平成28年3月28日教育長記者会見における質疑応答

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ページ番号1020169  更新日 令和1年5月8日

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平成28年3月28日(月曜)
県庁10階  教育委員室

発表事項:

  • なし

質問事項:

  • 2015年度の総括について
  • 新教育長就任の抱負について
  • 新たな県立高等学校再編計画について
  • 教科書謝礼問題について
  • 「心とからだの健康観察」の結果について
  • 教職員の不祥事の公表の在り方について 

質疑応答

(教育企画室)
 ただいまから、教育長記者会見を始めます。
 本日は、教育長からの発表はありませんので、記者クラブからの質問をお願いします。

(幹事社)
 記者クラブからの代表質問はありませんので、各社から質問がありましたらお願いします。

(記者) 
 今年度最後の記者会見ということで、2015年度の総括をお願いします。

(教育長)
 まもなく1年が過ぎようとしておりますが、振り返ってみると、平成27年度は極めて動きの激しい一年間だったと思っています。本年度の教育行政の中で大きな動きとして、まず一つに教育委員会制度改革がスタートしたことです。総合教育会議を通じた知事との連携の強化や、その中で具体的な調整等を図って参りました。それから高校再編についても、具体的な計画を策定する年ということでスタートしました。そういう中で厳しい課題もありましたし、また一方で、明るい話題があった一年だったと思っています。厳しいこととしては、2年連続して本県でいじめを一因とする中学生の自殺事案が起きたことで、これに対して総合教育会議の場等で、矢巾町に対する対応を始め、全県に対する対応や、二度とこういうことを発生させないようどうしたらいいかという議論等を行った上で、条例の制定や知事・委員長連名のメッセージを出しました。それから、具体的な取組を様々議論した上で、全県に協力を要請してきたということもあります。亡くなられた子どもの命の尊厳を起点にしながら、今後同様の事案が起きないようにできる限りの努力をしていきたいという思いをもった年でありました。明るい話題としては、いよいよ本年度完全国体がスタートしました。「紀の国わかやま国体」では総合順位が16位と前年の長崎国体の37位から大躍進を遂げて、1月から2月にかけて行われたスケート・アイスホッケー競技会、スキー競技会において、高校生、社会人の大きな活躍があり、総合順位が4位と、2巡目国体以降、最高位の成績ということで、国体の本大会に向けていい流れができたと思っています。期間は短いながらも、国体の目標達成に向けた選手強化等が、競技団体と力を合わせながら一生懸命取り組んだ成果が現れてきました。最近の話題ですと、釜石高校の甲子園出場です。県立高校としては22年ぶりに甲子園で1勝を挙げたということで、被災地の厳しい環境の中でがんばっていたということであります。それから高田高校の新校舎が3月に移転新築し、新年度から新しい学び舎での子どもたちの新たな生活が始まったということ等々ありまして、極めて動きの激しい一年だったと思います。そして、今年の教訓を今後の教育行政にきちんとつなげていかなければいけないという思いを新たにしたところです。

(記者) 
 お話の中にもありましたが、教育委員会制度改革で、高橋教育長が新制度の教育長に就任されるわけですが、その辺りの意気込みなどお願いします。

(教育長)
 (3月)24日の県議会に私の人事議案が提案、可決されました。今度の教育長は、今までの教育委員長の職務と教育長の職務を合わせて教育委員会を総理するということと、教育委員会の代表になるということで、議決いただいたことを重く受け止めつつ、新たな気持ちで新年度から職務に当たっていきたいと思っています。教育行政に関しては様々な課題があります。先ほど申し上げたようなことを来年度に引き継ぐということもありますし、国体の本大会を成功させることによって、大震災津波からの復興に弾みがつくとともに、岩手の名を全国にアピールする大きな機会です。教育委員会としてはやはり、大きな成果を挙げることが課されている大きな節目だと思いますし、競技団体の士気も上がっていますので、やってよかったという機会にするように努力していきたいと思っています。

(記者) 
 先ほどの振り返りの中でも少し触れていた高校再編の件ですが、明日教育委員会議で諮られると思いますが、発表から3か月の間に寄せられた意見をどのようにみていらっしゃるかと、明日に差し障りがない範囲でどのような形になるかお聞かせ願えますか。

