平成24年4月19日教育長記者会見における質疑応答

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ページ番号1020138  更新日 令和1年5月8日

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平成24年4月19日(木曜日)
県庁10階  教育委員室

発表事項:

  • なし

質問事項:

  • 教職員の不祥事について
  • 君が代の問題について
  • 仮設住宅入居の延長について
  • 全国学力テストについて
  • 岩手国体について

質疑応答

教育企画室
本日今年度初めての開催でございますので、出席者の紹介をさせて頂きたいと思います。
まず、教育委員会側ですが、菅野教育長でございます。私は教育企画室企画課長の石川と申します。
どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、記者の皆様の自己紹介をお願いしたいと思いますが、記者の皆様には、それぞれ社名とお名前を頂戴したいと存じます。幹事社の河北新報さんから適宜お願いします。

記者クラブ
(自己紹介)

教育企画室
ありがとうございました。
それでは記者会見に入らせて頂きます。
本日は教育委員会からの発表事項はございませんので、記者クラブからのご質問をお願いします。
幹事社の河北新報さん、よろしくお願いします。

幹事社
記者クラブからの代表質問はありませんので、質問がありましたら社名・氏名のあとに質問をお願いします。

記者
教職員の不祥事についてお伺いいたします。
県教委のコンプライアンスの徹底に努めている中で、年度初めから沿岸部の教員の飲酒運転の事故がありました。報道の内容を見ると、市内で何件かはしごしてすぐに車に乗ってそのまま盛岡の方まで来たということで、ちょっと睡眠してからとか、次の日もアルコールが残っていたからとかそういう次元ではなく、かなり悪質なのかなと思います。
県教委としてこれまでも取り組みされてきたと思いますが、こういう事案が発生したことに対して改めて受け止めと対応をお聞かせ願います。

教育長
昨年震災が発生して、特に今回は被災した学校の教員です。新学期が始まって、子どもたちが学校でこれから新しい生活を始めるという時に、それを支えるべき教員がこのような不祥事を起こしたという事については誠に申し訳ないと思っています。改めてお詫びを申し上げたいと思います。
実は委員長が今年度の会議で必ず紹介している言葉があります。
3月30日に昨年度末で退職した教員に対する感謝状の贈呈式があり、盛岡第二高等学校の音楽部の生徒さん方が合唱を披露してくれました。その時の部長さんは退職教員へ送る挨拶を「教え導いてくれる先生方のおかげで現在の私たちがあります。」という言葉で結んでくれました。
委員長は非常にそれを強調していまして、こういった生徒さん方の想いを教員一人一人が受け止めて、自分たちが何を子どもたちにしてあげられるのかということをもう一度、改めて考えてほしいと4月以降の会議で繰り返し申し上げております。
そういう中でこういった事態が発生したという事は、非常に子どもたちに対しても申し訳なく思っています。
毎年、全校長が参加する地域ごとの校長先生方の研修会を開催しておりますが、今まで委員長は出席していませんでした。しかし、今年は委員長は全部の研修会に出席し、直接校長先生方を初めとする先生方に、自らの想いあるいは子どもたちのこういう想いを伝えたいと話しております。教員は子どもたちの夢を一つ一つ叶えるためにいるのに、その夢を奪っているのではないかというようなことを、改めて教員に訴えていきたいと申しておりました。
こういったものについてはなかなか決定的なものがなく、我々も苦慮しているのですが、やはり子どもたちが震災を踏まえて一生懸命やろうとしている時に、それを支える教員としての使命をもう一度思い起こしてもらって、子どもたちを支えていくという原点に立った活動をしてもらう取り組みを一人ひとりに訴えていきたいと思っています。

記者
決定的なものがないというのは、決定的な取り組みや方策が今のところはないと言うことでしょうか。

教育長
不祥事が起きるたび、過去の事例集を作って全員に配ったり、去年は必ずコンプライアンスの研修を長期休業期間中に全教員を対象として時間を取ってしっかりやってくれとか、これまでいろいろな取り組みをやってきたのですが、そういった中でも、今回のような事が起きてしまったという事ですので、結果としてそれが一人ひとりの心に響いていなかったのかと思っています。

記者
では、改めて教員としての使命とか原点に立ち返るというのが現時点の方策でしょうか。

教育長
はい。委員長も申し上げているように、直接一人一人に訴えていくしかないだろうと言うことです。
今年度は委員長自ら、全地区の校長研修講座に足を運んで直接訴えたいということも、そういった意味だろうと思います。

記者
今のお話で、各地区の校長会というのはいつから始まるのですか。

教育長
5月から順次始まります。各教育事務所単位でやりますので、日程については後でお知らせいたしますが、各教育事務所管内で小中学校の校長先生方を対象に行いますし、県立学校に対しては県立校長会議等の機会とか、来週月曜日には市町村の教育長の集まる会議がありますし、その後も、県立学校の副校長会議など、順次こういう会議がありますので、そういった場でも訴えていきたいと思います。

