平成27年7月23日教育長記者会見における質疑応答

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ページ番号1020176  更新日 令和1年5月8日

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平成27年7月23日(木曜)
県庁10階  教育委員室

発表事項:

  • 平成27年度第42回東北総合体育大会について 

質問事項:

  • 矢巾町における中学生自殺事案について
  • 明治日本の産業革命遺産の世界遺産登録について
  • 北海道・北東北の縄文遺跡群関係について 

質疑応答

(教育企画室)

 これから教育長記者会見を始めます。本日は教育長から発表がございます。

 

(教育長)

 第42回東北総合体育大会についてですが、本年度の東北総体は、7月4日のカヌー競技を皮切りに、県内各地で開催されました。本県が主会場となる東北総体は、平成22年の第37回大会以来、8回目となります。来年の国体リハーサル大会に位置付けられている競技も14競技あり、会場地の実行委員会、各競技団体もこれまで以上に力を入れており、大きな盛り上がりを見せています。これまでの本県選手団の成績は、ボート競技、カヌー競技において総合優勝を飾ったほか、昨年は国体出場がゼロだった体操競技が、4種別中3種別の国体出場を決めるなど、大活躍しました。これから開催される競技の中でも、日本選手権や世界大会で活躍した選手が出場する陸上競技、ホッケー競技、ボクシング競技など上位入賞が見込まれる競技が多数あります。東北総体における本県選手団の活躍が、和歌山県で開催される本年度の国体本大会、そして来年の希望郷いわて国体の成果につながるよう大いに期待しているところです。来年の国体において大きな成果をあげ、復興に向けて県民の大きな力になるためには、県選手団の活躍は極めて大きな要素だと思いますので、報道の皆さんにも様々な場面で応援いただきたいと思います。

 

(幹事社)

 それでは、今の発表事項について、各社から質問があればお願いします。

 ないようですので、それでは発表事項以外について、本日は幹事社からの用意はないので、各社から質問があればお願いします。

 

(記者)

 矢巾町の件について、学校がいじめ防止基本方針で決めた保護者アンケートを実施していなかったなど、不備があったことについての所感をお伺いしたい。また、昨年度、いじめ件数がゼロと報告されていたのに今回このような事案が発生したということを踏まえ、全県的にいじめの調査が適切に行われていたのかどうかについて見解をお伺いしたい。

 

(教育長)

 まず保護者アンケートの関係についてですが、一昨年いじめ防止対策推進法が制定され、各学校においていじめ防止基本方針を定めることが盛り込まれたところです。県教委においても、各学校に対して策定のポイント等を示し、早期策定に向けた取組を促してきたところです。法律の制定、昨年度の滝沢市における事案等もあった中で、この方針に基づく取組をいじめ防止対策につながる県全体の重点的な取組事項とし、力を入れて取り組んできたところです。こうした中で痛ましい事案が引き続き起こったことについては、痛恨の極みです。基本方針の中で取り組むべきものは様々あります。県教委からは、いじめ防止に向けた学校の基本的な考え方の策定や、校内組織の設置、早期発見のためのアンケートの実施などを示しています。アンケートは、広くアンテナを高くし、いじめの情報をキャッチするためのものです。児童・生徒からの情報は極めて大事ですが、保護者・地域からの情報も含めてキャッチすることが大事だと思っています。保護者アンケートを行うことは、基本方針の中に盛り込んでいるものと承知していますが、策定して間もないという中で、その取組をいつ実施することにしていたかということまでは具体的に見ていません。仮に既に時期を過ぎていたということであれば、その取組がなされていれば、生かされた可能性もあるのではと考えざるを得なく、残念なことだなと思っています。この方針の必要性については皆さん理解しているとは思いますが、人が変わってもきちんとそういう一定のルールがある、仕事を構造化することは極めて大事であり、方針策定が目的ではなく、その方針は何のためにあるのかという取組の必要性を踏まえつつ具体的に動かすことが大事だと思っています。

 また、いじめの認知件数についてですが、いじめについてはいじめ防止対策推進法でその定義がされています。物理的な力、それから心理的な力でそれを受けた児童・生徒が負担に感じるというのがいじめの定義ですけれども、その定義を示しつつ、それをきちんと踏まえた事実を報告いただくことが極めて大事だと思います。それが今後の対策にも生きてくるものであり、本年度以降、将来的に続いていくためのものとなるので、改めてきちんとした報告を求めたいと思っています。基本的にはこうしたことを前提に報告いただいていると思っていますが、一方で、今般の矢巾の事案については報告されていなかったことは、そのとおりであり、報告の在り方が適正だったのかどうかも含め、今後、矢巾町とも協議したいと思っています。

