見もかなり出ると思いますが、そういった反対意見が出て、その意見への対応、説明会的なものもされないということでしょうか。

 

(教育長)

 日程的には県議会や教育振興基本対策審議会等があると思います。

 どのような形になるかは、実際に説明会を開催してみないと何とも言えません。

 いろいろと署名活動等をされていまして、意見書と合わせて嘆願書も提出されています。

 そういった方々の思いについては、本当に重く受け止めています。

 また、地域への配慮と言いますか、考え方の中では、追加というところで、盛岡ブロックにおける工業高校の整備ということもありまして、盛岡工業高校も建築から52年経過しており、非常に老朽化が進んでいます。

 設備等も古くなっており、工業高校のセンタースクールとしての機能が非常に見劣りする状況です。

 県南地域にも工業高校の設置ということを考えておりますが、盛岡工業、黒沢尻工業、それから県南の工業高校ということで、工業の専門教育の拠点となる施設の充実を図っていく必要があると考えており、それが本県の工業を担う人材の育成につながることや企業の進出が続いていますが、そういったところへの人材を生み出すとか、このような最先端の学びを実現することで企業誘致にも効果を及ぼすことが期待できるのではないかと考えています。

 都南地区については、盛岡工業高校が盛岡南高校の校舎を活用する形で、地域にとって学校は存続する形になります。

 また、先ほども最後に説明しましたが、地域への開放について、地域と連携することについても、この施設を整備する際にそういった機能も併せ持たせて、地域との連携、或いは開かれた学校というものを実現していけば、地域の方々への配慮にもつながるものと考えています。

 

(記者)

 そういった思いもあると思うのですけれども、手続き的なところも含めて、実際、高校がなくなることで影響を受けるのは、先ほど教育長がおっしゃった地域、通っている生徒の方々、反対意見を出しているОB、ОGの方々だと思うのですけども、そういった意図というか、目的とか将来の展望等を直接語れる場が説明会になると思いますが、それが1回だけで十分なのでしょうか。それで丁寧な説明となるのでしょうか。

 

(教育長)

 今回、最終案とさせていただきましたが、今後は統合検討委員会といった形で、より具体的な統合に向けた検討の場も作っていきます。

 そこで発展的な統合という趣旨で考えていますので、この両校の伝統等を引き継いで、さらに高めていくような、そういったことを、お互い発展的な協議ができるような形で取り組んでいっていただければいいのかなと思います。

 

(記者)

 高校の再編計画の方で、県南地域の方の大規模工業高校の設置なのですけれども、こちらの千厩の産業技術科が、統合対象から除外されるということになりましたが、これによって、当初は2ブロックをまたぐ統合ということで、去年の2月時点では、少なくとも最短でも令和7年度以降の統合になるという説明でしたけれども、1校を外されたということで、それが前倒しになる等の予定はありますか。

 

(教育長)

 資料2に最終案の概要ということでまとめさせていただいていますが、真ん中下に後期再編プログラム総括表が載っています。

 今、お尋ねいただいた水沢工業、一関工業については、今のところ前倒し等は考えていませんので、当初の予定通り令和7年度以降となります。

 

(記者)

 千厩が除外された理由としては、通学が困難になるということが主な理由でしょうか。

 他の一関も水沢も結局は、どちらかの方に校舎が設置されるのかまだ分からないのですが、アクセスが困難になる生徒は少なからずいるとは思うのですけど。

 

(教育長)

 地域検討会議であるとか意見交換会で多く出されたのは、やはり東磐井地域の生徒の通学が大変になるのではないかという声が大きかったので、そこを一番に考慮しました。

 今後は、水沢工業高校と一関工業高校の統合で、どこに、どのような形でいうことになりますが、基本的に生徒の通学の利便性とか、そういったところを優先的に考えるのがよろしいのかなと考えています。

 これは両地域で、これからいろいろとお話が出てくる可能性はあるのですが、基本的な考え方は、あくまでも生徒の学びの場をしっかりと整備していくということで、通学の利便性等もしっかりと確保していく必要があるということも念頭におきながら、整備に向けた検討を進めていきたいと考えています。

 

(記者)

