平成26年9月18日教育長記者会見における質疑応答

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ページ番号1020188  更新日 令和1年5月8日

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平成26年9月18日(木曜)
県庁10階  教育委員室

発表事項:

  • なし

質問事項:

  • 花巻市内の小中学校の給食で提供された牛乳の異臭味騒ぎについて
  • 滝沢市内の男子中学生の自殺に係る第三者委員会の設置について
  • 複式学級・小規模校への対応について
  • 県立高等学校教育の在り方検討委員会について
  • 被災地の子どもたちの体力面でのケアについて
  • 全国学力調査の結果公表について

質疑応答

教育企画室

ただいまから、教育長記者会見を始めます。

本日は、教育長からの発表はありませんので、記者クラブからの質問等をお願いします。

 

幹事社

記者クラブからの代表質問はありませんので、各社から質問がありましたらお願いします。

 

記者

花巻市内の牛乳の異臭味騒ぎですが、それについて今後、教育委員会としてどういった対応をされるのでしょうか。また、所感等ありましたらお願いします。

 

教育長

子どもたちが学校給食で提供された牛乳に異味異臭を感じたとか、それから体調を崩した件があったというのは御案内のとおりですけれども、現在、中部保健所でその調査をしているということで、現段階では製造元の調査の結果、特に問題はなかったと聞いております。ただ、継続して調査をしていくということでございますので、今後の推移をまずもって見守りたいということでございます。あとは、関係部局と連携しながら、具体的な状況変化等があった場合には適切に対応していきたいと思っております。

 

記者

たとえば各学校の給食センターや給食室に通知を出されたりするのでしょうか。

 

教育長

現時点では原因がはっきりしておりません。それから、製造元でも、その問題が発生した直後に流通している牛乳製品を回収したということでございますので、現在はその状況を見守ることがまずもって大事であると思っております。

 

記者

先日、滝沢市内の男子中学生の自殺に関して、第三者委員会が県内で初めて立ち上がったということですけれども、この件についての御所見をまずは伺います。

 

教育長

滝沢の中学校で子どもさんが亡くなった事件があり、それ以降学校での調査等が行われ、その調査結果を踏まえて保護者懇談会等が数時間にわたって開かれたという中で、第三者委員会の設置を求める声も様々な方から出されたということを踏まえ、滝沢市教委で第三者委員会設置の検討と同時に具体的な人選等についても進めてきたということでございます。これまで県教委としましても、滝沢市教委からの相談に応じて、委員の人選等について職能団体との窓口になるなど、できる限りの協力はしてきたと考えております。今回、「いじめと疑われても致し方ない事案」があったということで、最終的に学校側の調査は終了しておりますけれども、なかなかその実態がまだよく納得できないという声を踏まえて、滝沢市教委でそういう判断をされたということについて、そしてまた、さらにその事案を第三者の皆さんからの御意見等も踏まえてさらに精査していくという流れについては、評価をしていいのではないかと思っております。当初、8月中に設置するということでございましたけれども、協力いただく各職能団体等との話し合いの中でこの時期となって、今月中にも開かれるのではないかという話は伺っているところであり、そのような状況と受け止めております。

 

記者

今後、今までなさってきた以上の支援というのは、県教委としては考えておられますか。

 

教育長

以前の記者会見でもお話させていただきましたけれども、個別具体的な相談等があった場合には積極的に対応していきたいと思いますし、県教委が持っている様々な全国的な状況でございますとか、国からの情報収集等にも努めながら、得た情報についてはできる限り協力をしていきたいと思っております。

 

記者

ちょっと話が全然変わるんですけれども、人口問題等でも言われているように、子どもがガタ減りしていく中で、今後、小規模校や複式学級という形態が増えてくるのではないかと思うんですけれども、それに対して、今まで単式の学級しか教えてきたことのない先生方が、複式学級なり小規模校へ異動して戸惑うケースもあると伺っております。この件について、今後、県教委としては、例えば指導法の確立であるとか、教員の教育といった点でどのように考えていらっしゃるのでしょうか。

 

