平成29年3月29日教育長記者会見における質疑応答

Xでポスト
フェイスブックでシェア
ラインでシェア

ページ番号1020140  更新日 令和1年5月8日

印刷大きな文字で印刷

平成29年3月29日(水曜日)
県庁10階  教育委員室

発表事項:

  • なし

質問事項:

  • 矢巾町の中学生自殺事案での懲戒処分について
  • 2016年度の総括及び2017年度に向けての意気込みについて
  • 2017春の選抜高校野球大会に係る所感について
  • 部活動の負担軽減に関する取組について
  • 道徳の教科書といじめ防止対策について
  • 「心とからだの健康観察」集計結果について
  • 部活動における冬山登山について

質疑応答

教育企画室
ただいまから、教育長記者会見を始めます。
本日は、教育長からの発表はありませんので記者クラブからの質問をお願いします。

幹事社
記者クラブからの代表質問はありませんので、各社から質問がありましたらお願いします。

記者
昨日、矢巾町でのいじめによる中学生の自殺に関連し、4人の懲戒処分がなされたことについて、教育長の見解をお聞かせください。

教育長
矢巾町において一昨年7月に中学生2年生が亡くなってから、県教委、町教委で具体的な対応について様々な検証を行いながら、具体的な再発防止に向けた取組をしてきました。昨年12月末に、31回にわたる第三者委員会の検証や検討の結果について、最終的な報告がなされました。その内容等を踏まえながら、それぞれの関係者の責任のあり方の検討を行った結果、昨日の懲戒処分を行い、夕方に教職員課から記者レクの場で公表しました。
この事案が発生したことについては、これからの本県の教育の中で十分に生かしていかなければならないもので、再発防止に向けて教育界を挙げて取り組んでいかなければならないという強い気持ちを持っています。今回のような事案が起きないようにするためには、日頃から学校いじめ防止対策基本方針に基づき、しっかりとした対応がなされることが極めて大事です。改めて今回の処分の意味も踏まえながら再発防止に取り組んでいきます。

記者
昨日の説明では、懲戒処分理由として、学校全体の組織的取組で欠けている部分があり、校長の責任が大きく一番重い処分となったとのことでした。これは、再発防止の観点から他の学校や地域に対して、いじめ防止対策は組織的な取組を重視してもらいたいとのメッセージでしょうか。

教育長
一昨年の7月に事案が発生した後、地教行法の改正を受け設置していた総合教育会議を7月中旬に臨時で開催し、当面の対応として条例制定や予算措置を講じて啓発活動を行ってきました。また、県立や市町村立の校長会議の場でも、いじめ防止対策の徹底を県教委として指導助言してきましたが、今回、第三者委員会での学校の組織的対応が不十分だったという検証結果を踏まえ、処分を行うという極めて大きな対応をしました。
今後、岩手の教育界で事実関係をしっかり受け止め、子どもたちに向き合った教育を行うことの徹底を図っていきます。また、いじめ防止対策基本方針は情勢の変化に応じて見直していくことが大事ですし、各学校で具体的にどのような取組をしているか調査等しながら、学校の組織風土として、いじめ防止対策をしっかりと取り組む環境を作って参りたいと思います。

