平成24年9月21日教育長記者会見における質疑応答

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ページ番号1020134  更新日 令和1年5月8日

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平成24年9月21日(金曜日)
県庁10階  教育委員室

発表事項:

  • いじめ根絶に向けた緊急研修会の実施について

質問事項:

  • いじめについて
  • 教職員の不祥事について
  • 国体について

質疑応答

教育企画室
ただいまから、教育長記者会見を始めます。
最初に教育長から発表があります。

教育長
いじめの関係で、研修会を開催したいと思っています。
6つの教育事務所がありますが、その教育事務所ごとに開催したいと考えています。
現在、それぞれの教育事務所にて期日と会場を調整中ですが、来月中には実施したいと思っています。
対象は、県内の全公立小中学校の主幹教諭と生徒指導主事、所謂いじめの対応の中心となる教諭を対象に研修会を行いたいと思っていますし、併せて、市町村の教育委員会の担当者の方にもご案内を差し上げたいと思います。
研修の内容等は、資料に載っていますが、県内のいじめの状況と課題について私どものほうから説明させて頂いた上で、外部の先生の講演を頂いた後、事例研究を行うという内容を考えています。
ご存じのとおり、全国でいじめの緊急調査を行っています。私どもでも概ね今月中に結果がまとまるだろうと思っていまして、当然国にも報告しますが、調査をすることが目的ではなく、調査をした後どうするかということが大事ですので、そういった意味で県内の状況を県内の学校、市町村教育委員会、私どもが同じ認識をしっかり持とうという事と、同じレベル、同じ思いを持って対応していくという事でこのような研修会を企画しました。
ご存じのとおり、8月の末に県内の子ども達にはいじめ相談カードを配布いたしましたので、そういった訴えがあった場合について、それぞれの学校、教育委員会と私どもも適切に対応できるようにこういった研修会をやっていこうという思いもあります。
私からは以上です。

教育企画室
ただいまの発表事項に対する質問も含めまして、幹事社の進行で進めさせて頂きます。

幹事社
記者クラブからの代表質問はありませんので各社から質問がありましたらお願いします。

記者
緊急研修会の件でおたずねします。
対象者は全校から主幹教諭、生徒指導主事一人づつというイメージでしょうか。

教育長
はい、全部の学校から最低一人は参加して頂きます。

記者
緊急研修会のような研修会はここ近年行われていたのでしょうか。

教育長
このように特化したものはないと思います。
毎年、校長研修会など一般的な研修会はやっていますが、このように対象を絞ったものは珍しいです。最初に申し上げたとおり、全国的にいじめの緊急調査が行われているので、その結果について県内の学校関係者、教育委員会関係者が共通の認識を持つ必要があるだろうと思います。

記者
事例研究というところには調査結果というものは出てくるのでしょうか。

教育長
調査の結果ももちろんお示ししたいと思っていますし、ケーススタディーということも出来ればと思っています。逆に言うと、それぞれの学校で今、こういう課題があるということも出して頂くような場合もあるかもしれません。

記者
外部講師というのはどのくらいの著名な講師を呼ばれるのでしょうか。

教育長
今、大学の先生を想定していて、具体的な交渉をしています。

記者
県内の講師ですか。

教育長
県内6会場でやりますし、それもやる以上はなるべく早く10月中にやりたいので、そういう意味で県内の先生にお願いしたいと思っています。

記者
改めて、県内のいじめの状況について、実態を教えてください。

教育長
緊急調査のほうは、今調査中ですので結果を待たないといけませんが、先ほど申し上げた8月の末に子ども達に相談カードを配った際には委員長のメッセージも添えました。
各学校においてはそのメッセージを活用して頂いているようです。
校長先生が自ら校内放送でメッセージを放送したり、それぞれ担任が説明したりしているようです。それを配布したあと、相談電話の相談件数が急激に増えたという報告を受けています。
極端に言うと、配布して一週間で年間数に相当する電話相談があったようです。それが全部いじめに関する相談ではなく、中には無言電話であったり、ちゃんとやっているか確認したくて電話したですとか、そういうのも半分くらいはあったようですが、それでもかなりの相談件数があったということで、やはり潜在的なものはあるのだという事を認識した上でそれぞれ取り組まないといけないなと思っています。

記者
趣旨にもありますが、各学校での全教職員の共通理解と共通行動を求めるということですが、いじめの問題では学校側がいじめとして認識していなかったですとか、担任の先生は把握していても校長先生とか管理職のほうまで伝わっていなかったとか、そういう事例が見られまして、それで表に出てこないケースがあります。
情報共有とか、共通認識が妨げられている部分があるのではないかと思いますが、教育長はその辺りの背景をどうやって変えていこうと考えているのかお聞かせください。