教育長

市町村立学校の複式学級についての御質問でございますが、これだけ人口減少が急速に進んできている中で、小中学校の統廃合が急速に進んできている状況であることは、御案内の通りでございます。ただ一方で、どうしても学校を統合せざるを得ないということについて、やはりこれは行政側と住民の皆さん、保護者の皆さん、子どもたちを含めて、住民合意が学校の存廃に関しては極めて大事なことだと思います。現に各市町村でも時間をかけた濃密な話し合いの中でその方向性を決めてこられたと思っております。それで複式学級については、どうしても複数の学年でございますので、同時に取り組める教科ももちろんありますけれども、教科書が全く別というような場合には、担任が一方の学年の指導をしているときにもう一方の学年は自分たちで学びを進めるというように交互に進めているところであり、やはりその辺は単式の学級とはまた違った困難さというものは確実にあると思っています。これまでも本県では、現に様々な学校で複式授業が行われています。身近なところでは滝沢市の柳沢小学校・中学校などがあり、複式学級の知見もございます。そのような中で複式学級のノウハウをつけた教職員も全県的におります。これは年度途中から急に複式学級に移行するということではなくて、年度の切り替わりで確定してまいりますので、全県的な人事異動での交流ということも当然必要でございますし、複式学級の教員を対象とした研修を教育センターでも行っております。必要に応じて、研修機能の充実等でありますとか、教員の持っているノウハウを十分引き出しながら、支援していくことが大事だと思っております。

 

記者

具体的には、例えば単式をずっとやってこられて、異動で複式ないし小規模校へ初めて行かれて、なかなかやり方が分からないというような先生がいらっしゃったとしたならば、どのように対応されるのでしょうか。

 

教育長

先ほども言いましたけれども、複式学級に移行する際には、事前に市町村教委との情報共有をしておりますので、できるだけそのノウハウを有した職員を配置するということをまずもって努める必要があります。ただし、そうは言ってもなかなか現実的に難しい場合もあり得ますので、仮にそのような先生がいた場合には、個別にその教員に対する支援等を考えていかなければならないと思っております。

 

記者

それは今後の課題ということでしょうか。

 

教育長

これまでもやってきていますけれども、また、実際に職員の配置等を見ながら、これを繰り返し、引き続きやっていくということであると思っています。

 

記者

「県立高等学校教育の在り方検討委員会」のブロック別懇談会が終わりましたけれども、終了しての御所見を伺います。

 

教育長

県立高校の今後の方向性のあり方について、検討委員会を年度当初に設置させていただきまして、これまで2回検討委員会を進めております。そのような中で、検討委員会のメンバーにも参加いただいて、県内の各ブロック毎に地域別の懇談会を開催させていただき、一巡したということでございます。今後、さらに年内に3回程度の検討委員会の開催を予定しております。今回の全県で行った懇談会の御意見等を踏まえて、さらに濃密な議論をしていただきたいと思っております。今回の地域別懇談会の中では、小規模校に対する配慮、地域産業との関わり、地域活性化に対する県立学校のあり方等、子どもたちの学ぶ環境として一定程度の規模が必要だというような御意見等々もありました。これらについては、今後の検討委員会の論点として事務局で提出させていただいた上で、委員の皆さんからの論点をさらに詰めていくことになっておりますので、これからの議論の中でこの懇談会で頂いた御意見等も踏まえ、十分な議論をしていただけるのではないかと期待しているところでございます。

 

記者

今、4点を挙げられましたけれども、だいたいこの4点が地域課題として出てきたものでしょうか。

 

教育長

大きくはそういうところだと承知しております。あとはそれぞれの地域課題がございますので、それぞれで色々な意見を頂いております。それらについては、議事録等後ほど担当課に確認していただければと思っております。

 

記者

地域産業との関わりというのは、その地域の産業を当該高校の方でも学べるという意味でしょうか。

 

教育長

キャリア教育というような観点での御意見もございましたし、あとは県立学校の学科編成ですね、専門学校の学科のあり方等々についても御意見を頂いたところでございます。

 

記者

地域活性化というのは、そこに高校がないと廃れるということでしょうか。

 

教育長

そうですね。小規模校との関係で、そのような御意見も各地域で頂いております。

 

記者

震災から3年半が経過しました。先日、県内の生徒児童の体力測定のデータというのを見て、これはもちろん震災の影響だけではなくてですね、伸びというかそういったところが若干全国的に見ても、県内の子供たちが体力の面で伸びが負けております。一方で、被災地の学校にはまだ仮設住宅が建っているという状況がまだまだ続くと思われますけれども、特に被災地の子どもたちの体力面でのケアという面について、改めて3年半を経過して、今後のことについて一言お願いします。

 