記者
今まで出ていなかったものにもほとんど出てお話したいということでしょうか。

教育長
校長研修は最終的には各地区の校長先生全員にお会いできる機会となりますので、委員長は去年までは出ていなかったけれども、今年は全てに出席したいとのことです。

記者
委員長は出席されるということですが、教育長はどうでしょうか。

教育長
私も参ります。

記者
教育長は前から出席されていたのですか。

教育長
校長研修講座には私が出ていました。それに加えて委員長が出席し、自らそういう想いを一人一人に伝えていきたいということです。日時は後程お知らせします。

幹事社
それ以外のご質問はありますでしょうか。

記者
大阪などで特に広がる君が代についての色々な問題について、卒業式・入学式シーズンで県内でもそういった問題はあったのでしょうか。

教育長
他県で日の丸への起立など、そういうことで話題になっているのは承知していますが、特に本県の卒業式・入学式において問題が生じたという事は報告されていません。それぞれ、子どもたち主体の卒業式・入学式が行われたと思っています。

記者
復興教育についてお伺いいたします。平成24年度から本格的に取り組みも力強くやっていかれることになると思うのですが、復興教育の取り組みや今後のビジョンをお聞かせください。

教育長
震災を経験して、いろいろなところで子どもたちが作文を書いてくれたものを私どもも拝見させて頂いておりますが、あの震災を経験して改めて命の大切さを知ったとか、こういったことを経験して自分たちが地域の復興の支えになりたい、例えば、是非とも消防士になりたいなど、震災・津波を経験した想いをそれぞれ語ってくれています。
県の復興計画にもありましたが、人命が失われるような災害はもう二度と起こさないためには防災教育が大きいでしょうし、先ほど申し上げた、子どもたちの命を大切にするという想いは心の教育にも繋がるし、さらに、将来自分たちが地域を支えるということになれば、キャリア教育です。
そういったことで一つ一つの子どもたちの想いに答えていく、それから、震災・津波というのをずっと語り継いでいくには教育の果たす役割というのは大きいだろうと思います。
防災教育とか心の教育とかキャリア教育ですとか、色んな切り口のそれらを全部まとめて、復興教育ということで全県をあげて取り組みたいという思いでプログラムを作りました。
今年から本格的にスタートするために、昨年は教師用のマニュアル本を作りました。理論編と、いち早く取り組んで頂いた学校の事例等を集めて、それぞれの学校の手引きになるようなものを作りました。今年はそれに基づいて、実際大きな被害を受けた沿岸地域においては、例えば防災教育などがあると思いますし、被災地を支援する立場である内陸は、また違った切り口があると思います。それぞれの地域ごとに課題は違うと思いますが、地域ごとに取り組みをやって頂いて、それをまたフィードバックして、理論編と実践編を更に充実させて今年度にまたマニュアル本の改訂版を作り、最終的には子どもたちが活用する副読本を作るようなところまで何とかたどり着きたいと思っています。
いずれ将来的にも、本県の教育の一つの核にしたいと思っておりますので、全県をあげて取り組みたいと思います。

記者
仮設住宅の入居延長の方針が示されました。県内では学校の校庭に、仮設住宅があるところも沢山あると思います。宮城県でも子どもの運動不足やクラブ活動への影響が懸念されていますが、県教委として、仮設住宅の延長に対してどのような方針で臨んでいくのかお聞かせください。

教育長
地域あっての学校ですので、地域の復興と十分調整を図りながら学校を運営していかなければなりません。
本来的には復興住宅など街が再建されて、住まいの保証がされた中で子どもたちが校庭で運動していくというのが非常に理想的だと思いますが、なかなか一気にそこまで行けないとなると、現状の中で子どもたちの心と体をなんとか学校で守っていかなければなりません。
私どもとしては、例えばクラブ活動支援ですと、国の支援を活用しながら、校庭ではなかなか運動できないので、内陸に来て若干まとめて部活動をやってもらうための交通費の支援ですとか、体育の授業であれば、狭い場所やある程度制約された環境でも出来るプログラムといったものを提供しながら、少しでも被災地域の子どもたちの心と健康な体だけでも守れるように努力していきたいと思います。なかなか特効薬はありませんが。

記者
例えばスペースが狭い中で体育のプログラムなどは、実際に開発や研究している動きはあるのでしょうか。

教育長
スポーツ健康課から昨年度のうちに、そういうプログラムや事例集を作って各被災地には送っています。それらを活用してそれぞれの学校の実情に応じてやって頂く。それから部活動については、スペースが必要ですから、どこかを借りていくための経費を若干でも支援していくという流れになると思います。

記者
もう一つ、全国学力テストについて、理科が加わったという事に対する所感と、今回5回目ということですが、結果が出たときにどのように活用していきたいかお聞かせください。