 宮古の修正のところで、商工と水産を、それぞれ単独で残すということですけれども、同一校地内ということで大体の場所は想定されているのでしょうか。

 

(教育長)

 宮古地区については、現地に赴いて、私も検討作業に入っていたのですが、まず、旧工業校舎ですが、震災の時に津波の被害がございました。

 それを踏まえると、旧商業校舎はちょっと高いところにあり、校舎も57年経過していることを考え、現在の宮古商工の旧商業校舎の地域が一番適地ではないかと考えています。

 そして、今回、宮古商工高校と宮古水産高校を一緒に整備することになりますと、例えば、共有部分を整備する際に、施設の一部の共有化を図ることができる。

 それから、教員の配置を併任の形で、共通教科の先生方は、両校を受け持つことができ、そうなると、共通教科の教員の配置を若干少なくでき、専門教科の教員の配置を充実できるというメリットもある。

 実は、このような整備をした全日制の校舎は、全国ではありません。

 今回、いろいろと手法等を検討して、水産高校の存続と合わせて老朽化した施設設備を一体化整備すると、水産高校を残すことが可能になりますし、専門教育の充実にもつながります。

 それから、例えば、商業、工業、水産、多様な分野の学びを連携してできるメリットもあります。

 そういった意味で、全国にないモデルのような学びができる施設整備をできないか検討し、宮古市の方からも施設をしっかりと整備した上で、水産の学びや多様な学びを地元に残して欲しい、地元としても、可能な限り協力いたしますとのことでしたので、宮古地区はこのような形で整備を進めていきたいと今回の修正に至ったものです。

 

(記者)

 改めて、昨年の2月から3月にかけて行われたパブリック・コメントの件数と内容を伺いたいのと、後期計画がまとまっての所感を伺いたいと思います。

 

(教育長)

 パブリック・コメントは、最終的に成案と合わせて公表するつもりでした。

 

(高校改革課長)

 件数は、192件です。

 

(記者)

 どういった内容が多いですか。

 

(高校改革課長)

 内容は様々で、原案について賛成する御意見もあれば、反対する御意見もあり、様々頂戴したところです。

 

(記者)

 地域的にはどこの地域の高校が多かったですか。

 

(高校改革課長)

 地域的に一番多かったのは、釜石・遠野ブロックです。

 時期的に遠野と遠野緑峰の統合に関する結論がまだ出ていないことがありましたので多かったものです。

 なお、先ほど192件と言いましたが、届いた件数自体は96通です。

 その中に複数の意見があり、意見として192件あったということです。

 そのうち、盛岡ブロックは19通、岩手中部ブロックが3通、胆江ブロックが15通、両磐ブロックが0通、気仙ブロックが3通、釜石・遠野ブロックが34通、宮古ブロックが4通、久慈ブロックが2通、二戸ブロックが15通、特定できなかったものが1通でした。

 

(記者)

 後期計画をまとめての所感をお願いします。

 

(教育長)

 昨年2月に後期計画案を公表し、今パブリック・コメントの話がありましたが、それに加えて、地域検討会議や意見交換会をかなりの回数を開催してきました。

 そしてまた、盛岡地区については、盛岡南高校の存続を願う会、盛岡市議会からの意見書の提出もございました。

 本当に地域にとって、県立高校の存続というのは本当に大きな課題であるということを改めて強く感じたところです。

 それぞれの地域の方々が、それぞれの地域の高校の存続を願うことはそのとおりだと思います。

 ただ一方で、昨年、計画案を公表した際には、可能な限り地域での学びを残すということで、1学年1学級の小規模校については存続するということ、もう1点は、従来、1学年4学級から6学級という考え方がありましたが、7学級校の維持や、今回の最終案でも盛岡地区では8学級と一定規模の県立高校を残しておくことは、児童生徒が希望する進路の実現と多様な学びの確保を実現していく上では、大事なことだと考えています。