 

(記者)

 いじめの事案が発生して初めての教育長記者会見ということで、改めて矢巾町の問題点についてどのように受け止めているか、教育長としての考えを今後の問題点も含めてお聞かせください。

 

(教育長)

 今般の事案を受け、14日に知事が招集した総合教育会議の中でも色々な議論がありました。まずもって、今回の事案においては、子どもの命が亡くなったということに対し、極めて深刻に受け止めなければならないということです。それから、自殺といじめとの関連については、現在学校調査が最終的な詰めの段階にきていますが、これまでの情報を踏まえると、いじめとの関わりがある可能性が高かったものであり、いじめのSOSが発せられていたことに対して、その対応がきちんと取れず、その結果このような大きな痛みを起こすことに至ったということが極めて大きな課題だと思っています。また、今後の検証の中で明らかになってくると思いますが、学校の中では、担任の教諭が生徒との個別の面談等も行っていたということのようですが、その情報が学年団、校長、横の繋がりとか縦の繋がりとか、学校全体として情報が共有されたかどうかということもついても、疑義があるところです。いじめ問題については、いじめ防止対策推進法の中においても、全体で共有してみんなで事に当たるということがポリシーとしてある訳でして、そういうことが大事だったのだろうと思っています。

 

(記者)

 いじめの情報の共有化ということで、学校全体で疑義があるとおっしゃいましたが、校長先生が知らなかったので、学校全体で共有されていなかったと捉えているのですが、情報共有されなかったことについては、原因も含め、どのような認識をされているのか。

 

(教育長)

 今、正に学校、市町村教委の方でその事実関係を明らかにしようという具体的な動きがありますが、職員の聞き取りなどを行った上で総合的に判断する必要があると思います。可能性としてはこういうことかなという思いはありますが、やはり事実に即してきちんと検証されるべきものだと思います。

 

(記者)

 情報共有が今回の一番の問題だという認識でしょうか。

 

(教育長)

 仕事をする上で教職員一人ひとりの力はもちろん大事です。ただそれを大きな力とするためには、組織パフォーマンスを向上させていくことが大事で、教職員が協力関係を作るべきことは当然のことだと思っています。そういう中で、現在記者会見等で町教委でも発言しているようですけれども、情報の共有というものに問題があったということについては、基本的な部分として、より力を入れるべきだったと思っています。

 

(記者)

 それを踏まえて県全体の取組として、今後、情報共有の部分ではどのように取り組んでいきたいですか。

 

(教育長)

 正にいじめ防止対策推進法は過去のいじめによる自殺事案を踏まえた上で策定された経緯があります。その中で関係者それぞれの役割だとか責務を規定しているものであり、それを踏まえて学校のいじめ防止基本方針が策定されています。学校組織での情報共有は重要なポイントになっていまして、現在各学校で策定している方針の中においては、ほとんどの学校においてそういった組織の立ち上げを規定していると思っています。そういったものが具体的に動くよう、先々週末に各市町村教委に助言していますし、県立学校にも指導しています。具体的に動くということが大事であり、そういうところに力を入れていきたいと考えています。

 

(記者)

 具体的にいうと何かイメージあるでしょうか。具体的に動くためにどうすればよいか。

 

(教育長)

 今月中を目途に全県の調査をやりたいと思っています。これについては、教育委員会議でも話をしておりますし、総合教育会議の中でも話を出しております。現在の基本方針の推進状況、運営状況を確認することによって、計画されたものがきちんと動き出すために調査を実施するものであり、そういう意識を浸透させていきたいと思っています。

 

(記者)

 いじめをめぐる問題については、滝沢の事案が昨年発生し、今年は矢巾の事案と、立て続けに起きているということは、異常な事態と認識しており、これまでの学校の対応や教育委員会の対応を抜本的に見直す必要がある問題だと思うのですが、改めて、いじめをめぐる問題が相次いでいることについての見解を聞かせてほしい。

 

(教育長)

 昨年の滝沢市の事案については、第三者委員会からいじめと自殺との関連性が示され、それを市も受け入れたということですが、その途中の段階において、様々な議論があったと思います。ただ、最終的にいじめとの一定の関連性があるということになったことですから、これは極めて重大な事件だったなと、そしてまた痛ましい事案だったなと思います。それが2年続いたということは、異常で危機的な状況だということを我々は認識しなければならない。これは県教委だけではなく、全県下で意識を共有することが大事だと思っており、今後はいじめ防止と対策の強化に向けた研修会の実施等も進めていきたいと思います。