教育長
色々ないじめの対応があるので、判断に迷うということがあるかもしれません。
ただ、一人一人の子どもが苦しんでいるという実態があるとか、それにどう対応するかというのが最も求められていますので、一番まずいのは学校の中で子どもに対する対応がそれぞれバラバラになるということだと思っています。そういった意味で、今お話頂いたように学校の中で、どの先生が対応するにしても、同じような考え方で同じような思いで対応していくというのは必要だろうと思っていますし、管理職がすぐに把握しなければならない事だと思っていますので、そういったこともあって、このような研修会を行って共通理解に立って、学校も、市町村教育委員会も、県教育委員会も同じ思いで対応していくということで企画させて頂きました。

記者
同じ思いを持つという事を再認識させるというのはそもそもの事だと思います。
それを必ず情報が伝わるようにするルールづくりというかもうちょっと踏み込まないと、なかなか情報を共有しようというということで呼びかけたけれども、またそこが徹底されていなかったという事の繰り返しになってしまうと思うんですが、今はもうちょっと踏み込んだ対応が求められていると思うのですが、その辺はいかがでしょうか。

教育長
過去にもいじめ問題は何回かあります。そのたびに取り組んでいるのですが、残念ながらそれが繰り返されて、今おっしゃったように、そのときは一生懸命やるんだけれども、若干日にちが経つにしたがって、そういった意識が薄れてくるという面が無いわけではない。こういった取組を地道にやっていかなければならないと思っています。
通知文書を出して、やってくださいと言って解決するのであれば簡単なのかもしれませんが、そうではなくて、それぞれの学校レベルまで同じ認識を持って訴えていくのが大事なのかなと思って、研修会を実施させて頂きたいと思っていますし、今、委員長とも相談しているのですが、原則的には日程が合って調整がつけば、委員長も全ての研修会に出て直接現職の教員にも呼びかけたいということも考えています。

記者
高校生もいじめを苦に自殺するというケースもあると思いますが、今回は小中学校の先生ということですが、県立高校を対象としたものをお考えかというのをお聞かせください。

教育長
県立学校につきましては、来月10月に全県立学校の校長を集めた会議を当初からする予定をしていました。その会議を使って研修をやりたいと思っています。
ただ、小中学校については全員を集めてという計画がなかったものですから、敢えて、小中学校についてはこういうスタイルを取らせて頂きました。ですから同じ趣旨を県立学校の校長に伝えたいと思います。

記者
カードの相談件数についてですが、お子さんご本人からの相談が多いのか、それとも親御さんからの相談が多いのか。

教育長
多様ですね。子どもからもご親族からもかかってくる場合がありますし、メールでの相談等もあります。

記者
こういう研修会は非常に珍しいという話がありましたが、過去にはいじめでこういったことはあるんですか。

教育長
担当課長も含めて記憶にありません。学校の主幹教諭と生徒指導主事を全部集めるというのは初めてです。

記者
小中学校で全部で何校ですか。

教育長
550校くらいです。一同に集めるのは無理なので、どうしても教育事務所毎になります。

記者
まだ日程的には詰まっていないですか。

教育長
来月に行うという事で教育事務所と調整中です。
決まりましたらお知らせします。

記者
いじめカードというのは全部で何枚くらい発行したのですか。

教育長
県内のお子さん全てです。国公私立全ての小・中・高・特別支援学校に配布させて頂きました。
約14万2,000枚です。
カードの後ろには各相談機関の連絡先が書いてあります。いろいろな事で教育委員会が嫌だということもあるかもしれませんので、人権相談の窓口、警察の相談窓口なども載っています。

記者
一週間で一年分の相談件数という話がありましたが、一年分というのはどのくらいでしょうか。

教育長
昨年度で60数件です。
24時間対応で、夜も退職された校長先生方に対応して頂いていますが、夜にも電話がかかって来たという話は聞いています。

記者
文科省がやっている緊急調査の対象は小・中・高ですか。

教育長
小・中・高・特別支援学校です。

記者
まとまって報告が出来るのはいつ頃になるのでしょうか。

教育長
我々の県の分は今月中に全部まとめたいと思っていますが、文科省が全国分をいつ公表するかは分かりません。

記者
県の分の公表は。

教育長
会議の中ではお示ししたいと思っています。敢えて秘匿する情報ではないと思っていますので、そのへんは文科省と協議します。
我々としては、会議でそれをお示ししないと何の為にやっている会議かわかりませんので、それからすると秘匿すべき情報ではないと思っています。
個別の事案は個人情報がありますが、件数などは特に問題ないと思っています。

