平成24年7月26日教育長記者会見における質疑応答

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ページ番号1020135  更新日 令和1年5月8日

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平成24年7月26日(木曜日)
県庁10階  教育委員室

発表事項:

  • なし

質問事項:

  • いじめ問題について
  • 柳之御所について
  • 教職員採用試験出題ミスについて

質疑応答

教育企画室
ただいまから、教育長記者会見を始めます。
本日は、教育長からの発表はありませんので、記者クラブからの質問をお願いします。

幹事社
記者クラブからの代表質問はありませんので、各社から質問がありましたらお願いします。

記者
いじめについて、本県での現状と対策について教えてください。

教育長
まず、早期発見、早期対応、未然防止、それから起こってしまった場合には、みんなで対応、共通理解というのを柱にしています。
特に早期発見については、各学校においてアンケート調査、個人面接等を行っていますので、そういった兆候を早く発見して対策につなげていくのが大切だと思っています。
先般の会見で知事がお話された岩手の復興教育については、まず未然防止というのをかなり意識しておっしゃっていたように思います。
あれだけの震災津波を受けて命の大切さというのを分かってくれている子ども達なので、そういう取組を進めながら未然防止に努めていきたいという思いを述べられたものと思います。

記者
平成22年度までの問題行動調査は発表されていますが、昨年度の状況は公表前だと思うのですが、いじめの件数はどのように推移しているのでしょうか。

教育長
平成23年度の結果は国で最終集計中ですが、本県の状況は増えている状況にはないと承知しています。
ただ、あくまでも調査の結果ですので、何かあった場合には早期に発見して早期に対応できる体制を整えることが大事だろうと思っています。
先般、文部科学大臣談話も発表されましたので、それを受けまして談話の内容を各県立学校、市町村教育委員会、教育事務所にお伝えしましたし、併せて本県でもいじめ問題の初期対応と対応マニュアルを作っていますので、そういったものを改めて各学校、市町村教育委員会で確認して欲しいということを伝えました。
それを受けて各学校においては、緊急に校長会議を開いた地区もありますし、学校の中でもう一回学校体制を確認し直そうという学校もありましたし、中には先ほど申し上げたアンケート調査は毎年それぞれの学校がそれぞれの時期に行っているものですが、それを前倒ししてやろうという動きもありますので、とにかく早期に発見して早期に対応するのだという事を徹底していきたいと思います。

記者
小・中・高等学校とも、23年度は増えている状況にはないということですか。

教育長
今のところ、そういうことです。

記者
本県でいじめが原因による自殺というケースは近年ありますか。

教育長
因果関係が判明するというのはなかなか難しいだろうと思いますが、私どもが承知する範囲では近年、ないと承知しています。

記者
文科省が緊急調査を8月中にするということですが、県教委としては前倒しして調査するという通達を出しているということでよろしいでしょうか。

教育長
先ほども申し上げたように、早期発見、早期対応が何よりも肝要ですので改めてマニュアルの確認を徹底して欲しいということをお願いしていました。
おっしゃったとおり国において全国調査を行うという動きがありますので、そういう全県一斉の調査においては国とよく整合性を図って行いたいと思います。

記者
増えている状況ではないというお話ですが、22年度の数と比較してほとんど差はないということですか。

教育長
傾向としては認知件数は減っています。

記者
具体的に22年度は何件あったのですか。

教育長
小・中・高合わせて全県で478件です。

記者
それが今のところ減っているという見通しで良いでしょうか。

教育長
はい。

記者
特に小・中・高でどこが減っているとかいうのはありますか。

教育長
詳細な分析はこれからです。

記者
今日は盛岡で日教組の中央委員会が開かれていますが、そこでも、いじめに対するアピールというものを採択したのですが、改めて先生方が子どもに寄り添っていくべきだということを確認したわけですが、こういうアピールというものはどう思いますか。

教育長
先週、中体連の総合開会式がありましたが、そこに委員長が出席しまして、挨拶の中で実はこの話にも触れました。
震災津波を経験した本県の皆さんは命の大切さというものを本当に感じてくれたと思う。自分の命も友達の命も大切だということをもう一度改めて認識して欲しいということをお話しされていました。今、お話のあったアピールも基本的には同じだろうと思っています。先生方として子ども達に寄り添って、早期に子ども達の状況を把握して、何かあった場合には組織で対応する。みんなが同じ思いをもって対応するというのが大切だと思っていますので、それはアピールの内容と相通じるものと思っています。

記者
マスコミ報道ですが、大津の学校と教育委員会などが非難されていますが、ああいうのをお聞きになって、言えることはありますか。

教育長
学校にしても私どもにしても最終的には地域の方々、それから保護者にご理解を頂きながら進めるというのが最も教育について肝要なところだと思いますので、そういったことが非常に困難を極めているところが重大な事案だなと思っています。
学校においては色々なことがあると思うのですが、地域の方々と共有して手を携えて対応していくということが非常に大事だろうと改めて思います。

記者
いじめについて、早期発見、早期対応を心がけているということですが、具体的に学校現場の対策はどのような形で進めていて、解消に向かっているのかという事を伺いたいのですが。