教育長

発災当初から、それぞれの沿岸部の学校が避難所になったり、避難所を解消した後では仮設住宅用地になる、それから学校自体が津波の被害を受けた学校では仮設校舎で学習するということで、子供たちの学校教育活動が極めて制限されているという状況について、現在も継続していると認識しております。教育委員会としましては、その状況というのは当初から分かっているわけで、子どもたちの育成、将来的な人間形成という観点で大事なのは、これは学力ももちろん大事ですけれども、知・徳・体のバランスのとれた人間形成というのが極めて大事だと思っております。特にスポーツに関しては、物理的に体を動かす場所であるグラウンドが仮設住宅の用地になって、体育の授業は大きな集団活動、または部活動の制限もあるという中で、校舎の周辺等の通学路や学校周辺の空いたスペースを活用する運動プログラムを提示したり、体育館等を活用できるようになった学校ではそれを有効に使用するということで、様々な体力向上に向けた支援について、アスレチックトレーナー等の協力も頂きながらこれまで進めてきております。全国調査の結果、全国的な伸びと比べて岩手県は低いというようなことは、やはりこれは震災との関わりというのも大きいと思っています。現在、新設で移転した学校は船越小学校1校だけでございまして、それから高田高校は来年4月から移転の見通しということで、まだ小中学校の多くは27年度、28年度ということで、まだまだ学びの場の復興は時間がかかると思います。可能な範囲でさらに体力の向上をするようなアドバイスをしたいと思いますし、それから、部活動等の移動経費への支援等も行っておりますので、そういうものもできる限り、必要性があるという中で支援していきたいと思っております。

 

記者

私も想像できないんですけれども、例えば小学校1年生で入った子どもたちが復興計画で見ると、ほぼ6年間校庭がない状況で過ごすということも予想されると思うんですけれども、そういったことが、この体力面でどういう風な影響を及ぼしていくのかというのは、もちろん事前段階から分かっていることだと思いますので、特にその点についてはいかがですか。

 

教育長

それぞれの学校だけでは対応できないということですけれども、これは公共施設、他のスペースを市町村でも準備しながら、複数の学校で活用、特に大船渡とかですね、陸前高田とかでは、そのような準備もしていただいているところもあります。おっしゃるように、特に仮設住宅に住んでいる子どもたちは、学校での生活も制約されている、それから、狭い空間での生活が長期化しているという中で、様々な悩みも新しい問題も出てきます。そのような中で、前を向いて頑張っている子どもたちも大勢いるということで、我々学校関係者としてはできる限りの支援をしていくことが大事だと思っております。

 

記者

先月、全国学力テストの結果が公表されまして、中学校の数学は全国平均を下回ったけれども、昨年より平均正答率は上昇したという結果について、御所見をお願いします。

 

教育長

全国学力調査は4月22日に実施し、その結果が8月25日に公表されたということでございます。小学校の国語・算数については全国平均を上回る状況、それから中学校の国語も全国平均を上回ったということでございますけれども、一方で数学がそのような状況だということについては御案内の通りでございます。ただ、中学校の数学も、昨年度に比べ全国との平均正答率の乖離は縮小傾向にあるということで、これまで全国学力調査の結果を受けて各学校にその情報を提供しながら、具体的な対応について教育事務所や教育センターと連携を図りながら、各市町村教委と学力向上に向けた取組を支援させていただいてきたということでございまして、一定程度の成果は見ることができるのではないかと思っております。ただ一方で、昨年の結果と比べますのも、上がったと言うだけではなくて下がった部分もございますので、これは実態を踏まえつつ、我々教職員もそうですけれども、子どもたちと一緒になって努力を積み重ねていくということが大事であると思っております。

 

記者

今の質問と絡むことですけれども、子どもたちの成績も全国との差が段々縮まりつつあるという話でございました。先ほど私がした質問は、要するに小規模校と複式の学校が県内に3割あるわけですけれども、先生はどのように鍛えていくかという観点はございますけれども、子どもたちの学力担保という点から、こういった学校の指導、子どもたちへの指導というのは今後いかにあるべきかということについて、お聞かせいただけますでしょうか。

 

教育長

学校の規模については、大きいところ小さいところそれぞれにメリット、デメリットがあろうかと思います。一方で、教員配置のあり方については、物理的に小さい学校だとさらに制限されるということでデメリットの部分が出てこようかと思いますけれども、子どもたちを育てるというこの教育に期待されている役割は極めて大きいと思っておりますので、子どもたち一人ひとりを見据えた指導を行っていくことが大事だと思っています。

 