 

(記者)

 危機的な状況を乗り越えるには、どういったことが必要となってくるのでしょうか。

 

(教育長)

 やはりこの問題は、一つのことをやれば、すべて将来の可能性がなくなるということではないと思います。目指したいところは撲滅と言いたいのですけれども、子ども達が集団生活を営んでいるという中では、様々なトラブルがあろうかと思います。我々の意識としては、いじめは起こりうるものという基本的な認識の下でその動きをきちんとキャッチする、そして、その対策を講じるということを学校教育の中で地道に実績を積み重ねていくことによって、いじめを許さない組織風土が出てくると思いますので、これから着実に、また共感を頂きながら取り組んでいく必要があると思っています。

 

(記者)

 先ほど異常な危機的状況と認識しなければならないと話されたが、昨年度の滝沢の事案で危機意識を持たなければならなかったと思います。こういう事案がまた起きたということは、現場のみならず、県教委以下、その危機意識がなかったのではないかと我々は思うのですが、教育長はどう思われますか。

 

(教育長)

 結果からすればこういう事案が続いたということは、今意見を頂いたことについても、なるほどと受け止めさせていただいたところです。ただ、昨年の事案発生以降、いじめ防止に向けた基本方針の策定を全学校で行ったということと、作るのが目的ではないと先ほど申し上げましたが、その取組について、様々な機会を通じて意識啓発や助言を各学校に直接行ってきています。そういう中で起きたことについては深刻に受け止めざるを得ないなと思っています。

 

(記者)

 今教育長が話されたのは、学校組織としての管理体制のことだと思うのですが、いじめを許さない風土づくりという点で、生徒たちに直接何か働きかけるようなこと、例えば特別活動などそういった面で何か具体的な取組はないでしょうか。

 

(教育長)

 いじめ防止については特定の授業を通じて取り組むのではなくて、様々な教科活動、課外活動も含めて育んでいくことが大事だと思っています。それぞれの学校においては、総合的な学習や公民の授業等を通じて、基本的な人としてのあり方等について学んでいく活動をしています。また部活動も皆で協働して仕事をしていくことであり、将来、社会に出たときに、基本的な人間としてのルールをお互い尊重しあうという気持ちを育むというところで大事であり、そういった指導も行っています。今回の事案を受けまして、総合教育会議で知事と教育委員長との連名での子ども達へのメッセージ、そして保護者にも行き届くようなメッセージを出そうということを合意しておりましたが、そのメッセージを昨日、各市町村教委を通じて出しておりますので、今日これから皆さまに情報提供したいと思います。こうしたことを通じながら、子ども達に自他の命を大切にする思いを直接届けたいと思っています。

 

(記者)

 いじめの認知についてですが、先ほどいじめ防止対策推進法の定義に基づいて判断していくという話がありましたが、結局、個々の担任の先生に任されると思います。当該学校では昨年度認知件数ゼロと報告されたように、学校現場に、いわゆるトラブルを把握して、それをいじめとして認知するのに躊躇するような、できるだけ過小評価したいというような雰囲気があるのではないかと推定するのですが、そういうものはあるのでしょうか。

 

(教育長)

 仮にそういうことがあるとすれば、大きな問題だと思います。この調査は、その実態を明らかにすることが目的であり、実態を明らかにするということは、担任が認知したということだけではなくて、学校として事実を共有するということだと思っています。しかし、こうしたことが、これまでの調査において情報共有されていなかった可能性は否定できないと思いますので、改めて今後の調査においては、いじめの認知件数があったからだめだとか、なかったからいいとかではなく、それをいかに解決していくかというところに重きを置くべきだと思っていますので、十分に留意しながら進めていきたいと思います。

 

(記者)

 先ほどのメッセージですが、昨日の時点で各学校に送付し、生徒には学校ごとに印刷することになると思うのですが、今日届くのでしょうか。

 

(教育長)

 基本的には今日届くものと思っています。そろそろ夏休みに入る時期ですので、そこに合わせて配布する必要があると思っておりますし、単に配るだけではなくて、児童・生徒にこの趣旨をきちんと先生の言葉を通しながら伝えていただけるように併せてお願いしているものです。

 

(記者)

 いじめ防止基本方針に関する今月末に始まる調査についてですが、8月末に結果を取りまとめ、9月には公表する方向で検討しているということですが、調査結果次第で、例えば実施していないことが分かった学校に対してどのような指導をしていくつもりか。

