平成23年10月27日教育長記者会見における質疑応答

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ページ番号1020092  更新日 令和1年5月8日

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平成23年10月27日(木曜日)
県庁10階  教育委員室

発表事項:

  • なし

質問事項:

  • 震災による授業の遅れの解消について
  • 沿岸部の小中学校における教員OBの配置状況について
  • 八重樫選手のプロボクシング世界王者獲得について
  • 平泉の文化遺産の世界遺産拡張登録について
  • 復興教育の取組について
  • 学校再建の検討状況について

質疑応答

教育企画室
ただいまから、教育長記者会見を始めます。
本日は、教育長からの発表はありませんので、記者クラブからの質問をお願いします。

幹事社
記者クラブからの代表質問はありませんので、各社から質問がありましたらお願いします。

記者
3点お伺いします。
1点目は、震災発生から約7か月半が経過しましたが、沿岸部の学校では入学式、始業式がかなり遅く始まりました。授業の遅れなどが今の段階で解消できているかどうか、現状を把握されていれば教えていただきたい。
2点目は、沿岸部の小中学校において、沿岸部在住の教員OBの方を臨時職員として採用するという方針が5月ごろ示されておりましたが、その後の採用、配置の状況はどのようになりましたでしょうか。
3点目は、先日、北上市出身の八重樫東選手がボクシングの世界王者、WBAミニマム級ということで、県人として初めての世界王者につかれましたけれども、これについてのご感想をいただきたい。

教育長
沿岸部の学校の状況ですが、御存知のとおり2週間から3週間遅れて学校が始まりました。学校の状況も皆さん御存知だと思いますが、仮設住宅等がグラウンドに建ててあるなど困難な状況でありますが、通常の授業が軌道に乗りつつあるところだと思います。授業の遅れの解消のために、一つは各学校では夏休みを短縮しました。学校によって様々ですが、小学校では3日から7日、高等学校では1週間から2週間くらい短縮してなんとか授業時数を確保しようとしたのですが、それでもまだ必ずしも十分でないと報告を受けていまして、それぞれの学校では冬休みについても短縮する必要があるのではないかということで、今それぞれ具体的な検討を行っていると聞いています。また、沿岸の被災地の子どもたちはやはり非常に厳しい環境に置かれています。仮設住宅等についても勉強できる環境が必ずしも十分ではないという話も聞いていますので、それぞれの学校で、放課後に学習の機会を持ってもらうなど具体的な工夫を行いながら、子どもたちの学びの状況がいくらかでも良くなるように努力しているところです。
教員OBの関係では、皆様方にずいぶんご協力いただきまして本当にありがとうございました。沿岸部がああいう被災状況ですので、国からは教員の加配枠をもらったのですが、具体的な人の手配が正直言って大変でした。具体的には、沿岸被災地については164人の加配を行ったところですが、そのうち教員OBについては、特に被害の大きかった宮古市以南を中心にいろいろお願いをしまして、結果12名のOBの先生方からご協力をいただいて、現在それぞれの学校に勤務をいただいている状況です、八重樫選手についてですが、岩手にとって非常にうれしいニュースだと思いますし、こういう震災という年に世界チャンピオンになってくれたというのは本当に我々としてもありがたいことだと思っています。私はお会いしたことはないのですが、佐々木教育次長が黒沢尻工業高校の校長を経験していまして、その時に八重樫選手に学校に来ていただいたことがあるそうです。当時は東洋太平洋ミニマム級チャンピオンだったそうで、チャンピオンベルトを見せていただきながら後輩にいろいろな話をしてくれたということですが、非常に穏やかで紳士的で、これぞスポーツマンという人だったと聞いています。また、八重樫さんは2回目の挑戦で、1回目の挑戦では試合中に骨折され、その骨折に耐えて試合を継続なさって、通常であれば再起も危ぶまれる状態だったと聞いていますが、そういった苦しい環境の中でもそれを克服されて世界チャンピオンになったということは、岩手の震災からの復興に相通ずるものがあると思いますので、私どもも八重樫さんの不屈の精神と言いますか、そういったことに見習いながら今後とも岩手の復興に努めていきたいと思っています。

記者
平泉の文化遺産の世界遺産拡張登録について、11月14日に初会合が開かれるということが決まったようですが、それに向けてどのような姿勢で臨まれるのか、また、スケジュール的な見通しがわかればということと、関連して来年度予算にどのように反映していく方針なのか、わかる範囲で結構ですのでお教え願います。

