平成24年12月20日教育長記者会見における質疑応答

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ページ番号1020129  更新日 令和1年5月8日

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平成24年12月20日(木曜日)
県庁10階  教育委員室

発表事項:

  • なし

質問事項:

  • 12月7日の津波注意報について
  • 学習定着度状況調査について

質疑応答

教育企画室
ただいまから、教育長記者会見を始めます。
本日は、教育長からの発表はありませんので記者クラブからの質問をお願いします。

幹事社
記者クラブからの代表質問はありませんので、各社から質問がありましたらお願いします。

記者
今月の7日に東日本大震災の余震とみられる地震が起こりました。夕方17時過ぎで、各学校の下校時間だったと思いますが、児童生徒の避難状況、改めて見えてきた課題などありましたら教えてください。

教育長
小学校の児童はほとんど帰っていて、中学校、高等学校は部活動等で残っていた生徒がかなりいました。私どもが聞いている範囲で、25校で生徒達を残した、もしくは避難所に避難させたという報告を受けています。
東日本大震災津波を受けて改訂した県の学校防災・災害対応指針では、津波警報が発令された場合には学校に残す、津波注意報の場合にはそれに準じて各学校が判断するということになっています。
今回、本県は津波注意報でしたが、隣接する宮城県に津波警報が出たということもありまして、それぞれの学校が状況に応じて対応してくれたと思っています。
今回はたまたま19時半頃に津波注意報が解除されましたので、それ以降は生徒達を保護者の方に引き渡したり、スクールバスで帰したりという対応をしたので、そんなに混乱は生じませんでしたが、この時間が長く続いた場合どうすべきかということについては、色々な機会を通じて、学校の意見を把握していきたいと思います。
私も何箇所か学校を回りましたが、それぞれの校長先生から、「解除が早かったので総じて上手くいったと思っているが、解除が長引いた場合にどのように地域と一体になって防災力を高めていくかということは課題だ。」という話を伺っていますので、来年度に向けて学校だけではなく、地域と一体となった防災訓練等を含めた防災の意識づくりがこれからの課題だと思っています。
今回は震災の記憶が生々しい時期での地震だったので、学校も機敏に対応してくれましたが、このようなことをずっと継続させていくという努力が必要だと思っています。

記者
警報なり注意報が発令されている時間がどのくらいかというのが一つのポイントだということでしたが、深夜まで及ぶような場合、マニュアルではどうなっているのか、もしそれが固まっていないのであれば、どのようにするのがベターなのかお聞かせください。

教育長
県の示した指針上は、津波警報の場合は津波警報が解除されるまで生徒達は留め置くということにしています。
津波注意報の場合は、必要に応じて津波警報に準じた取り扱いということになっていますので、なかなか一律に決めがたいというところがあり、それぞれの状況に応じて対応してもらうことになると思います。解除までの時間が長くなった場合、例えば生徒達が一晩越すとなった場合に、寝具や食糧の確保をどうするかなどが当然課題になってきますから、そういうことも含めて情報収集する努力をしていきたいと思います。

記者
津波注意報の場合はそれぞれの判断ということですが、判断するには色々な情報が必要になってくると思います。現状の各学校の情報収集について、あるいは県教委からどのような情報を提供することになっているのか教えてください。

教育長
3.11の教訓として、すぐ電気が止まって情報がほとんど入手出来なかったということが大きかったので、各県立学校には最低限の情報を取れるように、発電機を配備しました。
情報をどう把握して、どう対応していくかということは非常に大事だと思いますので、私どもとしても発災後直ちに各学校と連絡を取り合って情報の収集に努めたのですが、それが基本かつ大事な事だと考えています。正確な情報に基づいて判断してもらうため、私どもから情報提供することもありますし、電気も含めて学校自体が情報収集出来る体制を取れているか、今回どうだったのかということについては調べたいと思います。

記者
県教委のほうで情報収集、安否確認などもしたと思いますが、それは沿岸部のどれくらいの学校を対象にして、どれくらいで全部終わったか、教えてください。

教育企画室
報告を受けたのは10日の17時までで、先ほど教育長がお話しした25校です。
その25校については生徒を待機させたという報告が上がってきています。

教育長
県教委の方から各学校に確認の電話を掛けたというよりは、学校から直ちに報告を受けたということです。

記者
全部というのは沿岸部それとも県内全部でしょうか。

教育長
報告があったのは沿岸部がほとんどですが、県内内陸部からは特別支援学校から子ども達を待機させたという報告がありました。

記者
今回、時間帯が夕方だったということで、安否確認などの具体的な課題は見えてきたのでしょうか。

教育長
子ども達が学校に残っている時間に津波注意報が発令されたので各学校は子ども達を待機させました。
中には保護者がすぐに迎えに来られた学校もあったようです。訪問した先の校長先生の話では、保護者は引き取ってすぐ帰りたいと言われたようですが、「もう少し待ってください」ということでお話をすると、理解が得られたという事でした。
3.11の記憶が生々しい時期でしたので津波警報、津波注意報が発生した場合には、まずは安全な所にいるという事については沿岸部を中心に非常に意識が高かったと思います。