記者

今まで学び合いなど色々指導法はありましたが、そういったものをもう一度見直して、今後どんどんスリム化していく学校の子どもたちの指導法として、新しく作ってみたりとか、あるいはもう一度周知徹底を図るといったような、県教委としての柱はありますか。

 

教育長

特に複式学級等の小規模校に関しては、やはり様々な課題と困難さがあろうかと思います。ただ特定の学校だけで自己完結するということだけではなくて、同じような環境にある学校間の情報交流の機会もございますので、そういう中でお互い持っているノウハウとか課題を共有しながら、またその中に教育委員会、教育センターも含めてそのような課題を解決できるように、それぞれの学校に支援していくことが大事だと考えております。

 

記者

今の教育委員会というのは、市町村教委のことでしょうか。

 

教育長

県教委も市町村教委も含めてです。

 

記者

全国学力テストについてですが、秋田ですとか、かなり学力テストに力を入れて、点数が上がったということで喜んでいるというような話がありまして、以前の発表でもありましたけれども、本県でも県独自の学力調査ですね、若干スケジュールを組み替えるという対応があると伺っているんですけれども、例えば、もっと具体的に踏み込んでですね、学力テストに対する教育の仕方の比重を変えるとか、今後の見通しはそういったようなことはあり得るのでしょうか。

 

教育長

全国学力調査の結果で一喜一憂するということもそれぞれの子どもたちや親御さんたちにとって大きな関心であることはまずその通りだと思いますけれども、我々教育行政関係者としては、ここで得られた状況を客観的に捉えて、将来に向かってこの結果を活用して、子どもたちの資質向上に向けて取り組んでいくというのが極めて大事だと思っております。実は、今年度からこれまでのやり方をちょっと転換しようということで、教育委員会の本庁の職員で教育センターに学力向上チームを設置し、そのセンターを核として、各教育事務所、市町村教委と連携しながら、各学校の訪問等を通じてモデル事業の公開をしています。これまでは、いわばマクロ的な取組だったんですけれども、それぞれの子どもたちの実態、岩手県の子どもたちのどのような層が、質問調査ではなく学科の調査の方ですけれども、点数が高い層、中間層、低い層、どこが全国の状況と違うのか、全体的な本県の弱い部分を底上げするためにどうやったらいいかという具体的な対応を検討した上で、市町村の教職員と相談しながらやっていただいていますので、まずもってその取組を強化していけばいいと思います。

 

記者

つまり、センターの方にかなり、子供たち個別の学力のチェックというものを重点的にやってもらうようにシフトしているということでしょうか。

 

教育長

そうですね。最初に教育センターと本庁で十分に協議し、その後はその情報を市町村教委、学校という流れで情報共有をきちっとやっていこうと思っています。

 

記者

今回から成績公表を認められましたけれども、岩手県では無いとお聞きしていましたが、その受け留めについてお伺いしたいのですが。

 

教育長

県教委が公表する場合にあっては、市町村教委の同意が必要ということになっております。それから市町村教委との話し合いの中で、各市町村教委において現段階で公表に前向きな姿勢を示しているところはございません。その理由でございますけれども、先ほど申し上げたと思いますけれども、過度な競争をあおるようなことだとか、それからやはり人間形成には様々な学力も大事ですが、倫理観等含めて心の問題、社会を生き抜くには体力や文化・芸術とかですね、様々な能力が求められているということで、この学力だけを最優先させてやるのはどうかというような、そういう判断もあると思っております。

 

記者

この学力向上チームというのはもう稼動しているんでしょうか。

 

教育長

今年度当初からスタートしております。

 

教育企画室

以上をもちまして、本日の記者会見を終了します。

 

教育長

ありがとうございました。

秋も深まってきましたけれど、これから長崎国体もございます。また県内では、今週は第35回全日本マスターズ陸上競技選手権大会を兼ねた第18回アジアマスターズ陸上競技選手権大会が行われ、先日は日・韓・中ジュニア交流競技会が行われました。それから10月4日からは第67回岩手芸術祭とかですね、文化・芸術面で様々な行事が予定されております。それぞれの方達に共通するのは、岩手国体さらにその先の東京オリンピックにつながるような、そしてまた復興に大きく貢献できるような、そういう思いで皆さん取り組んでいただいておりますので、ぜひ報道の皆さんにはできる限り足を運んでいただいて、県民の活躍、頑張っている姿を報道していただければ大変ありがたいと思います。大変恐縮ですが、この場を借りてお願いします。よろしくお願いします。

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