教育長
追加登録を目指すということで、地元の市町さん、国と県とでそういう方向で行こうということで合意しまして、その手続きに入っているわけですが、まずは暫定リストに登載されることが最初の関門です。もちろん平泉はもともと登載されていましたが、世界遺産登録になりましたのでリストから落ちています。したがいまして、追加登録にあたりましてはまずその暫定リストに登載してもらうことが最初のスタートになります。そのためのプロセスとしては、国の審議会の了解を得なければならない、それから国の関係省庁との調整を行わなければならないというなかで、最も基礎となるのは学術調査ですので、こういった委員会のなかで、それぞれの専門家の方々から専門的な知見をいただいて、そのプロセスを一つ一つたどっていかなければなりません。幸い大変ありがたいのは、前回の委員会のメンバーの方々にお引き受けいただけましたので、平泉、それから今までの経緯をよく御存知の方々に今回も携わっていただけるということですので、一つの大きな明るい材料と思っています。スケジュールについては県だけで決められるものではなく、暫定リストに載るための国との調整等がありますし、どういった戦略で臨むかといった専門家の方々のご意見もいただかなければならないので、今スケジュール的なものをお話しできる状況にはないのですが、まずは暫定リストの登載に向けて全力を挙げていきたいと思っています。
来年度の予算については現在調整中ですが、世界遺産については、平泉、縄文遺跡群、釜石の近代化産業遺産群の3件について、それぞれ県教育委員会として遅れることなく対応していきたいと思っていますので、必要な予算を要求したいと思っています。

記者
平泉の文化遺産に関連しまして、スケジュールを今お伺いするのは難しいと思いますが、希望として、どのくらいの時期を目指したいというお考えはありますでしょうか。

教育長
非常に難しいご質問ですが、私どもとしては今までの経緯がありますので、極力早くという思いはあります。ただし、やはり世界遺産として評価されるためには、前回も課題となりました平泉本体との関連性をきっちり学術的に証明していかなければいけません。今、柳之御所遺跡の発掘をすすめていて、ありがたいことに若干の新しい発見も出てきていますので、そういったものを地道に積み上げていかなければならないですし、一方でそういう専門家の方々からのご意見を伺いながらどう戦略をたてて行けばいいのかということ、関係市町、国と一体となってやっていかなければならないと思いますので、私どもの考えとしては極力早くとは思っているのですが、現状において、いつまでを目指したいということを申し上げるくらいの材料がないということは大変申し訳ないと思っています。

記者
震災の関係で、以前、復興教育について検討をしていくというお話がありましたが、現在どのような状況でしょうか。

教育長
それぞれの学校においていろいろな取組が始まっていますが、今、それぞれの実践例を集めつつありますし、新聞報道の中でもずいぶん参考となる資料がありまして、そういったものも含めて資料を集めています。一方で、県の総合教育センターを中心として、どう復興教育に取り組んでいくべきかの理論編を議論してもらっています。その両方を集めて、それが完成形ということではないのですが、なんとか今年度中には理論編と実践編というかたちで冊子という格好でまとめて、学校にお配りをできるような体制をとりたいと思っています。目標としては、2月に総合教育センターで発表会がありますが、県内から先生方に集まっていただきますので、その中で、冊子という格好ではお示しできないかもしれないですが、こういう考え方でいるんですということをお話できるようにはしたいと思って、それを目指して今作業を行っているところです。

記者
学校再建の関係で、そろそろ市町村の復興計画もでき始めているところですが、学校についての検討状況というのはどのようになっていますでしょうか。

教育長
小中学校について、市町村の復興計画のなかで学校をどうするかというのは、私どももただちにすべてご報告いただいているわけではないのですが、一部報道によると、例えば陸前高田市では学校統合という話を次長さんがお話になっているという話もありますし、それぞれ具体的にどの場所に、どういった形態の学校を建てるかというのが決まってくる段階だと思っていますので、それぞれに国の補助が十分に受けられるように、個別の具体の話を市町村とご相談しながら国と詰めてきたいと思っていました。
また、県立高田高校ですが、子どもたちには大船渡市に通っていただいている状況ですし、高田高校のPTA会長さんにもわざわざおいでいただきまして、なんとか高田高校を一刻も早く陸前高田市内に造ってほしいというご要望もいただいています。事務的には陸前高田市といろいろ調整を進めていますので、なんとか早いうちにどこに建てるかということを確定して、学校のアウトラインをどう引くかなどの具体的な次のプロセスに早く行けるように全力を尽くしたいと思っています。

記者
すでに場所探しをしている段階ということでしょうか。

教育長
場所を探しているというよりは、方向として、このくらいの面積が必要であれば、具体的にそういった場所がどういったところに確保できるか、陸前高田市としてどういったビジョンで文教ゾーンを設定されようとしているのかといったような、そのへんの事務的な打ち合わせをやっているということです。

教育企画室
ほかにないようですので、以上をもちまして本日の記者会見を終了させていただきます。

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