(教育長)
 再編計画の案については、12月25日に公表して以来、これまで地域検討会議や県民の皆さんとの意見交換会等を通じて様々な御意見を頂戴しています。パブリックコメントも同時に行わせていただきまして、全体で700件近い意見をいただいています。今申し上げた意見交換会以外にも、私が直接首長さんを始め地域の皆さんから要望等もいただいておりまして、それらの御意見等を踏まえながら、既にお示ししている計画案の在り方について、これまで検討を進めてきたところです。県議会の中でも、一般質問、予算特別委員会、常任委員会の場等で高校再編について様々な御意見、御質問をいただきまして、最終的な詰めの段階にあります。(3月)17日の教育委員会議でも教育委員全員で現在公表している案にどのように反映していくかというような具体的な議論をしたところです。これまでいただいた意見の中で大きなものとしては、一つは一定の評価をすると。教育の質の保証と学ぶ機会の保障という考え方を基に計画案に反映させてきたということで、一定の評価をする声も多くいただいています。一方では、統合対象校になった高校等を中心に、地方創生にまさに取り組もうとする中でもう少し時間がほしいというようなこととか、そもそもその高校の統合ということは極めて大きな問題だ、慎重に対応してほしいといったような様々な御意見を頂戴しています。学級減に対する御意見等もいただいています。いただいた御意見を踏まえながら教育委員会としての判断を、明日教育委員会議に議案として提出し議決をいただこうと考えています。明日の議論もありますので、具体的にこういうようなということを今お示しすることはできませんが、いただいた意見を踏まえつつ、計画案の一部の修正について現在考えているところです。

(記者) 
 教科書謝礼問題についてですが、多分今月に文科省に報告がされて、今月中にも発表ということだったのですが、具体的な発表の日時はまとまっているのかということと、1月の段階で公表された50数件から件数や内容に違いはあったのかということをお聞かせいただけますでしょうか。

 (教育長)
 文部科学省のほうから、年が明けてからでしたかね、検定前の教科書に対する意見を業者側が全国の教員に見せて意見をもらう機会をつくった中で、一部謝金等を受け取ったという事実が判明したことで、全国の都道府県教委に事実関係の照会があって、2段階の報告をしました。一つには対象者、本県の公立学校では実質51人、延べ人数では56人でしたが、その対象数については既に報告しているものに変化はないと思っています。謝金等の対価を、交通費等もありましたが、受け取ったことについては、現在再確認を求められていまして、その辺の調整を現段階で行っています。常任委員会の際にもこの質問が出まして、そもそも謝金を受け取ることの是非もありますし、教科書採択に影響があったかどうか、その辺の事実関係を見極めた上で、今後の対策をきちんとやっていきたいと私申し上げておりまして、その辺を今後文科省とも意見交換をする場合もあると思いますし、全国の都道府県教委とも考え方の確認等を行いながら、岩手県教育委員会としてきちんとした対応をしていきたいと思っています。処分ありきという考え方ではなく、冷静かつ客観的にこの事実と向き合った対応をしていきたいと思っています。

 (記者) 
 ということは、もうあと3月は4日しかありませんが、発表とかはまだ決まっていないのでしょうか。
 
 (教育長)
 具体的にいつなのかということは、近々文部科学省から全国の状況について報道の皆さんに情報提供されるんじゃないかというような話は聞いていますが、具体的にいつというのは今時点でわかりませんので、それがなされた後において岩手県の状況についても詳しく皆さんにお話しできるんじゃないかと思っています。

(記者) 
 今のお話に関連してですが、他県をみると、(3月)11日の文部科学省への報告の締切の段階で、報告書の形で公表されている教育委員会さんがけっこう見受けられるかと思うんですが、改めて岩手県教委さんとしてはいかがでしょうか。

(教育長)
 岩手県教委として全体像をつかんでいるかというと、個別の確認の機会等をつくり対象者から話を聞いていますが、全体像についてまとめることはまだできておりませんし、それをつかまない中で一定の方向性をまとめることはできませんし、軽軽に対応することは適切ではないと思っていまして、その辺は一定程度時間をかけながらきちんと把握しながらまとめていきたいと思っています。

(記者) 
 高校再編の関連で先ほどもお話が出たのですが、29日公表の予定ということですが、年度末に公表してすぐ新年度がスタートするわけですが、公表後の県教委の対応といいますか、例えばまた同じように各地区で成案したものを説明して歩くのか、その辺のスケジュール感を教えていただければと思います。