教育長
学力テストは、子どもたちがどこで躓いているのか分析し、そういうところがあれば、日頃の授業改善に生かしていくという目的のために、私どもは活用させて頂いているので、理科が入ったことによって理科についての本県の課題が明らかになってくると思います。二番目の質問とも関連するのですが、単に順位とか点数とかで一喜一憂するのではなくて、その内容を分析して、岩手県の子どもはどういった点が弱いのか、弱いところがあるとすれば、それは何故か、日頃の授業で改善すべきところがあるのではないか、そういう事で一つ一つ授業改善あるいは本県の教育の改善に取り組めればよいと思っています。

記者
具体的な取り組み方法とか、あるいは結果の公表時期の目処や公表された後、例えば、ワーキングチームを作って検討するとか何か具体的な事まで決まっているのでしょうか。

教育長
分析は、県教育委員会で常にやっています。それからそういったデータを提供してそれぞれの学校でも自分たちのものを見て頂いて、県や市町村、学校などで多面的に分析して、トータルの岩手として、我々も授業力向上チームを持って活動していますので、そういったチームとも連携して、岩手の子どもたちにとってどこが課題なのか、改善すべきところはどこなのかということを一つ一つ積み重ねていきたいと思っています。

記者
結果の公表ですが、震災後、被災地で学力が落ちていないかなということは、保護者の人も地域の人も気にされているところだと思いますが、結果公表にあたって、沿岸地域の調査対象校がどうだったかという分析は当然なさると思うのですが、その結果をどのように地域に公表して安心してもらうのか、課題を分析して市町村も対策をしていくと思うのですが、どのような分析、公表方法を考えているのか教えて頂けますでしょうか。

教育長
結果については、それぞれの学校で強いところ弱いところを分析してもらいますが、どのように公表していくかということについては、国のガイドラインを見ながら、岩手県はこれまで個別の学校毎の公表はしていませんので、おそらく従前の考え方を踏襲するのではないかと思います。

記者
震災後初めてということで、直接の保護者だけではなく、地域として非常に高い関心があるのではないかと想像されますが、従来の方針は一つの方針として、敢えて公表していくという考えは今のところないのでしょうか。

教育長
もちろん良いに越したことはないですが、学力テストの順位、点数に一喜一憂したくありませんし、震災があったからスタンスを変えるということは今のところ考えていません。

記者
震災の影響が見られないという結果であれば安心するでしょうし、もし顕著に出ているとすれば、地域的な議論をして対策を考えていかなければいけないので、たたき台の材料として、学校別でなくても、例えば、沿岸市町村で抽出して県平均、全国平均と比べて出すという手法はあり得るのではないかと思うのですが、やはり差し支えるというお考えでしょうか。

教育長
全体的にもし課題があるとすればどこに課題があるか、単なる点数だけではなく分析した上で、学習環境が大変厳しい状況にあり勉強時間が足りないからこうなったのかなどの議論があると思うのですが、そういったところを、全国学調だけではなく県学調もトータルで分析をした上で、どう対応していくのかという議論が非常に大事だろうと思います。ですから、どのような公表をするかよりも、それに対してどう課題を抽出して子どもたちのために、学校や個々の教員や市町村や県がやっていくかという事の方がすごく大事だと思っています。
結果が出ていないので、どうするかというのはこれからの問題ではありますが、今のところ震災によって従前のスタンスを変えるというところまでの議論はしていません。

記者
岩手国体についてですが、震災の影響で議論はあったようですが、改めて開催するという方向になっていて、明日にも強化委員会が設立されるということで、またひとつステージが上がって本格的になっていくと思うのですが、あと4年あるいは本年度、このあたりは重点的に取り組みたいといったものがあればお聞かせください。

教育長
昨年度の3月に一端、組織を解散しました。4月に新たな組織を立ち上げるので、強化方針ですとか、本年度具体的にどう取り組むかというのはその組織の中での議論になるというのがお答えになります。
あと4年しかありませんので、当然それぞれの競技団体と一緒になって4年後に何が出来るかということをそれぞれの競技毎に分析しながら、強化の重点化を計っていかなければならない、その為には競技団体といろいろな議論を重ねながら、どうすれば4年後に、県民の復興国体と位置づけて、みんなでやったよねという想いを持ってもらえるような大会にすることが出来るか、それの一つの大きな柱は選手強化だと思いますので、それぞれ4年間で何が出来るかということを積み上げながらやっていかなければならないと思います。
我々の方でこうするというよりは新しい選手強化組織の中で議論しながら、4年間でやることを決めながら一つ一つやっていく事になるかと思います。

記者
今、4年しかないとおっしゃいましたが、時間はないというとらえ方でスピーディーにやらなければいけないという事でしょうか。

教育長
やはりタイトですね。従前の選手強化本部で議論していたことは震災で一年間ストップしました。もう一度再構築して残された期間で立ち上げるという事になりますので、期間は非常に短いと思っています。

教育企画室
先ほどの校長研修講座ですが、5月29日の県南地区校長研修講座が第1回目となります。
それでは他にご質問はないようですので、記者会見を終了させて頂きます。

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