記者
2016年度最後の会見ですので、2016年度の総括と2017年度への意気込みをお聞かせください。

教育長
平成28年度は、岩手にとって大きな出来事があった年でした。一番大きな出来事は希望郷いわて国体・いわて大会が開催され、県民の皆さんのボランティア活動、市町村での各会場の設営、県選手団の頑張りなどにより、成功裏に終えることができました。この希望郷いわて国体・希望郷いわて大会を開催して良かったというのが多くの県民の皆さんの気持ちではないでしょうか。今回の希望郷いわて国体・いわて大会は、東日本大震災津波からの復興と、復興のその先にある未来に向けて大きな力とする大会でした。また、大震災で御支援をいただいた全国の皆さんに感謝する機会でもあり、「復興の架け橋」という冠をいただきながら開催しましたが、このことは全国の皆さんにもいわて国体で感じてもらえたと思っています。
また、8月30日の台風第10号では東日本大震災津波に加えて沿岸部を中心に大きな被害がありました。復旧・復興に取り組む中で、自然災害は常に起こりうるということを改めて今後の教訓にすべきと感じました。軟式野球の会場になっていた岩泉町では国体ができませんでしたが、全体的には素晴らしい大会になりました。これを希望郷いわて国体のレガシーとしてしっかりと未来に継承していくため、知事部局に文化スポーツ部が設置され、今年4月からスタートします。それにあわせて教育委員会も組織体制を見直しますが、スポーツ・文化の力を更に大きく広げていくことを次年度以降積極的に取り組んでいくことが大事だと考えています。
個人的な話となりますが、教育委員長が廃止され教育長に一元化されたのが昨年の4月でして、ちょうど1年が経ちます。今回の文化スポーツ部の設置により教育委員会から移管される業務はありますが、教育委員会は、学校における文化芸術活動、学校体育を引き続き担いますし、教育委員会の体制をなお充実し、学校の諸課題にこれまで以上に積極的に取り組んでいくことを教育委員会議でも話し合いながら方向性を定めています。学校教育の充実に向けてなお頑張っていきたいと考えています。

記者
本日、選抜高校野球での盛岡大学附属高校の試合が終わりましたが、準々決勝のベスト8に進んだことの頑張りに対するコメントをお聞かせ下さい。

教育長
今回の選抜高校野球には、本県から初めて盛岡大学附属高校と不来方高校の2校が選出されたということで、両校とも一生懸命頑張ってくれたと思います。盛岡大学附属高校は、お話のとおり目標として定めたベスト8を勝ち取っており、快挙だと思います。生徒達はもちろん、生徒達を支えた御家族の皆さん、学校の指導者等を含めて大きな目標を達成した経験を未来に向かって生かしてくれるのではないのかと思いますし、県民の皆さんの大きな喜びにつながったと思います。希望郷いわて国体に引き続き、非常に良い形で子どもたちの頑張りが具体的な姿として表れたと思います。
盛岡大学附属高校の1回戦の高岡商業高校との戦いでは、逆転につぐ逆転と、どちらが勝つか分からない熱戦を繰り広げた中で勝利を勝ち取ったと思います。また、昨年の選抜高校野球で優勝した智弁学園に圧勝し、岩手の高校野球の力を改めて全国の皆様に示すことができたと思います。非常に感謝しています。不来方高校は、静岡高校と対戦し先制点を取りましたが、野球の伝統校に対して、少ない部員で一生懸命頑張り、持てる力を存分に発揮したと思います。2校とも素晴らしい戦いをしてくれたと思います。

記者
全国的に部活動における教員の負担が問題になっていますが、県教委として教員の負担を軽くする取組に対する御所見をお聞かせください。

教育長
先日終わった2月議会定例会の本会議、特別委員会でも部活動のあり方に対する質問が多く出されお答えしました。子どもたちの健全育成や競技力向上の観点からも、しっかり休養日を取ることや、スポーツ医・科学的見地も併せて取り入れて部活動に取り組むことは、子どもたちの能力を高めるうえで必要なこととの基本的な考えを持っています。一方で、教員の多忙化の問題もありますので、これらをいかに調和させながらどう解決していくかですが、中学校、高校とも部活動における一定のルールを守っていくことを県教委が旗振りをして、しっかりと取り組んでいくことが極めて大事です。2月に最低限守るルールを通知しましたので、今後、これの徹底を図っていきます。
また、文部科学省では来年度中に部活動に関する新たな指針を作るための検討が現在なされていますので、それを踏まえて、県教委としても県立学校と市町村教委にルールを示したいと思っています。保護者の負担になっているという声と、もっと練習に力を入れさせたいという声の両方があり、中々難しいですが、合意形成をしっかりと取りながら進めていきたいと考えています。

記者
先日道徳の教科書の検定が公表されました。全教科書でいじめに触れる内容となっていますが、これに対する受け止めと、今後の道徳に関する教員研修の方針をお聞かせください。