教育長
やはり、早期に発見するというのが大事ですので、そういった意味ではそれぞれの学級担任が子ども達の状況をよく日頃から観察し、それらを学校の中で共有していくというのが大事だと思います。
それに加えて、子ども達もしくは保護者に対しアンケートをしています。県立学校の中ではいじめのアンケートというとダイレクトなので、子供達の生活実態についてのアンケート調査にそういった項目を入れたり、色々工夫をしながら子どもさんや親御さんから早期に情報が得られるように取り組んでいますので、そういったことを積み重ねながら、もしくはもう一方で何かあった場合には学校の中で一生懸命対応する、そして、市町村教委、県教委と教育に携わるものが一緒になってやるということが大事だと思っています。
また事案によっては、法務局や警察といった関係機関と一緒になって取組を進めていく事が非常に大事だと思います。

記者
今おっしゃっていたアンケートの内容ですが、これは各学校の現場に任されているものでしょうか。

教育長
基本的には、統一ルールというような固定はしていません。
それぞれの学校の状況とか、小・中・高で聞く内容も違いますので、その辺は基本的には学校で工夫してやっていただいています。
あくまでもアンケート調査を行ってなんとか早期に子供達の状況を掴めるようにとお願いしているところです。

記者
特に様式を決めたりして統一したものをやるとかいう事ではなく、学校の状況に合わせて、生徒の状況を把握するためにそれぞれ工夫してやってくださいという指示をしているということですね。

教育長
今回は先ほどもお話があったとおり、文科省によって全国調査を行うということを大臣が表明していますので、その調査がどのような内容のものなのか、それによって様式を統一するのか、そういったものの具体的な動きがあると思っています。
全国との比較も大事なところでしょうから、国の動きを見ながら全県一斉調査については考えています。

記者
先ほど22年度478件あるとおっしゃっていましたが、このように件数として認知されたものはその後どのように扱われるのでしょうか。
個々の学校での対応になるのか、例えばそれを追跡してその案件がどうなったのかということを教育委員会で把握しているのか、その478件というものはその後どうなっているのでしょうか。

教育長
478件というのは、お子さんもしくは保護者からアンケートで回答があった、もしくは学校がそれを認識していたなどいろいろなものが集まってきますが、それぞれについて個別にそれぞれ学校で、学校が難しければ市町村教育委員会とか関係団体と一緒になって対応しますので、現在において引き続き重大な案件として今問題になっているものはないと承知しています。
学校などが指導してまずは収まっているということだと思います。

記者
辛い思いをしている子どもたちがいらっしゃると思うのですが、教育長からその人達にメッセージやアドバイスを一言いただければと思います。

教育長
辛いことがあればみんなで考えようということだと思います。
友達でもいいし、先生でもいいし、親御さんでもいいので一番身近な人に相談してください。自分一人で抱え込まないで極力いろいろなところに相談してください。学校とか教育委員会は辛い思いをしている方々に寄り添うというのが本来の努めですので、まずは話してくださいということをお願いしたいと思います。

記者
辛い思いをしている生徒さんが学校などに相談するのが難しかったり、言い出せないという時に、県教委として相談窓口などを設けているのでしょうか。

教育長
教育センターでいじめ相談ダイヤルによる電話相談を受けています。
それからもう一つ、場合によっては教育関係者ではなく、外部の相談機関に相談したいという思いを持たれる事もあるかもしれませんので、法務局による相談窓口もあります。
直接ご相談頂く以外にもある意味匿名性も確保出来ますので、そういういろいろなツールを確保しながら、まず相談するという対策を取っていきたいと思います。

記者
平泉についてですが、暫定リスト入りの見込みとなりましたが、今後の取組を教えてください。

教育長
おっしゃるとおり、暫定リストへの登載がほぼ確実になりましたので、プロセスの一歩を上ったなというのが率直な思いです。ただ、あくまでも第一歩ですので、最終的な登録を目指すには5つの資産と浄土との関わりを学問的に明らかにしなければなりません。イコモスに理解され、説得出来るまでのレベルまで持って行かなければいけないという大きな課題があるので、さらに計画的に調査研究を進め内外の専門家からのご助言も頂きながら、国、関係市町と一緒になって取組を進めていきたいと思います。

記者
柳之御所の整備方針を教えてください。

教育長
柳之御所は県所管で進めていますので、平成14年度に整備基本計画を作りました。今はそれに基づいて、今年度は井戸の増設、解説板の設置等を進めることにしていますが、一番大きなものとして、堀に架かる橋とか建物の復元という問題があります。しかし、すでに原形のないものですから、真実性の証明が求められるという事もありますので、その辺については内外の専門家、文化庁とも協議しながら検討していきたいと思います。

記者
先日の教員採用試験の出題ミスがあった件について、昨年の試験でもミスがあり、ミスが相次いでいるようですが、このことについての教育長の見解と今後の対応について教えてください。

教育長
今回の採用試験においてミスが発覚したということについては、受験して頂いた受験者の方々に対して改めてお詫びを申し上げたいと思います。
私どもとして試験問題のチェックは十分意を尽くしたという思いなのですが、結果として今回も誤りがありました。
今回は実技試験での誤りですので、具体的な誤りの内容とどこでどうなってそれを防ぐためにはどのような対策が必要なのかということについて、現在、検証を進めていまして、さらに来年度に向けてこういった誤りがないようにこれからも努めていく必要があると思います。

記者
なでしこが今朝勝ちましたがご覧になりましたか。

教育長
はい、良かったですね。
岩清水選手には、県民栄誉賞受賞の時に直接お会いしており、特に彼女が守備で見せてくれましたので、良い日だったなと思っています。これからも試合が続きますので、ああいった思いを県民、国民に届けてくれるように更に良い結果を残してくれるように祈りたいと思います。

教育企画室
以上をもちまして本日の記者会見を終了します。

このページに関するお問い合わせ

岩手県教育委員会事務局 教育企画室 企画担当
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