平成26年7月24日教育長記者会見における質疑応答

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ページ番号1020189  更新日 令和1年5月8日

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平成26年7月24日(木曜)
県庁10階  教育委員室

発表事項:

  • なし

質問事項:

  • 滝沢市内の男子中学生の自殺について 
  • 全国学力調査の結果公表について
  • 夏休み期間中の子どもたちの安全確保について

質疑応答

教育企画室

ただいまから、教育長記者会見を始めます。

本日は、教育長からの発表はありませんので、記者クラブからの質問等をお願いします。

 

幹事社

記者クラブからの代表質問はありませんので、各社から質問がありましたらお願いします。

 

記者

滝沢の中学校2年生の自殺についてですが、この前、保護者説明会がありまして、学校側は「いじめと疑われても致し方ない事案であった」と報告をしたようですけれども、これについての教育長の所感をお伺いします。

 

教育長

滝沢の中学校の件ですけれども、これまで学校に設けられている調査委員会による調査や、御遺族への経過説明を重ねてきたという経緯がございますが、事実上最終の調査結果について、先週の金曜日18日に保護者会を開き、情報提供、報告したと市教委から報告があったところです。その中では、生徒や保護者へのアンケートを行った上で、その事実関係を再確認しながら調査結果をまとめたと聞いています。そのような中、ただいまの御質問のように「いじめと疑われても致し方ない事案であった」という調査結果となったとも聞いています。具体的な事案の中身については、亡くなられた生徒さんが嫌なことを言われた、軽く頭を叩かれた等と聞いておりますが、今回亡くなられた直接的な原因と結び付けることは判断できないとも併せて聞いているところであり、事実関係がはっきりしていないことについて、様々な思い、御意見を持っている方もいらっしゃるのではないかと思っております。

調査委員会によりできる限りの調査を尽くしたということですが、市教委では市議会全員協議会でも方針を明らかにしたように第三者委員会の設置を念頭に今後さらに調査を継続していくということですので、県教委としては、その経過等を注視していきたいと思っております。

 

記者

「いじめと疑われても致し方ない事案」という結論に関してはどのようにお考えですか。

 

教育長

これまで様々な手段、機会を通じて、事実関係を把握するため具体的な行動を学校側としてやってきたということですけれども、最終的に断定的な判断が学校側の調査だけではできなかったということで、これまで最大の努力をした中でそこがはっきりしないということについては、事実として受け止めなければならないと思っております。

 

記者

この件に関して、県教委としては特に何も動くことはないということでしょうか。

 

教育長

先月のこの記者会見の場でも県教委としてどのように対応していくのかという御質問等もありましたが、何よりも学校生活が元の状態に戻って、子どもたちが生き生きと学校生活を送れるような環境を作っていくということが大事であり、また、亡くなられた子どもさんの御遺族に寄り添った対応も必要であると思っております。そうした中、県教委としては、これまでスクールカウンセラーの緊急派遣や養護教諭の派遣等を行うとともに、今回の調査等にあたっても、随時、市教委を通じて県教委に相談があり、具体的な助言等を求められる機会もありましたので、丁寧に対応してきたところです。今後とも県教委の有する情報等も活用しながら、市教委とこの問題の解決に向けて一緒に考えて行きたいと思っております。

 

記者

そうすると、基本的にはこれまでと変わらないスタンスであり、何か新しいことをするのは特に考えていらっしゃらないということですか。

 

教育長

状況が前回と変わったのは、第三者委員会を具体的に設けるという動きが出てきましたので、今後、第三者委員会が設置されるとなれば、県教委としては、具体的な人選や他県のこれまでの事例等について情報を把握した上で、新たに情報提供したいと思います。ただし、基本的には、今回の問題に対する具体的な実施主体は滝沢市及び市教委であり、具体的な対応は滝沢市及び市教委が行うものと考えております。

 

記者

第三者委員会の人選について、県教委としての関わり方をどのようにお考えですか。

 

教育長

具体的な人選については、そもそも第三者委員会を設置するかどうかという判断もございますし、後は具体的にどなたにお願いするかという話も出てくると思います。人選にあたっては、有識者や様々な分野の専門家にお願いすることを検討していくのではないかと思いますが、これも具体的に決定するのは滝沢市ですので、県教委としては、例えば県としてこれまで様々な方々の専門的なノウハウを使わせていただいた機会もありますので、具体的な相談があれば助言等を行う必要があると考えております。

 

記者

先日、市の教育委員会に聞いたところ、第三者委員会を作るには条例とか要綱とかいったものを作る必要があると話をされていました。仮に、今後、県立学校で同様の事態が発生し、第三者委員会を作る必要が出てきた場合に、県は条例で対応するのでしょうか、要綱で対応するのでしょうか。そもそも、既にもう要綱自体があるものなのでしょうか。

 

教育長

第三者委員会の設置根拠については、基本的には昨年施行されたいじめ防止対策推進法に基づいた具体的な対応ということであり、法令上、条例設置ということは要件とされておりません。ただし、第三者委員会の設置にどのような性格を持たせるのかという点について、広く設置そのものから民意を反映したものにしたいという判断の下、条例設置ということも選択肢としてありうると思います。