(教育長)
 計画は将来的な方向性を定めるということで、それを基本にその実施に向けた取組をしていかなければいけないと思っていまして、これにはまず、統合対象校については、各市町村でもう既に地方創生に取り組んでいる段階ですので、その辺の状況も見ていくと。その中で私自身期待したいのが、これもまた教育の役割でもあると思いますが、教育の機会を保障するということで、岩手に一家転住する人たちが増えればいいと思っていまして、そういう状況を見極める必要があると思っています。学級減等も含めて地域との合意形成は、様々な御意見があると思いますので、全ての方々がなるほどというように納得することはなかなか難しい面もありますが、学校関係者等々含めて実施に向けた話し合いは別途つくっていかなければならないと思っています。今の段階で、具体的に来年度はここまで、再来年度はここまで、ということは今の段階ではお話しすることができませんが、丁寧な対応をしながら計画の実施に向けて取り組んでいきたいと思っています。

(記者) 
 そうすると、来年度中ぐらいには計画の実施に向けた説明会とかそういったものを開催していくという形ですか。

(教育長)
 早い段階で学級減に踏み込むのは29年度からというところも計画で出てくると思いますので、その辺はきちんと教育委員会としての考え方を、今年度の入試の状況や志願者の状況等を踏まえながら、説明した上で実施に向けて取り組んでいくと。そういう中で情勢の変化があれば、また検討は必要だと思いますが、その辺丁寧に対応していきたいと思っています。

(記者) 
 むしろ合意形成というよりも、方針の説明のほうが今回のメインになるということでしょうか。

(教育長)
 説明と合わせて御意見も、どちらの一方に偏るということのないように丁寧な対応をしていきたいということです。

(記者) 
 この間発表された「心とからだの健康観察」の結果につきまして、震災から5年が経過して、内陸に移住している児童生徒の心のケアが必要な割合が上昇しているという説明がありましたが、それに対しての教育長の所感と、今後震災5年目以降に向けた沿岸と内陸を含めた児童生徒の心のケアの対応についてお伺いしたいです。

(教育長)
 来年度何に重点的に取り組むかということも含めて申し上げます。一つにはやはり教育行政だけではなくて県全体ももちろんそうなんですが、大震災からの復興と、そして、未来に追いつくような復興を実現していくということがあると思います。そういう中で子どもたちの心の安定、心のサポートの重要性というのは、これからますます大事になってくると思っています。今お話いただいたように、特に被災者という観点で比較してみますと、内陸に避難している被災した子どもの要サポートの割合が極めて高くなっているということで、この辺はやっぱり生活の再建が長期に渡っているという中で、同じような境遇の子どもたちが近くにいないというようなことも、もしかして影響しているのではないか、いわば孤立感というようなことを感じている子どももいるんじゃないかと。孤立感というのは離されているということではなくて、思いを共有できる自分と同じような境遇の仲間がいないというところが影響してきているのではないかという見方もできると思っています。復興を実現し、社会をつくっていくのは人間ですし、次代を、この岩手、それからそれぞれの地域を担っていくのは子どもたちですので、子どもたちに寄り添った教育をやっていくことは極めて大事だと思っています。阪神淡路大震災の話を聞いても、これはやっぱり中長期的に取り組まなきゃだめだと。そしてまた岩手の場合は津波被害で同じ場所での再建ができないという状況もありますので、より中長期的に継続してやっていくことを我々十分頭に入れながら、丁寧かつ積極的な対応をしていく必要があると思っています。

(記者) 
 高校再編の関係で今後のスケジュールの話ですが、前期計画に関してはそのとおり決まったらそれに沿ってやっていくものだと思いますが、その後、後期計画に向けた具体的な議論というのはいつぐらいからでしょうか。とりあえず早目だと思いますが。

(教育長)
 今回の再編については、当初(平成)23年の6月に具体的な計画をお示しするということで、様々な検討を行い、地域の声を聞いて参りました。そういう中で大震災津波が発生し、計画の策定を含めて、一時凍結した経緯があります。昨年度、私が教育長に就任すると同時に第三者委員会を立ち上げて、その中で基本的方向の改訂ですとか具体的な計画案の検討に入り、実質2年度かかって、計画案を前期、後期に分け、今回具体案は前期計画についてお示ししました。ということで、少なくとも同じぐらいのタイムスケジュールの感じは持ちながら、地域の復興もそうですし、地方創生に向けた取組等も十分みながら、後期の計画策定を念頭に置いた検討が求められていくと思いますし、教育行政に携わる者の責任としてきちんと考え方を示すのが大事だと思っていますので、今回の計画案の策定に向けたプロセス等も踏まえながら、前期計画自体がまだ決定していませんので、現段階でいつからというのはお話できませんが、中期的なビジョンとしてはそのような考えのもとで進めていくのが必要であると思っています。