 それから、教育環境の整備、これは私の就任以来、全県立学校には無線LAN、Wi-Fi環境の整備を進めてきて、今年度中には全て整備されます。

 それから、大型提示装置や新型コロナウイルス感染症対策ということもあり、県内小中学校ではGIGAスクール構想の加速を受けて整備が進んでいくので、県立高校についても遅れをとらないように、小中学校で学んだ生徒が高校に進学してくるわけですから、県立高校でもICT化の対応を進めていかなければならないということで、数次にわたる補正予算も含めて、また、エアコン整備など、私としては子どもたちの教育環境の整備に力を尽くしてきましたし、今後も引き続き努力していかなければならないと考えています。

 その上で、この後期計画の最終案の検討に当たって、子どもたちの学びを将来に向けてしっかりと作っていきたい、より良い教育環境を残していくということを最優先に考えないといけないと考えています。

 地域にとって学校の存続が大事だということは重々承知しています。

 盛岡地区についても、そのような声が大きくなったところですが、全県的な視点に立った上で、あるいは、教育環境の整備という観点で、老朽化した校舎についても、今後、時間の経過とともに古くなっていくわけですから、早期に整備をしていかないと、いつまでたっても古い校舎のままということになってはいけないので、本当に様々な工夫を凝らしながら、より良い教育環境を残していくということを是非ご理解いただきたいと考えています。

 そういった意味で、今回の最終案については、発展的な統合というところも意識しているところですので、理解をしていただきたいと思います。

 本当に様々な検討を重ねて参りました。

 そこでは色々悩み、苦悩しながら、何度も申しあげたとおり、今後、10年、20年先を見据えていったときに、きちんとした教育環境を残していくことを第一義的に考えて、このような案とさせていただいたところです。

 

(記者)

 宮古地区の学校のことで、少し詳しくお伺いしたいのですが、施設の共有というのは、例えば、校庭や体育館を一緒に使うということなのか、教室自体を同じ建物内に作ってしまうということなのか。

 

(教育長)

 今、考えているのは、商業棟、工業棟、水産棟などの校舎についてです。

 体育館などの共有は、生徒数にもよりますが、共有できるかどうか設計の仕方で工夫していきたいと思います。

 共通講義棟みたいなところを作れるかどうかなど、実際の設計に入っていく段階で、それから、どういう形で地域に開かれたスペースを確保するかなどを検討していきたいと考えています。

 盛岡工業高校が、盛岡南高校の跡地にくるという場合も同様に、今、少し通学が不便ということもあり、より駅に近いところで地域の住民の方々も施設の利用ができるというような施設の設計に当たって、統合委員会などの地域の要望をお聞きしながら具体の整備計画に反映させていければと考えています。

 

(記者)

 学校の名前についてですが、学校の名前は2つできるということですか。

 

(教育長)

 宮古については、あくまで宮古水産高校は存続しますので、宮古水産高校と宮古商工高校はそれぞれ残ります。

 

(記者)

 校門に2つの学校名が並ぶイメージですか。

 

(教育長)

 平たく言うとそうですね。

 

(記者)

 先ほどのお話の中であった、専門教科ではなく国語や数学など、そういう共通教科については共通講義棟とのことですが。

 

(教育長)

 内部の検討では、渡り廊下を使って行き来するイメージで、今、商業校舎と工業校舎は6キロくらい離れているのですが、結構不便です。

 部活は送迎するマイクロバスを走らせているところです。

 そういったことがなくなるということと、少人数でしかクラブを作れないところを連合チームや一緒に練習できるなど、そういう意味で教育活動もよりメリットがあると思います。

 

(記者)

 学校の先生が複数の学校で教えるというのは今までにあったのでしょうか。

 

(教育長)

 併任をかけるのは、例えば、複数の学校でそれぞれ指導しているというのは普通にあります。

 より教員にとって負担がかからない形でできると思います。

 

(記者)

 同一の敷地内で2つの学校ができるのは全国初というお話ですか。

 

(教育長)

 そうですね。

 全日制と定時制が併設されている例はあるらしいのですが、全日制の単独校が、2つ同一校地内に整備されるのは、全国にないです。

 

(記者)

 それについて文科省には確認されているのですか。

 

(教育長)

 そこは、いろいろと調査しました。

 あと、もう1つの例は、県営野球場を盛岡市と共同施工していて、そこに総務省の施設の統合の際の有利な起債も活用できるというメリットもあると思います。

 そういったいろいろな手法を駆使して整備を進めていきたいと思います。

 