 

(教育長)

 基本方針は作って間もないということもあり、魂を入れていくのは、正に今だと思っています。策定プロセスにおいて情報を共有し、同時に動き出すことが本来のあるべき姿だと思っています。そういう観点において、先々週の金曜日に各市町村、県立学校に、いじめの基本方針に則った取組をきちんとするよう基本的な考え方について通知しています。今回の調査を踏まえ、今後どうするかが大事であると思っていまして、本質を捉えられないことのないように、どのような調査にするか今検討を重ねているところです。いずれこれは調査が目的ではありませんので、それに沿って具体的な行動をし、子ども達の命を守るということが目的ですので、そういうことを研修の場等を通じながら、きちんと伝えていきたいと思います。

 

(記者)

 基本方針は各校で策定していると思うのですが、実態がうまく機能しているのかどうかを調べるために調査するのですね。それで結局機能していなかった場合、どうしていくのかは各校の自浄作用に任せるということか。

 

(教育長)

 基本的に私が先ほど申し上げたのは、既に考え方は指導・助言しているので、当然だという前提に基づき申し上げたものであり、調査の中でそのようなところが明らかになれば、重点的に助言していく必要も出てくるものと思います。

 

(記者)

 県教委として助言していくと。

 

(教育長)

 はい。

 

(記者)

 二次被害という点でお聞きしたいのですが、最近、中総体での野次もありましたけれど、特にネットに加害生徒とされた人や、担任や学年主任の先生の写真や住所が書き込まれるなど、様々な被害があったと思います。なかなか県教委としては難しいかもしれませんが、特に生徒のケアに関して何か対応は考えているのか。

 

(教育長)

 滝沢の事案もそうだったのですが、我々が十分念頭に置かなければならないことは、亡くなった子どもの気持ちに寄り添うことはもちろんですけれども、子ども達の不安、様々な動きがありますので、子ども達の心を安定化させること、そしてまた、学校活動を通常の姿に戻していくということが極めて大事なことだと思っていまして、事案が発生した直後から、スクールカウンセラーの派遣や指導主事等含めた教職員の応援体制をとってきています。こうした、それぞれの子ども達に寄り添った相談にきちんと対応できるよう、学校や市町村教委からの意見も十分踏まえた上で、状況を確認しながら適切に対応していきたいと思います。

 

(記者)

 今は生徒の話でしたが、当然担任や先生方にも相当なストレスがかかっていると思うが、そのケアはどうなっているのか。

 

(教育長)

 教職員に対するケアについても臨床心理士の資格を持っている職員、これは県教委だけではなく、知事部局の職員の応援もいただいていますので、そちらの方の相談にも乗っていきたい。県教委と知事部局の役割分担はありますが、うまく対応していきたいと思います。

 

(記者)

 いじめ防止対策推進法ができるきっかけとなったのは大津の事案でしたが、大津市では、いじめを担当する職員を各学校に置いているという話も聞いています。時期尚早かも知れませんが、そのような教員を配置することも検討されるのか。

 

(教育長)

 それぞれの学校において、通常の学級担任や、部活も含め、それぞれ担当を決めています。それとは別に、いじめ対策は正に生徒指導となりますが、生徒指導の役割を担っている教員を縦割りの分担だけではなく、組織横断的な課題に対しても対応できるよう、配置しています。やり方を固定して、これでなくてはいけないというものではないと思うのですが、子ども達の命を守るということに対して、どのような具体の行動が出来るのか、他県の動向も研究しつつ、今のやり方でいいのか、見直しが必要なのか検討しなければ、きちんとした答えは出来ないと思っています。なお、大津の動きについては報道等を通じて私も承知しておりますので、その辺も含めて研究してみたいと思います。

 

(記者)

 アンケートやいじめの基本方針など、いわゆる形式的なものよりも、何かもっと根本的な問題がある気がする。大きなSOSが発せられていたり、いじめの問題が社会問題になっている中で防げなかったという事実は、とても大きいと思うのですが、あらゆる情報が形骸化しているのではという認識がありますが、そうした問題をどのように見ているか。

 

(教育長)

 時代背景によっても、いじめの対応は変わると思います。子ども達を守るため、学校教育の場は当然ですが、地域の中で子どもを育んでいくということも必要であると思います。また、今の情報化社会でSNSがこれだけ進化していくと、様々な情報が飛び交うことから、いじめへの対応も多様化します。我々が守るべき子ども達への対応は、様々な面から検討し、取り組んでいかなければいけないと思っています。いずれアンケートなどは、一つの手段ではありますが、それで全てが解決するわけではないと思いますので、様々な取り組みを行いながら子ども達を守れるよう、努力をしていくことが大事だと思っています。