(記者) 
 10年間の計画をみますと、今回は3地区だけの統合と全体的な学級減だけでしたが、後期のほうに統合がもっと増えてきたりとか、学校の持つ役割とかそういうものも含めた改革というのが動きで入ってくるのかなと思うのですが、そういった意味では今おっしゃった2年間という形でやっていくのか、それとももう少し早くからそこをどういうふうに考えていくのかという辺りは。

(教育長)
 今回お示しする前期の計画案の中では、学科の再編等については今後検討していくことにしていますので、地域産業との関わりだとか、子どもたちの進路選択の動きとか、様々な要因を見極めながら決定していくことが大事であり、そこに力を入れていきたいと思っていますが、今お話いただいたように、計画では後期の方向性についても一定程度触れていまして、そのような質的な面での転換や学校統合の在り方も課題として提起させていただいていますので、動きをきちんとみた上で、対応していく必要があると思っています。今の段階での期待としては、先ほど申し上げましたが、人口減、生徒減に一定の歯止めがかかるという、むしろ逆に、岩手に人を呼び込むような、人口減が後退するような動きが実現できればいいと思っています。ただそうは言っても、その思いと現実が必ずしも一致するものではないと思いますので、その辺をきちんとみた上で、遅れることのないように適切な対応をしていきたいと思っています。

(記者) 
 高校再編の関係ですが、明日は成案化したものが出てくるということで、将来の方向性について、そういう成案にすると。そして、さらにまた一部の修正という話も教育長からありましたけれども、そういったものができて、話し合いが更に行われるということで、そこを少し確認したいのですが、今までの話し合いと成案化した後の話し合いの違いはどういったところでしょうか。

(教育長)
 明日教育委員会議で決定した後に、改めて皆さんに情報提供し、また、記者会見も開かせていただきます。その中で具体的な話を申し上げますが、明日の教育委員会議での議論がまだありますので、なかなか全部を話すことができませんが、これまでいただいた意見を踏まえつつ、最終的な成案を明日決定するということです。計画の実施については年度ごとに計画を立てていますので、計画の実施に至る段階以前において、各地域とは様々な意見交換の機会を設けるなど、丁寧な対応をしていきたいと思っています。

(記者) 
 あと1点ですが、パブリックコメント等で700件くらいあったということで、大体評価を得ているのが何パーセントぐらいで、批判的な声といいますか、こういうふうにしてくれというような声が何パーセントくらいでしょうか。

(教育長)
 その辺の詳しいデータは担当課にお聞きいただきたいと思いますが、一定の評価をいただいているのが2割ぐらい、批判的な声というのが10数パーセント、2割弱だったと思います。全体を大くくりで集約すると、大体8つくらいのパーツに分かれると思っています。

(記者) 
 大分前のことですが、先月会見がなかったのでお聞きします。20日の日(※実際は2月15日)に教職員の処分があったかと思いますが、不適切会計ということで、農業関係の学校で上司の印鑑を勝手にねつ造して契約をしていたとか、不正が何十件もあったりして、けっこう大きな金額になっていたという事案があったんですが、発表では中部教育事務所管内にある高校ということでしたが、高校の名前を伏せる意味があったのかなと疑問に感じるところがありまして、これについてのお考えは。

(教育長)
 公表の在り方については、記者クラブさんと事前に合意しているところでありまして、例えば懲戒免職処分とかそういうものについては、具体的な実名と学校名を出すということにしていますが、そこに至らないものについては、地域を大くくりの中で公表するというような取り決めをさせていただいたのではないかと思います。その辺は教職員課で報道の皆さんに事案発生、それから処分を行った時点で公表させていただいていますので、そこでもまた確認していただければいいんですが、私の認識としてはそういうことです。これまでも不祥事が発生したことについては、今回の議会でも様々な機会を通じてお詫び申し上げ、大変申し訳ないと思いますが、公表において個人が特定されることについて、事案によっては配慮する必要があると思いますし、逆にきちんと公表したほうがいい場合もあるし、それは事案によって適切に対応していくことが大事だと思っています。

(記者) 
 基本的に我々との合意の中でということでしょうか。

(教育長)
 そのような認識を持っています。

(教育企画室)
 以上をもちまして本日の記者会見を終了します。

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