(記者)

 全国初というところで、他に例がない中で、どうやってこの発想に至ったのか、その辺の経緯を教えていただけますか。

 

(教育長)

 地元の方からも提案があり、当初から老朽化している校舎でしたので、どうやって整備するか、あとは場所について、位置的に旧商業校舎の敷地がちょうど高いところにあって立地状況もいいのではないかと、ただし、整備費用は相当多額になると、水産高校と別々に整備するよりは一体的に整備したほうがイニシャルコストも低くなりますし、有利な財源も活用できるということであれば、非常にメリットが大きいなと考えまして、ましてや教員の併任をかけると共通教科は工夫できて、専門教員の配置を充実できることにもつながるということで、これは非常にいいことで、全国にない施設、そして、全国から宮古水産高校に生徒が希望して来ていただければ、なおよろしいかと思います。

 

(記者)

 今の宮古地区の件ですが、統合はしないということで、このスケジュールには載ってないのですが、学校を建て替えて一緒になる目途はいつごろですか。

 

(教育長)

 実際に整備費用はそれなりに要します。

 先程お話したとおり、どういう形での整備計画を作るか、それはちょっと時間をかけながら、具体の整備事業年度は予算も絡みますので、詰めた上で関係部署と調整を図りながら対応していきたいと思います。

 ただ、今、校舎制をとっていて、不便なところもありますから、校舎制の解消という意味では早く対応した方がいいと考えています。

 

(記者)

 あと1点、水産高校が商工高校の場所に移ることで、実習などに影響はないのでしょうか。

 

(教育長)

 実際には、宮古商工と宮古水産は非常に近接しています。

 あとは、その施設の利活用も、どのような形で、より効率的にやれるか、そういった整備手法を既存の施設の解体撤去をしながら整備を進めていくということもありますから、技術的なところも含めて、詳細は今後検討していくということです。

 

(記者)

 盛岡南と不来方の統合についてですけれども、先ほど丁寧にご説明いただきましたけれども、意見の中には、生徒の選択肢をある程度維持していくのも、より良い教育を提供するためには大切ではないかという意見もありました。

 同じような話になってしまうかもしれませんが、そういう意見については、どうお考えでしょうか。

 

(教育長)

 盛岡地区については、県立高校も複数ございますし、専門高校も商業、農業、工業とあります。

 それから、私立学校も複数あるということで、盛岡地域、周辺部を含めて県内の中では非常に恵まれているところもあるのではないか、交通事情とか、色々な面で他の地域よりは条件が良いと思います。

 そういった中で、多様な選択肢はまだまだ残されていると思います。

 また、地域からは、そのプロセスについても早期に提示して、中学生等の進学への検討に支障がないようにと要望がありましたので、早めに考え方を示した上で、施設の整備等も含めて、しっかりと検討する時間的余裕を確保するという思いで今回の案を作っています。

 

(記者)

 その一方で、宮古については、それぞれの学校を単独で維持という形になりましたが、複数の商業系の専門学科を併設した学校を作るということと、学校を単独で残すという、要は、1つの学校に違う色々な分野の学科を持たせるのか、それぞれの学校を残して、それぞれ専門高校を作るというのは何か違いがあるのでしょうか。

 

(教育長)

 今回の宮古地区については、県唯一の水産高校という面が一番要素として強いです。

 今回は、工業高校が中心となっていますけれど、今後は、商業、農業、それから、当然普通科をどのような形で対応していかなければならないか、どんどん子どもの数が減っていくということは明らかになっていますので、今後、検討していかなければならない大きな課題だと捉えています。

 

(記者)

 盛岡工業高校についての確認ですが、統合した暁には校舎を丸々そっちに移すというか、もともと盛岡南高校が使っていた校舎に盛岡工業高校の生徒が移るというイメージで間違いがないでしょうか。

 

(教育長)

 検討を進めていくということで発表させていただいていますけれど、これは地域検討会議の中で、一般の民間の方から、仮に盛岡南高校と不来方高校が統合となり、不来方高校の校舎を使うことになった場合、盛岡南高校の校舎の活用について、工業高校を移転してはどうかと提案があったところです。