記者
今回はうまく対応できたということでしょうか。

教育長
今回はたまたま時間が短かったということもあったと思いますが、全体的にはそのように思います。
保護者が迎えに来た場合も、まだ安全な所にいましょうということをご理解頂き、保護者も一緒に待機していただいたという話も聞きましたし、その時間帯子ども達を学校に待機させていた学校に関しては大きなトラブルはなかったようです。

記者
避難時間が長引いた場合など、今後これをしなければいけないということはありますか。

教育長
3.11を受けて指針を見直したのですが、今回はうまく対応できたけれど時間が長引いた場合も含めて、何が今必要か、課題になっているのか、三学期になると来年度の学校の防災体制づくりの時期にもなりますので、そういったところで私どもとしても情報を収集する努力をしていきたいと思います。まず、一回一回の事案を次のステップにつなげていく努力を継続的にしていきたいと思っています。

記者
先ほどのお話の中で、地域と一体となった防災対策を来年度にというものがありましたが、もう少し具体的に教えてください。

教育長
ぜひ来年度取り組みたいことは、一つは学校での防災対応能力も高めていかなければならないと思っていますし、それと一緒に、地域と一緒になった避難訓練とか、地域の防災組織と一体となった学校の体制づくりとか、そういったことを、私どもとしては防災関係機関、県で言えば総務部ですが、そういったところと連携して取り組めないか、それによって学校を核とした地域全体の防災対応力の向上に努められないか、そういったことを今検討していまして、出来るだけそういう方向でそれぞれの地区ごとに対応力を持っていきたいと考えています。
子ども達は学校を卒業すると地域に戻ってくるので、学校で継続すると共に、地域で防災関係機関と一体となって努力していくのが全体の防災力を高めていく一つの方法かと思います。
来年度モデル的に出来ないか検討しているところです。

記者
今日は学習定着度状況調査の発表レクがあると思います。所感をお聞かせください。

教育長
概要だけは報告を受けました。県の計画の中で学力向上に関する指標としている「授業が分かる率」が高まっているということと、家庭学習の時間が少しずつ伸びているということで非常に良い傾向だと思っています。
子ども達の興味関心を引き、分かる授業をおこなっていくため、これから関係者一体となって努力していかなければいけないと思っています。ただし、その結果、毎年、平均正答率が右肩上がりで伸びていくかというと、その年の問題の難易度によっても異なるので、一直線上には伸びていかないというデータのようです。
ですから、学力向上対策というのは地道に長い期間をかけてやっていかなければいけない。その前提としては子ども達が「学んで楽しい」、「今日の授業分かった」という子ども達の想いを大事にしていくのがベースなんだろうと思います。そういう点では少しずつ良くなっていると思います。

記者
それは教育委員会で取り組みをした成果なのでしょうか。

教育長
県教委だけが取り組んでいる訳ではありません。
最終的には学校の先生方が子ども達に対応しているわけですから、それぞれの学校、先生方において分かる授業、興味関心を引く授業について努力いただいていると思います。
県教委として取り組んでいることとしては、あらゆる機会を通じて「学力向上のために分かりやすい授業をやっていきましょう」という事を呼びかける努力をしていますし、県で設置している学力向上担当の指導主事が学校を回って具体的な授業の助言等を行っているのですが、その中の一つの大きなキーワードが「分かりやすい授業」で、子ども達の反応を見ながら授業改善をしていこうということで集中的に取り組んでいますので、そういった取り組みが少しずつ成果をあげているのかと思います。

記者
今年最後の会見ということで、今年を振り返ってトピックを一つでも二つでも教育長が感じたことをお願いします。

教育長
沢山のことがありました。震災二年目でまだまだ復興途上なのですが、岩手の子ども達が本当に色々なところで活躍してくれたという思いを持っています。
スポーツだけではなく文化活動も含め、インターハイや全国高文祭で非常に優秀な成績を収めた学校も子ども達もいますし、気仙中学校の子ども達は県のイベントに来てくれて元気に太鼓を披露してくれました。被災地の厳しい環境の中でも、それぞれの場面で本当に大きな成果を発揮して、私どもに元気を与えてくれたと思っていて、非常にそれが印象に残っています。

記者
知事は今年一年の文字を復興の「興」と言いましたが、教育長はどうですか。

教育長
願望も含めてですが、子ども達が被災地を含めて元気に過ごして欲しいと思っていますので、子ども達の「元気」を望みたいと思います。

教育企画室
以上をもちまして本日の記者会見を終了します。

このページに関するお問い合わせ

岩手県教育委員会事務局 教育企画室 企画担当
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