 

(記者)

 いじめの認知について、矢巾は0件、他のところであれば二桁とか、そういった数字が出ています。トラブルとしての悪口であるとか、物を隠されたとか、そのくらいで出している事例もあると思うのですが、いじめの認知の基準について、改めて県教委で示す考えはあるか。

 

(教育長)

 きちんと認知したものは報告してもらうということについては、当然行う必要があります。判断基準についても明らかにし、法律の定義に基づいた基準というものが基本ですが、具体的な対応が様々あると思いますので、どのような方法がいいかも含めて検討したいと思います。

 

(記者)

 現状では市町村や学校の基準や判断に任せているというような状況ですか。

 

(教育長)

 定義に合わせていうことである。

 

(記者)

 定義の解釈ですね。これはいじめじゃない、解決済みと報告することもあり得るでしょうし。

 

(教育長)

 今トラブルが生じているものについては報告し、解決したものは載せないとかということですね。仮にそういうものがあるとすれば、事案が発生した、認知したものについては全てあげてもらうことが基本だと思っていますので、その周知の仕方も含め検討したいと思います。

 

(記者)

 滝沢の報告書が現場に届いていなかったということについて、現場の市町村教委では、県教委から届いた書類に、教育長あての親展であるとか、取扱いに十分注意してくださいとあり、現場に配るものではないと思ったと言っている。現場に配ろうとした教育委員会もあるようだが、やはり基本方針というのは正直、行政文書みたいな形で言葉だけではなく、魂を入れなければならないのはそのとおりであり、現場に報告書がもし届いていれば、ある程度感じとれたと思う。県教委の対応として至らなかったところがあると思うのだが、滝沢以後、今回矢巾での対応についてどうだったのか教えていただきたい。

 

(教育長)

 この行政情報は基本的には滝沢市の情報ですので、その情報公開をどうするかについては、滝沢市で一義的には判断すべきものと思っています。そういった中、県教委として滝沢市から全体の概要についても提供いただき、各市町村教委に対し、各学校にも配布するということを前提に提供したという経緯があります。各学校に全て配布してほしいというお願いまではしていなかったものであり、総合教育会議の場でも強い御指摘がありましたので、それを踏まえて、近々各学校に浸透するよう、全ての学校に配布するよう改めてお願いしたいと思います。

 

(記者)

 対応に関してはどう思うのか。配っても結果的に届いていなかった訳ですけれど。

 

(教育長)

 結果として、先の総合教育会議での教育委員の思いとはかけ離れた対応だったというように思っています。

 

(記者)

 橋野高炉跡の世界遺産登録の所感と、今月末の文化審議会で御所野も審査になりますが、一部報道では厳しいという状勢ですが、その見解をお願いします。

 

(教育長)

 橋野高炉跡の関係ですが、7月の上旬にドイツのボンで開催された世界遺産委員会で登録が決定しました。まずその所感ということについては、登録に向けてこれまで御尽力いただいた関係省庁、そして国内外の専門家の皆さん、地元の熱意等々ありますが、関わった全ての人に感謝を申し上げたいと思っています。そしてまた、今回の登録は本県にとって二つ目の世界文化遺産ということであり、東日本大震災津波からの復興に取り組む岩手県全体、それから釜石市にとっても大きな希望になると受け止めています。今後は関係県それから釜石市等とも十分連携しながら、世界遺産としての価値を普及していくとともに、今、平泉授業を行っていますけれども、橋野高炉跡も含めた授業にするとか、重点的に橋野高炉跡を行うというようなことも合わせて考えて行きたいと思っています。

 縄文遺跡群の関係ですが、これについても、青森県、北海道、秋田県、それから岩手県と、構成資産が跨っています。過般、文部科学省の方に関係県で要望を行ったところであり、地域の熱意も高いということもあることから、我々としては本年度の推薦に向けて何とか進んでいけばいいなと思っています。一部の報道で、かなり厳しいというような報道もありますが、事務局の青森県を通じながら文部科学省等に確認しているところであり、現段階で一定の方向付けがされたという話は確認できていません。いずれ文化審議会が近々開催されますので、4候補地の審査になると思うので、何とか勝ち抜けることに期待したいと思います。

 

(教育企画室)

 以上をもちまして、本日の記者会見を終了します。

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