 盛岡工業高校の施設の状況を見ますと、今の盛岡南高校の校舎の活用はできます。

 あとは長寿命化などの対応をすれば、校舎はまだ使用可能であり、産業振興設備等については、若干新たに整備する必要があると考えています。

 そうしますと、盛岡工業高校は、すべて盛岡南高校に移転が前提での検討となります。

 

(記者)

 最終案が発表されまして、それから成案に向けての流れというか予定について教えてください。

 

(教育長)

 先程お話しましたが、今日、最終案としてお示しました。

 そして、盛岡地区については、2月18日に説明会をさせていただいて、そのあとは議会等でも御質問が出てくるかと思いますが、私どもとすれば、3月の教育委員会議の場でお諮りをし、そこで手続き的には決定になると、その後に、各地域において、統合検討委員会等を立ち上げて、具体的な統合に向けた様々な課題について、具体的な協議に入っていくことになります。

 

(記者)

 先ほどの盛岡工業高校の校舎移転っていうのは、後期計画の範囲でもあり得るのか、それとも、次回以降の新たな計画案の中でその移転が検討されるなど、どれくらいのタイミングになりますか。

 

(教育長)

 実際に、後期再編プログラムの総括表で見ますと、令和7年度に盛岡南と不来方が統合になります。

 不来方高校の校舎を使うということで、色々な観点で校舎が不足するようなことがあれば、7年度までに校舎の整備をしておかないといけなくなり、そして、自ずと盛岡南が出た後に、例えば、先ほど説明しました産業振興設備等の産振棟が、どのような時期に整備できるかによって、令和7年度に統合になり盛岡南高校が空けば、工業高校が移転するということは当然考えられます。

 

(記者)

 早ければ令和8年ですか。

 

(教育長)

 令和7年、8年ということはあり得ますが、校舎の整備というのは当然に複数年、それに多額の費用もかかりますので、詳細については、何度も申し上げていますとおり、設計等と合わせながら、整備計画について詳細な検討をしていきます。

 

(記者)

 最終案が出たばかりではありますけれども、これから10年先になると今度2000人前後中学校卒業予定者が減っていき、少子化が進んでいく中で、今後、この後期計画は令和7年度まで出ましたが、この先、1学級校を残すというところも含めて、どのように考えていらっしゃるか、お聞かせ願えませんでしょうか。

 

(教育長)

 まず、具体的な対応等について、生徒の学びを確保していくというところでは、今、ICT化がどんどん進んでいく中で、例えば遠隔教育について充実していくことが可能ではないかと考えておりまして、その遠隔教育の導入等については検討を進めています。

 それから、そのずっと先となると、生徒がどんどん減っていく中で、現実的にどのような形で、対応していかなければならないか、それは、ちょっと時間をかけながら、この令和7年度までの5年間も何も考えないというわけではなく、もう次の期間、次の計画に向けた対応について継続して検討していく必要があると思います。

 

(記者)

 それこそ、今年度から高校の魅力化促進、地域と連携した学校の魅力づくりに取り組まれていると思いますが、そのあたりもこれからどのように進めていくかお伺いします。

 

(教育長)

 令和2年度の当初予算の時に、後期計画案を示しまして、地域に可能な限り学校を残していきたいという思いがあって、それで高校の魅力化促進事業というのを、金額的には本当に少額で700万円程度、28校で割りますと25万円くらいと本当に少額になるのですが、それでも、令和2年度は、各学校が、地元市町村、地域の団体、それから地元の企業等と連携しまして様々な取組をやっていただきました。

 非常に生徒たちも意欲的に取り組んでいただいて、地域を知る、地域と連携を持つ、そして将来に向けて自分たちがどういう進路を目標に掲げて、それに向かって努力していくかということがかなり定着してきているのではないかと思います。

 来年度についても、継続してやっていきたいと考えており、そこをいかにやっていくかということで、最終案でも、施設の整備の際に、そういったところを意識していく必要があるのではないか、いわゆる地域に開かれた学校づくりというようなこと、それをする上でも、高校の魅力化促進事業は非常に有効だと思います。