記者
現在県内で問題になっているいじめは掴んでいますか。

教育長
報道された事案も含めて、私どものほうに個別で報告頂いて把握しています。

記者
今、大きなものは何件くらいありますか。

教育長
新聞に報道された事案は残念ながら当該校で解決できなかった事案ですので、把握している中では大きいです。それ以外は特にありません。
今回の調査でもそういった事案が報告されるのではと思っていますので、かなり件数があるという前提で対応しなければならないと思っています。

記者
潜在的にあるだろうという認識の上に立たなければいけないというお話がありましたが、今まではそういうのを分かってはいてもあまりはっきりなさっていないという事でしょうか。

教育長
いじめはどこの学校でも起こりうるという前提で対処しようという認識は必要ですが、それがあって当然になっては困るので、どの学校でも起こりうるものとして、起こった場合には常に適切に対応して取り組んでいかなければならないということだと思います。

記者
緊急調査は何年ぶりなんでしょうか。

教育長
前回は平成22年です。群馬の桐生で自殺があったとき以来です。
国も来年度の概算要求の中で専門家によるいじめの支援チームを作る予算を計上してあります。
けれども、そういったチームが出来ても学校が事例を把握していなければ、新チームに引き継げないので、学校の対応能力を高めたいというのと、子どもさんからのアプローチのツールを作りたいと思っています。

記者
緊急調査の項目数は結構あるのでしょうか。

教育長
件数を含めてかなりの項目があります。現在どうなっているか解決に向かっているのかいないのか。

記者
今月も不祥事による処分があったようですが、飲酒運転と窃盗もあって、校長を対象とした研修を通じて浸透を図るということでしたが、効果が感じられない。今後の対策について改めてお聞かせください。

教育長
色々取り組んでいるのですが、結果として不祥事が続いていることについて改めてお詫びを申し上げたいと思います。特に被災地を抱えている県で、子ども達が一生懸命頑張ってくれているのに、それを指導すべき教員が不祥事を続けているという事について特に申し訳なく思っています。
先ほどおっしゃって頂いたように、それぞれの地区での校長研修講座等において、今年は全部委員長に出て頂いて直接校長先生方に子ども達から信頼される教育をやろう、その為にはまず教員自体が不祥事を起こさないことではないかということを訴えたのですが、結果的にこうなってしまったことは申し訳なく思います。
なかなか特効薬というものがなくて、各学校に不祥事の事例集を配ってそれで研修を積んで頂いたりしているのですが、結果としてこういう実態が起こっています。
こういった取組を続けるしかないだろうと思っていますし、一方で教職員にストレスが溜まっているのではないかという話もされています。学校内で色んな事が話し合える職場環境も作っていかなければならないという意味で、校長先生のリーダーシップが非常に大きいと思いますので、常日頃から教職員とコミュニケーションを取れるような職場環境をしっかり作っていただきたいと思います。極端にいうと、常日頃から教室内を回って授業を見たり、教職員とのコミュニケーションを十分に取ってくださいね、ということも併せてお願いしています。なかなか特効薬がありませんので、先ほどから申し上げていることを地道にやっていくしかないのかなと思っています。

記者
国体についてですが、岩手国体の新しい強化本部、新しい強化策が決まってから初めての国体になると思いますが、今度の岐阜国体に期待する事、どのような成績を望むかお聞かせください。

教育長
昨年度は残念ながら天皇杯では目標に届かなかったので、岐阜国体では30位台を目指して頑張りたいと思っています。昨日、選手団の結団式をしてきましたので、そこで選手の方々は、改めて被災地である岩手の皆様に自分たちから元気や希望を持ってもらえるような活躍をしていきたいということを言ってくれていました。
非常に明るい材料としては、過去三年間で、過去最大の選手団を送り込めるということです。
これはブロック大会で勝ち進んだ競技が多いということですので、岐阜国体に期待を寄せています。

記者
花巻東の大谷君がプロ志望届を出しまして、メジャーもという話もありますが教育長の所見はいかがでしょうか。

教育長
岩手の野球を目指す子ども達だけではなく、オリンピックで活躍してくれた二人の女性も含めて、岩手に関連する若い力が世界という場で活躍できるという事が岩手の子ども達に常に夢を与えているのではないかと思います。
全国レベルということも大変なのに、世界で活躍できるという思いを持ってくれればありがたいなと思います。スーパーキッズも最終的には世界で活躍するということを目標にしていますので、彼はスーパーキッズのメンバーではありませんが、同じ岩手の子どもとして、そういうスタート台に立てる実力を持ってくれているのは嬉しいことだなと思います。

教育企画室
以上をもちまして本日の記者会見を終了します。

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