県教委としては、現在、仮に県立学校で同様の事案が起きた場合、第三者委員会を条例で設置する考えはありません。また、具体的な設置根拠については、要綱で設置するという方法もあり、事案に則して個別具体的に判断をしていくことになると思います。今回のような事案が発生したということを踏まえ、このような事案は常に発生し得るということを念頭に置きながら、今後具体的に県教委としての対応を検討していきたいと思っております。いずれにしても、現時点で、県教委ではそういうものを定めているということはございません。

 

記者

問題が発生した都度、要綱を作るのか、規則みたいなものか、条例が必要なのか、個別具体的に判断するということですか。

 

教育長

そうです。

 

記者

これから夏休みに入りますが、これまでスクールカウンセラーや養護教諭が配置されている中で、学校の監督下以外で色々生徒たちが過ごす時間が多くなると思います。それに向けて必要な対策について、特に市教委からの相談や、あるいは県教委として何か対応することは考えていらっしゃいますか。

 

教育長

そろそろ小中学校も夏休みに入るという時期ですけれども、やはり生徒たちの心のサポートについては、休みだから対応しないということはあってはならないと思っております。基本的には、生徒たちからの相談体制としては、教職員を含めてスクールカウンセラーやそれ以外の教員も常に相談に乗れるような対応を取っていただいているとは思いますが、県教委としてもこれまで継続しているスクールカウンセラーや養護教諭の派遣について、引き続き支援して行きたいと思っております。現在のところ、具体的に夏休み期間中どのように対応するかについて聞いておりませんが、基本的にはそのような丁寧な対応が必要であると思っております。

 

記者

今回の事例を受けて、県立学校で改めていじめの実態調査をする予定はありますか。

 

教育長

いじめの実態については、昨年度全体的な調査を実施したところであり、これまでどおり定期的に調査することにより、継続的に対応することを考えております。今回の事案については、子どもさんが亡くなられたという事実を重く受けとめなければなりませんが、具体的に原因がどこにあるのか、いじめと直接的な因果関係があるかどうかという点は、今後の第三者委員会等の調査結果を待ちたいと思いますので、それらの対応を見極めながら、新たな対応が必要かどうかについてこれからの課題として考えていきたいと思っております。滝沢市の事案と絡めていじめの実態調査の実施については、現段階では予定しておりません。

 

記者

定期的というのはどれくらいの周期ですか。

 

教育長

基本的には年1回、全体的な調査を行っています。あとは随時、いじめや体罰、様々な不祥事等も含めて、事案が発生した都度速やかに、市町村立学校の場合には市町村教委を通じて、県立学校の場合は直接、県教委に情報が入ることになっています。そのような事案を踏まえつつ、会議等の場や様々な機会を通じて、事案の発生防止、未然防止について随時お願いしていくことにより対応していきたいと思っております。

 

記者

間もなく全国学力テストの結果が公表されると思います。前にも一度聞いていると思いますが、学校別の成績公表や県教委としての対応、市町村教委での学校別成績の公表についての動きについて、今どのように把握されていますか。また、県教委として対応方針に変更があるのか伺います。

 

教育長

全国学力調査については、例年と同じようなスケジュールで公表されるということで、文部科学省が8月下旬に公表すると思っておりますけれども、県教委としては、それを踏まえて今後の児童、生徒の学力向上に向けた具体的な対応や新たな課題について検討していくことになると思います。

結果の公表については、昨年、文部科学省からそれぞれの市町村の判断に基づくということで一定の方向性が示されましたけれども、岩手県内においては、具体的に公表に向けた動きについて、市町村の教育長会議等の場を通じて意見交換等もさせていただいておりますけれども、現在のところ具体的に公表することを検討している自治体はないと認識しております。

 

記者

県教委として、県教委の判断で、市町村教委の了解を得たうえで、県教委が公表するということもないでしょうか。

 

教育長

現時点では、公表に対する期待や慎重な対応を求める御意見等が様々あろうかと思います。県教委としては、それぞれの市町村教委の判断をまずもって尊重し、今後全国的な動向等を見極めながら、公表するべきかどうかについては将来的な検討課題と受け止めているところであり、現時点ではそういうことは考えてはおりません。

 

記者

間もなく夏休みということですけれども、岡山では通学途中に子供が監禁されるという事件がありました。夏休み中もそういう危険といいますか、子供たちの安全面が心配される部分があると思いますが、この点について県教委としてどのように夏休み中の生活の安全確保を呼びかけていくのでしょうか。

 

教育長

岡山の事件については、やはり社会全体として子供たちを守っていくということが極めて大事だと思っております。特に学校教育の中では、そのような機会に遭わないこと、自衛する意識を子供たち自身に持ってもらうこと、それから地域社会の協力を得ることが大事だと思います。県立学校においては各学校を通じて、市町村立学校においては市町村教委等を通じながら、夏休みに入る前に各学校で子供たちに対し指導していると思いますけれども、今後とも生徒指導という観点から、それぞれの機会を捉えて、子どもたちの安全確保についてお願いしていきたいと思っております。

 

教育企画室

以上をもちまして、本日の記者会見を終了します。

このページに関するお問い合わせ

岩手県教育委員会事務局 教育企画室 企画担当
〒020-8570 岩手県盛岡市内丸10-1
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