 大規模な学校では取り組んでいないのですが、小規模校はそれぞれの地域で取り組んでおり、同じ高校生が取り組んでいるということが、どんどん報道等されていまして、この大規模校の生徒に刺激を与えてきていると思います。

 大規模校あるいは都市部、盛岡市内の生徒であっても、どうやって地域と関わりを持つかを学ぶ、あるいは意識する、そして、地域の課題について探究的な学びに取り組むということに繋がっていると思います。

 それを今後、上手く発展させていければいいと考えています。

 

(幹事社)

 発表事項以外に記者クラブからの代表質問ありません。各社で事前通告している質問がありましたら発言をお願いいたします。

 

(記者)

 県と盛岡誠桜高校の間で、耐震基準を満たす校舎についての建替えを巡って、双方の意見の行き違いということで、トラブルになっていたと思うのですけれども、担当部局は違うと思いますが、教育長として所感があればお聞かせ願います。

 

(教育長)

 この件に関しまして、教育長の立場でとお話されましたけれども、ふるさと振興部で対応しており、所管外となりますから、私の方から、このような状況の中で、改めてコメントするのは控えさせていただきたいと考えています。

 

(記者)

 菅総理が、今後5年間で全ての都道府県と政令都市に不登校児や外国人が通う夜間中学の設置を表明されたのですけれども、本県でのその必要性や現状を伺いたいと思います。

 

(教育長)

 夜間中学についてですが、義務教育段階を終了しないまま、学齢期を経過した方、あるいは、不登校など様々な事情によって、中学校での学習が不十分で卒業した方がいらっしゃるということで、義務教育を受ける機会を保障することは、教育機会の確保の観点から重要であると認識しています。

 県教育委員会で平成28年度に、文部科学省からの委託を受けまして、夜間中学の設置に係る検討委員会を立ち上げ、本県の状況を把握するための調査と方向性についての検討を行いました。

 その検討委員会では、早急に設置が必要というニーズは認められなかったということでありますが、一定のニーズが確認された時点で、改めて具体的な設置のあり方について検討するということが報告書でもまとめられています。

 毎年調査を実施しているところですけれど、現段階では、夜間中学、中学校の夜間学級の設置に係るニーズは顕在化していないということですので、現段階で、すぐにどうのこうのというところではなく、引き続きニーズの把握に努めていきたいと考えています。

 

(教育長)

 先程、全日制の学校が併設になっているのは、例がないと言いましたけれど、全日制の工業高校と単位制でやっているところはあります。

 

(高校改革課長)

 他県の例でございますけれども、神奈川県に神奈川工業高校という全日制の学年制の高校があり、そこに新たに神奈川総合高校という全日制で単位制の高校、自分で教科を選んで、単位を取れば卒業できるという高校を、同じ校舎の中に作ったという例はあります。

 そういった意味では、全日制同士の例としてはあるということでございます。

 今回のように、宮古商工と宮古水産、今ある学校が同じ校地に整備されて、既存の学年制の全日制の単独校を一体的に整備するという例が全国では初ということで御理解いただければと思います。

 これにつきましては、文部科学省の学校設置基準等もいろいろと調べたものです。

 

(記者)

 先日、再発防止岩手モデル策定委員会の初会合があったと思うのですけども、下部組織、いろいろな問題を検討するというメンバーを見ると、ほとんどが県教委の方々で、1人だけが外の人という構成になっていまして、なかなか県教委以外からの意見を取り入れるのが少し難しくなるのではないかと思ったのですけれども、それについて教育長のお考えを伺います。

 

(教育長)

 県教委以外にも、例えば、自殺予防のところでは、保健福祉部の自殺予防の担当部署の専門家も入っていますし、それから、現場の保健師さんなど、そういった方々もメンバーには入っています。

 あとは、内容的に管理や研修は、教育委員会の内部が主ですから、そういったところで内部職員が多数を占めているところはありますけれど、必要なところには、知事部局なり関係部署、それから自殺予防のところには専門家の委員である大塚先生に助言いただくことにしていますので、そこについては配慮したつもりです。

 

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