教育長
学校教育の目指すものは何かと考えると、子どもたちの人間形成をしっかり行うことであり、基礎的な素養について学校教育を通じて育んでいくことが極めて大事です。学力の三要素ももちろん大事ですが、社会に出た時に一人の力だけではなくお互いに協力し協働する力も大事であり、相手の気持ちを思いやること、人権を尊重することなど社会人としての基本的なマナーをしっかりと身に付けることが極めて大事なことだと思います。そういう意味では、学習指導要領が見直され、道徳が特別の教科として導入されることは、実態にあった取組だと思います。
いじめ問題は、相手の気持ちを思いやること、人権を尊重することにより、できる限りいじめをなくする環境づくりが大事だと思っています。仮にいじめ問題が出た場合はしっかりと対応していくことが本県だけでなく全国的に大きな課題となっていますので、教科書に取り入れられることは必要なことだと思います。
教科書検定もなされましたので、教委事務局、教育事務所を通じて各学校現場に指導を徹底していくことが基本となりますが、総合教育センターの研修等でも新年度からいじめ防止対策強化に一層取り組むこととしていますので、そのような機会を通じて学校や子どもたちに趣旨を徹底していきます。

記者
総合教育センターでのいじめ対策に係る研修は、どのように拡充されるのでしょうか。

教育長
総合教育センターでは、基本研修の初任者研修、5年研修や授業力向上研修などでもいじめ防止対策に係る研修を行いますし、いじめ防止対策の特別の研修も行うこととしています。具体的な研修回数等の資料は今手元にありませんので、詳しくは、担当している学校教育室に聞いてほしいと思います。

記者
先日公表された「こころと体の健康観察結果」のデータについて、県教委の分析という形で公表され、配慮された印象があります。今後、項目毎の生データを公表するお考えはあるでしょうか。

教育長
基本的に全体像を報道の皆様にできる限り提供したいと思っています。全体的な傾向を分析できたデータを公表しましたが、学校には子どもたちの指導にしっかりと生かしていくため、生のデータを伝えています。子どもたちの個人情報に係ることは出せませんが、皆さんの疑問には答えるようにしたいと思いますので、具体的に不足しているデータがあれば個別に話をしていただきたいです。

記者
全国的な話題として、登山部の部員と顧問が冬山登山で亡くなられたことがありますが、部活動における冬山登山に関して、県教委の方針をお聞かせください。

教育長
今回、栃木県の高校で起きた事故では、生徒7人、指導者1人の計8人の多くの方が亡くなり、本当に痛ましい事故が起きたと思っています。本県には登山部が15校ほどありますが、昨年、スポーツ庁から中学校、高校の部活動での冬山登山は原則行わないことを徹底する趣旨の通知が出されており、県立学校と市町村教委を通じて中学校に徹底しました。冬山の期間の捉え方は、報道でも議論があるようですが、雪崩はリスクが高いですので、山の状況を専門的見地からみて危ないところでの冬山登山は行わないことが大事だと思いますし、今後本県がどう対応するかは、今回の事故の検証を踏まえて来年以降の取組に生かしていきたいと考えております。
なお、登山協会では12月から3月までを冬山という見方をしていますが、雪崩は緩んだ時に起きやすく、岩手県では5月になっても雪が沢山積もっている山もあるので、一律に期間を捉えずに広く捉える場合があっても良いと思っています。

記者
通知は事故を受けて出したのでしょうか。それとも以前にも出しているのでしょうか。

教育長
スポーツ庁からの通知は、昨年12月にも来ていますが、今回の事故を受け一昨日も緊急通知がありました。冬山登山は原則的に行わないという通知は、昨年12月にも出しましたが、昨日、改めて県教委から県立学校と市町村教委に出しました。

記者
県立学校あての通知には県独自の見解も示しているのでしょうか。

教育長
スポーツ庁からの通知に県教委の考えも加え、冬山登山は原則的に行わないという趣旨の徹底を図る通知を出しました。通知が必要な方にはスポーツ健康課から提供させます。

教育企画室
以上をもちまして本日の記者会見を終了します。

このページに関するお問い合わせ

岩手県教育委員会事務局 教育企画室 企画担当
〒020-8570 岩手県盛岡市内丸10-1
電話番号:019-629-6106 ファクス番号:019-629-6119
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。